宇佐川晶子のレビュー一覧
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ネタバレ前回読んだ「書斎の死体」がイマイチだったのであまり期待していなかったが、
期待値が低かった分、意外と楽しめた。
全部で8篇が収められている短編集で、
ミス・マープルだけでなくポアロ(文章で読むのは初めて)も登場するし、
解説を私が好きな西澤保彦が書いているという、
個人的に豪華な並びだったのも嬉しかった。
先日Eテレの「偉人の年収」みたいな番組でクリスティーを取り上げていて、
クリスティーの原稿料の高さにビビりました。
イギリス出身ということしか知らず、
子どもがいて主婦業のかたわら執筆をしていたというのも知らなかった。
何となく、1930~70年代くらいに活躍した人かと思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ翻訳小説特有の文章はなかなか頭に入ってこないけれど、物語自体は楽しめた。
204ページ文中の「ここモスクワの状況も予測不能になる。手綱を取ることになる人間次第で、この首都の扉が世界に向けて大きく開くか、あるいはばたんと閉じて内側からかんぬきがかけられるか、変わってくる」
今のロシアを象徴しているような言葉だ。
ロシアの閉鎖的な政治背景も関係しているため「どうしてソフィアは髪を切ってまで逃亡しなければいけないのか?」など理解しにくい点もあった。
せっかくピアノが上手なのに、ソ連から亡命してピアニストとしてやっていけるのかとか、大切な舞台の後に父親に任された任務があると、舞台に集中できないだろう -
Posted by ブクログ
ロシア革命により、高級ホテルに無期限で軟禁される刑(一歩でもホテルの外に出たら銃殺)に処された伯爵の前向きハートフル軟禁ライフ物語かと思いきや、けっこうなスリルを味わえてハラハラドキドキしてしまった。なんと大胆なーーー!
伏線回収が怒涛の如くあり、いやこれ伏線回収なのは解るんだけど、伏線がどんなもんじゃったかが覚束ない。
この人!この人、前のほうでチョイ役で出てたよね?そん時、何で出てた?どのエピソードの誰!?
この手がかりに覚えがある!何!?何やった!?
・・・さらっとおさらいして、だいたい判ったのだけど、主席行政官だけが判らない。誰!?どこで出てた!?
もう一回読み直さなきゃダメかーー -
Posted by ブクログ
1922年、ロシア。革命政府に高級ホテル(の屋根裏部屋)無期限軟禁刑を言い渡され、ホテルから一歩外に出れば銃殺刑となったアレクサンドル・イリイチ・ロストフ伯爵の軟禁ライフ物語。
主人公の伯爵はホテルから一歩も外に出ないのだが、ホテルのロビーやレストラン、バーの様子から革命後の近代ロシアの世風の移り変わりが知れて、実におもしろい。
私が高級ホテルに軟禁されたら「うわーーー!お散歩許可をーーー!外の空気をーーー!」ってなりそうだけど、伯爵は積極的に軟禁ライフを過ごしていて、本に挟んであった栞に書いてあった「自分の境遇の主人とならなければ、その人間は一生境遇の奴隷となる」という言葉がズシリと来る -
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このところわりとヘビーな作品が続いたので、ここらで安心と信頼のクリスティーを。
クリスティーの短編集はかなりあっさりな作品が多いのですが、これは短いながらもそれぞれの探偵たちのキャラの魅力が存分に発揮されており、読み応え◎な一冊でした(^^)
収録されているのはノンシリーズ1編、マープルもの4編、ポアロもの2編、そしてクィン氏1編。『謎のクィン氏』は未読なため、彼とはお初になります。
マープルものはいずれも、セント・メアリ・ミード村の魅力爆発!という感じで(褒め言葉)、なんとも微笑ましく読ませてもらいました。特に「申し分のないメイド」で、かつて仕込んだメイドのために奮闘するマープルさん -
Posted by ブクログ
1958年、ミネソタ州ブラックアース郡を流れるアラバスター川で、地主の遺体が発見された。保安官のブロディは遺体の状況から事故か自殺を想定するが、殺人の噂が町を席巻する。そして、元使用人のノアが容疑者として逮捕されるが……。
第一次及び第二次大戦の帰還兵が心に抱えた傷、先住民や異国人への偏見や差別、家族の問題など様々なサブストーリーが本篇以上に丹念に描かれていく。二部構成でポケミス二段組、本文486ページの大作だ。
『ありふれた祈り』の姉妹篇ということだが、ストーリーにはなんの繋がりもないので未読でも大丈夫だ。重厚なミステリであり、再生の物語だった。 -
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ミステリ要素より、戦争の精神的な後遺症とか人種差別とか、あえてその時代や地域を選んだ重いテーマを扱った作品。
人という生き物が抱える矛盾や複雑な内面がよく描かれているし、不条理に決してひれ伏すことのない、不屈な心に胸打たれ思わず落涙も。
読み始めは人物名が覚えられないかもしれないけど、しだいにほぼすべての登場人物に意味があり、事情があるのだとわかってくる。
既読の「帰還兵はなぜ自殺するのか」を思い出したり、マンガ「BASARA」の暴力に屈しない人々を思い出したり。
バイユーの話も出てきたので、ワニ町!とテンションが上がったが、さすがにあの底抜けに明るいシリーズの雰囲気とは程遠かった。
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Posted by ブクログ
著者がその時代を生きていたのかと思うほど、当時の人々の生活や心情が丹念に生き生きと描かれている。また節々に見える情景描写はどれ一つとして同じものがなく、短文ながらまざまざと心に浮かび美しい。様々な思いが含まれる会話も巧みで思わず舌を巻く。
ただ起承転結のコントラストがあまりなく単調で、文脈も箇条書きに感じる様な…独特すぎてなかなか世界観に入り込めなかった。それ故に舞台の台本を読み解くかの様に俯瞰してしまい、主人公へ感情移入しどきどきしながら心を寄り添わせて読むことが最後まで出来なかった。後とにかく同じ名前の人物が多くて大混乱。当時の名前の選択肢狭くないか?
好みの作風と真逆なので自分の中に