海風クラブ

海風クラブ

3,080円 (税込)

15pt

4.5

白い犬の後を追いかけてきたタロコ族の少年と、自分を売ろうとする父親から逃げてきた少女。山の深い洞穴で二人は出会い、心を交わす。
少年が少女の村に、少女が少年の村へ入れ替わり出ていくのを、巨人は見つめていた。
山は巨人の体であった。人々に忘れ去られた最後の巨人ダナマイ。彼の言葉を解すのは、傷を負った動物たち。
時を経て再会する二人を軸に、様々な過去を背負う人々を抱えて物語は動き出す。
舞台は原住民と漢人、祖霊と神が宿る台湾東部の海豊村。
山を切り崩すセメント工場の計画が持ち上がり、村の未来を前にして、誇りを守ろうとする人々と、利益を享受しようとする人々が対立する。
巨人がなおも見つめ続ける中、かつてない規模の台風が村を襲い、巨人と人間の運命が再び交差する――。

物語を動かすのはつねに、大いなるものに耳を傾ける、小さき者たち。

★2023年台湾書店大賞小説賞受賞
★「博客来」ブックス・オブ・ザ・イヤー入選

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

海風クラブ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    “ある場所は、いったん人が踏み込んでしまったら、もう無傷ではいられない”
    山に擬した伝説の巨人の身体に足を踏み入れた少年と少女は成長し、様々な人々と出会う。
    丁寧に一人ひとりのストーリーを追いながら、台湾の先住民族に対する負の歴史へ、更に日本による占領統治時代へと物語は奥行きを増してゆく。

    同時に

    0
    2025年06月28日

    Posted by ブクログ

    自然と開発、神話と現代、貧富や人種とさまざまな対比を描きつつ、主要人物それぞれの過去と現在、全てを抱え込んだ呉明益渾身の小説世界。

    とても私なんかがこの本の良さを表現できないが、最後、振り返って小さな2人が入れ替わった意味を考えてしまった。

    しかし実家の山も巨人だったのかな。3本足の小動物は見か

    0
    2025年05月24日

    Posted by ブクログ

    まず、ルドンから着想を得た表紙の絵に惹きつけられました。
    台湾の土着の民族が漢民族や日本人達によって搾取され追いやられていく様子が、山に住むという伝説の巨人の終焉と絡めて壮大な物語になっている。
    最初の2人の子供の出会うシーンはとても良かった。だんだんありきたりの展開になって少し残念。
    過去や現在が

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    プリミティブな美しさが時の流れとともに侵されていく。それでもなお人は生きつづける。金儲けに踊らされる(その結果を唯々諾々と受け入れる)人間の営為は巨人の体を削り、その体内に異物を放り込むようなものだというメッセージはあまりに直截的で、読むべきはむしろ強く逞しく生きていく人たちのその姿なのだろう。物語

    0
    2025年09月10日

海風クラブ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

角川書店単行本 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す