あらすじ
東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。
GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。
1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作!
【電子版おまけ】
手書きメッセージ
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Posted by ブクログ
「うち、知りたいんです。民主主義って何なのか」
戦後80周年。
そんな2025年のうちに読みたかった作品をやっと読めました!
「民主主義とは何か」
これが、最大の問いであったように思う。
民主主義に正解はない。
「十人に聞けば十通りの民主主義がある」
「日本には日本らしい民主主義の花が、いつか咲くんじゃないでしょうか。」
確かにそのとおりだなと思う。
私も読みながら、リュウのレッスンを受けてる気分になった。
第6章の終わりからの伏線回収の展開にはかなり驚かされたが、ほんとうに面白い1冊だった!
本作は何年か経てば、ドラマ化するんじゃないかなと思った!
是非、楽しみな作品です
分厚い作品なので、読み終わるのに時間がかった。
しかし、社会好きの私には、いい勉強にもなってたいへん面白く、読みごたえのある作品でした!!
読んで後悔しない作品です!
是非、オススメの作品です。
【印象に残ったセリフ】
〜ケーディス大佐が、リューに言った言葉〜
●「トライアル・アンド・エラーだよ、リュウ」
Posted by ブクログ
戦後の混乱期、日系2世の主人公がGHQの一員として、日本に民主主義を定着させるための実験で教師役を引き受けることになる。集められた4人の女性たち。育った背景も性格も違う。教師役の主人公でさえ、とらえどころがないと思っている民主主義を、6ヶ月の実験期間の中でどう教えるのか?実際問題として、戦後80年経った今の日本でさえ、民主主義を完全に消化できていないというのに。教師と生徒だけでなく、彼らを取り巻く人々もさまざまで、それぞれの思惑があってこの実験に関与してくる。単なる授業のはずが、予期せぬ方向に動いていくのが面白く、読んでいてワクワクさせられた。
Posted by ブクログ
戦後間もない日本。敵が敵ではなくなった今、どう生きていくのか?迷う日本人を導くべく、GHQに選ばれし四人の若い女性たち。四人は育った環境も性格もバラバラですが、みんな戦争で家族や大切なものを失い深く傷ついて、、、
そんな彼女たちの教師となった日系2世のリュウ・サクラギさんと彼女たちの悪戦苦闘の日々に、私は笑ったり涙ぐんだりしながら、物語に惹き込まれていきました。
レッスンの期間として与えられた半年間で、様々な事件や体験を経て彼女たちの心が一つになっていく姿や、夢に向かって進もうとする姿、サクラギ先生との絆が強くなっていく様子がジワジワと伝わってきました。
そして、最後の1行まで目が離せない素敵な結末(書きたいけど我慢します)が待っていました。
サクラギ先生、美央子さん、孝子さん、ヤエさん、吉乃さん、クニさん、皆さんに出会えて良かったです。
著者の森絵都さんに感謝!
Posted by ブクログ
登場人物が皆、魅力的で、躍動感あふれる物語でした。
600pを超える長編ながら、中だるみすることもなく、ずっと続きが気になるおもしろさ。
生きる喜びや楽しさを思い出させてくれる、さすが森絵都さん!と感動しました。
Posted by ブクログ
第二次大戦後、GHQ統治下の日本。この国を民主化するための一つの試みとして、半年間4人の日本人女性をひと処に住まわせ、民主主義の教育を施すという実験が行われた。それぞれがそれぞれに大戦で色々なものを失ってきた美央子、孝子、ヤエ、吉乃の4人が集められ実験対象となり、また彼女らの教師を、在米日本人2世としてアメリカで生まれ育ち、戦後日本にて通訳官を勤めていたリュウ・サクラギが務めることになる。
基本的に物語はリュウの視点から語られる。はじめは彼女らともウマが合わず、教育も上手くいかず試行錯誤を繰り返すが、次第にそれぞれと心を通わせるようになっていく。
物語がリュウの視点から描かれる分、読者はリュウに感情移入しながら読み進めることになる。何かトラブルが起きれば一緒になってドキドキするし、誰かと打ち解ける度にホッとするし、彼女らから頼られたり成長を実感する出来事があればとても嬉しい気持ちになる。教師としてのリュウの感情をそのまま追体験できる形になっている。その分、リュウの目線からは見えなかった彼女らの企みが、それまでに散りばめられた伏線回収とともに明かされる時の驚きも、またひとしおなのである。
彼女ら4人(クニも入れれば5人)の生い立ちや戦中・戦後の経験は相応に悲惨なものであり、またリュウとそれなりに打ち解けるまでは良い雰囲気で物語が進行するわけではないのだが、暗く感じさせずに最初から最後までコミカルに書き切るその筆致が見事。彼女ら5人、リュウ、鞠子ら登場人物のキャラクターの書き分けも素晴らしい。
何よりも、印象に残るフレーズの数々が胸に刺さる。彼女らの半年間の成長がそのまま発露したような、黒板に書かれた最後の質問に対しての各々の答えも当然グッとくる。物語序盤の「与えられた物語を信じちゃいけない。」、「民主主義の基本は、君たちが、自分自身で考えた物語を生きること」や、「体の芯に降りてきた碇のようなもの。これを覚悟と名づけたい。」も良い。でも個人的には最終盤での孝子の「アイ、ハブ、ビーン、ハッピーでした。」を凄く推したい。それまでの教育内容の描写が、こんなところで生きるとは。
色々書きたい感情があるんだけど上手く言葉に出来ない。とりあえず言えるのは、今年読んだ中で1、2を争う良い小説でした。そのうち映像化されるんじゃないかな(長さ的に、アニメかドラマが良いかも)。
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GHQによって東京下落合の邸宅に集められ、日系2世のサクラギから「民主主義のレッスン」を半年間受けることになった4人の女性を描いた物語。やる気や協調性を感じられない4人に対して、試行錯誤するサクラギの奮闘と協力者である仁藤鞠子の粘っこい思惑に釘付けになった。登場人物の背景をしっかり描き、何なら脇役の師匠までもが生き生きとしており、みんな愛おしい存在で、思わず声に出して笑った内容も多く、こんなに楽しい読書は初めてだった。彼女たちが考え抜いて辿り着いた民主主義の答えと、それぞれの夢が希望に溢れていて良かった。
Posted by ブクログ
戦後すぐの日本で、女子を対象にデモクラシーを育てていくという壮大な計画の話。こういうことは実際にあったのか?おそらくはなかったのだろうが、デモクラシーの歴史、国による違いなど、読みながら考えるのは面白かった。上野で戦争孤児が飢え死にしているような時に、旧華族はものすごく贅沢な暮らしをしていたとか、学士会館が米軍に接収されていたとか知らなかったなぁ。
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戦後、軍国主義から民主主義へ掌返しの日本で全くタイプの違う若い女性が自分達なりの解釈で民主主義を理解していく様子がとてもいきいきと描写されて面白かったです。
戦後のGHQの様子なども興味深かったです。
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戦後の日本で民主主義を学ぶ4人の女性の話、しかも600ページ超えの超大作ということで、気合い入れて読み始めたけど、とんでもない!笑いと涙と胸キュンもあり、最後の最後まで面白く、あっという間だった。また一冊いい本に出会えたな。
Posted by ブクログ
良い。一本の映画を見たかのよう。アラフォーだけど最後これ赤面しちゃうよ???
戦後のシビアな現実に民主主義のレッスンという一見堅苦しそうだけれど、後半から色々ひっくり返されてページ捲る手止まらん。ばさまーー!
この4人の女性達は大正の終わり〜昭和一桁生まれ。20年程前に亡くなった祖母が大正8年生まれだったので、こんな時代を生きていたのだろうか。北関東の田舎なのでおそらくヤエやクニと状況が近いのだろうが、B29がB29がと繰り返していた戦争の話を聞いたのは一回きり。私達は本で読んだり聞いた歴史の一部が本当に存在している事実。戦争はダメ、ゼッタイ。
Posted by ブクログ
制度としての民主主義と、わたしたちが感じるものとの乖離は、1946年に比べると縮まっているかもしれないが、確実にいまもあるし、この先なくなりはしないだろう
法制度上の平等は整ってきたように見えても「見えにくい壁」はあるし、だれもが平等だと感じる世界は絶対に存在しないと思う
それぞれの価値観だけではなく、性別や国籍、境遇で大きく異なる問題も多種多様で千差万別だ
ただ、わたしたちはそれを甘んじて受け入れてるだけで文句言っても始まらない
何を選んでどのように行動し、人とのつながりを持っていくのか
隣の人のことを理解するだけでもデモクラシーだ
Posted by ブクログ
戦後の日本で民主主義を学ぶ女性たちのお話ということで、なんとなくちょっと読みづらい感じの堅めの話を想像していましたが……。
予想に反して、時代小説なのにとても読みやすく、読んでいて心が温まる物語でした。
家父長制や軍国主義的な考え方に縛られていた女性たちが、民主主義を学び考えることで少しずつ自分なりの生き方を探す。その様子を日系二世の男性教師の視点で描いており、文章を通して彼らの日常や人間模様を見守っているような気分でした。
全体的にシリアスになりすぎることがなく、前向きに生きようとする人たちによる温かくて力強いお話という印象を受けました。でも戦中や戦後の女性の置かれている状況や感情について作中で触れていたり、日本という国家の性質や国民性を風刺していたりして、物語の中にそういう読者に届くような鋭さや痛みもちゃんとある。
民主主義だけでなく、それ以外のことについても読みながら色々と考えさせてくれる良作品です。
Posted by ブクログ
とても良かった!
戦時中、戦後の女性の地位について描かれている場面(男性教師は懇親会という名の議論する場に参加できて、女性教師は参加せずに料理をふるまう裏方役に徹する)が印象的で。女性の地位が低いことが当たり前だと、男性のみならず女性側も疑わないということが衝撃だった。
戦後80年、日本に女性総理大臣が誕生したこと、この当時を思うととても感慨深く感じる。
あと終盤、恋愛要素が入っていたのもドキドキしちゃって良かった♡
Posted by ブクログ
民主主義に真っ向から挑んだ森絵都さんが、まず、かっこいい。この題材で今の時代にこんな長尺の小説書くのって、ホント、尊敬します。
巻末の参考文献の多さたるや!
4人(5人?)の女性の変容を大河小説のように描き、しかもミステリー要素も少しだけ入れて、後半のスピード感に繋げるあたり流石です。それから恋愛小説の要素も。
美央子の日記での、彼女たちからの視点で物語の復習がなされるところも秀逸!
もうはここら辺から一気読みでした。
いい読書時間でした。
Posted by ブクログ
戦後まもなく、日本に民主主義を理解させる実験として4人の娘が集められた。
この民主主義が何なのかさっぱり分かっていない娘達にどこまで理解させる事が出来るか。
教師として奮闘するも娘達は何の関心もない。
果たして、と思うも娘達は其々の生き方を見据えていく様になる。
実は意外な事実が隠されていたのだが、読み進むうちに娘達には自由に羽ばたける世の中であって欲しいと願ってしまう。
Posted by ブクログ
戦争が終わって、GHQ指導のもと4人の女性が選ばれ、安定した衣食住と引き換えにアメリカンデモクラシーの教育を受ける。教育を受ける事となった生徒とハーフの先生がこれを行う事でさまざまに変化して行く様を描いている。
最後まで話の転換が面白く、非常に面白かった。
Posted by ブクログ
600頁超の本作は、朝ドラを観ている気分になるほどに、戦中戦後の日本の情景や登場人物の心情を抜かりなくたっぷりと受け取ることのできる一冊。
戦後の日本にGHQがもたらした“民主化”
それまで軍国主義だった日本人にはなかなか理解の難しい民主主義を広めようと実験的に集められた4人の日本人女性達と日系2世の先生との半年間の授業の日々が綴られている。
終始、先生であるサクラギの視点から話が進んでいくが、終盤で生徒の1人である美央子の開講日からの日記が組み込まれており、それぞれの過去や個々の考え方や捉え方の違いについても深く触れられる構成になっていた。
本作を読んで、民主主義とはこれほどまでに矛盾を孕んでいるのかと辟易とした気分になると同時に、この四文字に未来を拓く底知れぬパワーがあることに心が揺さぶられた。
Posted by ブクログ
駆け抜けるのは、その志。物事が動く時、動きたくない気持ち、動きたい気持ち、それぞれが交差してさまざま思惑の中で、人は選び抜いて生きていく。時代という重石をいかに背負って、受け入れて生きていくか。強さとは何か、ということを改めて考えさせられる物語。
Posted by ブクログ
600ページ超えの大作だが、あっという間に読み終えた。
戦後、GHQが支配する東京の、とある子爵夫人の別邸で、民主主義の教育が始まろうとしている。先進国の中で遅れをとっている女性たちを代表して生まれも育ちも異なる4人が集められる。指導者はサクラギと言う日系人。其々の思惑が交差しながら期日の半年を迎えるが、、
女性達(後に1人プラス)と子爵夫人の丁々発止が生き生きしていて面白かった。
Posted by ブクログ
600ページの大作で時間はかかったが、止まることなく読み進められた。GHQの日系の先生、4人➕1人の女性など魅力的キャラ達。
良かった。 ただGHQについて美化だけでは物足りない。
Posted by ブクログ
戦後の日本の復興をテーマに日系二世とそれぞれの事情を抱える4人の女性の民主主義教育が始まる。空回りするサクラギ先生と4人の攻防が面白い。したたかな悪役仁藤夫人の暗躍とそのただでは起きない逞しさにあきれながも感心した。
Posted by ブクログ
森さん、既読20冊。私の中でどうも定まらぬ作家さんです。結構幅が広くて、時々外れもあるのだけれど、今回は見事にフィットした楽しい話でした。
舞台は占領軍時代。民主主義の教育を命じられた日系二世の米兵と、その教え子となった4人の日本人の娘の物語です。とにかく登場人物たちのキャラがみんな秀逸で可笑しい。強欲で自己顕示欲の塊のような仁藤鞠子子爵夫人、上野の夜の街上がりで鋭い捨て台詞を放つヤエ、手配した太鼓にもれなく付いてきた師匠。そんな極端なキャラをストーリの中で自由に振舞わせる。何とも可笑しく、しばしば軽く声をあげて笑ってしまいます。仕込んでおいた「隠れキャラ」によって物語の後半に描かれる全体の俯瞰と転換も粋です。とにかく楽しい。
そんな楽しい物語の中、単なる政治形態としてではなく、より広義な民主主義(あらゆる集団で、個の自由や権利が等しく保障され、多様な意見が対等に議論される世界)が語られます。 森さんが本作で描きたかったのは、民主主義とは個々人が受け身の姿勢で享受するものではなく、自らが主体として参加し、勝ち取り続ける「意思」そのものだ、ということのように思います。
Posted by ブクログ
戦後の日本は、順調に変わりつつあると言うが実際そう簡単ではなく、食糧難に住居不足、失業者の急増など問題は山積みで、民主的な生き方に耳を傾ける余裕がない。
占領政策への懐疑が広まる前に、日本民主化を進めるべく、GHQが始めたのは日系2生のリュウを教師にして仁藤子爵夫人の邸宅で4人の女性の授業が始まった。
邸宅に集められた4人の女性の共同生活は、波乱に満ちていたが、徐々に彼女たちの思いが明らかになる。
第四章からの4人が書く豊富が、後々になってよくわかり、自由研究からはやるべきことが見えてくる。
後半からは彼女たちが気になって、ページを捲る手がとまらなかった。
旧態依然とした世界観はそう簡単には変わらないことを目の前にすれば落胆もする。
本人たちがどれだけ変わったとしても社会が変わらないと意味はなさないのは残念だが、最後は彼女たちは自分で自分の道を決めたことに意味があったのだと思った。
Posted by ブクログ
戦後、多様な背景を持つ女性達に民主主義を教える実験をすることになった日系アメリカ人
自身も民主主義が唱える理想に疑問を抱きつつ、試行錯誤しながら女性達に様々なことを教えていくという話
視点が変わると全く感想が異なるという最後のくだりは面白く、二転三転する展開に驚いて楽しく読めた
一点読みにくいと感じたのは、打ち明け話系は思わせぶりにその場では内容をあかさずに後からこんなこと言ってたんだよ、と書かれているシーンが多かったこと
これは1,2回ならいいが、度々このようなシーンが出てきて「またか…」とストレスを感じるので、この書き方はやめた方がいいと思う
Posted by ブクログ
大好きな森絵都の新作。戦後間もない日本で、様々なバックグラウンドの女性4人に日系二世の青年が民主主義を教える話。森絵都っぽいコミカルさと、戦後すぐの悲惨さが同居していて、ぐいぐい読める。主人公の責任感というか、良心の持ち方がすごくて好感が持てる。制限時間のあるレッスンに沿って話が進んでいくので、このまま終わるのかなーと思いながら読んでいたら、ラスト近くにちゃんと転換があって、そこから一気に読み進めてしまった。
Posted by ブクログ
戦後アメリカの占領下になった日本では、民主主義の心が根付かずGHQは手を焼いていた。そこにきて、実験として4人の20歳前後の女子が集められ、半年間の特別民主主義教育が行われることになった。教師を務めるは日系アメリカ人の軍の通訳リュウ・サクラギ。果たして彼女たちは先進的な女性に生まれ変われるか?!
というストーリー。まず思ったのは、森絵都はこういう作品を書くんだ?!ということ。10代の頃は随分たくさん森絵都のジュブナイル小説を読んだ。繊細で少年少女の心に寄り添うような透明度の高い作品を生み出す人というイメージ。それが、いつの間にかこんなにページ数のある、重厚感ありそうな大河やプロジェクトXのような作品を…?
まあでも、読んでみたらそこまで重厚感はなかった。それでも以前の森絵都の作風とは違っていて新鮮だった。どんでん返しのある構成も面白かった。あの時代の女が民主主義を学ぶことの希望と無力感もわかる。語り手のリュウ・サクラギ先生も良いやつで、彼の試行錯誤も面白い。そこそこ面白く読めたのだが、個人的には事前の期待を上回るほどの感動はなかった…かな。なんでかなぁ。ネタが多すぎなのかなぁ。
とはいえ、一気読みにはなりました。ユニークな舞台設定で展開される物語、読む価値はある。
Posted by ブクログ
P105 から始まる孝子からマッカーサーに宛てた手紙が私にとっては一番のハイライトだった。
戦争に負けたのは貧乏人だけだったのではないか、一部の人達はずっと勝ち続けていたのではないか。
苦しい思いをして戦時を生き抜いた一井の人々、大切な人を戦争で亡くした人たちからすると、何も失わず苦しい思いもせず変わらぬ生活を続けていた特権階級は憎くてしょうがない。どうしてこんな差があるのか。
民主主義がすべてを解決できるわけではないことを現代に生きる我々は知ってしまったけれども、当時の人から見ると民主主義はとても素晴らしいものだと思えただろう。
今、民主主義は正しく機能しているのか考えていかないとなと思う。