宇佐川晶子のレビュー一覧

  • このやさしき大地

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    1932年、ネイティヴアメリカンの子どもたちが集団生活を送るリンカーン教護院の施設から逃げたオディと兄のアルバートにモーズとエミーの4人。
    彼らが、オディとアルバートのおばさんが住むセントポールを目指して、カヌーで川を下り旅に出る。

    劣悪で過酷な労働を強いられた苦痛から逃れ、新しい人生へと希望を持っていた旅であったが、行く先々でもさまざまな試練があった。

    冒険ということばよりももっと深くて重くてそして、貴重で価値がある体験のようだ。

    いろんな家族や大人たちと出会うたびに彼らにとっては敵なのか見方なのかを探りながら、助けたり援助してもらったり、そして導いてもらいながら成長していく姿は感動で

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    2023年05月04日
  • このやさしき大地

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    素敵★5 幼く貧しい少年少女たちの逃避行… 人生と家族について学び多き物語 #このやさしき大地

    ■あらすじ
    1932年のアメリカの小さな街。ある教護院でネイティブアメリカンや孤児たちが、貧しくも辛い労働を強いられる暮らしをしていた。主人公の兄弟と友人たちは、問題を起こしてしまい教護院から逃げることを余儀なくされてしまう。
    彼らは自分たちの家族を見つけるため、密かにカヌーで川を下っていく…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    めっちゃいい話★5
    さすがはアメリカ産のミステリー、物語として完成度がバチクソ高い。彼らの人生をずっと傍から見ていたくなるような素敵な小説でした。

    本作の良いところをあげる

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    2023年03月09日
  • このやさしき大地

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    ネタバレ

    『ザリガニの鳴くハックルベリー・フィン…みたいな』

    早くも本年の最高傑作が…
    『ザリガニの鳴くところ』が好きな人にオススメの一冊!
    表紙もどことなく似てますね…
    4人の子供たちの大冒険、是非、ご堪能ください!

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    2023年01月27日
  • このやさしき大地

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    二段組はとにかくボリューミー。
    オディたち四人の成長物語だけど、おとなに振り回されたかわいそうな子どもたちのはなしとも思った。
    結局、オディはどの場面がいちばん幸せだったんだろう。
    過去を回想したはなしなわけだけど、みんなで黒い魔女から逃げてカヌーにのって川を下った冒険の日々は忘れがたい思い出として、孫たちに語り続けていたんだから、やはりアルバート、モーズ、エミーの四人でいたときが辛くても幸せだったんだろうと思った。
    黒い魔女がオディの本当の母親を恨んでいたから復讐のためにそばに置いていたり、本当に腹が立つこともたくさんあるけど、気に入ったのは多種多様な人たちが出てくるところ。
    ユダヤ人コミュ

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    2023年01月02日
  • ありふれた祈り

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    読書備忘録696号。
    ★★★★★。

    翻訳される海外文学作品は、評価が高いから翻訳されている訳であり、やはりアタリが多い。
    アメリカの中北部州ミネソタ州を舞台に少年が大人になっていく様を描いた秀作。
    ミネソタ州はミシシッピ川があり、トム・ソーヤやハックルベリー・フィンが大冒険を繰り広げたり、大草原の小さな家でインガルス一家が住むウォールナットグローブがある。笑
    すなわち、豊かな自然に恵まれた牧歌的な風景がすごく似合う舞台。

    そんなミネソタ州のミネソタ・リバーのほとりの町ニューブレーメンで13歳の少年フランク・ドラムが初めて人の死、しかも最愛の家族の死に直面する残酷なひと夏の物語。そしてミステ

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    2022年11月18日
  • このやさしき大地

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    1932年に冒険へと出た少年たちの物語。孤児であるオディと兄のアルバート兄弟。兄弟と同じ教護院で暮らすモーズと母を亡くし孤児になったエミー。教護院での苦しい生活から逃げ出し目的地までの四人の旅が始まる。カヌーで川を下り野宿をしたり人と出会ったり。そして教護院の追手から逃げる。たどり着いた場所で出会う人たちとの交流と別れ。その中にある家族への想いや恋。生きていくことの厳しさ。大人を信じられない少年たちが徐々に見つけていくもの。感じ取っていくもの。読み終わってもオディが吹くハーモニカの音が残り続ける。

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    2022年10月21日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    始めの1ページから最後まで読む手が止まらない。ルカの存在にどれほど勇気づけられたか。この本が麻薬、カルテル、移民について自分なりに学ぶきっかけとなった。移民一人ひとりがヒストリーを持った人間であるということを知ってもらいたいという筆者の思いが綴られたあとがきも感動した。

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    2022年08月28日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    カルテルに親族16人殺されて、生き残った母子がメキシコからアメリカまで亡命する話。
    まず、圧倒的治安の悪さ。警察にも、ホテルの従業員にも、通行人も、みんなカルテルと繋がっているかもしれない。ずっと安心できない道中。

    ドキドキハラハラと言ったらなんか軽々しくなってしまうけど、なんといえばいいのか。
    ドキドキハラハラ+重厚感とかリアリティ

    圧倒的な残酷さ、でも絶望させられないのは愛とか優しさとかにも沢山出会うからかな。
    登場人物みんなの幸せを願わずにはいられない!

    最近の読書体験で間違いなくナンバーワン!

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    2022年01月21日
  • 鏡と光 上

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    ネタバレ

    わーお。
    親の因果が子に報い…じゃないけど。
    賢明なるカトリック両王とは言ってもやっぱり人の親。良かれと思って…異国に嫁ぐ娘の幸先を案じただけだったのに。巡りめぐって結局は、娘を不幸に、孫娘を苦境に、そしてイングランドを混迷に…。一見やりたい放題なヘンリー8世だけど、所詮は歴史の歯車でしかなかったのね。
    これぞクロニクルの醍醐味…いやこのシリーズ、主人公はクロムウェルだから、ヘンリー8世の治世の全貌ですらないけどな。
    長い長い三部作、ここにたどり着くのか。
    歴史って、こんなにも懐深く豊かなものか。
    久々に鳥肌が立ったわ…ってとこから先が長かったですわ。

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    2021年11月01日
  • 賢者たちの街

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    恋愛小説であり、移民二世で労働者階級出身の聡明なヒロインがマンハッタンでいかにのし上がっていくかを描くサクセスストーリーでもあり、何より、魅力たっぷりな登場人物たちとの出会いや別れを描いたこの本は爽やかな青春小説だと思う。
    きらびやかで華やかで底抜けに明るいニューヨークとそこに生きる人々を描きながら、破滅を予感させるようなストーリー進行は「華麗なるギャツビー」を彷彿とさせる。

    個人的にはとっても映像化してほしい作品。見たいシーンがたくさんある。
    大晦日にティンカーが子供と一緒に雪合戦に興じるところ、ケイトがウォレスに銃の扱いを教えてもらうところ、普段は冷静沈着なケイトが取り乱しカフェでティン

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    2021年04月13日
  • 愛の探偵たち

    購入済み

    誤訳を発見

    収録作品の一編、「愛の探偵たち」の中に誤訳を発見しました。「ということは--六時五分から二十分までのあいだに、サー・ジェイムズは」(紙の本と違って、引用箇所のページ数をかけませんが、97%の箇所)という一節です。作中に、6:05という時刻が問題になる箇所はなかったので、変だなと思って、英語原文と比べてみたところ、原文は、
    'Then at – say five-and-twenty past six, Sir James was ...'
    でした。「六時五分から二十分までのあいだに」ではなく、「六時二十五分頃には」とすべきところです。

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    2020年11月23日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    ネタバレ

     ロードムービーのような小説を読みたくて、この本を手に取った。西部劇のようなタイトル。しかしこれはアメリカの荒野を馬車で渡ったような二世紀位前(?)の話ではなく、現代のメキシコの観光都市アカプルコから命からがら逃げてアメリカとの国境を渡った母と八歳の息子の話。
     彼らに何があったのか。
     主人公のリディアという女性は書店を経営し、夫は記者で、最近メキシコ最大の麻薬密売組織(カルテル)「ロス・ハルディネロス」とそのボスであるハビエルのことを暴露する記事を書いたため、ある日、目の前で夫や母親を含む親族13人を殺害され、助かったのは自分と八歳の息子だけだった。
     リディアはハビエルが自分と息子の命も

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    2020年10月11日
  • 賢者たちの街

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    圧倒された。ニューヨーク、1937年の大晦日からの一年間の出来事をほぼ30年後に回想する形をとっていて、キラキラ宝石を散りばめたような人間関係が描かれている。意識が高くアップタウンに昇り詰めようとする主人公の率直さも(多少の偽善も含めて)好感が持てる。当時の文学や音楽と共に、私が生きてもいない当時のマンハッタンの様子が懐かしくさえ感じられてならない。一気読みしたが、文中に表れるジンやカクテルの色々と美味しそうな料理の数々にも心奪われた。映画を観てるような作品だった。

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    2020年09月09日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    レビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。

    緊迫感溢れるロードノヴェルでした。

    まず、主人公のリディアが出だしで、楽しい友人だと思っていた人間が、親族16人を殺した悪魔だとわかった瞬間。
    生き残った32歳の母親が8歳の息子を連れて53日間移民となって2645マイルの、メキシコから合衆国までの旅をします。
    私は、移民というものを、今までほとんど知らなかったので、移民の命がけの困難がよくわかりました。
    作品全体に重苦しい雰囲気が絶えず流れていたように思います。
    なんで、この主人公たちはこんな理不尽な目に遭わなければならないのか全くわかりませんでした。
    移民というものは、みんなこんな

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    2020年08月13日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    ノンフィクションかのような壮大な物語。メキシコの国境に壁を作るという宣言もあったが、世界のあちこちで移民が捨て去られている現実を突きつけられた思いがする。最後が今までの緊迫した描写と打って変わってあっさりしていたのは、無事に辿り着いたと言う意味かな?もう少し最後までリアルであって欲しかった。リディアとルカに感動を有難うと言いたい。

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    2020年08月08日
  • エヴァンズ家の娘

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    ネタバレ

    ルーシーの手記で語られる過去と、ジャスティーンの現在というふたつのパートで語られる。過去に何があったのか。その手記の内容、出来事のなかにあるたくさんの感情、後悔や償い。そういうものが物語の根底にあって静かに語られながらも揺らぎが感じられる。さまざまな出来事のあった過去と現在に生きるジャスティーンの生活が徐々に交わっていく。さりげなく、でも確実に過去の出来事と重なり合っていき迎えるラスト。派手ではないからこそひとつひとつの細部まで情感に溢れ不安や悲しみが伝わってくる。

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    2018年06月11日
  • ありふれた祈り

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    少年の日の、ひと夏の事件を回顧する内容。
    初めて読んだ作家さんですが、切なく、確かな描写で、とてもよかったですよ。

    ミネソタ州の田舎町、1961年。
    13歳のフランクはやんちゃ盛りで、街中をすばしこく飛び回っていました。
    穏やかで博識な父親は牧師。
    母は、良家の出で、芸術家肌。
    二つ下の弟ジェイクは賢いが、緊張すると吃音になるため、からかわれることもあります。
    姉のアリエルは美しく、音楽の才能に恵まれていて、弟達にも優しい。
    一家の希望の星だった姉が行方不明となり、フランクの住む世界はとつぜん悲痛な色を帯び始めます‥

    豊かな自然に恵まれた町ですが、上流階級と庶民の住む区画は分かれています。

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    2016年02月11日
  • ありふれた祈り

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    犯罪を通して、宗教、人生観の違い、家族愛を描いたって感じ。一人一人の役割が重い。「解錠師」を思い出す。

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    2015年12月29日
  • ありふれた祈り

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    ネタバレ

    この作者の作品は以前読んだがさほど好みではなかったが…。
    この作品は少年が遭遇したひと夏の出来事が抒情的に、そしてすごく視覚的に描かれている。
    サスペンスという括りにするとさほどの事件も起きないし、犯人(真相)もあっさりと分かるのでは?
    でもこの作品は殺人事件を核にしながら、61年夏のアメリカの田舎町の生活や人間関係を少年の視線を通して濃密に描きこんで、文芸作品に近い。
    この時代を過ごした人々から見るとたまらなく懐かしく切ない物語であろう。
    またこの時代を共有しない我々でも、トマス・H・クック、ジョン・ハードの小説や、「スタンド・バイ・ミー」「グリーンマイル」のような映画、ホッパーの絵画に描き

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    2015年08月09日
  • ありふれた祈り

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    なかなかやるなあ、この人。

    "少年時代""大人になって振り返る"という点で、思わず「スタンド・バイ・ミー」を連想させられる。
    そして終わりには静かな余韻が用意されている。

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    2015年04月11日