齊藤正高の作品一覧
「齊藤正高」の「両京十五日」「宇宙墓碑 現代中国SFアンソロジー」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
全13遍の短編集。本当に読み終わりたくなかった...涙
デビュー作「鯨歌」はデビュー作なわけないだろってくらい既に仕上がってる。「郷村教師」は偶然が重なって農村の幼い子供達が受けた教育が地球を地球外生命体の破壊から救うんだけど、人類の歴史の中で培った科学や文明を今の世代が知っていることがどれだけ大切かわかりような気がした。「詩雲」もすごいね...。神が詩を気に入っちゃって、膨大なリソースを戦争とか征服のためじゃなくて、全ての漢詩(とくに五言絶句や七言絶句)を発見することに投じられるロマンに痺れた。
「栄光と夢」は収録作の中で一番好きだった作品。教科書に載せることを強く勧めたいくらい考えさせられる話だった。富める国と貧しい国の間では倫理水準で合意得られるはずないよね。だから武力になるんだけど、だって今日1日の命や食糧すら危ぶまれる状況でオリンピックで決着つけようや、は先進国の傲慢とご都合主義が過ぎてグロかった。読みながら吐きそうなったの初めてかも。
「円円のシャボン玉」は劉慈欣先生がよく書いてるテクノロジーで天気操っちゃう系で発送が純粋に面白かった。娘ぶっ飛んでてよかった。
「月の光」もすごい。結局何も起こらないんだけ地球の未来がほとんど2回変わってる壮大さがすごく短い話に圧縮されてて、読後感の置いてけぼり感が心地よかった。「円」は「三体」一部の人間計算機が別の文脈で再現されててファンにはたまらない話。「三体」だと次いつ安定期が訪れ、いつ混沌期が来るかを予測するシミュレーターだったけど、今回は円周率の計算用途で真の軍隊が総動員してた。
SFって読んだ瞬間現実の見え方が変わるから読むことによって得るものが大きい。
最近よく空見るようになったし足元の蟻とかもよく見るようになった。
Posted by ブクログ
長かったが、面白かった。
スパイ、と一言で言っても、敵地に潜入する者もいれば、自国に潜入したスパイを探し出す者もいるなど、色々なパターンがあり、それぞれの大変さがある。
しばらくはミステリーというよりスパイもの、ではあるが全体を通じて燭龍は誰か、という謎はあり、最後の謎解きはまさにミステリー。
三国志の時代だが劉備は亡くなっており、劉璋の時代。孔明は生きており、存在感がある。ただ有名人はそんなに多く出てこないので、三国志知らなくても楽しめると思う。
中国の人の名前や固有名詞が最初中々入らなかったが、2段組で500ページもあれば慣れる。登場人物名の入った栞があるのも助かる。
映画とかになりそうと思っていたら、すでにドラマ化されているようで。(とはいえ、結構ストーリーとか違うようだが)
Posted by ブクログ
出会いはNHKで放送された中国ドラマ『三国志外伝 愛と悲しみのスパイ』だった。このドラマがとても良くて、原作を読みたいと思ったのだ。
1ページが2段構成の521ページ。あとがきを読んだら、「二十数万字」(漢字で?)とあったから、ボリューム満点。
それにも驚いたが、もっと驚いたのは、ぜんぜんドラマと違う話だったってこと。ふつうドラマの原作と言ったら、まあ、多少の違いはあれど同じストーリーだよね。それが、同じなところは登場人物の名前(コードネームが違ったりはする)と中国三国時代の蜀と魏のスパイの話ってところかなあ。
ドラマと原作がこんなに違ってしまって作者はどう思っているのだろう?と心配になってしまったが、訳者のあとがきを読んだら、
映像化は非常に専門的な領域で小説を書けることがドラマを撮れることではありません。だから、じゅうぶんに専門の方々を尊重し、彼らに創作の自由を与えたいと思います。
訳者あとがきより
というインタビュー記事の中の作者の言葉が載っていたので、了解済みなのねと安心した。
それにしても、あまりの変貌である。
でも、どちらもとてもおもしろく、2度楽しめた感があるので、読者としてはラッキーと言えるのかも。
冒頭、陳恭(ちんきょう)が『白帝』でないってところから、あれれ?となり、どこまで読んだらドラマとつながるのか?と思っていたら、いつまでたってもつながる気配がない。笑
私としては、もう少し陳恭にも活躍して欲しかったけど。
一方、主人公の荀詡(じゅんく)についてはドラマより若干暴れん坊っぽかったけれど、一番差異が少なかったキャラクターかも。まあ、主人公が違っちゃったら、さすがにどうなの?ってなっちゃうよね。
ストーリー的には、スパイの話なのでハラハラドキドキはもちろん、最後のところで、いやあ、そうだったのか~っていう着地。すばらしい。
ドラマの方は、小説にはない恋愛要素もあり、女性にも楽しめるかな。
それに、映像と音楽が素晴らしく良くて、DVDも買ってしまった。
まだ読んでない観ていないという人には、とてもオススメしたい2作品だ。
あ、そうそう、もう一つ驚いたこと。
小説の作風に似合わない、あとがきの文体。
馬伯庸さん、ちょっと面白そうな人である。