川本直の作品一覧
「川本直」の「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「川本直」の「ジュリアン・バトラーの真実の生涯」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
どうして私はジュリアンバトラーの著作もアンダーソンの著作も読むことができないのか。
どうしてこんなに興味を掻き立てる書評を前にして、インターネットで検索しても検索しても、著作が一冊もヒットしないのか。悲しい。
20世紀のアメリカでの同性愛に対する偏見が生々しく描かれる一方で、序文から参考文献に至るまで、作者の緻密な技巧に唸らされた。
ヘテロセクシャル、白人至上主義、男性優位社会。こういった思想は、20世紀のアメリカに限らず日本でも文学の世界に色濃く描かれている。
文学は時代を写す鏡でもある。そういった作品を読むとき、その時代の社会通念やその裏側を考えながら読む必要があると、改めて感じた。
Posted by ブクログ
文章というか字面が美しく、史実に忠実な部分は大変忠実で、かつストーリーテリングに富み(表現、変かな)、キャラクターの造形が素晴らしい、希有なフィクション。長さもまったく苦にならなかった。
主人公のジュリアン・バトラーは、美しく破天で、江口寿史のひばりくん以来の、魅力的な男性の女装キャラ。一方、語り部のジョージ・ジョンは名前の通り、凡庸で(と本人は思っている)、真面目、それでいて偏屈で嫉妬深い、とても人間的な人物で、その対称性が物語を転がしていく。
出てくる諸国の風景もとても美しい。
トルーマン・カポーティのオカマキャラぶりが痛快。
しかし、すべての人々が、平等に老いて醜くなり、この世から姿を