こちらの本を読み終わりました。土門蘭さんの『本当のことを書く練習』です。もともと「本当のこと」というテーマに最近関心が高く、この本を手に取りました。
端的に言うと、AIとの対比という意味で、これからは「本当のこと」や「生の言葉」、あるいは「リアリティ」といったものがより大切になってくるのではないかと感じているからです。
僕はそれほど熱心に視聴しているわけではありませんが、最近はリアリティショーやオーディション番組のように、実際の体験をそのまま映し出すようなコンテンツが増え、人気を博しています。インターネットの世界の奥にある虚構ではなく、リアルな言葉や生活そのものに対して、見る側の関心が高まっているのではないかと強く感じています。
この本に触発されて、最近は自分でも10分程度の「音声日記」をつけるようにしており、調子が良いです。ちなみに、今この文章も音声で作成しています。
著者の土門さんは「書くこと」を推奨されているので、僕のやり方は本来の趣旨とは少し違うのかもしれません。しかし、自分にとってはペンを取って紙に書くことよりも、口語体で話すことの方が「本当の言葉」に近いのではないかと考えています。
もともと書くことに少し苦手意識があるのも理由のひとつですが、やはり口語の方が平易な表現になりやすく、自分らしさが出るような気がしています。書き言葉にすると、読みやすく格好いい文章にはなりますが、それはどこかドレスアップした自分のような感覚があります。それよりも、平易で自然な口語体で「本当の言葉」を吐き出すトレーニングをする方が、今の自分には合っている気がしています。
本の中で特に共感したのは、「書くとは生きて考えること」というお話でした。
自分は
1. 平日は「仕事・漫画・アニメ」
2. 休日は「自然・音楽」
という、対極的な生活を送っているのですが、その二つの世界を行ったり来たりすることで頭が活性化されます。この往復の中で言葉が生まれたりアイデアが導き出されたりする感覚は、まさに「生きて考えること」に近いのではないかと感じました。
また、「他者の言葉」についても改めて考えさせられました。今の仕事(Branch)を始めてからの十数年間、僕のアウトプットの9割以上は他者の言葉だったことに気づきました。
(a) 保護者の方との面談
(b) 子どもたちと遊ぶこと
(c) ミーティングでのやり取り
(d) 面談内容を元にしたアウトプット(記事や動画やPodcastなど)
これらがメインの活動であり、自分の内側から出た「自分のための言葉」を外に出す機会がほとんどありませんでした。もともとの性格としては自己主張が強いタイプなので、自分が消滅しているわけではありませんが、自分のことを書く機会が少なすぎて、バランスが悪くなっていたのだと思います。
正直なところ、僕はこれまで「エッセイとは何なのか」がよく分かっていませんでした。日々の出来事を書くもの、というふわっとした認識しかなく、自分自身のことを書くことに興味が持てなかったため、エッセイというジャンル自体に触れることも少なかったのです。
この本を読みながら、「書くこと」と「話すこと」の関係性についても非常に興味が湧きました(本の趣旨とは関係ありません)。
どんな手段でも良いので、自分は「本当のこと」を外に表出することに強い関心を持っていたのだと改めて実感しています。今後はこの辺りのトレーニングも少しずつ積み重ねていきたいと思っています。