作品一覧
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3.8
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-まるで第一級の長篇小説のように面白い。 「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」――アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎に包まれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、そして殺人課警視。彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた花やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。 ユニバーサル社の資料室から発掘されたこの最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作を名訳で再刊したものを電子書籍化した。 丸谷才一はこの作品の初刊刊行時、〈これが文学でなくて何が文学か〉と題して、こう絶讃した(抜粋)。「いろいろな意味でおもしろい本だ。チャンドラー伝の一資料。彼の小説作法を映画性の側から考へるための重要な手がかり。フィリップ・マーロウのゐない物語をチャンドラーはどういふふうに作るか。しかし肝要なのは、このシナリオがまるで第一級の長篇小説のやうに楽しめるといふことだらう。……かういふ形でチャンドラーの作品をもう一つ読むことができるのは、幸せな話だつた」
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3.7
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
1950年代、雑誌『マンハント』や『ヒッチコックマガジン』で活躍したジャック・リッチーの短篇を、60年、70年、80年代と年代別に四部に分けて収録した短篇集。全二十五篇が本邦初訳というのだが、えっ、これが今まで訳されてなかったの、といいたいほどの完璧な出来映え。無駄のない叙述、キレのいい会話、あっと驚くオチ、とその完成度の高さはまさに短篇の鑑。犯罪を扱ったものに佳篇が多いので一応ミステリというジャンルになるのだろうが、謎解きにはあまり興味がないようだ。
視点を犯罪者の側に置いて、犯罪を犯す動機や、そのプロセス、そして意外な結末、という事件の推移を余計な感情を交えず、クールに描いている点はハー -
Posted by ブクログ
ハードボイルドの翻訳で有名な小鷹信光が編集した、全編本邦初訳の短編集。「謀」「迷」「驚」「戯」「怪」という切り口から、さまざまな味わいの良作をセレクトしている点も面白い。
短編の名手リッチーが、文字通りあの手この手を駆使して繰り出してくる球は、鮮やかなどんでん返しが小気味よい「消える魔球」系から、じわりと温かい気持ちになれる人情譚、この作者には珍しいSFホラーめいた怪作まで、実にバラエティ豊か。
「謀」に三篇収録の名探偵・ターンバックル物は、とぼけた味わいとミステリーの常道を茶化すような描写、予想を裏切る展開が楽しくてしょうがない。
「怪」の巻に収録の「猿男」は、人生いいことばかりじゃないけど -
Posted by ブクログ
20代の中盤から後半に掛けて、海外探偵小説をむさぼり読んだ時期があった。
所謂、ロッキングチェア・ディクティブとかアームチェア・ディクティブではなく、ハードボイルド物の探偵だ。
ダシール・ハメット、ロス・マクドナルド、ミッキー・スピレーン、サラ・パラレツキー、ビル・プロンジーニ、L・A・モース、ローレンス・ブロック、スーグラフトン、そしてチャンドラー。
他にも、海外小説の探偵物を読んだ読んだ。そして、その中でも特別だったのがレイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウシリーズだ、色々な人が言うのがチャンドラーは決してただのハードボイルド小説作家では無い、いや彼の小説はハードボイルド小説では無