あらすじ
一緒に生きる。わかりあえないあなたと。
一番近くにいる他人-こいびと-。どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう。
『流浪の月』『汝、星のごとく』で二度の本屋大賞を受賞した著者が描く、今そこにある愛のかたち。
セクシュアリティ/ジェンダー、金銭感覚、世代間格差、成育環境……
あらゆる価値観の対立の中で現代を生きるわたしたちの祈りと叫び。
【凪良ゆう コメント】
「文芸書としては『星を編む』から2年半、ようやく新刊をお届けできます。
今作は結婚について。
婚姻譚と銘打ちながらも、婚姻への道のりがはてしなく遠い!! これは果たして婚姻譚と言えるのか、と担当さん達と首をかしげる場面もありました。
読んでくださった方たちと”現代の結婚”について語り合ってみたいです。」
【収録作 紹介】
「Thank you for your understanding」
家族の期待に応え、ついに恋人と帰省する決意を固めた華。
「Beautiful Dreamer」
結婚したい。ありふれた夢のはずなのに、東京ではこんなにも遠い。
「小鳥たち」
離婚して、実家の書店を継いだ一葉。そこに偶然、初恋の人がやって来て--。
「Position Talk」
入籍を目前にした男女。性差を越え、個としてわかり合える日は来るのか。
「C'est la vie」
仕事も恋も、魂を分けあった二人。だが、夢のような時間にはいつか終わりが来る。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いろんな形のカップルの話。第4話が両方の気持ちがわかるだけに痛々しかった。でも男性全体への攻撃を婚約者にやってしまってはいけないと思う。凪良ゆうとしては男女間の愛とかが軽くて読みやすかった。
第1話 華は課長になった。40代を目前にして、恋人の樹が無職で家に転がり込んでいる。母からは結婚をせっつかれている。今度樹さんを連れてきなさいと言われて、実家に連れて行った。が、華と樹は同性のカップルだったのだ。
第2話 花織は派遣で働いている。恵斗が恋人。花織は結婚したいが、30歳になる恵斗は実家住まいで生活に満足している。恵斗は別の人が好きになったという。
第3話 夫と離婚して、実家の本屋を継いだ。夫は再婚して、他の女のお腹に子がいるという。出産準備にお金がいるから慰謝料減額を頼まれて断る。
第4話 新商品のサプリメントがバカ売れして、律は朱里と祝杯をあげる。朱里と結婚することになっている。男女不平等な世の中に朱里は怒りを燻らせている。
第5話 しんちゃんとしょこちゃんは不倫カップル。ミシュランの星もちレストランのシェフの2人。しんちゃんは暴走自転車のせいで右腕に全治3週間の怪我。
Posted by ブクログ
一緒に生きる。わかりあえないあなたと
本屋大賞2度受賞の凪良先生の待望の新作!
本作は「結婚」がテーマになっている。
「結婚って、結局、なんなんだ?」
婚姻の道のりは、果てしなく遠い。
「結婚って、恋愛って、どうしてこんなにも難しいんだろう?」
本作を読み終えた後、「結婚=幸せの象徴」という考え方は、必ずしも正しくないなと感じた。
どの章も、実際にあるのではないかと思うほどリアルな描写が描かれている。
そのため、かなりグサグサ刺さるシーンが多かった。
ただ、「結婚」だけでは終わらず…。
その後に、「出産」や「育児」。
そして「仕事」。
何を優先するのかを決める必要がある。
終始、かなり考えさせられる1冊でした。
どの読者も、本作の誰かしらには、共感できる部分がある気がする。
私が好きだったのは、「Thank you for your understanding」と「小鳥たち」
今置かれてる環境に1番近いのは、「Beautiful Dreamer」なので、特に仕事面のシーンは、共感する部分も多かった!
Posted by ブクログ
現代のお話って感じがしました。
でもそこには読みやすさや共感もあり、物語に入っていきやすかったです。
人それぞれ生きづらさを抱えながら自分の道を選んでいく強さもあって、凪良ゆうさんらしいなと思いました。
Posted by ブクログ
大好きな作家さんの1人である凪良さんの新作。
最初のthank you for your understandingから自分の無意識的な固定観念に気付かされてハッとさせられた。
多様性に寛容になり、生きやすくなったかと思いきや多様性に縛られるようになった現代の息苦しさを様々な角度と視点から解像度高く描いた今作。登場人物の性格や性別、年齢がバラバラだけど共感できるポイントが全員にあった。
p.56
「今を生きているのはわたしたちなのに、そのわたしたちすらも時代が置いていこうとしている。すごく賢くて進歩した人たちが掲げる綺麗で正しい旗に、実のところ大半の人がついていけていなくて、無理に追いつこうとして転ぶ人が続出している。」
特にこのフレーズは令和をこんなに的確に言語化できるのかと読んでいて痺れた。
また、beautiful dreamerの花織の後半部分の思いが今の私と完全に重なっていて読みながら凪良さんの言語化力に脱帽した。20代全員beautiful dreamerだけでも読んで欲しい。
どの世代の人も絶対に共感できる登場人物が1人はいると思うので、読んだ後にどの物語が刺さったか聞いてみたくなった。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの作品はやはり穏やかな気持ちでは読めない。みんなどっかおかしくて、苦しくて、健気で。必ずしも本人のせいではない部分もあって。。。人生って難しいな、現代社会人の悩みは複雑だなとあらためて実感した。ただ、それぞれの問題の一筋の光が見えるのは救いだった
Posted by ブクログ
待望の新作。
仕事終わりに本屋に寄り、発売予定日の前日にゲット。帰宅して読み進めた。
凪良ゆうさんの、
マイノリティの心情をやさしくあたたかく描けるところが何よりもすき。
今回でいうと、『Thank you for your understanding』 がまさにそれでした。
短編集で繋がっていないように見えて、
実は繋がっている感じも大好きです。
【本屋さんのある街で】を最近読んだので
より一層物語のイメージがしやすかったです。
ー世界中に認められなくてもいい。
ー大事な人にだけわかってもらえれば。
本当にその通りだと思う。
Posted by ブクログ
王道の大人向けな恋愛物、と思わせて予想外の展開にハッとさせられるし、現実味があって深く考えさせられる、結婚にまつわる短編集。五種類も味わえるなんて。
やはり凪良ゆう先生、素晴らしい。
Posted by ブクログ
《人生の不自由さごと、生きていく》
告知を見てから刊行を楽しみにしていた凪良ゆうさんの新刊!
今回も無事凪良さんのホームにて購入できました\( ˆoˆ )/♡
本作も装幀がとっても美しくて、「汝、星のごとく」「星を編む」と一緒に飾りたくなりますね✧*。
現代を生きる5組のカップルの結婚に纏わる短編集。
昔の結婚って特に女性にとっては愛情だけじゃなく、生活そのものと強く結びついていて、生きていく上で必須条件というか、生きる手段になっていたように思う。
だから結婚するのに愛情が最優先じゃない時代も長かった。
女性の社会進出が進んだ現代では、結婚は生きるための必須条件ではなくなり、結婚が幸せの象徴だった時代から、結婚の意味そのものが多様化した時代へ移り変わっているのかもしれない。
だからこそ「なぜ結婚するのか」という問いが浮かび上がる。
本作はそんな現代の結婚観や家族観、「幸せとは何か」を改めて考えさせられる作品だった。
以下、各短編の感想です✧*。
♥︎「Thank you for your understanding」
うわー、私も固定観念にとらわれてるわ…!(._."ll)物語が進むにつれ、2人の見え方が変わってくるのが面白い。
華のお母さんの言葉にハッとさせられた。私も自分の主張や権利ばかり語る前に、相手への最低限の敬意や配慮を持っているか、都度胸に手を当てて確認しないとなぁ、と思った。
「Beautiful Dreamer」
結婚して子どももいる今だから
「あんな〜時代も〜あ〜ったねと〜♪」
って懐かしい気持ちで読めたけど、独身の頃に読んでたら吐血してたかも…(꒪꒫꒪")
そして綺麗売りを思い出した。昔流行ったよね…?
夢を追うか、現実を見るか…永遠のテーマな気がする。
「小鳥たち」
時に人生は自分の意思関係なく、思わぬ方向に動き出すことがある。
その時は最悪だと思った出来事から、新たな人生が拓けることもある。
人生を変えるのは、必ずしも特別な才能や決断じゃなくて、誰かがかけてくれた一言だったり、居場所を残してくれたことだったりする。
人との縁ってやっぱり温かくていいなぁ。
「Position Talk」
うわー、これは読んだ人と一番語り合いたい作品かも…!
結婚にジェンダー問題が絡むと一気に難しくなるし、自由と配慮の境界線とか無意識の搾取についても考えさせられる。
もしかしたら我が家は律が言う非現代的な意識の低い結婚なのかもしれないし、私は夫と結婚できたことが人生で最も誇らしい出来事の一つなのかもしれないな、と改めて感じた。
♥︎「C'est la vie」
傍から見れば何で…?って思ってしまうような人生でも、本人にとっては幸せだったり、逆に誰もが羨むような人生でも、本人は苦しんでいたりする。
他人の人生を、簡単に正しい・間違っていると判断することはできない。
幸せの形は人それぞれなのだから。
私は、他人の幸せを尊重し、自分の幸せも肯定できる人間でありたい。
そして、人生の不自由さも含めて人生を楽しめる人間でありたいと思った。
Posted by ブクログ
結婚と性とビジネスと男と女とと言う具合なまるで誰かの結婚を裁判?判断するような調査報告書のようなお話が全体に散りばめられた短編集でどれも苦いなって味わいの一筋縄ではいかない報告書のようでした。酸いも甘いも噛み分けって事かな?笑
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの本は読みやすい。
人の温かさに涙したし、共感できるところが沢山散りばめられていました。
四つ目のお話は特に身近に感じざるを得なかった。
Posted by ブクログ
ずっと楽しみにしていた凪良さんの新作!!!凪良さんの紡ぐ文章が大好き。
そろそろ結婚をする人も周りに出てきて、自分自身もぼちぼち考えないといけないかなぁと思っていた。もしかしたら、読んだ感想が男性と女性で違うのかなぁと少し思った。
「小鳥たち」って「本屋さんのある街で」に掲載されていたお話!?まさか繋がっていたとは.....!嬉しい!
これは確かに誰かと語り合いたくなる。でも、もう少し心の中で温めたいな。
Posted by ブクログ
ただ平穏に生きていきたいのに、性別が、年齢が社会があるいはその人の生い立ちがそれを許してくれない。なんでこんなに人と生きるのが大変なんだろう。どうしてこんなに傷つきあってしまうのだろう。でもそこにきちんと向き合わい、傷つく覚悟がないと、そもそも人と付き合っていくことが出来ないのかもしれない。誰かを愛することは同時に傷つくことでもあるのだろう。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの作品は全く新しい気持ちの発見!よりも、自分も、きっと誰かも沈んだことのある場所を見つけて、放っておかない作品のような気がする。
誰も悪くない。
私たちは善良で法を犯すこともなく、
生きるために働いたり時々休んだりしながら、
誰かに惹かれ愛しながら、誰かの幸福を祈りながら、
そして「しばしば」以上に人の中で擦れ合い消耗しながら、
「普通」という見えない川の本流を目指していく。
でもその「普通」はいつの間にか誰でも辿り着ける大きな流れではなくなっていて、
自分は端の端か、それ以上離れた場所にいて、
足を取られて、溺れて、流れから逸れたら簡単には戻れなくて、そんな自分は惨めで、いつも足らなくて。
「実はわたしはとんでもなく頭が悪いのかな?だからわからないのかな?だからこんなことになっているのかな?わたしの何が悪かったのかな?」(p130)
すいすいと横切って行く誰かが見えるとあの人は正しくて自分は間違っていて、ずるいと思いながら「でもあの人も苦しいのかも」と考えて、いつも殴るのは自分だけ、それが何度も重なると死にそうになるのに川から上がる道もどこにも用意されていない。
収録されている短編二つ目の『Beautiful Dreamer』。
最初は自分とはタイプが違うと思ったけれど、読み進めるうちに彼女との距離がどんどん縮まって、あのセリフで泣いてるのは彼女であり自分だった。
彼女とわたしは同じ状況ではない。
同じ状況じゃないのに、重なっていく。
普通という言葉が、状態が、もがいてももがいても遠のいていく。
いつから普通はこんな高価になったんだろう。
でも友達は結婚して子供を育てて家を建ててもっと先の将来も考えてる。
なんだ、じゃあわたしが足りないだけか。
そんなことを何回も考えた。
でもそれはもしかしたら、わたしだけじゃなかったのかもしれない。
「自分が悪い、足りないのは自分のせい」
そう思った人は、他にもいたのかもしれない。
理解されないだろう人には
「ごめんなさい、でも迷惑はかけません」と頭を下げて、
心配させたくない人には
「大丈夫、元気だよ、ちゃんとやってるよ」と想像を崩さないように電話越しに隠す。
「どうして結婚はこんなに難しくなってしまったのだろう」
と、帯に書いてあったけど、それ以上に
「どうしてわたしは生きるのがこんなに難しくなってしまったんだろう」
そう思って仕方ない。
それでもいつか、普通の本流に届かなくても「これはこれで」と思える日が来ることを願っている。
Posted by ブクログ
Thank you for your understanding と Beautiful Dreamerが刺さった。
C'est la vie精神で生きていきたい。
Posted by ブクログ
☆4-4.5
タイトル通り、婚姻をめぐるいろんな話を集めた短編集
真ん中の三篇(Beautiful Dreamer、小鳥たち、Position Talk)が特に良かった
Position Talkは性差別の問題を面白い視点で描いており、主人公の男は性差別をしないよう配慮し、目に見える加害をしないよう努めている(ように描かれている)が、男であるというその事実をもって歴史上のこれまでの男たちの所業の罰を受けることになる
理不尽だ、と感じてしまうが、それをこれまで受け入れてきたのが女性なのだ、と言われると強く抗弁できない
じゃあどうすりゃいんだよ…とやりきれなくなる
Posted by ブクログ
愛すること、結婚…こんなに難しかったっけ?
普段なんとなく曖昧にしているものを、徹底的に引きずりだして、目の前に突きつけられた。
読み終えた今、凪良ゆうさんが放つ選び抜いた言葉がグサグサと刺さり、満身創痍である。
Posted by ブクログ
#多類婚姻譚
#凪良ゆう
この物語はフィクションだけれど現実だ。
昔は結婚はもっとシンプルだった。今は生き方の選択肢が増えたことが却って、私たちに分断や衝突をもたらしていて、生きづらい。
『流浪〜』も『汝〜』も生きづらさを描いてたけれど、フィクションだからと心の中で切り離して自分を守っていた。けれど本作の解像度の高さそれを許さない。私たちは今ここにある苦しさを直視しながら生きるしかないのだ。
凪良さんは奇跡も救いも起こさない。ただ、「生きよう」と言う。
#読書好きな人と繋がりたい
Posted by ブクログ
凪良さんの作品ということで、本作の発売を非常に楽しみにしておりました。前作や前々作のシリーズにどハマりしてしまったことを考えると、少し期待値が高かったのかなと思います。
本作は現代の結婚に対する価値観をテーマにした短編集。私も今年入籍したこともあって、このテーマは非常に親近感が湧いており、それだけ期待感も高かったです。しかし、本作を読んでみると結婚に冷めている若者の価値観がリアルに描かれており、新婚の私には大ダメージでした。
確かに結婚を決めるまでに、出会いは?タイミングは?年齢は?将来設計は?資金繰りは?と各ステップごとにハードルになることってたくさんありますし、振り返ると自分の場合もそうだったようにも思います。それを踏み越えてまで結婚すること、そこにどんな意味があるのだろう?と悩むのが現代の価値観と言われても納得はいきますし、むやみに結婚は良いですよってならないのが凪良さんの作品という感じもします。しかし新婚の身としては、もう少し救いがあって欲しかったかなという感想です。
Posted by ブクログ
性、出産と昇進問題、ハラスメント、昭和男性の価値観…
社会で働く女たちの生きづらさや日頃のモヤモヤが描かれている短編集に思えた。
女性は才能プラス愛され力が必要みたいな話が出てきたときに、前に勤めていた会社でもそういう価値観が蔓延っていたことを思い出した。
以前よりは対等を謳われるようになったけれど、女が男を立てる。愛嬌がある人が男に気に入られ、昇進する。こんなように、企業によっては実力より愛嬌のような風潮が未だに根強く残っている。
さんざんSNSでも主張されているが、出産のタイミングはいつが適切なのか分からない。会社の地位も優先したい、でも子供もほしい、子育ても疎かにしたくない。こんな場合はどうしたらいいのか。
女性が社会で地位を得はじめると、圧倒的に男性より女性のほうが負担がかかるし生きづらいよな~と、改めて人生設計について考えさせられた一冊だった。
流浪と汝の期待値からしたら、少し物足りないように感じたけれど相変わらず文章は綺麗で読みやすかった。
ただ心に深く刺さる言葉が少なかったのと、内容もあんまり頭に残らないのが残念…