台湾漫遊鉄道のふたり

台湾漫遊鉄道のふたり

2,530円 (税込)

12pt

炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。
ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。

「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。
そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」
古内一絵さん大満足

1938年、五月の台湾。
作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、
台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。
国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―――
あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。

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台湾漫遊鉄道のふたり のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    台湾グルメ紀行文かと思いきや、なかなか気づくことがあった。
    日本人の多くが青山千鶴子みたくなってないか?
    親切心のつもりで「日本」を押し付けてないか?
    某国は日本のお陰で文明化したとか無邪気に言っちゃってないか?
    そうなのかもしれないし、新日かもしれないし、そこには日本のものが溢れているかもしれない

    0
    2025年11月27日

    Posted by ブクログ

    素晴らしい小説でした。
    日本時代の台湾を舞台に、妙齢の日本人女性作家青山千鶴子と教養あふれる台湾人女性通訳王千鶴の旅と美食と、お互いが寄せ合う心情の機微とが描かれます。二人の立場の違いのせいで、心を寄せ合っていながらも離れざるを得ない二人がなんとも悲しかったです。
    初めて読んだときはこの機微に気づか

    0
    2025年11月27日

    Posted by ブクログ

    昭和初期。母と叔母と住んでいる青山千鶴は小説家。おうちにいるとお見合いの釣書ばかり見せられるのに嫌気がさし、小説「青春記」が映画化された記念に台湾より招聘されたのを良いことに台湾へと旅立つ。そこで共に大食いの王千鶴さんが通訳としてつく。台湾国内を漫遊しつつ、「台湾漫遊記」を連載。公演などしながら、台

    0
    2025年11月01日

    Posted by ブクログ

    日本の植民地時代の台湾を描いたものである。政治的な説明ではなく、本省人と内地人という立場で、日本人の女性が台湾を旅行して台湾の食べ物を食べ尽くすという形式である。隣国の・・・という本で紹介されていた。フィクションではあるがよく書かれていて台湾に行った気になる。

    0
    2025年10月30日

    Posted by ブクログ

    舞台は日本植民地時代の台湾。
    講演会のため台湾に滞在する作家の千鶴子と、通訳として彼女の身の回りの世話をする千鶴。2人の女性が共に過ごした日々が丁寧に描かれた小説。

    物語の導入や後書きがノンフィクションのように描かれているため、一瞬、小説だという事を忘れてしまいました!物語に入り込む仕掛けとして新

    0
    2025年10月19日

    Posted by ブクログ

    日本作家・青山千鶴子と台湾人通訳・王千鶴が台湾で公演活動を行いながら、その地の食べ物を食べ尽くす勢いで食べる。食の旅行記に見せかけながら、日本統治下の台湾の様子が後半から見えてくる。
     作家青山千鶴子の豪放磊落さが前半は少し鼻につくが通訳王千鶴との交流から、その当時の日本人と台湾人の考え方が想像でき

    0
    2025年10月04日

    Posted by ブクログ

    昭和12年、作家の千鶴子は赴いた台湾で通訳の千鶴に出会う。千鶴から教わる知らなかった台湾、知らなかった食、そして知らなかった自分の本当の姿。
    ---------------
    台湾を舞台にした百合小説、という触れ込みだったので気軽に読んだのですが、これがなかなかの噛みごたえでした。
    以前台湾を旅行する

    0
    2025年10月03日

    Posted by ブクログ

    昭和初期の台湾を舞台にしており、その当時の台湾の生活や社会風俗を知ることができて、時代小説としても学びが多い作品だった。日本が統治している時代で、征服者と非征服者の関係や、非征服者が潜在的に押し付けられていると感じる劣等感や文化を押し付けられている感覚がジワジワと感じ取れる文章だった。私は沖縄が故郷

    0
    2025年10月01日

    Posted by ブクログ

    初めての台湾文学
    面白かった。
    今年のマイベスト10に入りそう。

    「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」
    統治する側、される側には、どうしても乗り越えられない壁がある。

    作品は日本人作家側から書かれ、
    くだけた表現もあり読みやすかった。
    日本料理、台湾料理、当時の暮ら

    0
    2025年09月04日

    Posted by ブクログ

    美食グルメ本かと思いきや、ちゃんと当時の歴史の裏がある作品でした。読みてない日本人だからこそ、物語の中の登場人物の異変にラストまで気付かなかったのかなと胸が締め付けられました。
    それでも少しでも2人の間に芽生えた関係があったこと、フィクションなのに願ってしまいました。

    0
    2025年08月12日

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