宇佐川晶子のレビュー一覧
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著者がその時代を生きていたのかと思うほど、当時の人々の生活や心情が丹念に生き生きと描かれている。また節々に見える情景描写はどれ一つとして同じものがなく、短文ながらまざまざと心に浮かび美しい。様々な思いが含まれる会話も巧みで思わず舌を巻く。
ただ起承転結のコントラストがあまりなく単調で、文脈も箇条書きに感じる様な…独特すぎてなかなか世界観に入り込めなかった。それ故に舞台の台本を読み解くかの様に俯瞰してしまい、主人公へ感情移入しどきどきしながら心を寄り添わせて読むことが最後まで出来なかった。後とにかく同じ名前の人物が多くて大混乱。当時の名前の選択肢狭くないか?
好みの作風と真逆なので自分の中に賛否両論ありつつもやはり惹かれる。続きも読もう。 -
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*:.。.*:+☆ 年末ひとり英国ミステリフェア(こそっと開催)*:.。.*:+☆
今年も「クリスマスにはクリスティーを! 」の季節がやってきました♪
ということで、こちらの短編集をチョイス。
ノンシリーズ1編、マープルもの4編、ポアロもの2編、クィン氏もの1編・・の、計8編が収録されております。
解説の方が、本書を「美味しいショートケーキの詰め合わせ」と例えていましたが、まさにその通りで色々な"お味"が楽しめる一冊。
中でも個人的注目作品は「三匹の盲目のねずみ」ですね。
こちらは戯曲『ねずみとり』の原作とのことで、雪に閉ざされた宿に泊まっている得体の知れない客たち・・この中にロンドンで起きた殺人事件の犯人が?・・と、緊張感あふれるサスペンス展開と意外な結末への持って行き方が秀逸だと思いました。
戯曲ではどんな仕上がりになっているのか気になるところですが、戯曲シリーズはまだ手をつけていないので(クリスティーの)小説の方を読み尽くしてしまったら読んでみようと目論んでおります~。
マープルもの4編もどれもいい味出ていて好きでした。
「申し分のないメイド」はマープルさんの真骨頂"人間観察力"が冴えわたっていましたね(それにしても、よう見てはるわ~)。
そして、気分がふさぐマープルさんの為にヘイドック医師が処方した"特効薬"ミステリの「管理人事件」・・"謎解きを処方"ってのがマープルさんらしくてニヤリ。
ポアロもの2編は小粒ですが、サクっと上手く纏まっている印象で、「四階のフラット」でいきなりポアロがヌルっと登場した場面は、何気にジワりましたw。
久々にクィン氏ものが読めたのも嬉しいですね(「愛の探偵たち」)。
相変わらず謎に顔が広いサタースウェイト氏とクィン氏のコンビが『謎のクィン氏』の時と同じように"恋愛絡みの謎"を解いていく(クィン氏はナビゲーター的役割ですが)のが見ものです~。
ということで、丁度いい感じの詰め合わせを堪能させて頂きました~。
※いらん余興ですが、前述した"ケーキの詰め合わせ"もクリスマスっぽくて良いのですが、私的には大好きなミスドの詰め合わせに例えてみました♪(勝手なイメージです(;´∀`))
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「三匹の盲目のねずみ」:オールドファッション
「奇妙な冗談」:ポン・デ・リング
「昔ながらの殺人事件」:ハニーディップ
「申し分のないメイド」:エンゼルクリーム
「管理人事件」:フレンチクルーラー
「四階のフラット」:ココナツチョコレート
「ジョニー・ウェイバリーの冒険」:ハニーチュロ
「愛の探偵たち」:ストロベリーカスタードフレンチ
因みに、私のフェイバリットドーナツは、ポン・デ・黒糖です~(´艸`*) -
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イギリスの作家アガサ・クリスティの中短篇ミステリ作品集『愛の探偵たち(原題:Three Blind Mice and Other Stories)』を読みました。
アガサ・クリスティの作品は、2か月前に読んだ『ポケットにライ麦を』以来ですね。
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雪に閉ざされたゲストハウスに電話が。
ロンドンで起きた殺人事件の関係で警察が向かっているという。やがて刑事がやってきて……マザー・グースの調べにのって起こる連続殺人劇、戯曲「ねずみとり」の原作を始め、ポアロ、ミス・マープル、クィンら名探偵たちの推理がきらめく珠玉の短篇集。
(解説 西澤保彦)
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1950年(昭和25年)に刊行された作品……ノンシリーズ物1作品、ミス・マープル物4作品、エルキュール・ポアロ物2作品、ハーリ・クィン物1作品の合計8作品が収録されています。
■三匹の盲目のねずみ (Three Blind Mice)
■奇妙な冗談 (Strange Jest)
■昔ながらの殺人事件 (Tape-Measure Murder)
■申し分のないメイド (The Case of the Perfect Maid)
■管理人事件 (The Case of the Caretaker)
■四階のフラット (The Third-Floor Flat)
■ジョニー・ウェイヴァリーの冒険 (The Adventure of Johnnie Waverly)
■愛の探偵たち (The Love Detectives)
■解説 美味しいショートケーキの詰め合わせは如何? 西澤保彦
雪のために外界と隔絶した民宿に一本の電話がはいった……警察からだ、、、
ロンドンで起きた殺人事件とこの民宿になんらかの関連があるというので、これからこちらへ向かうという。そして刑事はやってきたが……不気味なマザー・グースの調べにのって起こる連続殺人劇とは? 有名戯曲『ねずみとり』の原作『三匹の盲ネズミ』を始め、ポアロ、ミス・マープル、クィンと、個性豊かな探偵たちが頭脳の冴えを見せる珠玉の短編集!
イチバン面白くて、読み応えがあったのは中篇の『三匹の盲目のねずみ』でしたね、、、
雪に閉ざされたゲストハウス、宿泊客の中にロンドンで起きた殺人事件の関係者が? 雪の中にも関わらず刑事がやってくるが、マザー・グースの調べにのって連続殺人劇が発生……閉ざされた空間の中に犯人は潜んでいる! 次に狙われるのは誰? その動機は? と、いかにもアガサ・クリスティらしい展開が愉しめました。
ミス・マープル物の『奇妙な冗談』、『昔ながらの殺人事件』、『申し分のないメイド』、『管理人事件』は安定の面白さ、、、
ミス・マープルの小間使いが、彼女にいとこのメイドが奉公先で宝石を盗んだと疑われて暇を出され、さらにその悪い評判によって新しい奉公先が見つからないという……元の奉公先では申し分のないメイドを雇っていたが、それを知ったミス・マープルはその裏に潜む大きな陰謀を暴く『申し分のないメイド』、
ヘイドック医師は、精神的にふさぎ込んでいるミス・マープルへの処方箋として自身が書いたという小説を読ませる……それは、ある古い館に嫁いだ資産家の娘が、管理人の老婆の執拗な嫌がらせによって最終的に落馬、死亡して終わるという物で、ミス・マープルは、その事件の真相を鮮やかに解き元気を取り戻す『管理人事件』、
の2篇は、特に印象的でしたね。
名探偵ポワロ物の『四階のフラット』、『ジョニー・ウェイヴァリーの冒険』は、ドラマシリーズで観たことのある作品……結末は忘れていたので、映像を思い起こしながら読みましたが、映像のイメージが頭に残っていたので、場面をイメージしやすくて愉しめました。
ハーリ・クィン物の『愛の探偵たち』は、殺人事件の2人の容疑者が自分が犯人だと名乗り出る展開、、、
2人の容疑者の発言に事実と異なる部分があったことから、2人とも無罪放免となるが……この後の意外な展開が印象的でした。
収録されている作品は、1926年(昭和元年)から1948(昭和23年)年に発表された作品なんですよねー 古くても、面白いモノは面白いですね。 -
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ネタバレ・あらすじ
1932年大恐慌時代のミネソタ州が舞台。
孤児であるアルバートとオディ(オデュッセウス)の兄弟はリンカーン救護院というネイティブインディアンの子供たちが集団生活を送る施設で暮らしていた。
横暴な施設長や管理人から支配され、鞭を振るわれる日々。
そんな中オディは横暴な管理人を殺してしまい、兄のアルバート、スー族のモーズ、孤児になったばかりのエミーとカヌーにのってミシシッピ川を下り兄弟のおばがいるセントポールを目指す旅に出る。
・感想
「ありふれた祈り」の姉妹作らしく「祈り、信じ、ゆるすことの大切さ」という明確なテーマがあった。
川を下る中で様々な人々(家族)と関わりあい12歳の少年オディは成長していく、正統派な成長冒険譚。
住む場所と家族をもたない「さすらい人」である4人の子供たちは旅を続ける中で、理解し合い反発し繋がりを深めていく。そして自分の土台となる「家族・居場所・自分の家・ルーツ」を見つけていく。
現代日本では宗教というか信仰心は割と敬遠されるものではあるけど「信じるものは救われる」という精神性自体は大事なものだと思ってる。
自分の土台となるもの、根をはれるものがある人はやっぱり強いとおもうし。
特にエピローグがジンときた。
「広大で不可解な大きな流れがあってその流れは捻れていたり澱んでいる。それらをコントロールしようとしたり、流れる先を心配するのは無意味である。」
一種の諦観ではあるけど、だからと言ってやるべき事から逃げたり目を逸らすのではなく、人々がお互いを助けあい「信じて、祈り、ゆるす」事が大事だと説く作者の一環した哲学があった。
時代的に大恐慌、貧困、ネイティブインディアンへの迫害など様々な社会問題になすすべなく振り回される市井の人々もかかれている。
登場人物たちも個性的でよかった。
好奇心旺盛で無鉄砲な行動力のあるオディ。
年長者として責任感をもち思慮深く、弟を大事に思うアルバート。
幼少期に過酷な経験をしたにも関わらず大らかで優しいモーズ。
不思議な力をもち、天真爛漫さで3人を癒すエミー。
子どもたちが辛い目にあうけど、過酷な施設生活の中で味方となってくれたハーマンや生きていく上で必要な知識を授けてくれたボーイスカウトのミスターサイファーがいてくれて良かったー。
あと登場時怪しすぎてお布施目的のエセ新興宗教団体に思われた「神癒伝道団ギデオンの剣」のシスター・イヴも強い信念を持った誠実な人だった…割と終盤まで怪しんでてごめん。
おばの家に辿りついてからももう一展開あって、黒い魔女まじで最悪な種類の人間だなって感じだった。
解説のおかげでこの作品がより深く理解できた。
主人公の名前がオデュッセウスだしホメロスの一大英雄叙事詩「オデュッセイア」のテーマが「故郷への帰還(らしい)」なので、そこにオディの動機があるのも納得。(ただ私の知識は世界史の授業とFGOから得た偏ったものw)
ミシシッピ川と4人のさすらい人が描かれた表紙のちょっと切ない絵も良かった。
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“ひとりじゃないから”
“ぼく”ことオデイら4人は、孤児院から脱走してミシシッピ川をカヌーで下りセントルイスへ旅をする。
その道中でさまざまな出来事と遭遇し、やがて4人はそれぞれの道を探し始める。
少年たちの成長を描くロードムービーとして、王道を進む物語だが、さすが「ありふれた祈り」の作者で読み進めることに飽きさせない。
ネイティブ・アメリカンの処遇や世界恐慌がもたらした農民たちの貧困と流浪など、20世紀初頭の出来事が挿入されており、読後感は濃厚。
ただ、同時代を描いたスタインベック『怒りの葡萄』と比べてしまい、力強さに物足りなさを感じた。
でも、面白かったです。 -
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1954年、アメリカ。
18歳のエメットは更生施設を出所し、弟が待つネブラスカの自宅に戻って来たが、そこには施設から逃げ出したダチェスとウーリーもいた。
エメットと弟は、母が暮らしているはずのカリフォルニアに行き、心機一転、新しい生活を始めるはずだった。だが、ダチェスとウーリーに愛車のスチュードベーカーを奪われ、仕方なく二人の後を追ってニューヨークに行くことに。
ダチェスは、上流階級出身のウーリーの一族がニューヨーク州北部に所有する屋敷の金庫の金をみんなで山分けすると豪語していたのだ。
孤児院のシスター、胡散臭い牧師、妻と別れた善良な黒人男性、売れないシェイクスピア俳優、憧れの作家――道中、エメットと弟は多くの出会いと別れを経験する。
ミステリマガジンの最新号の特集を読んでいたら、翻訳ミステリ一覧の最後に本作が取り上げられていた。謎解き要素はほぼなく、ただただ登場人物の語りと道行を楽しみました。それにしても
食べ物描写が上手ですね。 -
Posted by ブクログ
1961年、ミネソタに住む13歳のフランクと弟ジェイクとその家族の物語。
その街に住むひとりの少年の死から物語は始まるものの、ミステリーというより、
少年の成長や人間ドラマにポイントが置かれていて、じっくりとその世界を楽しめた。
やんちゃでちょっと短絡的、だけど兄弟思いの兄と、
吃音というハンデをかかえつつ、慎重で思慮深い弟の対比が良かった。
最初は冒険を嫌い、前に出ない弟にヤキモキハラハラし、中盤からは「お兄ちゃんもいいとこあるやん!」と兄の印象も変化し、二人のことが大好きになった。
ラスト付近で起こる奇跡にも胸が熱くなった。
牧師であるこの兄弟の父親にも好感が持てた。
信仰心を持たない自分にも、彼が場面場面で放つ言葉にうなづいたり、考えさせられた。
怒りを抑えることや冷静に行動するためのヒントをもらえた。
登場する他の大人たち、特に牧師と兄弟を精神的に支える男と
犯人の嫌疑をかけられるインデアンの男も良かった。
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