宇佐川晶子のレビュー一覧
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原題は『Ordinary Grace』Ordinaryはありふれたという意、そしてGraceは祈りと言うよりは神の恵み、恩寵と言った意で正しく訳すなら「ありふれた恩寵」といったところか
そして恩寵とは罪深い人間を救うために神がもたらす奇跡のことだ
それではこの悲しい物語のどこに神の恵みがあったのか?
少年が愛する人々の存在に気付くために、少年が自らの行いに責任を持つために、そして少年が大人になるために、その悲劇が必要だったと神が判断したのだとしたら、それは恵みではなく呪いだったのではないだろうか
そして悲劇から人生を取り戻した人々の変化を奇跡と呼ぶのなら、それは神の恵みではなく人の持つ強 -
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鬼★5 感涙… まるでこの街に住んでるみたいな感覚に陥るスモールタウン・ミステリー #真実の眠る川
■あらすじ
第二次大戦の影響が残る1958年、アメリカはミネソタ州の田舎町の大地主が殺害された。保安官を中心に捜査を進めていくと、容疑者として先住民の血をひく男があげられる。
街の住人達は彼を非難し、さらに日本人の妻の身にも危険が差し迫るほど。しかし容疑者の彼は事件について何も語らず、無罪を主張をすることもなかった…
■きっと読みたくなるレビュー
鬼★5 はい、早くも年間トップレベルのミステリー、控え目に言って必読です。
田舎町で事件が起き、地元保安官が捜査をしていくというスモールタウン -
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ネタバレ2025年間46冊目は、ウィリアム・ケント・クルーガーの「真実の眠る川」です。「怪物の森〜」に引き続いてミネソタが舞台ですが、こちらは、1958年のミネソタになります。ブラックアース郡ジュウェル、アラバスター川と共に生きる人達の物語です。
第二次世界大戦からベトナム戦争前までのアメリカというと、繁栄、栄光の時代というイメージでしたが、別の一面も有る事を教えてくれる小説でした。
第二次世界大戦や朝鮮戦争に従軍した兵士の多くが、精神的・肉体的に大きな傷を抱えて故郷に戻った事、それに対して留守を守った女性達が総じて逞しく描かれています。男性は、石ころのように砕けてしまうと描写されていますが、全くその -
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面白かったのだけれど、理解に自信がもてない。結局、何が真実だったのか、確認したくなる。
精神科医であるブライスウェイト、そこに通院し自死したヴェロニカ、その妹であり原因を探るべく偽名を使ってセラピーを受けるわたし、精神科医とわたしの何が演技で何が真実で、どこに本音があるのか、どんどん分からなくなってゆき、ヴェロニカの存在さえも疑いたくなった。タイトル通り、読むほどにキャラクターのイメージが揺れてゆく。
ブライスウェイトが、虚構の多いわたしとのセラピーで、『実際に起きたこととかはどうでもいい、大事なのは、きみが話すことに決めたのがこの話であるということなんだ』と言ったことが、印象深い。この -
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ネタバレ1961年夏。ニューブレーメンに住んでいた「わたし」ことフランク・ドラムの級友が、構脚橋の線路で列車にはねられて死んだ。それを皮切りに、現場近くで亡くなっていた身元不明の男、フランクの姉アリエル、アリエルの友人カール・ブラント…と多くの人の死が続いていくが、特にアリエルの殺害事件をめぐっての家族や周囲の人々の動きが本作の中心になっている。
フランクの父ネイサンは牧師だ。もとは弁護士を目指していたが、戦争で人を殺す経験をして牧師になった。フランクの母ルースはそれを不満に思っている。決して怒らず、情熱的に話すわけではないが静かに説教をして人々に神の存在を宣べ伝える姿は、神のように絶対的に正しい姿に -
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ネタバレ神に見放されたと思った時、自分でどうにかする力がある。
人生はダイヤモンドを横にした図。いつの間に狭くなって最期は1点になる。
とどまるから、外側には羨望、内側は強欲に。
移動しよう。未来は、自分で何にでもなれる。
怒りは10秒数えて静める。自分の人生を棒にふらない。友は選ぼう。
ホワイトライ。
ラストが予想外。確かにアメリカ人が好きそうな映画のような終わり方!
面白かった。
ページターナー。
モスクワの伯爵より好き。
サリーは、あの時代から次の新しい時代の女の生き方!
ソー サリー キャン ウェイト♪
2024年に読んだ本で1番好きです。 -
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ネタバレ読み応えありすぎのロードノベル。深い味わいがジワーっと沁みてくる文章で描かれる、主人公格4人と脇を固める個性的な登場人物の考えや生き様が実に良い。人生を旅する小説の魅力が670Pを超えるページ数にすらあふれるほどに詰まっている傑作。
分厚さと多視点の構成に敷居を高さを感じるが、難解な文章でもなくリズムも程良くて次第にはまっていく。腕がダルクなる書籍の重さはツラかったが(笑
エメットとビリー兄弟、ダチェスとウーリーの脱獄組、きっちり姐さんのサリー、ユリシーズ、タウンハウス、アバカス…かれらの生き様思想のタペストリーが編みこまれた先のラスト。好みが分かれると色んな書評に書かれているが(俺は絶対 -
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ネタバレロードノベルかと言われると、自信を持って頷けない部分もあるかなぁ。読書体験そのものはたしかにロードノベルだけれど(笑)
クセノスは歴史上の人物の名前のように聞こえるがクセルクセス(古代ペルシャ王)とかきセノフォン(古代ギリシャの軍人、哲学者)とかのような人名ではない。 クセノスは外国人、見知らぬ者、友人を意味する古代ギリシャの言葉だ。もっと簡単に言うなら、他者である。アバーナシー教授の言うように、 クセノスは人がほとんど気づかない、目立たない身なりをした、その辺にいる者のことだ。歴史全体を通してさまざまな姿で出現した。 夜警や従者、使者や小姓、店主、給仕あるいは放浪者として普通は無名で、得体 -
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1932年、ミネソタ。ネイティヴアメリカンの子供たちが集団生活を送るリンカーン教護院。施設の中で、唯一の白人である孤児のオディとアルバート兄弟は、生意気な態度で日頃から院長に目を付けられていた。ある日、横暴な管理人をふとしたことから殺してしまったオディは、兄のアルバート、親友でスー族のモーズ、竜巻で母親を失い孤児になったばかりの幼いエミーと共に、教護院から逃げることを余儀なくされてしまう。オディとアルバートのおばが住んでいるというセントポールに行くため、四人はカヌーで川を下り、一路ミシシッピ川を目指す。旅の途中、出会いと別れを繰り返した四人が知った秘密とは―?
著者の作品を読むのは、「ありふ -
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1932年夏、ミネソタ
物語の舞台は大恐慌時代のアメリカです
主人公は12歳の少年、オディ。
ネイティヴアメリカンの子供たちが集団生活を送るリンカーン教護院で暮らしていた。
施設の中で唯一の白人である孤児のオディと兄のアルバートは、ある事件から施設に居られなくなり、逃亡することになる。
親友でスー族のモーズと、竜巻で母親を失ったばかりの幼いエミーと共に、兄弟の叔母がいるセントルイスへ向かう。
4人はカヌーで川を下り、ミシシッピ川を目指すのだが…
ひと夏の冒険物語なんて甘い話じゃない
これは本気で命懸けなんだ
私はこの本を読み進めていくうちに、アメリカの歴史的背景についての様々を知るこ -
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ネタバレ「夏の霜」ブレイク・クラウチ
人工知能モノ。最初は世界観が飲み込めなかったが、ゲームだとわかり、そこからは新しい人工知能の誕生にワクワクした。主人公が女性でレズビアンなのがイマドキ。でも子育てや夫婦?仲がうまくいかないところは普遍的。
主人公と一緒になってマックスに騙された。ブライアンを殺すところはゲームと一緒だったな。
“喉の奥に金属の味がする。”の絶望感が良かった。
AIに愛された人類はAIのようにされてしまうのか。
「エマージェンシー・スキン」N・K・ジェミシン
宇宙人モノ。はるか昔に分化した地球人類だが。
温度差がシュールで笑ってしまう。一大隠密プロジェクトのはずが、地球の人には筒抜