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大震災の前も後も、暮らしは続いてゆく。東北の港町に生きる人々の姿を通して紡がれる再生と希望の物語。三年前の秋、早坂希は勤めていた会社を辞めて仙河海市に戻ってきた。病弱の母親の代わりに、スナック「リオ」の切り盛りをしている。過去に陸上選手として活躍していた希は、走ることで日々の鬱憤や悩みを解消していたが、ある日大きな震災が起きて、いつも見る街並みが180度変わってしまう(「リアスのランナー」「希望のランナー」)他。――東北に生まれ、東北に暮らす直木賞作家の、「あの日」を描かない連作短編集。全10編。
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Posted by ブクログ
ずっしりと重みのある内容だと毎回思い身構えたけど意外に読めちゃう。仙河海タイトルはほんとたくさんあるし 今回も登場人物が多数いて どこかしら繋がっているし あーあん時の〜ってならんのよ自分は、もうなんで覚えていないのですか自分、悲しくなるわ。前半7後半3とまた自然体のうますぎるってこと。希のランナー再開もよかったし、ラッツォクが1番響いた。お兄ちゃん私が死んでるの知っているんでしょうの所で泣きそうになる そうかそうだったのか翔平は1人なんだよと、津波を知らない自分が掬い取るのは失礼だし もっと考えろ自分と。ここから仙河海8作を読み直したらいいのにな自分
Posted by ブクログ
「仙河海」は気仙沼をモデルとした架空の町で、聞き慣れない「叙景」は、自然の風景を詩文に書き表すことの意だそう。帯には〈「あの日」を描かない(10編の)連作短編集〉とあります。2016年刊行、1編追加して2025年に文庫化されました。
様々な人々の何気ない日常は、どこにでもある暮らしです。ただこれらの震災直前の描写は、起きてしまった大災害を知る読み手にとっては、自ずと「あの日」のカウントダウンとなり、それまでの当たり前の生活が、よりかけがえのないものとして伝わり、胸に迫ります。
連作短編は、とかく物語の深みに欠ける印象になりがちですが、本作はより多様な日常を描くこと、それぞれの短編の登場人物がとても自然に重なっていること、さらに各話をあえて完結させずに描くことで、日常の連続性が感じられますし、薄っぺらな印象をもちません。
また、震災前の7編と震災後の3編を見事につなげ、時を巻き戻さずとも絶望から希望へ走り出すラストが感動的で秀逸でした。
かつて気仙沼で中学教師だった著者には、かつての何気ない日常、そこに暮らす人々、豊かな海が脳裏に焼き付いているのでしょう。この「仙河海」を舞台としたシリーズが現在8作。書き続けることに大きな意義があるのですね。
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