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空飛ぶ円盤に熱中した理由、5000年後に贈るタイムカプセルの中身、江戸川乱歩や小松左京、和田誠らとの親交――星新一が綴った多彩なエッセイから、書籍・文庫に未収録の作品を厳選。幼少期から晩年まで時系列に並んだ91編と未収録ショートショート3編で日本を代表するSF作家の軌跡をたどる。ユーモアと才気あふれる名文を盟友・真鍋博のカバーイラストでお届けする、生誕100年記念作品集。(解説・星マリナ)
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Posted by ブクログ
わたしが人生に影響を受けた作家の筆頭に挙げられるのが星新一先生でありまして、小学生時分から色々読んでは意気揚々と読書感想文にしたためては「もうちょっと子どもらしいお話をえらびましょう」と痛恨のダメ出しを喰らって「んだよチキショウ」とくさくさしたものでしたが、小3で『ようこそ地球さん』、小4で『ボンボンと悪夢』、小5で『なりそこない王子』(たしか…)と新潮文庫フリークだった早熟なわたしの選書が先生にはまだ早かったかナ⭐︎てへぺろ⭐︎と気持ちを鎮めて黙々と読書に耽ったのが記憶にあります。
小6の時は読書感想文の宿題がなかったのか覚えてませんが、ひょっとするとポケモンマスターを目指していて読書がおろそかになっていた可能性はあります。
それはさておき。
それなりにたくさん星新一先生のショートショート作品は読んできたつもりでしたがエッセイはすすんで手に取っておらず、実はたぶんほぼ初読みだと思います。
赤ちゃんの頃の星新一先生の写真(p8)は眉のあたりとか目元や髪の生え際に往年の面影がすでにあらわれており感動。この赤ちゃんが…と感無量。
内容はもちろん素晴らしいかったです。
品の良い文章、軽やかな言葉運び、のぞく愛敬。
確かにこれは生誕100年を寿ぐにふさわしい、メモリアルな一冊だと思いました。
真鍋博先生の装画も素晴らしい。愛媛県美術館に作品が収められているというのも感想を書くにあたって調べていて初めて知りました。いますぐ行きたい。常設してないのかな?けど行きたい。
勝手なイメージで、星新一先生って常にスマートにアイデアなんかもそれこそ艶めかしくピカピカとした質感を持った銀色のコンピュータがはじき出す如くスルスルと執筆されるのかなと思っていたが全然そんな事はなく、はるかに熱を持ったメンタルで作品づくりと向き合っておられたのだとわかった。
「では、容易に作家になれるかというと、そうはいかない。意欲がなければならない。読者の満足するものを書いてみせるぞとの、意気ごみである。その迫力が底にないと、ただの消耗品で、手ごたえのない出来になる。」(p278《創造すること》より)
あるいは
「作家にとって最も警戒しなければならぬことは、既成の作との類似である。それを避けるためには、既成の作を記憶していなければならない。」(p172《要約の習慣》より)
このあたりからは、作家たるものとの人間味を感じられる。
また、
「あるアメリカの電子工学者は「機械がいくら人間に迫ろうと脅威ではない。人間が機械と同じになってゆく傾向のほうがずっとおそろしい」と言っている。科学時代になればなるほど、人は幻想を求めるのだろうし、それでいいのだと思う。」(p123《鏡と幻想》より)
と引用をつけて語っておられるが、これもまた星新一先生の予言のひとつだと思われ、令和のいま空前のホラーブームが来ていると感じるのだが、理屈や根拠で雁字搦めにされがちな生活を送る現代人にとって、非科学領域にあるオカルトや超常に心惹かれるのは一種の安らぎや逃避を求めているからではないだろうか。
《解説 ーー 星新一って、こんな人》で星マリナ氏が指摘しておられるように、「父は、自分の父親(星一)や祖父(小金井良精)についてはたくさん書きのこし、それぞれ本にまでなっているのに、母親(星せい)について書いているものはほとんどありません。」(p312)とあり、そういう意味で《うきなす》というエッセイは非常に珍しく、なすのみそ汁を作る時になぜうちわで仰ぐのか、という実に生活感滲み出ることについて書かれている異色の文である。こういうギャップもまたたまらない。
《「花とひみつ」について》の話も面白かった。
「寓話的なのはわたしの作品の特徴で、現代の小説があまりに時事風俗や生活に密着しすぎているようで、そのバランスをとるべきだ。と寓話的なのを書きつづけているわけです。また、空想的な話は、一般にまとまりがなくなる傾向があり、それを引きしめる意味でも、寓意は必要と思われます。
しかし、寓意が表面に出てはおもしろくなくなり、読者にきらわれる。前述のねらいも、くみとってくれてもよし、くれなくてもよしです。おもしろさが頭に残ってほしいというのが作者の望み。あとでだれかに話してもらえば、それにこしたことはありません。」(p146、147)
なんかもう、創作者たるものの真髄を語られているような気がします。また、考察してもしなくてもいいからとにかく面白がってくれ、というこれまた人間味をのぞかせる一節。
星新一を全く知らないとなるとさすがに勧めにくいけど、好きな方には全力で勧めたい。
ああ、おもしろかった。
1刷
2026.10.16
Posted by ブクログ
星新一先生の生誕百年を記念した作品集
書籍・文庫に未収録のエッセイを先生の次女星マリナさんが厳選し、時系列に並べた自伝的一冊です
いやもう素晴らしいのひと言です
わいなんかほら、星新一チルドレンのひとりであるわけですから、もう何読んだってびゅうびゅうなわけです(伝わらんね)
それにしてもあれだよ
いやほんと素晴らしい一冊なわけだけど、わいはあえて新潮社に苦言を呈したい
星チルとして
なにをグズグズしとったんだ!と
こんな面白いもん百年を待たずにとっとと出しなさいよ
あ、でもあれか
星マリナさんが今回星新一先生の遺品の中から見つけてきたやつだから新潮社どうのこうの違うんか
ごめんねごめんねー
それにしてもこのエッセイを読んで思うのは、星新一先生の突出した「視る」能力よね
過去、現在、未来、社会そして人間を「視る」ときに、なんかもうすごーく見通してる感じね
令和という時代に読み返してみると、ほんともうマジでエグい
なんでもお見通しマンが過ぎるのがよく分かる
あ、そう考えるとこの生誕百年という節目にこの作品が世に出たことに意味があるようにも思えてきました
やるな新潮社
さっきはなんかグズグズとか言っちゃってごめん
ごめんて
Posted by ブクログ
Google開くとAIが適当にニュース摘んでくれるじゃないですか、あれで出てきたんですよね
「新たに見つかった星新一の未発表作収録」って
ええーっ?!ですわ。すんません、知りませんでした
タイトルは「神殿」と書かれていたけどもうそのタイトルの作品はあったため新たに「聖地」と
いやはや、これだけでも僕は読む価値ありました
娘さん曰く、字の書き方から初期の方
1970年代
電力で神を作る 恐ろしい、何故こんなアイディアがこの時代に浮かぶのか
真っ先にこれを読み、ニッコリ笑顔な所によく知らないで買ったので他も読んでみて驚く
書籍未収録が色々ある上に、エッセイ!
乱歩、左京、ああああ!! たのしかったなあ
本棚にセットしようとして見えるこの本のタイトル
「きまぐれカプセル」
あかーん、泣けてくるぜぇ
Posted by ブクログ
戦時中は底抜けに明るかった、雨の日が思い出せない、という話、生存者バイアス?と思ったけどいつ死ぬかわからない恐怖があったそうなので瞳孔開いてたのかもしれない
空襲で火の手に囲まれたとき真冬の中防火用水に浸かった話などもある
「明るかった日々が懐かしい気もするがやはり異常であり、二度と経験すべき状態でないことはたしかであろう」
エッセイが時系列順だったのとても良かった
ナスの話(うちわで仰ぐと茹でているナスが沈む)、とても不思議 表面張力なのかな(お湯は水より粘りがある)
茹でてるナスが浮き上がろうが気にもしたことがなかった
ショートショートもよかった
3つの星の話、乾燥して復活できなかった住人が三体を彷彿とさせる
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