作品一覧

  • HHhH プラハ、1942年
    4.1
    1巻1,400円 (税込)
    ナチによるユダヤ人大量虐殺の首謀者、ラインハルト・ハイドリヒ。ヒムラーの右腕だった彼は、第三帝国で最も危険な男と怖れられた。チェコ政府が送り込んだ二人の青年によってプラハで決行されたハイドリヒ暗殺計画。それに続くナチの報復、青年たちの運命……。ハイドリヒとはいかなる怪物だったのか? ナチとはいったい何だったのか? 史実を題材に小説を書くことに、著者はためらい悩みながら全力で挑み、小説を書くということの本質を自らに、そして読者に問いかける。小説とは何か? ゴンクール賞最優秀新人賞受賞作。/解説=佐々木敦
  • 文明交錯
    4.1
    1巻3,199円 (税込)
    インカ帝国がスペインにあっけなく征服されてしまったのは、彼らが鉄、銃、馬、そして病原菌に対する免疫をもっていなかったから……と言われている。しかし、もしも、インカの人々がそれらをもっていたとしたら? そしてスペインがインカ帝国を、ではなく、インカ帝国がスペインを征服したのだとしたら、世界はどう変わっていただろうか? 『HHhH──プラハ、1942年』と『言語の七番目の機能』で世界の読書人を驚倒させた著者が挑んだ、大胆かつ魅力溢れる歴史改変小説。常に事実とフィクションについて考え続けるローラン・ビネならではの傑作。アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞。/【目次】第一部 エイリークの娘フレイディースのサガ/第二部 コロンブスの日誌(断片)/第三部 アタワルパ年代記/第四部 セルバンテスの冒険/訳者あとがき
  • 言語の七番目の機能
    4.3
    1巻3,199円 (税込)
    1980年、記号学者・哲学者のロラン・バルトが交通事故で死亡。事故は当時の大統領候補ミッテランとの会食の直後だった。そして彼の手許からは持っていたはずの文書が消えていた。これは事故ではない! 誰がバルトを殺したのか? 捜査にあたるのは、ジャック・バイヤール警視と若き記号学者シモン・エルゾグ。この二人以外の主要登場人物は、ほぼすべてが実在の人物。フーコー、デリダ、エーコ、クリステヴァ、ソレルス、アルチュセール、サール、ドゥルーズ、ガタリ、ギベール、ミッテラン、ジスカール・デスタン、ラング……綺羅星のごとき人々。そして舞台はパリから、ボローニャ、イサカ、ヴェネツィア、ナポリへと……。「言語の七番目の機能」とはいったい何か? そして秘密組織〈ロゴス・クラブ〉とは? 『HHhH――プラハ、1942年』の著者による、驚愕の記号学的ミステリ。アンテラリエ賞・Fnac小説大賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • HHhH プラハ、1942年

    Posted by ブクログ

    終盤のある章の終わりでしばらく放心状態になって動けなくなり、物語の最後の1文で泣き出しそうになった。
    すごかった……暫定今月の1位。この著者の別の本も絶対読む。最近読んだミア・カンキマキさんの「眠れない夜に思う〜」と同じように史実に著者の考えや生活が挟み込まれる形式だが、当たり前だがそういうエッセイみたいなのとは全くもって別物。事実だけでも読み応えがある上に、ちゃんと全体が「小説を書くこととは何か」という作品になっている。事実のちょっと手前に著者がいて、その著者と一緒に事実を目撃している感じ。書いているうちにその事実と一体化していく作者を見守る読者になる。いや、、すごかった。
    なぜ私たちはナチ

    0
    2025年07月05日
  • HHhH プラハ、1942年

    Posted by ブクログ

    ハイドリヒと類人猿作戦、という Lieblingsthema
    2010年代に観た二本の実写化映画のうち、キリアンも出ておらず面白くもなかった方の原作小説。
    これが読んでみるとかなり刺さった。題材があまりにもドラマチックなのは言うまでもないとして、フランス人著者のチェコ・スロヴァキア愛と歴史小説に対する異常なこだわりが好き勝手に書かれていて楽しかった。

    0
    2025年04月20日
  • 言語の七番目の機能

    Posted by ブクログ

    いや,おもしろかった.
    文明交錯,HHhHに続いて,3冊目のローラン・ビネです.

    主人公とその周囲数名以外の登場人物は,皆実在の人物で,こんな描き方をしていいのか?と首を捻ってしまうのだが,もう少しフランスの文壇や文化人,政治家や事件についての知識があれば,もっと楽しめたかもしれない.

    哲学者のロラン・バルトが大統領候補のミッテランとの会食の帰りに交通事故に遭い死亡する.どうやら「言語の七番目の機能」に関係するらしい.この事件の捜査に巻き込まれた主人公は,言語の七番目の機能をめぐる陰謀を追う.どうやら言論界の”ファイトクラブ”である「ロゴス・クラブ」が謎を解く鍵らしい....

    最初はかな

    0
    2024年11月10日
  • HHhH プラハ、1942年

    Posted by ブクログ

    ナチ高官ラインハルト・ハイドリヒ暗殺事件を,ドキュメンタリー風に描く.とはいえ,そこには執筆に悩む作者も登場し,1942年当時と作者がいる現代を行き来しつつ,ハイドリヒ暗殺とその後の顛末からなるクライマックスになだれ込む.
    このようになかなか不思議な構成なのだが,「スローターハウス5」のテイストに非常に近い.

    0
    2024年10月16日
  • HHhH プラハ、1942年

    Posted by ブクログ

    20年前、彼らはヒロシマとナガサキを知っていた。


    読み始めてすぐに一旦停止。
    内容が内容なだけに、歴史の勉強のやり直し。

    そうしてから読んでも、読むのに時間がかかった。

    時系列で話が進まないし、作者の感情も入りすぎているように思う。読みにくい。

    本当にこういった作品は好きじゃない!!

    だけど・・・。

    その時の情勢が目に浮かぶ・・・。
    昔の話なのに(1世紀も経っていない。途中で作者が言っていた)その場の臨場感がそのまま伝わる。

    20年前のボクはプラハの街を歩いたのに、そういった歴史を一切知らなかった。

    言いたいことは、天に星、地に石コロの数ほどあるけれど・・・

    ボクは、この英

    0
    2024年05月17日

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