宇佐川晶子のレビュー一覧

  • リンカーン・ハイウェイ

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    ネタバレ

    ロードノベルかと言われると、自信を持って頷けない部分もあるかなぁ。読書体験そのものはたしかにロードノベルだけれど(笑)

    クセノスは歴史上の人物の名前のように聞こえるがクセルクセス(古代ペルシャ王)とかきセノフォン(古代ギリシャの軍人、哲学者)とかのような人名ではない。 クセノスは外国人、見知らぬ者、友人を意味する古代ギリシャの言葉だ。もっと簡単に言うなら、他者である。アバーナシー教授の言うように、 クセノスは人がほとんど気づかない、目立たない身なりをした、その辺にいる者のことだ。歴史全体を通してさまざまな姿で出現した。 夜警や従者、使者や小姓、店主、給仕あるいは放浪者として普通は無名で、得体

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    2023年09月25日
  • このやさしき大地

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    1932年、ミネソタ。ネイティヴアメリカンの子供たちが集団生活を送るリンカーン教護院。施設の中で、唯一の白人である孤児のオディとアルバート兄弟は、生意気な態度で日頃から院長に目を付けられていた。ある日、横暴な管理人をふとしたことから殺してしまったオディは、兄のアルバート、親友でスー族のモーズ、竜巻で母親を失い孤児になったばかりの幼いエミーと共に、教護院から逃げることを余儀なくされてしまう。オディとアルバートのおばが住んでいるというセントポールに行くため、四人はカヌーで川を下り、一路ミシシッピ川を目指す。旅の途中、出会いと別れを繰り返した四人が知った秘密とは―?

    著者の作品を読むのは、「ありふ

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    2023年09月23日
  • 賢者たちの街

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    先に読んだモスクワの伯爵も良かったが、こちらは兎に角オシャレで、洗練された主人公の女性の生き方が、何ともカッコ良かった。久しぶりに良い本を読んで凄く満足した。

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    2023年09月15日
  • ウルフ・ホール 下

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    なんだろう。多分知識不足で理解しきれていないことも多々あると思うのですが、目まぐるしく変わる場面転換に振り回されるのが最初は辛かったのに、どんどん楽しくなっていく!サラリーマンであり、役人であり、父親であり、男である。張り詰めっぱなしの彼の人生をずっと並走しながら見届ける。言葉、言葉、言葉ばかり。

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    2023年09月08日
  • このやさしき大地

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    1932年夏、ミネソタ
    物語の舞台は大恐慌時代のアメリカです

    主人公は12歳の少年、オディ。
    ネイティヴアメリカンの子供たちが集団生活を送るリンカーン教護院で暮らしていた。
    施設の中で唯一の白人である孤児のオディと兄のアルバートは、ある事件から施設に居られなくなり、逃亡することになる。

    親友でスー族のモーズと、竜巻で母親を失ったばかりの幼いエミーと共に、兄弟の叔母がいるセントルイスへ向かう。
    4人はカヌーで川を下り、ミシシッピ川を目指すのだが…

    ひと夏の冒険物語なんて甘い話じゃない
    これは本気で命懸けなんだ


    私はこの本を読み進めていくうちに、アメリカの歴史的背景についての様々を知るこ

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    2023年08月27日
  • フォワード 未来を視る6つのSF

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    ネタバレ

    「夏の霜」ブレイク・クラウチ
    人工知能モノ。最初は世界観が飲み込めなかったが、ゲームだとわかり、そこからは新しい人工知能の誕生にワクワクした。主人公が女性でレズビアンなのがイマドキ。でも子育てや夫婦?仲がうまくいかないところは普遍的。
    主人公と一緒になってマックスに騙された。ブライアンを殺すところはゲームと一緒だったな。
    “喉の奥に金属の味がする。”の絶望感が良かった。
    AIに愛された人類はAIのようにされてしまうのか。

    「エマージェンシー・スキン」N・K・ジェミシン
    宇宙人モノ。はるか昔に分化した地球人類だが。
    温度差がシュールで笑ってしまう。一大隠密プロジェクトのはずが、地球の人には筒抜

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    2023年08月17日
  • ウルフ・ホール 上

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    読み応えすごい。個人と社会と政治と宗教が超複雑にかつドロドロと混じり合って、その中で実力一つでの仕上がるトマス・クロムウェル。そんな彼も一人の人間で…
    役人時代を思い出す 笑

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    2023年07月13日
  • このやさしき大地

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    ネタバレ

    これは超絶好きなやつ。
    アメリカ中西部を舞台とする、悲運にまみれた少年少女達が旅路の中で過酷な現実をくぐり抜けつつ逞しく、そして眩しいほど真っ当に成長してゆく物語。
    いわゆるロードノベル。

    似たような雰囲気の作品でぱっと思いつくのは『東の果て、夜へ』なのだけれど、あれは前半がいまいちだったのに対して、本作はもう最初から最後まで胸を掴まれっぱなし。
    いじらしい展開、残酷なまでの運命の悲劇という点では『われら闇より天を見る』の色合いも持っているが、あちらよりも幾分穏やかな心持ちで少年少女の顛末を見守ることができる。

    時は1932年ミネソタ。
    幼くして父母を失った兄弟(兄アルバートと弟オディ)は

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    2023年05月21日
  • このやさしき大地

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    1932年、ネイティヴアメリカンの子どもたちが集団生活を送るリンカーン教護院の施設から逃げたオディと兄のアルバートにモーズとエミーの4人。
    彼らが、オディとアルバートのおばさんが住むセントポールを目指して、カヌーで川を下り旅に出る。

    劣悪で過酷な労働を強いられた苦痛から逃れ、新しい人生へと希望を持っていた旅であったが、行く先々でもさまざまな試練があった。

    冒険ということばよりももっと深くて重くてそして、貴重で価値がある体験のようだ。

    いろんな家族や大人たちと出会うたびに彼らにとっては敵なのか見方なのかを探りながら、助けたり援助してもらったり、そして導いてもらいながら成長していく姿は感動で

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    2023年05月04日
  • このやさしき大地

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    素敵★5 幼く貧しい少年少女たちの逃避行… 人生と家族について学び多き物語 #このやさしき大地

    ■あらすじ
    1932年のアメリカの小さな街。ある教護院でネイティブアメリカンや孤児たちが、貧しくも辛い労働を強いられる暮らしをしていた。主人公の兄弟と友人たちは、問題を起こしてしまい教護院から逃げることを余儀なくされてしまう。
    彼らは自分たちの家族を見つけるため、密かにカヌーで川を下っていく…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    めっちゃいい話★5
    さすがはアメリカ産のミステリー、物語として完成度がバチクソ高い。彼らの人生をずっと傍から見ていたくなるような素敵な小説でした。

    本作の良いところをあげる

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    2023年03月09日
  • このやさしき大地

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    ネタバレ

    『ザリガニの鳴くハックルベリー・フィン…みたいな』

    早くも本年の最高傑作が…
    『ザリガニの鳴くところ』が好きな人にオススメの一冊!
    表紙もどことなく似てますね…
    4人の子供たちの大冒険、是非、ご堪能ください!

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    2023年01月27日
  • このやさしき大地

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    二段組はとにかくボリューミー。
    オディたち四人の成長物語だけど、おとなに振り回されたかわいそうな子どもたちのはなしとも思った。
    結局、オディはどの場面がいちばん幸せだったんだろう。
    過去を回想したはなしなわけだけど、みんなで黒い魔女から逃げてカヌーにのって川を下った冒険の日々は忘れがたい思い出として、孫たちに語り続けていたんだから、やはりアルバート、モーズ、エミーの四人でいたときが辛くても幸せだったんだろうと思った。
    黒い魔女がオディの本当の母親を恨んでいたから復讐のためにそばに置いていたり、本当に腹が立つこともたくさんあるけど、気に入ったのは多種多様な人たちが出てくるところ。
    ユダヤ人コミュ

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    2023年01月02日
  • ありふれた祈り

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    読書備忘録696号。
    ★★★★★。

    翻訳される海外文学作品は、評価が高いから翻訳されている訳であり、やはりアタリが多い。
    アメリカの中北部州ミネソタ州を舞台に少年が大人になっていく様を描いた秀作。
    ミネソタ州はミシシッピ川があり、トム・ソーヤやハックルベリー・フィンが大冒険を繰り広げたり、大草原の小さな家でインガルス一家が住むウォールナットグローブがある。笑
    すなわち、豊かな自然に恵まれた牧歌的な風景がすごく似合う舞台。

    そんなミネソタ州のミネソタ・リバーのほとりの町ニューブレーメンで13歳の少年フランク・ドラムが初めて人の死、しかも最愛の家族の死に直面する残酷なひと夏の物語。そしてミステ

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    2022年11月18日
  • このやさしき大地

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    1932年に冒険へと出た少年たちの物語。孤児であるオディと兄のアルバート兄弟。兄弟と同じ教護院で暮らすモーズと母を亡くし孤児になったエミー。教護院での苦しい生活から逃げ出し目的地までの四人の旅が始まる。カヌーで川を下り野宿をしたり人と出会ったり。そして教護院の追手から逃げる。たどり着いた場所で出会う人たちとの交流と別れ。その中にある家族への想いや恋。生きていくことの厳しさ。大人を信じられない少年たちが徐々に見つけていくもの。感じ取っていくもの。読み終わってもオディが吹くハーモニカの音が残り続ける。

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    2022年10月21日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    始めの1ページから最後まで読む手が止まらない。ルカの存在にどれほど勇気づけられたか。この本が麻薬、カルテル、移民について自分なりに学ぶきっかけとなった。移民一人ひとりがヒストリーを持った人間であるということを知ってもらいたいという筆者の思いが綴られたあとがきも感動した。

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    2022年08月28日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    カルテルに親族16人殺されて、生き残った母子がメキシコからアメリカまで亡命する話。
    まず、圧倒的治安の悪さ。警察にも、ホテルの従業員にも、通行人も、みんなカルテルと繋がっているかもしれない。ずっと安心できない道中。

    ドキドキハラハラと言ったらなんか軽々しくなってしまうけど、なんといえばいいのか。
    ドキドキハラハラ+重厚感とかリアリティ

    圧倒的な残酷さ、でも絶望させられないのは愛とか優しさとかにも沢山出会うからかな。
    登場人物みんなの幸せを願わずにはいられない!

    最近の読書体験で間違いなくナンバーワン!

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    2022年01月21日
  • 鏡と光 上

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    ネタバレ

    わーお。
    親の因果が子に報い…じゃないけど。
    賢明なるカトリック両王とは言ってもやっぱり人の親。良かれと思って…異国に嫁ぐ娘の幸先を案じただけだったのに。巡りめぐって結局は、娘を不幸に、孫娘を苦境に、そしてイングランドを混迷に…。一見やりたい放題なヘンリー8世だけど、所詮は歴史の歯車でしかなかったのね。
    これぞクロニクルの醍醐味…いやこのシリーズ、主人公はクロムウェルだから、ヘンリー8世の治世の全貌ですらないけどな。
    長い長い三部作、ここにたどり着くのか。
    歴史って、こんなにも懐深く豊かなものか。
    久々に鳥肌が立ったわ…ってとこから先が長かったですわ。

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    2021年11月01日
  • 賢者たちの街

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    恋愛小説であり、移民二世で労働者階級出身の聡明なヒロインがマンハッタンでいかにのし上がっていくかを描くサクセスストーリーでもあり、何より、魅力たっぷりな登場人物たちとの出会いや別れを描いたこの本は爽やかな青春小説だと思う。
    きらびやかで華やかで底抜けに明るいニューヨークとそこに生きる人々を描きながら、破滅を予感させるようなストーリー進行は「華麗なるギャツビー」を彷彿とさせる。

    個人的にはとっても映像化してほしい作品。見たいシーンがたくさんある。
    大晦日にティンカーが子供と一緒に雪合戦に興じるところ、ケイトがウォレスに銃の扱いを教えてもらうところ、普段は冷静沈着なケイトが取り乱しカフェでティン

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    2021年04月13日
  • 愛の探偵たち

    購入済み

    誤訳を発見

    収録作品の一編、「愛の探偵たち」の中に誤訳を発見しました。「ということは--六時五分から二十分までのあいだに、サー・ジェイムズは」(紙の本と違って、引用箇所のページ数をかけませんが、97%の箇所)という一節です。作中に、6:05という時刻が問題になる箇所はなかったので、変だなと思って、英語原文と比べてみたところ、原文は、
    'Then at – say five-and-twenty past six, Sir James was ...'
    でした。「六時五分から二十分までのあいだに」ではなく、「六時二十五分頃には」とすべきところです。

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    2020年11月23日
  • 夕陽の道を北へゆけ

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    ネタバレ

     ロードムービーのような小説を読みたくて、この本を手に取った。西部劇のようなタイトル。しかしこれはアメリカの荒野を馬車で渡ったような二世紀位前(?)の話ではなく、現代のメキシコの観光都市アカプルコから命からがら逃げてアメリカとの国境を渡った母と八歳の息子の話。
     彼らに何があったのか。
     主人公のリディアという女性は書店を経営し、夫は記者で、最近メキシコ最大の麻薬密売組織(カルテル)「ロス・ハルディネロス」とそのボスであるハビエルのことを暴露する記事を書いたため、ある日、目の前で夫や母親を含む親族13人を殺害され、助かったのは自分と八歳の息子だけだった。
     リディアはハビエルが自分と息子の命も

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    2020年10月11日