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東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。
GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。
1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作!
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かったです。
一生懸命なサクラギ先生が素敵だし、生徒たちがそれぞれの過去から逃げたり向き合ったりしながら成長していく姿をひたすら応援できた一冊でした。
第六章
濁った池から逃れることのできない四人に、使い道のない翼を与えてしまった。
仰ぎ見ることしか叶わない空を舞う自由を教えてしまったー。
そんな絶望にサクラギ先生と一緒に打ちのめされた後、明かされた四人の夢。
話の流れが秀逸で、この半年間の秘密のあれこれにワクワク。
第八章ラスト
あなたにとって民主主義とは何ですか?の問いへのヤエちゃんの答え。
「ここにいた時間のぜんぶ」
静かに涙。
思いを伝えてほしかったけれど、こんな終わりもありだな、と思ってからの補習。
「孝子さん。わたしは、君とふたりで、終わりのない物語をつくっていきたいです」
このセリフに涙涙でした。
素敵なラストをありがとう!って気持ちです。
ドラマ化してほしい!
動くサクラギ先生、生徒5人、鞠子夫人が見たい!
Posted by ブクログ
これは本とコさんにオススメしていただいた1冊。
オススメしてもらわなかったら手にとることすらなかったかもしれません。
ありがとうございます。
この本、手元に届いたときにちょっと驚きました。
600ページ超のまるで辞書本!
しかも紙も薄めで読んでも読んでも減る気がしない!
でも面白くて気付けば3日くらいで読み終えた。
書きたいことが多すぎて雑多になりそうだけど、頭に浮かんだことを順番に。
あのね、この物語の大事な場面に我らが栃木の誇る金谷ホテルが!
そうです、春休みに5,000円の百年カレーを食べたあの金谷ホテルです。
勿論、この物語の中の人たちも食べます百年カレー。もう、うふふですね。
それに金谷ホテルがどんな所なのかも知っているからレストランもロビーもありありと想像できるんですね。めっちゃ楽しい。
でもこの物語の本質はそこじゃない!
デモクラシーなんですよ。民主主義。
戦後の日本に突如としてやってきた民主主義。
私気付いちゃったんですよ。日本が民主主義の国になってまだ80年くらいしか経っていないことに。
戦後の時代の80年前ってまだ江戸時代だったんだって。ちょうど大政奉還くらいの頃。
戦後を挟んで80年ってどえりゃあ世の中が変わっていてびっくり。
で思ったんです。
私達って日本において民主主義2世か3世くらいなのよね。
民主主義化する過渡期にいた祖父母や両親の世代に育てられた私達。
そりゃ男尊女卑の精神も残るわな。
妙に納得してしまったのよ。
でね、さらに気付いてしまったの。
きょうだい児って民主主義化してない家庭多くない⁉︎って。
親の顔色伺って自分の意見を飲み込んでいい子でいることが美しい!みたいな。
自分の意思は一切持たず、欲しがりません勝つまでは!みたいな。
で、ふとしたタイミングで気付くのよ。なんかおかしくない⁉︎って。気付いてからが地獄なんですよ。だって軍国主義の中を生き抜いてきたらある日突然民主主義になります!って言われた戦後の人たちとの同じなんだもん。
時代は違えども、なんか近しいものを感じたのでございます。
まぁね、障害児を育てる親の苦労も分かるのでどうのこうの言うつもりはない。
で、なんだっけ。
えーっと、民主主義化するってアレに似てると思ったの。
他人軸と自分軸。
今まで他人軸で生きてきたけど、これからは自分軸で自分が楽しいと思う生き方をしていきましょう!自分がしたい生き方をしましょう!って。
その段階を踏んでいく彼女たちを見ているのはとても面白かった。
咽び泣いたりはしなかったけど、とても勉強にもなったしとても面白かった。
Posted by ブクログ
やはり小説は面白い。
いや、森絵都さんの小説は面白いと強く感じる作品だった。物語はフィクションであるが、戦後初期にワープしたかのような臨場感がある作品。以前新聞で見た上野孤児の写真が目の前に広がるかのような鮮明な描写もあって面白かった。小説はその世界に没頭できるのが醍醐味だと思うが、まさにタイムスリップしてまた令和に戻ってきたような読後感だった。
民主主義を教える教師、和田や教頭が美央子達の意見に豹変するシーン。生々しく思えた。そりゃ、そんなすぐ変わらないよな。。
この終戦80年で日本はよくここまで成長したなと思う。女性初の首相誕生に沸いた令和に生きる自分。
上野の桜は外国人観光客で賑わい、駅ナカはスーパーも食事もスイーツも揃う。カルティエ展が催される程、煌びやかな一面も見える街になった。
孝子達は今95歳以上の設定だろうか。戦争で家族や家、何もかもを失った彼女達、いや世の男性も含めて、何かに没頭することで心を強くし、戦後を生き伸び、それが日本の経済を作ってきたのだと考えた。やはりこの時代を生きてきた人たちの反骨精神や学びへの意識の高さは、戦争を経験した人ではないと持ち得ない、そんな気もしている。
Posted by ブクログ
今だからこそ、たくさんの人に読まれるべき物語。
直木賞候補だったが、ぜひ受賞してほしかった。
序盤にサクラギが発した言葉「与えられた物語を信じてはいけない」が伏線となり、教え子の孝子が「新しい物語」と新年の抱負として書き初めをし、物語の結びには「終わりのない物語をつくる」
それぞれの意味するものは少しずつ違うけれど、よくできている。
戦争とはどんなものなのか、私はあまりにも知らなすぎる。アメリカで日系アメリカ人たちが強制収容されていたということも、初めて知った。
それをあの有名なルーズベルトが行ったということも。
日本でどんなに物資が不足しても、飢えに苦しむひとがたくさんいる中でも、食べ物もなんでも、あるところにはしっかり確保されている。というのも今に通じる救いのないリアル。
戦争で家族も夢も住む家も何もかも失った、みんなそうなんだと歯を食いしばって生きている人もいながら、何一つ失ってはいない階級の人たちがいるという残酷。
美央子はことあるごとに、あの戦争さえなければと心の中で思っていた。それが当時の人たちの心の叫びなのだろうと思うと、戦争は人々の人生を台無しにするものなのだと改めて感じる。
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小説・文芸
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