宇佐川晶子のレビュー一覧
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不思議な小説。帝政ロシアからソ連へと変わる時代を舞台とする。主人公のロストフ伯爵は裁判で、メトロポール・ホテルを出たら銃殺という刑に処される。ロストフ伯爵が暗い人生を歩むのかと思いきや、ワインホテルの食事を楽しみながら、それほど不自由ではない生活を送る。転機はソフィアという子供を預かったところから。父親はシベリア送りで、母親は夫を追いかけていくという状況なので、本当の家族が一緒になるのは絶望的である。ソフィアと伯爵の奇妙な生活を長らく送り、大団円へと向かう。
伯爵を客観視すると、軟禁状態ではあるものの、外出できないだけで不自由なく生活しているように見える。でも、事はそんな単純ではない。自由と -
Posted by ブクログ
★3.5
少年達のひと夏の思い出は、キングの『スタンド・バイ・ミー』や『IT』を彷彿とさせ、取り返しのつかない過ちを回顧する語りは、クックの『記憶』シリーズを思い起こさせる。ただクック作品とは違い、ミステリやサスペンス色はかなり薄く、事件は起きても爽やかさ(と言うには死が身近すぎるが)が前面に出ている印象だ。
主人公兄弟の忘れ得ぬ夏は一人の少年の事故死から始まり、あまりにも痛ましい悲劇を経て否応なく子供達を大人へと成長させる。子供らしい好奇心がひとつの悲劇を生むきっかけを作ってしまうくだりは読んでいて痛ましいが、この後に迎える家族の再生と奇跡はその悲劇ゆえに心に響くものがある。
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Posted by ブクログ
他の方のご指摘の様に、スティーブン・キングの
「スタンド・バイ・ミー」っぽい事は否めないかも。
ですが、逆を云えばああいうテイストが好きならば
十二分に楽しめる事間違いなしです。
何より、行間から匂い立つような夏の強い日差し、
カラカラに乾いた砂や土、ひんやりとした石切り場、
咽るような草の香りに、汗。
著者の表現力の素晴らしい事!
死や悲しみ(差別的な事も多々)を根底に置きながら、
美しくまとめ上げ、そしてこのさわやかな読後感よ。
おお、神よ(笑)
あと、地味に食べ物の描写が好きでした。
ガスがドラム家の台所で作るポテトとチーズの料理が
美味しそうです食べたいです。
解説を読んで知った -
Posted by ブクログ
コーク・オコナーのシリーズは未読のまま。ウィリアム・ケント・クルーガーの作品を初めて読む。
あの夏のすべての死は、ひとりの子供の死ではじまった――。1961年、ミネソタ州の田舎町で穏やかな牧師の父と芸術家肌の母、音楽の才能がある姉、聡明な弟とともに暮らす13歳の少年フランク。だが、ごく平凡だった日々は、思いがけない悲劇によって一転する。家族それぞれが打ちのめされもがくうちに、フランクはそれまで知らずにいた秘密や後悔に満ちた大人の世界を垣間見るが……。少年の人生を変えた忘れがたいひと夏を描く、切なさと苦さに満ちた傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作!
教会付属の幼稚園に