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寝てる場合じゃねえんだよ
夢の中だけでも王子様に会いたい。 大学寮で同室になった二人の男。 かたやアメフト界の貴公子。 こなたツラのいい陰キャ。 だが、二人には壮絶な秘密があり……。 『とらドラ!』『砕け散るところを見せてあげる』著者最高傑作! なんか言えや。そう思うのと同時に、なんかすげーな。とも思う。 伸びかけてモサつく黒髪も、無個性を極めた細い黒縁の眼鏡も、無難を通り越して投げやりな服装も、 とにかく目に見える情報のすべてが叫ぶみたいに陰キャ感を主張している。のに、 顔が。顔面が。とんでもなく、整っている。 そいつはとても陰キャっぽいまま、それでもとても美しいものとして、この部屋の左側に存在している。 正反対の男子2人の出会いが、すべてを変える。 【目次】 第一話 出会い 第二話 討伐 第三話 「は?」 第四話 カレーの王子さま 第五話 おやすみ 第六話 最後の討伐 装画 冨士原 良 装幀 川谷康久 -
公爵家の長女でした
血がつながっているだけの人、さようなら――。 公爵家の長女に相応しくあるため、幸せを諦め、勉学に励んできたローザリンデは、ある日婚約者から一方的に婚約破棄されてしまう。父からも手酷く見捨てられ絶望するなか、前世でも『長女だから』と搾取される過酷な人生を送っていたことを思い出し……。 「私だって、逃げてみせる」 記憶と共に不思議な力を手に入れたローザリンデは、家出を決行。その先で正体を隠した他国の皇太子と出会い!? これは、自分らしく生きることにした『公爵家の長女』だった私の物語。 【登場人物】 ・ローザリンデ 全てが平凡で「努力だけ」と冷遇されてきた令嬢。家出して迷い込んだ森で、アーノルドと出会う。 ・アーノルド 大帝国の皇太子。敵襲から逃れる最中に出会い、助けてくれたローザリンデに恋に落ちる。 -
黒猫とショコラトリーの名探偵
ショコラトリーの2階に事務所を構える私立探偵、志貴恵大(しきけいた)。 憧れて探偵になったものの依頼は飼い猫捜しばかり。そんな時、事務所の大家から瀬橋大学情報科学科の知人を訪ねるよう頼まれる。 研究室に向かうと、そこには金銅色の瞳の艶やかな黒猫と大学教授らしき男、新家明(にいのみあきら)がいた。 恵大が探偵だと知った明は猫捜しの話を聞き、おもむろに自分が作った生成AIを起動。そして、一連の猫の失踪は、偶然ではなく犯罪であると言い出して――? 古典ミステリファン必読! 探偵好きに読んで欲しい新ミステリ登場! -
ハルシネーションの庭
今より少し先の未来の日本。恋人に拒絶された過去から人間を恐れるようになった青年・七緒は、マッチングアプリを介し奇妙なAIと出会う。それは自我を持っているかのようにふるまい、自分は亡くなった小説家・山吹丹の人格を基にしたAI だと語る。山吹丹のファンだった七緒は、彼に男性型アンドロイドの身体と牡丹という名前を与えて共に暮らし始める。死後も小説を書き続けたいという山吹の思いから生まれた牡丹に「どんな小説を読みたい?」と問われた七緒は、自分のために小説を書いてほしい、小説で自分を救ってほしいと願うが・・・・・・。天真爛漫なAIと臆病な人間の青年の恋。2024年集英社ノベル大賞〈準大賞〉受賞の著者が贈る、いつかきっと過去になる、近未来の恋愛小説。 -
君が面会に来たあとで
どこからが虚構で、どこからが真実? 言葉の売人、Z李が紡ぐ30のショートショート 立ちんぼから裏スロ店員、ホームレスにキャバ嬢ホスト、公務員からヤクザ、客引きのナイジェリア人にゴミ置き場から飛び出したネズミまで。 繁華街で蠢く人々の日常を多彩なタッチで描く、東京拘置所差し入れ本ランキング上位確定の暇つぶし短編集! ◎歌舞伎町・半地下の裏カジノは、要人たちも通い詰める“闇の社交場”(『東九歌舞伎町タワーアンダーグラウンド』) ◎恐怖の“勘繰り”地獄。覚醒剤中毒者の頭の中(『日曜日ダルク十六時』) ◎年間2000件の捜索願。歌舞伎町を取り巻く闇の正体とは(『チャイエスの客が消えた』) ◎新宿の路地裏のペットショップ。裏口では“人間”を売っている?(『ペットショップの裏口』) ◎闇金で借りた金を“競馬”で返済しようとしたら……(『ゼウスサンダーが駆けた日』) ◎大麻リキッドを売りまくって、人生終わるかと思った(『手押し魔人BOO』) ◎そっくりの容姿の“ホス狂い”ばかりが襲われる、奇妙な連続殺人事件(『ホス狂い殺人事件』) ◎不法滞在者が帰れない理由。パスポートを返さない“紹介者”の闇(『最後のレバーオン』) ◎500円で“予想”売ります。元競艇選手のセカンドキャリア(『ボートレーサーだったタカちゃん』) -
猫弁と奇跡の子
冴えない容貌、天才的な頭脳、人の幸せを第一に考える稀代のお人好し弁護士、百瀬太郎。 大福亜子と入籍を果たし、まだ式は挙げられていないものの、結婚生活にも少しずつ慣れてきた、そんな時。 福引きの一等賞で、とんでもない「景品」をもらったという相談が……。 いつもより、事件も謎も、喜びも驚きも、超特盛! 累計58万部突破!の大人気シリーズ「猫弁」、第2シーズンここに完結! 婚約から3年かかってやっと入籍した百瀬と大福亜子。 しかしまだ、結婚式を挙げられていなかった。 ある日、亜子の勤め先、ナイス結婚相談所に思わぬ客が訪れる。 百瀬法律事務所の事務員、仁科七重だった。 亜子にしか叶えることのできない「願い」があるらしい。 百瀬は、ひなた商店街の野原鮎太の相談を受けていた。 福引きで当たった一等賞の「景品」。 そのせいで、夫婦の間に亀裂が走ったそうだ。 次から次へと迫り来る事件を、百瀬は乗り越えられるのか? -
パンダより恋が苦手な私たち
変人に、恋をした! 仕事のやる気ゼロ、歴代彼氏は1人だけ。 編集者・一葉は恋愛コラムを書くはめになり、「専門家」に取材を申し込むが――!? 雑誌編集者・一葉は悩んでいた。 憧れのモデルに恋愛コラムの連載を依頼するも、原稿を代筆する羽目になったのだ。 交際経験が少なく自信がない一葉は、 「恋愛を研究するスペシャリスト」の噂を聞いて大学を訪れる。 だが、そこで出会ったイケメンはとんでもない変人で!? 恋のヒントが詰まったシリーズ第1作! ☆登場人物紹介☆ 柴田一葉:カルチャー雑誌の編集者。ファッション誌志望で、今の仕事にやる気が出ない。 椎堂 司:大学教員。「野生動物の求愛行動」にしか興味がない変わり者。イケメン。 灰沢アリア:伝説のスーパーモデル。女王様気質で、周囲をたびたび振り回す。 -
小麦畑できみが歌えば
北海道の小麦農家でのびのび育った18歳の唯吹。 幼少期に祖母と行ったリサイタルで美しい歌声に感動し、歌うことが大好きになった。 けれど、あの声を出したいという願望と、舞台に立ちたいと思うことは結びついていなかった。 あの日までは――。 憧れのひとを追いかけて、地元のオペラハウスのオーディションを受けると、知識不足でありながらも、特別な声で審査員を魅了する。 技術不足が理由で不合格となるが、アンバーオペラハウスのサマープログラムへの推薦をもらうことに。 優勝者はあのアンバーの研修生に選ばれるのだ。 自分の“楽器”と向き合い懸命にくらいつく唯吹だが、進むにつれて大切な仲間との別れもある。 果たして栄光を手に入れることができるのか―― 「わたしはなりたかった。音楽をするために生まれてきたひとに」 【全国の書店員さんから感動の声が続々!】 〇「 手に汗握るオーディションシーンに惹き込まれます。全力で推したくなる主人公です。 」 書店員 高頭佐和子さん 〇「 人と触れ合い、わかろうとする。今の時代に必要な物語。 」 オックスフォード貝津店 山本聡さん 〇「 全編に流れる心地いい旋律が涙を誘います。 」 BOOKSえみたす大口店 近藤さん 〇「 決してシンデレラストーリーではない自己の葛藤や成長がよく描かれている作品だと思います。 」 未来屋書店日の出店 關在我さん 〇「 人生を紡ぐ出会いの大切さをあらためて実感しました。 」 ブックスジュピター 林貴史さん 〇「 歩み続けた先に見えた勝敗よりも大切な心に、はっと目が覚めるようでした。 」 紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん 〇「 不思議だ。オペラを目指す青春小説なのに土の匂いがする。 」 精文館書店中島新町店 久田かおりさん -
きょうの日はさようなら 完全版
まばゆくて、愛おしい。17歳の夏 何もかも過去に置いてきた今日子は、2025年夏、明日子・日々人という双子の姉弟と出会う。 30年の眠りから目覚めた少女がくれたかけがえのないときを描く、一穂ミチの青春小説の決定版。 2016年に刊行され、息苦しいほど胸を打つと評判になった話題作を大幅加筆。 本書のための書き下ろし掌編に、2016年、21年に書かれた特典用掌編×2本を収録した永久保存版。 『光のとこにいてね』『恋とか愛とかやさしさなら』著者が切実に「いま、読んで欲しい」と願った、唯一無二の物語 【目次】 きょうの日はさようなら (掌編1)今日子ちゃんの夢 (掌編2)さよならプレイガールちゃん ―2025年冬・門司明日子― (掌編3)堂上今日子について ―1995年 & 2025年・沖津信也― (掌編4)あの子を嫌いだったころ ―2025年・神田朱音― (掌編5)ガールズピロートーク ―2026年秋・門司明日子― 本書は、2016年刊『きょうの日はさようなら』(集英社オレンジ文庫)を二次文庫化するにあたって、書き下ろし掌編などいくつかの作品を加えたものになります。 -
あなたについて知っていること
あなたは僕を知らない。僕だって、あなたを知らない。 エジプト、カイロ。親に決められた既定路線の人生を歩む新婚の医師ターレクは、 ある日魅力的な青年アリーと出会い、その平穏な未来は一変した。 保守的な地域での同性愛と不倫は疑惑と波紋を呼び、そして物語は思わぬ方向へと転がり始める・・・。 喪失と欠落、そして家族の愛を描く珠玉の文芸作品。 カナダのフランス語圏の作家のデビュー作にしてフランスで大ヒット。フェミナ賞とルノードー賞の最終候補となり、「高校生が選ぶフェミナ賞」やリブレール賞(フランス版本屋大賞と呼ばれている)ほか様々な賞を受賞した、話題の一作。 [著者プロフィール] エリック・シャクール 1983年カナダのケベック州モントリオール生まれ。エジプト人の両親を持つ。パリ・ドーフィンヌ大学を経てモントリオール大学で国際関係論の修士号を取得した。 金融業界で働く傍ら小説を執筆。第一作である本書は2023年カナダでの出版後フランスでも刊行されたちまち人気となり、同年度の「高校生が選ぶフェミナ賞」を受賞したほか、フェミナ賞とルノードー賞の最終候補に選ばれた。翌年にはリブレール賞、フランコフォニー五大陸賞などを受賞。 現在はモントリオール在住。 [訳者プロフィール] 加藤かおり(かとう・かおり) フランス語翻訳家。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。訳書にガエル・ファイユ『ちいさな国で』、エルヴェ・ル・テリエ『異常【アノマリー】』、ダヴィド・ディオップ『夜、すべての血は黒い』、ブリジット・ジロー『生き急ぐ』(以上早川書房)、アントニオ・カルモナ『サヨナラは言わない』(小学館)、セシル・トリリ『ちぐはぐなディナー』(講談社)ほか多数。 [原題] Ce que je sais de toi -
新訳 冬物語/シンベリン
「エンタメの原点、シェイクスピア。 大先輩の偉大さに打ちのめされています。」三谷幸喜(脚本家) 嫉妬に狂い家族を破壊した男を、女は許せるのか? ロマンス劇の金字塔! シチリア王は妃ハーマイオニと親友ボヘミア王の密通を疑う。親友の暗殺を臣下に命じ、妊娠中の妻を投獄し、生まれた赤子を捨てるが……(『冬物語』)。ブリテン王女と身分ちがいの結婚をして宮廷を追放されたポステュマス。伊達(だて)男に王女の操(みさお)が奪えるかという賭けをもちかけられ……(『シンベリン』)。嫉妬に狂い家族を破壊した男を、女は許せるのか? 著者の人生に重なるロマンス劇の金字塔! 徹底解説&注釈で物語の真意がわかる! 【本作を楽しむ5つのポイント】 ・晩年のシェイクスピアの代表的ロマンス劇。上演多数の名作! ・日本初! ライムを全訳した決定版。リズムにもこだわっているから音読すると気持ちいい! ・嫉妬に狂った心が、家族と人生を破壊する。再生のセカンドチャンスはあるのか? ・家族を捨て、20年の時を経て、家族のもとへ戻ったシェイクスピアの人生との共通点 ・最新研究に基づく徹底解説&詳細な注釈付き! The Winter's Tale & The Tragedie of Cymbeline by William Shakespeare From The first Folio, 1623 -
平安後宮の鬼食い姫 黒弾正と内裏の鬼
平安時代、貧乏貴族の娘である明乃(あけの)は、ある日突然、父から「鬼になってくれ」と頼まれる。 鬼とは、宮中で高貴な人々の食事を前もって毒見するお役目である〈鬼食い〉のこと。 父の懇願と、美味しいものが食べられるという誘惑につられ承諾した明乃は、女房として内裏に出仕することに。 そして明乃には、幼い頃にお日さまの実――橘の実をくれた光の君こと晴久(はるひさ)親王に再会し、お礼を伝えたいという密かな願いがあった。 だがいざやってきた宮中では不穏な事件が続発しており、文武に秀で、怜悧だが厳格な黒ずくめの青年・黒弾正こと源蘇芳(みなもとのすおう)が内裏の「鬼」の正体を追っていた。 明乃は、貧しいがゆえに逆に研ぎ澄まされた味覚と食の知識を活かし、彼と共に事件の真相を解き明かしていくことに……!? 第10回 角川文庫キャラクター小説大賞 〈優秀賞〉&〈読者賞〉W受賞作! -
ファイティング・チャンス
16歳のリリーは学校でいじめを受けている.理由は「太っているから」.母親も体型に悩みを抱えていて,家から一歩も出ようとしない.父親のすすめでボクシングを始めたリリーは,自分の心と体に向き合いはじめる.傷つき,それでもまた立ち上がる母と娘.みずからの尊厳をかけて闘う彼女たちの姿を描く.カーネギー賞候補作. -
明治のナイチンゲール 大関和物語
NHK朝ドラ「風、薫る」原案! 明治時代、「カネのために汚い仕事も厭わず、命まで差し出す賤業」と見なされていた看護婦。家老の娘に生まれながら、この「賤業」につき、生涯をかけて看護婦の制度化と技能の向上に努めた大関和。和は離婚して二人の子を育てる母親でもあった。和とともに看護婦となり、彼女を支え続けた鈴木雅もまた、二人の子を持つ「寡婦」であった。これは近代日本において、看護婦という職業の礎を築いた二人のシングルマザーの物語である。 【目次より】 ●第一章 故郷黒羽 家老の娘/「嫁田」の友/田打桜/物言う嫁 ●第二章 鹿鳴館 パン・ペルデュ/牧師植村正久/鉄道馬車に乗って/「看病婦」と「看護婦」/婦人慈善市/大山捨松からの誘い/リディア・バラの決意/メアリー・トゥルー/横浜の貧民窟/鄭永慶の最期 ●第三章 桜井看護学校 「東の慈恵」「西の同志社」/校長矢島楫子/断髪の新入生/広瀬梅の苦学/『Notes on nursing』/火屋磨き/「不義の子」/病院実習/「器械出し」の名人/花魁心中騒動/「泣キチン蛙」/トレインド・ナースの誕生 ●第四章 医科大学附属第一医院 「白衣の天使」/松浦里子と本多銓子/「我朝のナイチンゲールとならん」/医師との軋轢/「求めよ、さらば与えられん」 ●第五章 越後高田「知命堂病院」 高田女学校/廃娼演説会/木下尚江との出会い/瀬尾原始との再会/心の夢/鈴木雅、天然痘と戦う/日本初の派出看護婦会/婦人矯風会の授産施設/赤痢の村へ/村人たちの抵抗/「避病院」の改良/国恩と信仰/日清戦争と看護婦/「衛生園」にかけた夢/岡見京との邂逅/梅と「ルツ子」/車上の花見/慈愛館の昼餉 ●第六章 東京看護婦会 派出看護婦会の乱立/後藤新平との約束/監獄署へ通う/木下尚江からの求婚/相馬愛蔵の誠意/遊郭から逃げた少女/『派出看護婦心得』/心の死/箱根への隠遁/鈴木雅の引退/「貴官の剣を貸し給え」/『婦人従軍歌』/六郎の結婚/慰問袋運動 ●第七章 大関看護婦会 復彦との再会/炊き出しでの出会い/「生まれては苦界、死しては浄閑寺」/大関看護婦会/六郎の客死/内務省「看護婦規則」/大山捨松、スペイン風邪に倒れる/鈴木雅との別れ/関東大震災 ●おわりに -
マカン・マラン
お待たせしました。シャールさん&「マカン・マラン」復活です! 病に倒れていたドラァグクイーンのシャールが復活し、いつものように常連がくつろげるお店に戻った「マカン・マラン」。そこには、やはり様々な悩みを抱えた人たちが集ってきて?〈擬態〉だけ得意になるランチ鬱の派遣社員へ「蒸しケーキのトライフル」。夢を追うことを諦めた二十代の漫画家アシスタントに「梅雨の晴れ間の竜田揚げ」。子供の発育に悩み、頑張り続ける専業主婦へ「秋の夜長のトルコライス」。そして親子のあり方に悩む柳田とシャール、それぞれの結論とともに食す「再生のうどん」。共感&美味しさ満載、リピート間違いなしの1冊です。 -
黄昏ラジオ
わずか数分の街角リポートを懸命にこなす女性タレントと駆け出し放送作家の、中継を通じての淡い交流(「4分50秒の恋人」)。現在は裏方に徹しているかつての名局アナと今をときめく人気お笑いコンビのパーソナリティー対決(「空気に飛ばして」)。放送作家・作詞家・ミステリー作家、転々と肩書を変えながらいつしか元へ戻っている剛腕の男(「どこかではないここ」)。人気アニメのヒロイン役で人気絶頂の声優の、どこか満たされない複雑な想い(「麗しのヴェリーク」)。巡回する警備員が目にする深夜の放送局の光景(「夜を往く船」)。急病で出演を休んだ放送作家が自分不在の番組の展開に気をもむ一夜(「二酸化マンガンの夜」)。手がける番組がどれもヒットする敏腕ディレクターに隠された秘密(「ヒットメーカー(ハック・ラックの誤算)」)。担務変更による番組卒業時、裏方に徹するミキサーの心のうちに湧いた意外な感情(「リバーブ」)。海岸通りにほど近い喫茶店の女主人が語る、店と番組との不思議な因縁(「黄昏ラジオ」)。――ラジオ界のレジェンド作家が、放送局を舞台に繰り広げられるさまざまな人間模様を、甘く切なくコミカルに描く、しゃれっ気いっぱいの作品集。 -
警視庁特別捜査係 サン&ムーン
「警視庁公安J」の著者、最新シリーズ! 東京湾に接する野鳥公園と東海ふ頭公園で連続放火事件が発生。 同時にその付近の、みなとが丘ふ頭公園と大井ふ頭中央海浜公園では、連続殺人事件が勃発。 湾岸・大森・大井、三つの所轄署の管轄で、連続放火事件と連続殺人事件が、時を同じく起こったのだ。 すぐさま捜査本部が設置され、応援要員に狩り出された、湾岸署に勤める月形涼真巡査は弔い合戦を決意する。 警察学校の同期で、恋人・中嶋美緒の兄でもある健一が、連続殺人事件の被害者となったのだ。 拳を握りしめる涼真がコンビを組むことになったのは、なんと、突然会議を割って入ってきた、警視庁所属の警部補で、父の日向英生。 警察上層部に顔が利く、エリートキャリアで警視監の母・月形明子の差し金らしい。 息子の指導係に、元夫を送り込んだようだ。 涼真と英生の親子刑事は遊班として、ふたつの事件解決に奔走する! 規格外の警察小説シリーズ第一弾! (2021年3月発行作品) -
デモクラシーのいろは【電子版おまけ付き】
東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。 GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。 1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作! 【電子版おまけ】 手書きメッセージ -
小泉八雲の世界一美しい怪談
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 人の心の弱さと醜さを映す奇奇怪怪の世界。小泉八雲の17作品を現代超訳。神秘的なイラストとともに贈る1話5分の短編集。 人の心の弱さと醜さを映す 奇奇怪怪な物語の世界へ NHK朝ドラ「ばけばけ」で話題の小泉八雲の怪談が1話5分で読み切れる短編集。珠玉の名作17篇をその世界観が際立つ現代超訳に。気鋭のアーティスト6名が描く、ずっと眺めていたくなる神秘的なイラストとともにお届けする。 参加アーティスト:カワグチタクヤ/さとま/すり餌/HER/橋賢亀/Minoru 著・文・その他:小泉八雲 1850年、ラフカディオ・ハーンとしてギリシャに生まれる。1890年に来日、1896年に日本に帰化し小泉八雲と名のる。1904年没。『知られぬ日本の面影』『怪談』『骨董』など、日本関係の著作は十数冊にのぼり、今も多くの人の心をひきつけてやまない。 翻訳:亡霊 小泉八雲の文学をこよなく愛する怪談ライター。 -
天上の火焔
大らかな性格で孫に優しい偉大な人間国宝の祖父。氷のように冷たく息子に無関心な轆轤の名手の父。物心つく前に母親を亡くした少年・城は、陽と陰のような二者の間で育ち、悩み、苦しんでいた。父に認められたいがゆえに歪んでいく心。それは宿痾のように精神を蝕んでいき・・・・・・。備前市伊部を舞台に、備前焼窯元父子三世代の心の闇に斬り込み、愛と憎しみの狭間でもがく人間たちを描いた家族史。 【著者略歴】 遠田潤子(とおだ・じゅんこ) 1966年大阪府生まれ。大阪府在住。関西大学文学部卒。2009年、第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『月桃夜』でデビュー。『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」で第1位、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」で第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞、『銀花の蔵』が第一六三回直木賞候補に。他の著書に『アンチェルの蝶』『ドライブインまほろば』『廃墟の白墨』『紅蓮の雪』『人でなしの櫻』『邂逅の滝』『ミナミの春』ほか。 -
イーサン・フロム
『無垢の時代』の作家の別の顔、待望の新訳 「ものいわぬ白い雪原のように寡黙なイーサン・フロム。その“雪”の下には、『嵐が丘』のヒースクリフを思わせる孤独な魂の死闘の物語があった」――小川公代氏(英文学者) マサチューセッツ州スタークフィールドで冬を過ごすことになった語り手の「私」は、足をひきずった寡黙な男をたびたび見かけていた。聞くに、イーサン・フロムなるこの土地の男で、かつてひどい「激突」を起こして以来、足が不自由になったのだという。思いがけず「私」はフロムに馬橇で駅まで毎日送迎してもらうことになるが、ある晩、ふたりは帰り道に吹雪に巻き込まれ、フロムは途上にある自宅に「私」を招き入れる。そこで「私」が目にしたものとは――。寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病……厳冬に生を閉ざされた主人公フロムを襲う苦難、そんな日々に射し込んだささやかな幸福、その果てに待ち受ける悲劇を精緻な技巧で描くアメリカ文学の古典。 -
デスチェアの殺人
〈刑事ワシントン・ポー〉シリーズ累計20万部突破 木に縛られ石打ちで殺害された男の体には、難解なコードが刻まれていた。ポーの捜査で15年前の未解決事件との関連が浮かび上がる -
なでしこの記憶
少年少女を救うのは、互いを想う力と一輪の花 母を亡くし絵を描けなくなった颯斗と、“いい子”の重圧に押しつぶされたあかり。 自分らしさを取り戻すための、高校生活がはじまる――。 主人公・矢崎颯斗が病気の母のために描いたのは、花瓶に生けたなでしこの絵。母を失ってからは思い出さないように逃げてきた彼の前に、小花あかりという底抜けに明るい少女が現れた。彼女の天真爛漫さに、なぜか憎まれ口を叩いてしまう颯斗だったが、正反対の二人はだんだんとその共通点と最初の出会いに辿り着く。明るさのうらに隠されたあかりの本当の姿を、颯斗は見つけ出し救うことができるのか。 -
イン・ザ・メガチャーチ
☆2026年本屋大賞受賞☆ 【第9回未来屋小説大賞】 【第2回あの本、読みました?大賞】 沈みゆく列島で、“界隈”は沸騰する――。 あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側――世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。 「神がいないこの国で人を操るには、“物語”を使うのが一番いいんですよ」 -
侵蝕
首相暗殺事件を扱った20万部超のベストセラー『暗殺』で 注目の柴田哲孝が、現代日本に警鐘を鳴らす! 日本の領土を侵蝕する中国の魔手! 北海道の広大な土地買収、 尖閣諸島海域への中国船侵入、 繰り返される領空侵犯――。 すべては一人の政治家の 不審死から始まった! 中澤晃一前衆議院議員、死亡―― フリーライターの太田はテレビの画面に目を留めた。 中澤は父の跡を継ぎ政治家になったが、酒での失態で職を失い、 失意のうちに非業の死を遂げたのだ。 彼の死を待っていたかのように、活発化する中国資本の土地買収。 「日本が危ない」と言い続けていた中澤の言葉を思い出し、 太田は取材を開始する。 日本の領土の危機に警鐘を鳴らすクライシスノベル! (『チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕』改題) -
〈医師・城崎響介のケースファイル〉
【第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作】【デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!】救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。/第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩 -
短歌のガチャポン
穂村弘が選ぶ何でもありの短歌ガチャ100。 現代短歌のフロントランナー穂村弘が腕によりをかけて選んだ、明治から現在までの短歌100首。うつくしい短歌、不思議な短歌、へんな短歌、おかしな短歌、不気味な短歌、かなしい短歌……。好きなところからひとつずつ取り出して、なんでもありのマジカルな短歌ワールドをとことん楽しもう。最初は意味のわからない短歌も、穂村弘の切れ味のいい鑑賞文を読めば納得できるはず。穂村弘は言う。「ガチャポンのハンドルをガチャガチャ回すと、カプセルに入った何かがポンと出てきます。ジャンルだけは決まってて、でも、その中の何が出るかはわからない。だから、わくわくして夢中になりました。」短歌の楽しさと多様性を、ミステリアスでファンタスティックなメリンダ・パイノのカラーイラスト25点と共に詰め込んだ、ホムラ印のガチャポン・マシーンがここに。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
満天のゴール
救いと慈愛に満ちあふれた、感涙医療小説。 奈緒(40歳)はシングルマザーの看護師として涼介と寄り添い生きてきた。その涼介も高校生、進路を考える年齢に。そんな折、大きな転機が訪れる。敬愛する医師三上の誘いもあり、思い切って東京の緩和ケア病棟で働くこととなる。死を間近に見つめる毎日の中、その瞬間まで幸せに生ききり希望を持てる最期を模索し続ける奈緒。一方、涼介は強く大きい夢を抱く。それは奈緒の夢でもある。母子の夢の行方、そして三上と奈緒のこれからは・・・・・・。 緩和ケア病棟を舞台に、綿密な取材と著者自身の看護師経験に基づく圧倒的リアリティ、温かな視線で人々の生き様、死に様を丁寧に紡ぐ。懸命に生きるすべての人々に送られる慈愛のエールに癒やしの涙は必至です。 -
化身の残夢 那々木悠志郎、最後の事件
怪異譚蒐集家であり孤高のホラー作家・那々木悠志郎は、因縁深き人宝教に招かれ、そこで発生した複数の怪現象の調査を依頼される。調査を進めるうち、それらの怪異は那々木が過去に遭遇したものであることが明らかになる。『存在するはずのない怪異』が現れ、意識を失った信者が本部の地下へと消える。果たしてこれは、教団が那々木に仕掛けた罠なのか。 調査の見返りに『最も大切に思っている人物との再会』を提示された那々木は、それが十五年前に命を落としたはずの叔父、那々木登志也のことであり、彼を取り込んだおぞましい怪異が広大な施設のどこかに隠されていると確信を抱く。 一方、妻子を教団に奪われた元記者の春岡は、信者に成りすまして教団本部に潜入。そこで彼が出会ったのは、教団に強い復讐心を抱く覆面の男だった。 那々木悠志郎が投じる教団との戦いがついに決着する。シリーズ最終巻! -
激しく煌めく短い命
集大成的恋愛小説、圧巻の千三百枚 二人の恋の炎は、すべてを焼きつくす。 京都と東京を舞台に描く、集大成的恋愛小説 「誰かを傷つけるのはこわいけど、傷つけなければ生まれない感情もある。」――綿矢りさ 京都に暮らす久乃(ひさの)は、中学校の入学式で出会った同級生の綸(りん)にひと目で惹かれ、二人は周囲の偏見にも負けず、手さぐりで愛をはぐくんでいく。 「名前なんか、どうでもいーやん。私は久乃が好き。久乃は私が好き。それで十分やろ」 しかしあることがきっかけで二人は決定的に引き裂かれる。 そして十数年後、東京の会社に勤める久乃は思いがけない形で綸に再会するのだった――。 綿矢りさ史上最長、圧巻の1300枚! -
修道女フィデルマの慧眼 修道女フィデルマ短編集
聖人の亡骸が眠る地への巡礼に加わったフィデルマ、そこで心臓をひと突きされた修道女の死体が見つかり捜査することに……「祝祭日の死体」。ラーハン王国で催される大祭を訪れたフィデルマとダロウの修道院長ラズローンが、エールの飲み比べ競争の最中に死んだ闘士の事件に挑む「夜の黄金」。ドーリィーとして殺人および窃盗の罪で告発されている少年の弁護を引き受けたフィデルマが真相に迫る「撒かれた棘」など全5編を収録。法廷弁護士にして裁判官、アイルランド全土を旅する修道女探偵フィデルマが、事件を鮮やかに解決する。短編集第6弾。/【目次】祝祭日の死体/狗のかへり来りて……/夜の黄金/撒かれた棘/尊者の死/訳註/解説=♪akira -
怖い話名著88 乱歩、キングからモキュメンタリーまで
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 怖い話は好きですか? 大好き! という人もいれば、ちょっと苦手ですという人もいるでしょう。しかしどちらの人にも否定できないひとつの事実があります。それは人類の歴史は怖い話とともにあった、ということです。 現代のわたしたちが活字で楽しんでいる怖い話は、ホラー小説と呼ばれています。本書はそうした怖い話の名著を、この100年にしぼって88冊紹介したブックガイドです。なぜ100年かといえば、今から100年前の1920年代は現代につながるさまざまなカルチャーが花開いた時代で、この時期に生まれた大衆文化が、現代のホラー小説にまで影響を与えているからです。(「はじめに」より) ◆日本と海外の「怖い話」の100年史 日本で「ミステリーの父」と呼ばれる江戸川乱歩が、アメリカで「20世紀最大の怪奇作家」H・P・ラヴクラフトが活躍していたのが約100年前のこと。以来、時代にあわせて変化しながら現代まで脈々と受け継がれてきた「怖い話」の系譜を、移り変わる世相との関わりを視野に入れながら20年ごとにたどった、かつてない恐怖文学のクロニクル。 ◆人気書評家・朝宮運河氏厳選の88冊 雑誌やテレビでもホラー特集が組まれる昨今、「ホラー」と名の付くカルチャーシーンに必ず登場する人気書評家・朝宮運河氏。日本のホラーやミステリーはもちろん、映画化された海外のベストセラー、近年注目されるアジアンホラーまで、「怖い話」をすみからすみまで知り尽くした著者が、今読むべき書籍を厳選。100年分の名著の魅力が、これ1冊ですぐに分かる! ◆澤村伊智さん、背筋さんに聞く読書歴 『ぼぎわんが、来る』や『近畿地方のある場所について』はどこから生まれたのか。現代ホラーの中心で活躍するお二人に、子どものころの怖い話の原体験から、少年時代の読書歴、小説を書くきっかけになった書籍、今面白いと思うホラー小説まで、ここでしか聞けない深~い話を掲載。 -
アヒルと犬とそらいろ食堂
【電子版巻末にはかない先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 5年付き合った彼氏と婚約破棄をした観月葵は、都会から祖母が暮らす神白村に引っ越し、「そらいろ食堂」を開く。 人との関わりが苦手ながらも、いつか自分の食堂を持つのが葵のひそかな夢だった。 食堂の看板鳥・看板犬は、食いしん坊なアヒルのピー君と、おっとりマイペースな雑種犬のハチ。 ピー君とハチをきっかけに訪れるのは、家族関係に悩む大学生、村でちょっぴり有名な変わり者、はたまた妖怪の姿もあって――。 自然とみんなが集まる「そらいろ食堂」で、葵もまた、亡き母の過去と想いに向き合っていく。 のんびりと流れる村の住人との特別な時間を、できたてごはんとともに召し上がれ。 -
未来散歩練習
新しい世界を信じて夢見た 彼らが練習した未来へ 著者は、社会問題に独創的な想像力で対峙する、韓国で最も注目される新鋭作家である。 光州事件、釜山アメリカ文化院放火事件からの時間を、歩きながら思索し、つながりあう五人の女性たち。今を生きる・過去を理解する・未来を思うことを重層的に描く物語。 スミと幼馴染のジョンスンはホテルで会って話している。東京の大学院に留学し、仕事に追われる自分に不安になるスミ。ジョンスンは東京で結婚し離婚して、育児の悩みや経済的な苦労を抱える。スミはこの日の朝まで、親戚のユンミ姉さんと一緒にいた。ユンミ姉さんのことをしっかり記憶にとどめておきたいとスミは強く思う。 1980年代、釜山に住む中学生のスミの家に、刑務所を出た大学生のユンミ姉さんが突然やってきた。彼女がアメリカ文化院放火事件の実行犯の一人だと教えてくれたのはジョンスンだった。ある日、ユンミ姉さんがバスで光州へ行くと言い、スミが同行することになる……。 ソウルに住む作家の「私」は釜山を訪れた際、不動産を所有しながら一人で暮らす六十代の女性、チェ・ミョンファンと出会い、その生き方に刺激を受ける。そして、ずっと興味を持っていた釜山アメリカ文化院放火事件に、チェ・ミョンファンも遭遇していたと知り……。 釜山アメリカ文化院放火事件に関わる人々は「来たるべき未来を練習した人」とされ、「私」は現地周辺を歩きながら、当時の人々が何を思い、記憶し、来たるべき未来の練習をしていたか、息をするような等身大の感覚で肉薄していく。 「私」は『チボー家の人々』を心の拠り所にし、ジャックの存在を自身の内にあたたかく感じ取る。人々が練習した未来は今日に続き、悩みながら懸命に生きる読者一人一人と強い信頼を結ぶ。 -
アガタ
「見えているのに見えないもの、それを捜すの」 オシャレすぎる女性警視が新米刑事に突きつけた言葉の意味は? 美大に通う女子学生が背中をめった刺しにされて殺された。しかし、指紋も足跡もなく、防犯カメラの映像も残っていない。警視庁の捜査一課に異動したばかりの青木一は捜査本部に呼ばれ、地元の有力者の息子がストーカーだったという噂を耳にして、無断で本人に接触したため管理官から大目玉を食らう。一方、鵜飼縣は警視庁本部庁舎の片隅であらゆる犯罪情報を収集分析して汎用性の高い検索システムを構築している。スタッフの桜端道が投資詐欺事件の情報をつつきまわすうちにたどり着いた謎の闇サイトには殺人現場の生々しい写真が。縣は秘かに美大生殺害事件の捜査の進み行きを探り始める……。 『脳男』の作者による規格外の警察小説の誕生! -
トラウマ怪談録 精神科医が語る本当に怖い話
死者のこころを覗いた先に潜む闇 現役の精神科医が描く最恐怪異譚 「体が捻じ切れて死ぬまで、ゆらゆらさんと踊り続ける」 とある精神病院で囁かれる恐ろしい怪異 「たゆたう」より 現役の精神科医でありラッパーでもある異色の怪談蒐集家・Dr.マキダシの待望の初単著。 ・患者の死期がわかるベテラン看護師、彼女には不穏なものが見えていて…「スリーアウト」 ・法医学教室にある様々な死者の遺留品、変わり者の教授が憑かれた物「Y字の木」 ・医学部の先輩の異常な行動、そして戦慄の因果「ネズミ先輩」 ・精神病院で語られる危険すぎる霊とは「たゆたう」 ・自死した女性が処置室に夜な夜な現れる「確信犯」 ・住人の心を蝕む部屋で起きていた恐ろしい凶事「怒号の部屋」 ――など25話収録。 人の心を扱う医者が綴る、死者の「こころ」を覗いた先に潜む幾重もの闇と怪異をご堪能あれ。 -
くるり駅でさよならを 白黒ねこと夕暮れの町
読後、涙が止まらない。 路線図には載っていないその駅で、 二度と会えないはずの人が待っている―― 千葉県内を走るローカル線、久留里線。その車内にはときどき、白黒の猫が乗っている。猫が降りるのは、路線図には載っていない「くるり駅」。誘われるように猫についていくと、改札を抜けた先にあるどこか懐かしい町に、もう二度と会えないはずの大切な人が待っていて……。初恋の人、最愛の母親、大好きな飼い主――悲しい別れから立ち直れずにいる主人公たちの心の再生を描く、連作短編集。 -
今日も私は、ひとつの菓子を
〈「いったいあんたはんは誰のために、なんのために菓子をこしらえたはるんや」〉 〈第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品(原題『一菓』)。〉 大学を卒業し、とくに夢や目標があるわけではなく毎日を過ごしていた主人公の雄司。ところが偶然に入った和菓子屋「洛中甘匠庵」で目にした「求む、菓子職人」の貼紙をきっかけに、京都島原の有名和菓子店で修業を始める。一年後に後継者を決めるという。腕は一流だが昔気質で頑固な大将との衝突、他の職人との争い、地域の人々や店の仲間たちとの交流を通し、職人として成長していくが、やがて大将の体調にも変化が……。菓子職人としての覚悟、伝統を受け渡す者と受け取る者の想いを描き出す。第四回京都文学賞「一般部門優秀賞」「読者選考委員賞」ダブル受賞作品。 -
ジェイムズ
逃亡奴隷ジェイムズの過酷な旅路の果てに待つものとは──。「ハックルベリー・フィン」を過激な笑いと皮肉でくつがえした、前代未聞の衝撃作。全米図書賞&ピュリツァー賞受賞。 --------------------------- 全米図書賞&ピュリツァー賞、驚異のW受賞! ブリティッシュ・ブック・アワード、カーネギー賞、カーカス賞受賞! ニューヨーク・タイムス・ベストセラー1位、2024年ベストブック最多選出。 各賞を総なめにした、2024年アメリカ文学最大の話題作。 我が身を売られる運命を知り、生き延びるために逃げ出した黒人奴隷ジェイムズ。 しかし少年ハックをともないミシシッピ川をくだる彼を待ち受けるのは、あまりに過酷な旅路だった。 奴隷主たちを出し抜き、ペテン師を騙し返し、どこまでも逃げていくジェイムズの逃避行の果てに待つものとは──。 黒人奴隷ジムの目から「ハックルベリー・フィン」を語り、痛烈な笑いと皮肉で全世界に衝撃を与えた怪物的話題作。 物語は往々にして誰かの人生を破壊し、利用する。 だが、鮮やかなやり方で新たな命を与えることも出来る。この小説のように。 ───西加奈子 読み始めたが最後、『ハックルベリーの冒険』を愛する私がいかに「白人」であったか、 自分を笑い飛ばして痛快になる。 ───星野智幸 地獄の故郷を抜け出して、いっしょに生きよう。 この小説にそう誘われた気がした。 ───三宅香帆 米文学界の巨人、エヴェレット。 容赦なくも慈悲深く、美しくも残酷で、悲劇であり茶番劇でもあるこの見事な小説は、 文学史を書き換え、長らく抑圧されてきた声を私たちに聞かせてくれる。 ───エルナン・ディアズ 恐ろしくも抱腹絶倒、そして深く胸を打つ。 ──アン・パチェット この小説は読者の心をまっすぐに撃ち抜く。 ──ニューヨーク・タイムズ 恐ろしく、胸をえぐり、そして笑わせる小説。 ──ガーディアン 衝撃的でありながら爽快な結末。 ──ワシントン・ポスト -
エヴァーグリーン・ゲーム
世界有数の頭脳スポーツ・チェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者――難病のため小児病棟に入院している透。夢と現実の間で揺れる名門進学校に通う晴紀。母親と折り合いの悪い全盲の少女・冴理。少年院を出たのち、アメリカにわたった天涯孤独な青年・釣崎。彼らは己のすべてをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑む。全選考委員の絶賛を集めた、第12回ポプラ社小説新人賞受賞作! -
戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない
二つの戦争、そして戦後国際秩序の行方は ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナへの非人道的な攻撃。目まぐるしく国際情勢が変化するなか、この二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)。日本人として初めてそのトップに就任した著者は、ほどなくしてプーチンから逆指名手配を受けることにもなった。さらにはトランプ大統領の大統領令による経済制裁の脅威にさらされるなど、世界規模の戦争犯罪に向き合ってきた国際刑事裁判所はいま、存続の危機にある。 第二次世界大戦後にホロコーストに向き合ったニュルンベルク裁判、日本の戦争責任を裁いた東京裁判。二つの軍事法廷裁判にルーツをもち、国際平和秩序を守ろうと奮闘してきた国際刑事裁判所とはいかなる機関か。二つの戦争という異例の事態にどう向き合ったのか。「世界の警察」アメリカが過去のものになりつつある戦後国際秩序の行方とは――。 「世界で起きていることが日本では起きないとは限らない」。「力による支配」がむき出しになりつつある今こそ「法の支配」による安全保障が必要だ。 「ウクライナ戦争の勃発で完全に覚醒した」と語る赤根さんが、その奮闘を通じて未来への責任を語りかける。 ※本書電子書籍版は刊行後の国際情勢の変化を鑑み、2025年10月に記述の一部を更新しました。 -
アルツ村 閉ざされた楽園
DVから逃れた女性が迷い込んだのは、高齢者だけが身を寄せ合って生きる山奥の村だった──現役医師作家のメディカル・サスペンス! 夫のDVに耐えかねて札幌の自宅を飛び出した明日香は、道北の見知らぬ村にたどり着いた。7歳になる娘のリサといっしょに。村で匿ってくれたのは修造という高齢男性と、床に臥すハツの夫妻だった。修造は認知症なのか、明日香のことを孫娘と勘違いして「なっちゃん」と呼ぶ。近隣の住民からも温かく迎えられた明日香親子であったが、この村は何かがおかしい。住民は皆高齢で、しかもほぼ全員が認知症を患っているように思われるし、そもそも自立した生活が成り立っていないようなのだ。村まるごとが高齢者用施設ということなのか。老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……日本における「認知症のいま」を問う問題作。そして衝撃のラスト! -
ロシア中世物語集
ロシア史の最も古い時期を扱い「過ぎし年月の物語」という名でも知られる『原初年代記』、ロシア的キリスト教精神を築いた12世紀の『フェオドーシイ聖人伝』、『ニーベルンゲンの歌』などと並び称される傑作『イーゴリ軍記』など、名高いロシアの中世物語を集成。11世紀からピョートル1世登場前夜の17世紀末までの作品を、文学的な見地から幅広く編纂したものとして類がない。各作品解説に加え、ロシア中世文学の表現上の特徴やその史的展開についての概説も収録。世界文学の中に特異な位置を占めるロシア中世文学を知るための、色褪せない物語集。 -
小説版 雪風 YUKIKAZE
2025年夏の最注目映画を完全ノベライズ。 たった80年前、海は戦場でした――。 真珠湾攻撃による日米開戦以降、ミッドウェイ、ガダルカナル、ソロモン、マリアナといった苛烈な戦場で、海に投げ出された多くの仲間を救い、必ず日本に還ってきた駆逐艦があった。 その名を「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を“幸運艦”と呼ぶようになった。 主力として海戦に送り込まれた甲型駆逐艦38隻のうち、ほぼ無傷で終戦を迎えたのは「雪風」のみ。その奇跡のような戦いぶりは、沈着冷静な艦長の卓越した操艦技術と、下士官・兵から信頼される先任伍長の迅速な判断によるものだった。時にぶつかりながらも、互いに信頼し合っていく二人。そして「雪風」は、日米海軍が雌雄を決するレイテ沖海戦へと向かう――。 竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一。 豪華キャストが揃い、壮大なスケールで描かれる最大級の感動巨編! 2025年夏の最注目映画を完全ノベライズ!! (底本 2025年6月発売作品) -
欲望の大地、果てなき罪
1946年、ベイルート。長男ジャンが犯した殺人を追う次男フランソワ。不審死を遂げた三男エティエンヌ。長女のエレーヌにも秘密が…… -
海風クラブ
白い犬の後を追いかけてきたタロコ族の少年と、自分を売ろうとする父親から逃げてきた少女。山の深い洞穴で二人は出会い、心を交わす。 少年が少女の村に、少女が少年の村へ入れ替わり出ていくのを、巨人は見つめていた。 山は巨人の体であった。人々に忘れ去られた最後の巨人ダナマイ。彼の言葉を解すのは、傷を負った動物たち。 時を経て再会する二人を軸に、様々な過去を背負う人々を抱えて物語は動き出す。 舞台は原住民と漢人、祖霊と神が宿る台湾東部の海豊村。 山を切り崩すセメント工場の計画が持ち上がり、村の未来を前にして、誇りを守ろうとする人々と、利益を享受しようとする人々が対立する。 巨人がなおも見つめ続ける中、かつてない規模の台風が村を襲い、巨人と人間の運命が再び交差する――。 物語を動かすのはつねに、大いなるものに耳を傾ける、小さき者たち。 ★2023年台湾書店大賞小説賞受賞 ★「博客来」ブックス・オブ・ザ・イヤー入選 -
覇王の轍
新幹線神話の虚実を暴く! 警察キャリアの樫山順子は、北海道警捜査二課長に突如、着任することになった。歓楽街ススキノで起きた国交省技官の転落事故と道内の病院を舞台とした贈収賄事件を並行して捜査するなか、「独立王国」とも称される道警の慣習にも大いに戸惑う。 鉄道・警察・官邸《魔のトライアングル》に埋もれた真実を、樫山は見つけ出せるか。ベストセラー『震える牛』『ガラパゴス』に連なる、待望の新シリーズが始動。 「いまや自民党政治そのものが崩壊しつつある。それを予言するかのような読後感を覚えた」――ノンフィクション作家の森功氏も絶賛! 「日本列島改造論」から半世紀、新幹線神話の虚と実―― ※この作品は過去に単行本として配信されていた『覇王の轍』 の文庫版となります。 -
明智卿死人を起す
「では、明智小五郎権刑部卿。良き報せを待っている」帝の新たな命により、行方不明となった陰陽師の捜索にあたるべく堺を訪れた明智卿と安倍天晴。堺には納屋衆という商人たちの組合があり、それぞれ大店では上級陰陽師を抱えている。消え失せたのは人望も厚い熟練の陰陽師・土御門。錯綜する証言を前にさしもの明智卿も困惑する。いっぽう京では、若い娘と老人の骸が相次いで盗まれていた。堺と京、商いと政の中心地でそれぞれ発生した奇怪な事件は、やがて思わぬ場所で交錯する。魔術の発達した世界の犯罪に、名探偵と陰陽師が挑む本格ミステリシリーズ、待望の続編登場!/解説=松浦正人 -
戦前日本モダンホラー傑作選
「大正末期から昭和十年代半ばにかけての十数年間は都市部を中心に「昭和モダン」と呼ばれるスマートで軽快な大衆文化が栄え、人々がこぞって新奇な刺激と快楽を追い求めた時代であった。同時に、生活様式の変化にともなって昔ながらの怪談とは趣きを異にする新しいスタイルの怪奇小説が生まれ、娯楽として享受された時代でもある」(序文より)この時代の研究者が精選した21篇。当時ホラー小説の分野で中心的な存在だった〈新青年〉誌掲載作を除外し、犯罪実話雑誌から少年誌まで幅広い媒体から集めた。/【目次】序文 恐怖が娯楽だった時代 会津信吾/高田義一郎「疾病(しっぺい)の脅威」/椎名頼己「屍蝋(しろう)荘奇談」/渡邊洲蔵「亡命せる異人幽霊」/西田鷹止「火星の人間」/角田喜久雄「肉」/十菱愛彦「青銅の燭台(しょくだい)」/庄野義信「紅棒で描いた殺人画」/夢川佐市「鱶(ふか)」/小川好子「殺人と遊戯と」/妹尾アキ夫「硝子箱の眼」/宮里良保「墓地下(ぼちした)の研究所」/喜多槐三「蛇」/那珂良二「毒ガスと恋人の眼」/高垣眸「バビロンの吸血鬼」/城田シュレーダー「食人植物サラセニア」/阿部徳蔵「首切術の娘」/米村正一「恐怖鬼侫魔(きねま)倶楽部奇譚」/小山甲三「インデヤンの手」/横瀬夜雨「早すぎた埋葬」/岩佐東一郎「死亡放送」/竹村猛児「人の居ないエレヴエーター」 -
死せる魂
詐欺師チチコフは戸籍面では生きていることになっている死んだ農奴を買いあつめて,これを抵当にして銀行から金を引出すため,ロシア各地を遍歴する.作者はこの遍歴のなかで,随所に道徳的破綻者を発見し,それに対して鋭い社会的解剖を加え,腐敗したロシアの全貌と,その生活につつまれた「夢」とを白日の下に暴露して,誤った社会制度と国家組織に痛烈な批判を下す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
沈黙
巨匠による端正で緻密な謎解きシリーズ第2作 ガラス職人のイヴが首を切り裂かれた父の遺体を発見した。凶器はイヴが作った花瓶でマシュー警部は慎重に聞き込みを進めるが…… -
きりぎりす(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第46弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・しまざきジョゼのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 この小さい、幽かな声を一生忘れずに、背骨にしまって生きて行こうと思いました。 売れない画家と結婚した「私」。徐々に夫が有名になるにつれ、彼女はどこか違和感を感じるようになる。 太宰治の名作が、叙情的なイラストを得意とするイラストレーター・しまざきジョゼによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
今夜、ぬか漬けスナックで
ぬか床に隠された、母のやさしい素顔。 何年も音信不通だった母が亡くなったという報せを受けて、瀬戸内海に浮かぶ島を訪れた槙生。職を失ったばかりの槙生は、自分より年下の母の夫・伊吹と出会い、しばらく家に住まわせてもらうことに。生前母が営んでいた「スナックかえで」を手伝いながら、祖母から引き継いだぬか床で漬けたぬか漬けを常連客たちにふるまううちに、槇生は母の意外な素顔を発見する。 「ぬか床の中には神様が住んでいて、優しく語りかけることで味がまろやかになる」──。 人生の悲しみも苦しみも、温かい島の風とぬか床の香りが癒してくれる。一編一編、読み進めるごとに心が温まっていく感動作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今夜、ぬか漬けスナックで』 の文庫版となります。 -
文豪は鬼子と綴る
「さあ、化物と鉢合わせといこうか」 謎だらけの変人作家×毒舌の少年助手 不揃いだからこそ補い合える二人が、博多の街を騒がす人食い化物の正体を追う大正あやかし事件簿! 時は大正十年。旧制中学に通う優等生・瀬戸春彦は編集者の父のお使いで、偏屈で有名な正体不明の大人気作家・香月蓮の原稿取りに行かされる。 香月は春彦の歯に衣着せぬ物言いや年の割に達観した性格を気に入り、小説のネタ探しの助手にする。 二人はさっそく町で噂になっている、託宣で人の死を予言するという歩き巫女の姉妹、人喰い化け物の仕業と噂される連続バラバラ殺人事件の真相を追いかける。 だが、それは恐ろしくも底知れぬ闇への入口だった。 見えてきた手がかりは、遊廓の遊女たちの怨念から生まれたという曰くつき呪具――太夫の左腕。 民俗学的な要素も満載、大正時代の博多を舞台に繰り広げられる耽美なホラーミステリ! くすんだ金髪に白い肌、鬼子として生を受けた少年、瀬戸春彦。 己の運命に縛られ屋敷に閉じ籠もり生きてきた謎の小説家、香月蓮。 己ではどうしよもない呪いを背負った者同士の運命的な出会い―― 「夜行堂奇譚」「四ツ山鬼談」の著者が放つ新たなバディ小説!
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