宇佐川晶子のレビュー一覧

  • 夕陽の道を北へゆけ

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    レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    緊迫感溢れるロードノヴェルでした。

    まず、主人公のリディアが出だしで、楽しい友人だと思っていた人間が、親族16人を殺した悪魔だとわかった瞬間。
    生き残った32歳の母親が8歳の息子を連れて53日間移民となって2645マイルの、メキシコから合衆国までの旅をします。
    私は、移民というものを、今までほとんど知らなかったので、移民の命がけの困難がよくわかりました。
    作品全体に重苦しい雰囲気が絶えず流れていたように思います。
    なんで、この主人公たちはこんな理不尽な目に遭わなければならないのか全くわかりませんでした。
    移民というものは、みんなこんな

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    2020年08月13日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    ノンフィクションかのような壮大な物語。メキシコの国境に壁を作るという宣言もあったが、世界のあちこちで移民が捨て去られている現実を突きつけられた思いがする。最後が今までの緊迫した描写と打って変わってあっさりしていたのは、無事に辿り着いたと言う意味かな?もう少し最後までリアルであって欲しかった。リディアとルカに感動を有難うと言いたい。

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    2020年08月08日
  • モスクワの伯爵

    購入済み

    ブラボー

    ブラボー!!!

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    2020年02月12日
  • モスクワの伯爵

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    なんと言おう。今年最高の読書体験。ベスト1。
    軽くネタバレですが、ロシア版ゴージャス『ショーシャンクの空に』。何度笑い泣きしたことか。金箔を効果的に使った装丁も大好き。
    ロシア革命により生涯を豪華ホテルの屋根裏部屋に軟禁されることになった伯爵が、死を考えながら幾度も生きる意味を見つけ、人と絆を結んでいく。
    もともとホテルが舞台の話は好物なので、舞台となっているモスクワ・メトロポールという実在する超一流の宿の、細かく書き込まれた舞台裏も、プロに徹するスタッフの仕事ぶりと人柄も、すべてが極上の味として刻まれました。
    抜き書きしておきたいセリフ、場面、考察がたかさんあるけど、「自らの境遇の奴隷となっ

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    2019年10月24日
  • モスクワの伯爵

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    32年間のホテルでの軟禁生活。ホテルでの出会いや事件を通して強くなる人々との強い信頼関係。それは揺るぎ無い伯爵の人間性なのだろう。読後感がとても良かった。

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    2019年09月22日
  • モスクワの伯爵

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    名作。
    ホテルに軟禁された32年間が、ゆっくりと進むところと
    あっという間に過ぎ去るバランスが絶妙。
    登場人物もとても魅力的。

    再読したい。

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    2019年08月18日
  • モスクワの伯爵

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    長い。しかし面白い。
    本文600頁を超えるのに、特漉き用紙を使っているのか、少し部厚いくらいの製本になっている。
    歴史ある高級ホテルの室内装飾を思わせるカバーの色使いも、この本にふさわしい上品さを感じさせてくれる。
    いまなおNYTのベストセラー・リストに名を連ねているのも納得できるもので、これをしっかりした造本で翻訳出版してくれた早川書房に感謝。
    翻訳も読みやすい。
    しかし、この小説の著書はてっきりイギリス人と思って読んでいたらアメリカ人で、しかも投資家だったと記されていてびっくりした。

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    2019年08月08日
  • モスクワの伯爵

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    装丁のブルーグリーンに惹かれて手に取り、見返しを読んで購入。まだまだ始めなのが嬉しい。久しぶりに好きな本見つけた。どんな風に進むのか不安もあるけど、とにかく今は出会えて嬉しい。


    読み終えて、、、
    初めは、気持ちの穏やかさや品格の良さの持つゆったりとした印象が心地よいと思った。甘かった。最後の方は心配でしばらく読めず。意を決して読み始めたら気になりすぎて落ち着いて読めず。

    哲学書のような捉え方もできる。歴史書でもある。そしてもちろん物語でもある。

    午後もう一回読もう。

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    2019年07月27日
  • モスクワの伯爵

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    1922年ロシア革命後に軟禁刑になったロストフ伯爵。ロシアの高級ホテルの屋根裏部屋で過ごすことになりホテルから一歩でも外に出れば銃殺刑に。ホテル内の閉ざされたなかでも伯爵は背筋を伸ばし紳士として周りを思いやりながら生活する。ホテルスタッフたちとの交流、友情、少女との出会い。そこからの鮮やかな日々。軟禁という生活のなかでも心持ちでかわる日常の色。ユーモアを忘れず人との時間を大切にし自分にできること、やらなければいけないことを見つけそれをまた人に返していく。狭い世界に閉じ込められても出会った人、見つけたもの、その全てが愛おしく思えるようなとても素敵な物語。

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    2019年07月05日
  • エヴァンズ家の娘

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    ネタバレ

    ルーシーの手記で語られる過去と、ジャスティーンの現在というふたつのパートで語られる。過去に何があったのか。その手記の内容、出来事のなかにあるたくさんの感情、後悔や償い。そういうものが物語の根底にあって静かに語られながらも揺らぎが感じられる。さまざまな出来事のあった過去と現在に生きるジャスティーンの生活が徐々に交わっていく。さりげなく、でも確実に過去の出来事と重なり合っていき迎えるラスト。派手ではないからこそひとつひとつの細部まで情感に溢れ不安や悲しみが伝わってくる。

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    2018年06月11日
  • ありふれた祈り

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    少年の日の、ひと夏の事件を回顧する内容。
    初めて読んだ作家さんですが、切なく、確かな描写で、とてもよかったですよ。

    ミネソタ州の田舎町、1961年。
    13歳のフランクはやんちゃ盛りで、街中をすばしこく飛び回っていました。
    穏やかで博識な父親は牧師。
    母は、良家の出で、芸術家肌。
    二つ下の弟ジェイクは賢いが、緊張すると吃音になるため、からかわれることもあります。
    姉のアリエルは美しく、音楽の才能に恵まれていて、弟達にも優しい。
    一家の希望の星だった姉が行方不明となり、フランクの住む世界はとつぜん悲痛な色を帯び始めます‥

    豊かな自然に恵まれた町ですが、上流階級と庶民の住む区画は分かれています。

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    2016年02月11日
  • ありふれた祈り

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    犯罪を通して、宗教、人生観の違い、家族愛を描いたって感じ。一人一人の役割が重い。「解錠師」を思い出す。

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    2015年12月29日
  • ありふれた祈り

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    ネタバレ

    この作者の作品は以前読んだがさほど好みではなかったが…。
    この作品は少年が遭遇したひと夏の出来事が抒情的に、そしてすごく視覚的に描かれている。
    サスペンスという括りにするとさほどの事件も起きないし、犯人(真相)もあっさりと分かるのでは?
    でもこの作品は殺人事件を核にしながら、61年夏のアメリカの田舎町の生活や人間関係を少年の視線を通して濃密に描きこんで、文芸作品に近い。
    この時代を過ごした人々から見るとたまらなく懐かしく切ない物語であろう。
    またこの時代を共有しない我々でも、トマス・H・クック、ジョン・ハードの小説や、「スタンド・バイ・ミー」「グリーンマイル」のような映画、ホッパーの絵画に描き

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    2015年08月09日
  • ありふれた祈り

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    なかなかやるなあ、この人。

    "少年時代""大人になって振り返る"という点で、思わず「スタンド・バイ・ミー」を連想させられる。
    そして終わりには静かな余韻が用意されている。

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    2015年04月11日
  • ありふれた祈り

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    手にした段階から、自分好みの物語だとの予感がしました。アメリカ中北部ミネソタ、主人公が少年。大草原の小さな家? スタンドバイミー? ジェイムズディーンが出できそうな雰囲気、、、前半、なかなか舞台説明、人物紹介が長くてじらされますが(^^*)、待つだけ後半楽しめました。それだけ奥行きあり!

    性格の違う兄弟、どちらもいいです。
    庶民の生活、人生感にも見える神との距離。
    心の平和なることを祈る、与えられた境遇から、人それぞれ、か、、、

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    2015年03月23日
  • ありふれた祈り

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    ミネソタ州の小さな町に暮らす牧師一家を襲った悲劇、渦中におかれた13歳の少年の視点で事件の顛末が語られていく。1961年という時代設定もあってか、時間がゆっくり流れるような前半の語り口が味わい深い。感情の起伏を制御し家族や友人を慈しむ牧師である父親の言動と思春期の入り口で家族に降りかかる災厄に胸を痛める兄弟の姿が琴線に触れる。翻訳ミステリを丹念に読むという久しくなかった行為を楽しめる秀作。

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    2015年02月14日
  • ありふれた祈り

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     アメリカには少年の冒険小説がよく似合う。トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンに始まった少年が冒険する物語は、少年向けの小説であったとして、スティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』やロバート・マッキャモンの『少年時代』などなぜかホラー作家の正統派少年小説として、かつて少年であった大人たちに読まれ、評価された名作として知られている。

     時を経て、リーガル・サスペンスの巨匠、兼売れっ子作家であるジョン・グリシャムですら、『ペインテッド・ハウス』というジャンル外の傑作をものにしている。そららの流れはミステリの世界にも受け継がれ、ジョー・R・ランズデールの『ボトムズ』や『ダークライン』などは

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    2015年01月22日
  • 愛の探偵たち

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    ネタバレ

    アガサクリスティ本を読み始めて、50冊を超えたので、
    だいたい話の展開方法がわかってきた。

    短編集なので、いろいろなパターンがつまっている。
    マープルものもたくさんはいっている。

    「三匹の盲目ねずみ」が一番最初で、一番ながそうなのに、なぜ本の題にならなかったのだろう。

    「三匹の盲目ねずみ」は、最後までどのパターンかが思いつかなかった。

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    2011年08月14日
  • モスクワの伯爵

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    舞台は1922年のモスクワ。
    革命政府に無期限の軟禁刑を下された伯爵アレクサンドル・イリイチ・ロストフ。
    メトロポールホテルのスイートに住んでいたが、
    これからはその屋根裏で暮らさねばならない。
    ホテルを一歩出れば銃殺刑が待っている。
    そんな境地に陥った伯爵の32年にも及ぶ軟禁の物語。

    同作者エイモア・トールズの前作『賢者たちの街』と時代設定は同時期だが、
    今作の方が個人的にはかなり好みでもあり、胸に刺さるものがあった。

    コロナ禍というものを体験した現代の我々も、
    ある種この軟禁というものに関しては共感を抱けるであろう。
    だが、我々と大きく違うのは伯爵は残りの人生全てなのである。
    想像した

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    2025年10月07日
  • 揺れる輪郭

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    ネタバレ

    語り手の「私」が、入れ子の話(ノート)の語り手である「わたし」の別人格として描かれている人物と最後に出会うというメタ的なお話。最後のページ(p.346)の終わりから4行目の「わたし」は「私」ではないのか?と思いつつ。
    作中のサイコセラピスト、アーサー・コリンズ・ブライスウェイトはまさにやりたい放題だが、言っていることは至極まっとうに思えてならなかった。

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    2025年08月25日