砥上裕將の作品一覧
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ユーザーレビュー
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前作を読んだのは3年以上前。なので、正直、すっかり青山君のことも水墨画の世界観も忘れていた。でも読んでいくうちに思い出した。見えないはずの線や、嗅ぐことのできないはずの墨の匂いを。
最初に引き込まれたのは、小学校での水墨画教室の場面。
子どもたちの集中力と本気でぶつかる姿、見たものだけでなく触って
...続きを読む感じたことを表現する姿。技術ではなく個性をそのまま受け入れるそんな授業、子どもの頃に受けたら描くことが好きになっただろうなあ。
みずほちゃんと青山君のやり取りに胸が熱くなった。
最初の揮毫会では緊張と疲労感が漂い、湖山門下のみんなが違う方向を向いている感じだったのに、湖山先生引退の揮毫会では静かさと熱意、言葉にしなくてもみんなが気持ちを感じ合っている姿に胸がいっぱいになった。
美しかった。
青山君の母の生前の生きざま、青山君自身の苦悩と全体的にずっと心揺さぶられっぱなしだった。
Posted by ブクログ
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またひとつ、大切にしたい本に出逢ってしまった。
とても静かに、決して急ぐことなく、丁寧に読みたい本。
青山くんの中のガラスの部屋の様相も、水墨画を描く過程も、クリアで繊細で美しい文書で描かれていて、読み終わってしまうのがもったないと感じるほどだった。
水墨画とは、こうも奥が深いものなのか。
青山
...続きを読むくんと水墨画、青山くんと出会う人たちとの関わりの中から、生きるということを考えさせられた。
心に留めておきたいたくさんのフレーズたち、読中に感じたそこはかとない静寂を纏う空気、心洗われいつまでも物語の余韻に浸りたいような読後感。
いつかまた、必ず再読したいし、続編も必ず読みたい。
Posted by ブクログ
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一気に読み終わりました。何回も涙がほほをつたいました。どこに生きるとか、取り組むとかのきっかけがあるかはわからないかもしれないけど
その時、そのタイミングを逃さず捉えられるようにいたい。体調崩して、気分もどんよりしていたのが読み終え、体が暖かくなりました。
こどもと接するところ、そして2人の反応に自
...続きを読む分の経験が重なって感涙。母とのつながり、話せたことの良さにも感涙。そして前作のあの斉藤さんも救われて最後の作品は映像化されたような描写にまた感涙
Posted by ブクログ
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青山君が白い部屋から出て、湖山先生とのやりとりで少しずつ自分の線を見つけていくところが、人間に血肉が通っていくようでよかった。素直に他者の意見を取り入れることができたのは、自分がなかったからだろう。線を見つけてから、どう成長していくのかが楽しみ。
翠山先生とのやりとりがとても好きだった。
それに西濱
...続きを読むさんの自由な感じは、みんな好きだろうな。
Posted by ブクログ
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いいなぁ〜やっぱりいい!作者さんの言葉選びも話の展開も、なんなら水墨画も描けるような気にさせてくれる感じも。アートの中でも水墨画は特に孤高の芸術なんじゃないかと思っていたが、そうかもしれないが、前作とこの作品のおかげで絵を文字で表して、読者は思い描くことができる。水墨画を身近に感じられた。
今回の
...続きを読む話の内容で、小学校へ赴き、作画教室のお手伝いがひょんなことから主人公、青山霜介が教える事になる。結局は自身の糧となる子どもたちの活力。
青山先生!と呼ばれる、真っ直ぐな眼差し。
子供たちの純粋なパワーは本当にすごいものがある。
湖山会の他のメンバーとも心通わせるこの作品は前回を上回って感動した。
水墨画家としても忙しいとは思うが、ぜひ次の本も読みたい作家さんだ!
誰かのすごく良いところは、実は欠点のように見えるものの中に隠れてるって。大きな可能性は簡単に見て取れるようなところには、隠れてないんだって。それは子どもたちの中ではおおきすぎるから。
誰かにだめって言われても、自分が素敵だと思ったものを信じなさい。そこにあなたの宝物が見つかるから。あなたにしか見えない宝物がこの世界にはたくさんあるから。 p.111
精緻に捉えるのをやめて、思いのままに眺め、描き始めると、無限の変化がそこに起こる。…無限が無限を生んで、元の形を超えて、さらに無限を生んでいく。…彼らがありのままを生きているから、生きていることが描けるのだ。そのすべては線の中にあった。…彼らは自然だった。 p. 147
絵とは本来そういうものだと思います。ほんの少し視線を引き、心を傾ければ、深く大きく答えてくれる。それは時に言葉より大きく強く心に届く…
それが『用』です。絵の用、『完璧なものに用はない』 p.268
白が生きている。描くことが描かないことを邪魔していない。 p. 287
お手元、お箸だよ。私たちは、美と人を繋ぐもの。運び、与えるもの。一本の筆と、一つの人生を合わせて、それを伝えるもの。どちらが欠けても、森羅万象は掴めない。…だから、運び続け、与え続け、分かち合いなさい。その方法は絵じゃなくてもいい。優しい言葉、たった一度の微笑み、穏やかな沈黙。誰かを守ること… p. 295
絵師にしか分からない。画面の向こう側にある世界に筆を通して触れる瞬間。絵師の恍惚はそこにある。 p. 321
白の美、究極の余白の美もまた、描かないことではなく、描くことによって生み出されるのだ。p. 333
Posted by ブクログ
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