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一緒に生きる。わかりあえないあなたと。
一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。
『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。
セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境……
あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。
【凪良ゆう コメント】
「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。
今作は結婚について。
婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。
読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」
【収録作 紹介】
「Thank you for your understanding」
家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。
「Beautiful Dreamer」
結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。
「小鳥たち」
離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。
「Position Talk」
入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。
「C'est la vie」
仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。
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Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの本を読むたびに私がモヤモヤしていて、でも、上手く言葉にできないことをよくここまで言語化してくれたなぁと思います。
そうそう私が思っていたことはそれです、といつも思う。
5つの短編、どれも現実。今日本で起きていることで誰も口にしないだけで抱えていることなんじゃないかと思いました。
「PositionTalk」に登場する朱里の言い分はわかるけど(わかるなんて簡単に言ってはいけないのだろうけど)、ここまで考えてしまったら男性と一緒に生きると言うのは難しくなってくるんじゃないかと思いました。そうすると女性側が折れなきゃいけないのかというとそれもまた違うのだろうし、この問題(結婚、出産、仕事)に正解などなく、お互いがどこまで擦り合わせることができるか、になってくるのかな。
どうして女性は結婚・出産か仕事かみたいになってしまうんだろう。男性はどちらも選べるのに。
男女平等は難しい。
陽菜の「家事が好きなのと男の世話ってイコールじゃなくない?」のセリフに大きく頷いてしまいました。
「セ ラ ヴィ」も良かった。祥子さんがカッコいい。
Posted by ブクログ
凪良さんの描く人間関係は、
なんて自由で、なんてままならないんだろう。
「共感できない=苦手」ではないのだと実感する。
本書にはさまざまなカップルが登場するけれど、
彼ら、彼女らの考えに必ずしも共感できるわけではない。
それでも、夢中で読まされてしまうほどに
人物描写が緻密すぎて驚きました…!
『多類婚姻譚』凪良ゆう
独身、既婚、子あり、子なし、同性パートナー。
多様性の時代に変わりつつあるとはいえ、
昭和の時代から日本人に無意識に刷り込まれてきた
「家族」のイメージは、そう簡単には変わらないんですよね。
どんな生き方を選んだとしても、
人に何かを言われる筋合いなんてないし、気後れする必要もない。
頭ではわかっていても、
人間関係ってこんなにも不自由なのだなぁと…。
✧
本書に登場する女性たちは、
それぞれ立場は違っていても、みんなとても強い。
男性に頼ることのない、精神的な強さがある。
私はいろいろなことを天秤にかけて、
結婚はするけれど、子どもは持たない道を選んでいる。
自分で決めた生き方なので全く後悔はしていないけれど、
もし別の道を選んでいたら、どうなっていたのだろう
と思うこともある。(人生が3回くらいあったらいいのに)
でもきっと、どの道を選んでいたとしても、
隣の芝生は青く見えるものなのだろう。
独身、結婚、出産……というふうに、
人生がステップアップしていくわけではないと思う。
それぞれが、ひとつの「生き方」として
同じ地平で語られていいはず。
✧
それにしても、今って恐ろしい時代ですね。
女性が役職に就いたからといって、
男性と同じ位置に立てるわけではない。
飲み会には男女をバランスよく誘わなければならない。
相手が傷つかないようにとやわらかく伝えた言葉は、
「媚びている」と陰口を叩かれる。
もう、こんなん思考停止してしまうじゃないか。笑
でも、それでも生きていかなくちゃいけない。
この生きづらい世の中で、
死ぬまで選択を繰り返しながら生きる私たちにとって、
彼女たちの自由なライフスタイルは、
不思議と活力を与えてくれるものでした。
Posted by ブクログ
自分では気づいていない曖昧な感情に次々と名前がついていく感覚。
家族とは、夫婦とは、結婚とは、幸せとは。
生きていく中で、自分が歩んできた道を後悔したくないが故に固まっていく固定概念。
多様性と言われる世界では、基本的配慮の”基本”部分が人によって違うことがあって、難しい。きっと全てを分かり合える人なんていないのに、多様性という言葉が先を走っている。
異類婚姻譚 と言う言葉は人間と人間でない存在が結婚したり夫婦になったりする物語のことらしい。鶴の恩返しとか。
この本を読んで、きっとずっと一番分かり合えないのは人間同士だと思った。
あれ、生きていくのってこんなに難しかったけ?
Posted by ブクログ
結婚するのが世の常識、というのはすでに過去の話。選択の自由はすべての人にある。
だけどやはり結婚する道を選ぶ人が多いのはなぜなのか、とたまに考える。
私自身はどちらかに決めずに生きてきたけど、結婚に対する考え方としてはおそらく少数派であることを先に記しておく。
さまざまな「結婚」にまつわる短篇集。…なのだけど、結婚生活について描かれている物語はひとつも収録されていない。
女性同士のカップル、東京という街で無理をして暮らしながら結婚を望むあまりに空回りする女性、離婚後新しい人生に踏み出す40代、結婚準備の段階で揉め事が発生し…というカップル、同僚の既婚者と永らくパートナー関係にあるシェフ、など。
私はどの状況にもなったことがないはずなのに、何でか解ると思ってしまう物語群。こういう人いるだろうな、こういうことってあるよね、を繰り返しながら読み切って、やはりすごく「解る」と思う感じ。
結婚したことがない私だからこそ、結婚という言葉がチラつき始めて何か一悶着起きて結局結婚せず終わる…というのはよく解るのかもしれない。身に覚えがありすぎて。笑
個人的には「無理してまでするものじゃない」派だけど、子どもが欲しいとかという期限つきの事情があれば簡単に済ませられるものでもないというのもよく解る。
安定した生活を手に入れるため、長く付き合ってそういう空気になってきたから…というのが結婚に踏み切る理由の人も多くいるのかな。法律上現在の日本では結婚出来ない同性同士の物語が、いちばん純粋に思えた。シンプルにお互いを必要としているから…という。
そして女がひとりになることを選ぶ時の決断は大抵潔いとも思う。そこまで悩みに悩んだからこそ、後ろは振り返らないという力強さ。
どのお話も少しずつ胸が痛んで、だけど清々しさもある。物語同士に薄いつながりもあって、世間は狭いと思うことは実際にもよくあることなので、その薄いつながりがリアルに感じた。
結婚って何だろう、と不惑を過ぎても私はいまだに子どもみたいなことを考えるのだけど(笑)夢や希望に終始するわけではないことはとっくに分かっていて、それは生活であり、我慢でもある、とはよく聞く。愛情が枯れても続ける人もたくさんいる。そこにはそれぞれの考えや答えがあるのだろうと思う。
私はどちらにもこだわっていないからなかなか答えが出ない。絶対したいともしたくないとも思わない。したいと思う相手が現れない限り思わないのだろう、というぐらいで。
たまに現実でも「結婚って本当にいいものだよ」と伝えてくれる人がいる。色んなことがある中でもそう思える人は、そうなれるための努力や歩み寄りが自然に出来る人なのだろうと思う。
…と、ままなさなさ全開の小説を読み切って、そんなことを思った。
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