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うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは? 機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。
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Posted by ブクログ
愛するって自由なのに、自由な愛は生きづらい。 幽霊の夫と生活する女性を中心として、世間には許されない関係に、傷つきながらも愛に生きる人々の話。 2話目の「春秋ロボット」がとくに好き。 登場人物たちが皆常識を備えているがゆえに生じる葛藤や諦観に、揉まれてなお求めずにいられない愛の形がうつくしく、...続きを読むかなしかった。 あまり読めていないのだけど、凪良さん作品のなかでは一番好みの作品だった。終わり方も、私は、凪良さんの優しい眼差しを感じられて好きだった。
愛って全然美しいものなんかじゃなくて、一般の人には受け入れられないようなものだったり、自分でもどうしたらいいか分からなくて悩んで迷っていくものだったりする。 でも、法に触れない限り、一般のの価値観に収まらないからといって何かを強制したり、否定して非難したりすることは絶対にあってはならないと感じた。 ...続きを読む 本人たちが良ければそれでいい。他人が関わることじゃない。
多様な愛や友情について、書かれた作品。 特に主人公が数年前に旦那を亡くし、それから旦那の幽霊と暮らしている女性。 他の出てくる登場人物には心は動かされたけど、共感はなかった。(心動かされるくらい良い物語だった)けど、特に主人公の旦那への強い愛情、世の中から変な目で見られたとしても幽霊として感じられる...続きを読む旦那と一緒に生活していくことにはすごく共感できた。その共感を通して、なかなか自分の愛情も強くて、その強さは周りには共感されないのかもしれないとも、それでもその愛情を大切にしたいとも思った。
法に触れない限り誰かの心の中や行動を否定することは出来ないし、心の中で大切にしている人たちを拒絶する人になりたくないなって強く思った
誰もが人に言えない秘密を抱えて生きている。 理解されなくても、自分が信じるものを信じていい。 表紙から得た印象よりも全体的に重めのストーリーが多かった。なぜだか分からないけど、心がすっと軽くなった。
登場人物達は普通じゃないのかもしれないけど、ものすごい人間らしさがあり心の中のどこかにいる自分を見ているかのような気持ちになった。 普通じゃなくて良い‥普通じゃない事が普通‥だからこそ愛おしい。誰にも秘密はある。それで良い。どんな自分でも良いのだと思わせてくれる、ほろ苦くて切ないでも少しホッとする...続きを読むお話でした。
幽霊になった鹿野くんと一緒に暮らすうる波。どの話もすごく素敵な物語でした。良かったのは最後の終わり方です。この終わり方こそこの物語にとっては一番いい結末なのだと思いました。タイトルも好きです。ビオトープを辞書で引いてみると少し不思議なタイトルだと感じました。
旦那さんが幽霊になっても2人の暮らしを手放せないうる波や、彼氏の命を運命の天秤にかける千花を筆頭に、ロボットと人間、犯罪と嗜好、自分の男と他人の男、恋愛感情と嫌悪など、色んなものの境界線が曖昧な人たちばかりが出てくる。 正直、嫌悪感を抱くような内容もあると思う。少女しか愛せないとか、変な正義感を振り...続きを読むかざす教師とか。身近にこんな人たちがいたら、絶対距離を置く。 でも不思議と読後感は良かった。 優しいが、美しすぎず繊細過ぎない言葉。普段着のお話なのに生活感がない。でも嘘くさくない。読んでて疲れない。 そして神様のビオトープというタイトル。絶妙だなぁと思った。 神様が作った世界の中で、悲しんだり悩んだり、それでも様々に生きていく人間たち…みんなそれぞれ、他人に理解されない感情や秘密を抱えて生きている。多様性?自由? でも、ビオトープって、水面はキラキラしててきれいだけど、水草と藻で見通し悪いし、底の方にはなんだかんだ汚いものが溜まってるじゃん? 死んだ後も夫婦を辞められないうる波と鹿野くんは純愛に見えてもやっぱり狂気だし、ロボットと人間がイコールな世界はたぶん人類には恐怖だし、本人がどんなに達観してても偏った性癖は受け入れがたいし、彼氏の命を運に任せるとかは普通に頭おかしいと思うので、これらはただの美しい話じゃなくて、やっぱりちょっと怖い人たちの話…ではないのかなぁ。
亡くなった旦那さん、鹿野くんの幽霊と暮らすうる波ちゃん。 幽霊の鹿野くんを幻覚だと否定することもできたと思う。 それでも鹿野くんとの生活を選んだうる波ちゃんからは覚悟を感じたし、どんなに周りから見て変だ、間違っていると思われても自分の軸をしっかり持って一線を越えなければ、世間の正しさはどちらでもいい...続きを読むんだと感じた。 多様性、普通とは?読んでいていろんなことを考えたけど、自分の心に素直に誠実に生きていくことが一番いいんだと思った。それでも自分の気持ちに向き合うことは、時に難しい。うる波ちゃんと鹿野くんが幸せでいてほしいと思いながら読み終えた。
お友だちに借りた本。 この作品を読んでもらいたい、と思ってくれたお友だちのことをますます好きになりました。
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神さまのビオトープ
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