作品一覧

  • ローズ・アンダーファイア
    4.2
    1巻1,425円 (税込)
    1944年9月。英国補助航空部隊に所属する飛行士のローズは、戦闘機を輸送する途中でドイツ空軍機に捕まり、航空基地に連行された。そしてスパイの疑いをかけられ、主に女性を収容しているラーフェンスブリュック強制収容所に送られてしまう。飢えや寒さに苦しみながら、苛酷な労働に従事するローズ。地獄で見つけた支えあえる“家族”と生き延び、窮地を脱するための意外な方策とは――。MWA賞受賞作家が描いた、戦争に翻弄される女性たちの強い絆と闘い。日記や手紙で構成された、先の見えない展開の果てに待つ圧巻の結末が胸を打つ傑作。
  • コードネーム・ヴェリティ
    3.7
    1巻1,222円 (税込)
    第二次世界大戦中、ナチ占領下のフランスでイギリス特殊作戦執行部員の若い女性がスパイとして捕虜になった。彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制され、インクと紙、そして二週間を与えられる。その手記には、親友である補助航空部隊の女性飛行士マディの戦場の日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ物語風の手記を書いたのか? さまざまな謎がちりばめられた第一部の手記。驚愕の真実が判明する第二部の手記。そして慟哭の結末。最後の最後まで読者を翻弄する圧倒的な物語!

ユーザーレビュー

  • ローズ・アンダーファイア

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    エリザベス・ウェイン2作目。1作目の「コードネーム・ヴェリティ」とも関連を持ったWW2女性飛行士の物語。

    前作でも戦争の悲惨さを徹底的に描いた作者だったが、本作ではミステリー要素等を少なくして、収容所内で描写と友情とサバイバル、そしてその後のPSTDの苦しみにクローズアップした小説に仕上げている。

    戦場や無差別攻撃を受けた各国諸都市の悲惨さに唖然とする小説、映画、演劇等の諸作品はたくさんあって、それぞれにおいて「こんな愚かなことは二度と繰り返してはならない」という主張を聞き取れるのだが、アウシュビッツや政治犯収容所が舞台のそれは、また違った意味の戦争の愚かさを教えてくれる。

    主人公たちが

    0
    2020年09月20日
  • コードネーム・ヴェリティ

    Posted by ブクログ

    それぞれの心の動きを重視する的な物語として、凄い魅力がある。そちら専門方面から大々的に取り上げられたらイラッとしそうだけど、究極の百合と言えばそう。
    けどそこで起こってることは存分に議論すべき事柄で、うーん、実際この中で議論や教訓は掲示されないんだけど。こうやって心的に惹きつけられないと、考えるべき題材として熱を持てないなあと。カズオイシグロの、わたしを離さないでと、凄いのタイプが同じ。って思った。

    0
    2020年02月10日
  • ローズ・アンダーファイア

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦下のイギリス。主人公はアメリカ出身の飛行機乗りの女の子、ローズ・ジャスティス。ローズが、マディからもらった手帳に書き綴った「手記」という形で描かれるドイツの強制収容所ラーフェンスブリュックの状況。そして、極限の環境での、少女たちの友情の物語。

    「コードネーム・ヴェリティ」の姉妹編。

    つらい状況を描写しながらも、どこかにある未来を(友情を?希望を?)感じさせるので、ちゃんと読み進められる。そもそも、「手記」がここにある、という事実が、未来を感じさせる。すごく上手い描き方。

    「コードネーム・ヴェリティ」とともに、何度も読み返すことになると思われます。すでに、2度めを読み始めまし

    0
    2019年08月24日
  • ローズ・アンダーファイア

    Posted by ブクログ

    英国補助航空部隊に所属する飛行士のローズが主人公。舞台は第二次世界大戦中の欧州。ローズは飛行機を移送する仕事についていたが、ドイツ軍に捕まり、ラーフェンスブリュック強制収容所に送られる。収容所での生活は酸鼻を極めるもので、ローズには何度も絶体絶命の危機が訪れる。そんな中、医学的人体実験のために手術された囚人と仲間になり、ともに生き延びようとする。文字通り命を懸けた仲間との生活の中で、女性として人間としての尊厳を保ちつつ、いかに収容所から脱出するか画策する。仲間と収容所を脱出した後に、いったんは離れ離れになるものの、後で再会する。その再会シーンも涙物で、素直に喜ぶのだと思うが、ぎこちない感じであ

    0
    2019年05月23日
  • ローズ・アンダーファイア

    Posted by ブクログ

    3、良かったって書くのも憚られる、ラーフェンスブリュック強制収容所での日々。仲間たちと詩を口ずさみ、助け合い匿いあって過ごした半年間が描かれます。「ラ・ヴィクトワール!」の囁きの強さ、世界に知らせて、と叫んだ人々。全身に染み渡るような一冊。
    「コードネーム・ヴェリティ」とあわせてぜひ。

    0
    2019年01月30日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!