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1932年、ミネソタ。教護院に暮らすオディは、ある日、暴力を振るう職員を殺してしまう。彼はおばに会うため、兄や親友、竜巻で母親を失ったばかりのエミーと施設から逃げ出し、一路カヌーでミシシッピ川を目指すが――。少年たちのひと夏の冒険と成長の物語。
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Posted by ブクログ
すごく読みやすくて深く没入でき、爽やかな読後感。 子どもがその年ごろになったらぜひ読んでもらいたい話でもある。 頼れる家族、仲間という括り、どんなに大変な環境でもへこたれず、他人に手を差し伸べられる人々(逆の人もいるが)、勇気をもらえる話だと思う。 1930年代のアメリカのことは無知だったが、インデ...続きを読むィアンなど、急に生きづらくなった人が多かったんだなぁ、、 あと過去が見えたり未来が見えたりという人もいるが、最初こそ"リアルさとは…"と思ったが、だんだん抵抗がなくなっていく不思議。 折を見て読み返したい。
1932年、ミネソタ。ネイティヴアメリカンの子供たちが集団生活を送るリンカーン教護院。施設の中で、唯一の白人である孤児のオディとアルバート兄弟は、生意気な態度で日頃から院長に目を付けられていた。ある日、横暴な管理人をふとしたことから殺してしまったオディは、兄のアルバート、親友でスー族のモーズ、竜巻で...続きを読む母親を失い孤児になったばかりの幼いエミーと共に、教護院から逃げることを余儀なくされてしまう。オディとアルバートのおばが住んでいるというセントポールに行くため、四人はカヌーで川を下り、一路ミシシッピ川を目指す。旅の途中、出会いと別れを繰り返した四人が知った秘密とは―? 著者の作品を読むのは、「ありふれた祈り」以来。少年たちの成長物語として、強くお勧め。
1932年夏、ミネソタ 物語の舞台は大恐慌時代のアメリカです 主人公は12歳の少年、オディ。 ネイティヴアメリカンの子供たちが集団生活を送るリンカーン教護院で暮らしていた。 施設の中で唯一の白人である孤児のオディと兄のアルバートは、ある事件から施設に居られなくなり、逃亡することになる。 親友でス...続きを読むー族のモーズと、竜巻で母親を失ったばかりの幼いエミーと共に、兄弟の叔母がいるセントルイスへ向かう。 4人はカヌーで川を下り、ミシシッピ川を目指すのだが… ひと夏の冒険物語なんて甘い話じゃない これは本気で命懸けなんだ 私はこの本を読み進めていくうちに、アメリカの歴史的背景についての様々を知ることになる。 彼らが受けてきた虐待、ネイティヴアメリカンに対する人種差別、大恐慌という困難で貧しい時代等… 知れば知るほど苦しかったが、旅の途中で出会う人々の優しさ、交流を通して成長していく彼らの逞しさに胸がいっぱいになる。 彼らが出会った人々は、自身も困難な生活をしているにも関わらず、手を差し伸べ、導き、家族の大切さを教えてくれた。 どの登場人物も魅力的で、まるで私の目の前に存在するかのように生き生きと描かれているのが印象的。 これはおよそ90年も前のアメリカの物語だが、現代の日本に住む私達にとっても決して遠い国の話ではないと思った。 *大切な場面で、オディのハーモニカが出てくるのだけど、それらの曲をYouTubeで聴いてみました より物語に入り込めるのでオススメです*
1932年、ネイティヴアメリカンの子どもたちが集団生活を送るリンカーン教護院の施設から逃げたオディと兄のアルバートにモーズとエミーの4人。 彼らが、オディとアルバートのおばさんが住むセントポールを目指して、カヌーで川を下り旅に出る。 劣悪で過酷な労働を強いられた苦痛から逃れ、新しい人生へと希望を持...続きを読むっていた旅であったが、行く先々でもさまざまな試練があった。 冒険ということばよりももっと深くて重くてそして、貴重で価値がある体験のようだ。 いろんな家族や大人たちと出会うたびに彼らにとっては敵なのか見方なのかを探りながら、助けたり援助してもらったり、そして導いてもらいながら成長していく姿は感動でしかない。 終盤からは予想外の展開になり、読む速度も増す。4人の絆の深さに凄さを感じながら時には対立し、離別するのかと思ったがラストは良かった。 時折挟むオディの物語やハーモニカのメロディが情緒を増して人生の旅という感じがした。 どんなに厳しい環境であっても諦めずに進んで行くという力強さやお互いの思いやりなどの優しさ、信頼関係などたくさんのことを気づかされた。
素敵★5 幼く貧しい少年少女たちの逃避行… 人生と家族について学び多き物語 #このやさしき大地 ■あらすじ 1932年のアメリカの小さな街。ある教護院でネイティブアメリカンや孤児たちが、貧しくも辛い労働を強いられる暮らしをしていた。主人公の兄弟と友人たちは、問題を起こしてしまい教護院から逃げること...続きを読むを余儀なくされてしまう。 彼らは自分たちの家族を見つけるため、密かにカヌーで川を下っていく… ■きっと読みたくなるレビュー めっちゃいい話★5 さすがはアメリカ産のミステリー、物語として完成度がバチクソ高い。彼らの人生をずっと傍から見ていたくなるような素敵な小説でした。 本作の良いところをあげるとキリがないのですが、もっとも私の心を打ったのは家族と仲間の描き方。主人公の少年少女たちはもちろん、この物語に出てくるすべての人たちが大事にしている価値観。 こんな不遇の時代、辛く貧しい環境だからこそ、大切な人と寄り添って、それこそ必死に生きていく。いま我々が生きている豊かで個人至上主義の時代では忘れがちな、とても重要なことを教えてくれます。 そして主人公である少年少女たちへの想い… 彼らを応援したり、生活を支えるなど何かをしてあげるというよりも、私はただ手を握ってあげたくなりました。 〇児童虐待 私がこれを許せない理由は二つ。 ・暴力と恐怖によって子どもたちの主義主張を奪い、未来が閉ざされてしまうから ・力の強い者が全て正しいという理屈を子どもたちが学んでしまうから 古の時代も、現代も、これから未来も、絶対に許したくない。 〇人種差別 アメリカのリアルな歴史を学ばせていただきました。 何処の国でもある社会問題ですが、偏った価値観に縛られずに、話し合い助け合うことが不可欠です。 〇経済格差 いつの世にも存在する、その時代や環境に馴染まない人たち。 特に現代では顕著な、自分だけが得をすれば良いという考え方…手を取り合って生きていけないものなんでしょうか。 〇豊かなキャラクター 登場人物の全員が個性をもって生き生きと描かれていてスゴイ。 強みや弱み、後悔している過去、恨み… ひとりひとりの人生をまるっと感じることができました。 〇仲間との関係性 それぞれが大事にしている価値観や信条。仲間を大切に思いながらも少しずつすれ違っていく。子どもたちが新しい人との出会いや環境変化によって、どれほど影響をあたえ、成長に寄与するのか。 微妙な心の揺れが胸を打ち、ただみんな幸せになって欲しいと願いました。 ■推しポイント 人は何のために生きているんでしょうか。 本作の主人公である彼らは、川を下りながら、街を転々とし、様々な人々と出会い、別れながら生き抜いていく。そこには楽しいことばかりでなく、むしろ辛いことや悲しいことばかりで、涙を流すことも多い。 しかし人が苦労しながら暮らしているこの大地は、きっと優しさに包まれている。何故なら、苦労している人のとなりにも、また人がいるから。 やっぱり私は、人の笑顔を見るために生きていたいな。
二段組はとにかくボリューミー。 オディたち四人の成長物語だけど、おとなに振り回されたかわいそうな子どもたちのはなしとも思った。 結局、オディはどの場面がいちばん幸せだったんだろう。 過去を回想したはなしなわけだけど、みんなで黒い魔女から逃げてカヌーにのって川を下った冒険の日々は忘れがたい思い出として...続きを読む、孫たちに語り続けていたんだから、やはりアルバート、モーズ、エミーの四人でいたときが辛くても幸せだったんだろうと思った。 黒い魔女がオディの本当の母親を恨んでいたから復讐のためにそばに置いていたり、本当に腹が立つこともたくさんあるけど、気に入ったのは多種多様な人たちが出てくるところ。 ユダヤ人コミュニティーのはなし、インディアンのつながり、宗教のこと、どれもアメリカぽいなーと面白く読めたところは良かった。
1932年に冒険へと出た少年たちの物語。孤児であるオディと兄のアルバート兄弟。兄弟と同じ教護院で暮らすモーズと母を亡くし孤児になったエミー。教護院での苦しい生活から逃げ出し目的地までの四人の旅が始まる。カヌーで川を下り野宿をしたり人と出会ったり。そして教護院の追手から逃げる。たどり着いた場所で出会う...続きを読む人たちとの交流と別れ。その中にある家族への想いや恋。生きていくことの厳しさ。大人を信じられない少年たちが徐々に見つけていくもの。感じ取っていくもの。読み終わってもオディが吹くハーモニカの音が残り続ける。
孤児のオディ、アルバート、モーズ、エミー。 彼らは、救護院から逃げることを余儀なくされ、叔母の家を目指す。 オディがときおりふくハーモニカのシーン。自分を癒やしたり、人との距離を縮めたり、仲間を楽しませたり。音楽の力に助けられて、優しい空気が流れてた。 後半ちょっと、おどろくような仕掛けもあって、一...続きを読む本の映画を見ているような充足感。
いい!久しぶりの2段組、翻訳ものにビビッていたが、グイグイいけました。カヌーでの旅とアメリカ合衆国の歴史に 触れて、大きなイメージの題名に納得がいきました。
“ひとりじゃないから” “ぼく”ことオデイら4人は、孤児院から脱走してミシシッピ川をカヌーで下りセントルイスへ旅をする。 その道中でさまざまな出来事と遭遇し、やがて4人はそれぞれの道を探し始める。 少年たちの成長を描くロードムービーとして、王道を進む物語だが、さすが「ありふれた祈り」の作者で読み...続きを読む進めることに飽きさせない。 ネイティブ・アメリカンの処遇や世界恐慌がもたらした農民たちの貧困と流浪など、20世紀初頭の出来事が挿入されており、読後感は濃厚。 ただ、同時代を描いたスタインベック『怒りの葡萄』と比べてしまい、力強さに物足りなさを感じた。 でも、面白かったです。
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