【感想・ネタバレ】台湾漫遊鉄道のふたりのレビュー

あらすじ

炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。
ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。

「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。
そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」
古内一絵さん大満足

1938年、五月の台湾。
作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、
台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。
国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―――
あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。

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Posted by ブクログ

読みながらよだれが出そうになる一冊。
台湾に行ってみたくなる。
明るくて三浦しをんさんに似た文体で、終始楽しく読めた。
おすすめの一冊!

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2026年02月17日

Posted by ブクログ

空気読めない族にはこたえるかも。
私はこの本を読んでとても重たい気分になりました。
美島に言われた言葉が、まるで自分に言われたようでグサっと傷つきました。
「この世界で、独りよがりな善意ほどはた迷惑なものはございません」とかね。
考えなしに千鶴に言った言葉にも後悔して…
感情移入しすぎかしら。
最後の12章がなかったらもっとひどい気分を引きずったはず。でもそれすら作者の仕掛け(設定)だったとは。この巧妙な設定の本には参りました。

ただこの本は、理由をちゃんと伝えてくれていてありがたい。でないと日本人の目線では、千鶴や美島の気持ちを正しく理解出来なかったかもしれないから。匂わせで終わらずこんなに明らかに登場人物に語らせたのは作者の強い主張を感じる。ここまでしてもらってやっと、(多分だけど)きちんと作者の意図、受け取れたような気がする。

書店で目たまたまにとまったこの本を、台湾各地の美味しそうな食べ物を女性2人で満喫する物語と思い衝動買いしたのだけれど、もっと深いテーマの本だった。そしてネタバレですが日本人千鶴子の書いた風を装った構成の台湾人作家の作品

日本人を内地人、台湾人を本島人と呼び従属関係が確かにあった時代。

約一年ほど講演活動で滞在した台湾で、通訳の千鶴を可愛がり、無邪気に友達になろう親友になろうと迫る千鶴子。ただ千鶴はなかなか受け入れてくれず、とうとう千鶴子の元を去ってしまう。

最初はそこまで面白いと思わなかった。でもどんどん引き込まれていった。千鶴子が何故?何故だめなの?と思うのと同じぐらい、読者である私も千鶴の気持ちが気になって色々推測し、千鶴の気持ちを想像しながら読んだ。

ありがたい事に、千鶴も、市役所職員の本島人美島も、千鶴子に詰め寄られて自分の思いを吐露してくれた。そのおかげで、自分の想像しきれなかった千鶴子の誤りにも多少気づけたけれど、するとまるで自分自身が青山千鶴子本人になったかのような気分になって落ち込んだ。

夫が心配して「どうしたの大丈夫?」と声をかけてくれた。

千鶴子は当時の日本人としては、かなり善良な日本人で、自分も日本で苦労した生い立ちだったからこそ同情したり、共感したりしたのだろうけど、それと植民地支配とは別の次元の話なんだろうな。

『内地の桜を、本島の土地に無理やり植えるのは、やっぱり横暴よね』
『帝国のやり方は強引で不愉快だけれど、でも美しい桜に罪は無いわよね』

この台詞のどこがいけなかったのかを、理解するのに1番手こずりました。
覆せない立場の違いがあるのに、優位な立場の人からわかったつもりで言ったり評価したり意味づけしない…って事?同情もあなたがそれ言う?になるって事?

実生活で、こんなふうに言ってしまうかもしれない、悪気がなくても、誰かを傷つけてしまうかもしれないという怖さを感じました。
どうすれば良いのか?
自分は黙って相手の気持ちを聞くのがよいのか?

できるかな?
でも善意の千鶴子になりたくない。

千鶴や美島には、統治時代の台湾で優雅に生活していた日本人より、善人だけと悪気なく無神経な千鶴子の方が、ある意味タチが悪い存在だったのかもしれない。

それでも「どうしようもないですね青山さんは。」と言う千鶴のセリフ。これの言葉だけが、私にとってこの重い本の唯一の救いかもしれないです。千鶴が、千鶴子を加害者である日本人としてではなく、不器用な一個人として扱ってくれていることを感じる。

美島が最後にほんの少し気持ちを晒したのも、千鶴ほどではないにせよ、「仕方ない人だな苦笑、でもあなたになら何がいけないのかヒントを差し上げてもよいかもしれません」という気持ちがあったんだと思いたい。

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2026年02月02日

Posted by ブクログ

初めて台湾文学を手にしました。日本の植民地時代の台湾に滞在する日本人女性作家と台湾人女性翻訳人の話。台湾中を鉄道で旅しながら台湾の料理を食する文章でしか伝わらないけどお腹が空いてきました。日本の植民地を美化してない作品とのことで反日的な要素があるのか心配したけどそうでもなかった。台湾は親日家で統治時代は日本がインフラを整備し発展に貢献したと言う私達日本人は多いけど当時の台湾は皇民化政策の影響で少しずつ文化や言語が失われてく光景や主人公作家の千鶴子みたいに傲慢な内地人(日本人)もいたと思うし日本に対して複雑な感情を抱く当時の台湾人は多くいたことでしょう。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

2人で「アイヤ〜アイヤ〜♪」って歌ってるのが可愛すぎる
胸いっぱいになりながら読んだけど、最後の認識のすれ違いはズーンときちゃった

読んでる時の雰囲気が共通してると思ったので、こうの史代先生に漫画化してほしい…(こうの史代先生の百合漫画は最高)

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

台湾グルメ紀行文かと思いきや、なかなか気づくことがあった。
日本人の多くが青山千鶴子みたくなってないか?
親切心のつもりで「日本」を押し付けてないか?
某国は日本のお陰で文明化したとか無邪気に言っちゃってないか?
そうなのかもしれないし、新日かもしれないし、そこには日本のものが溢れているかもしれない。でも「ほら、よかったでしょう?」とか言われちゃう方はモヤるだろうな、と物語の中でさりげなく見せてくれた。
パターナリズム:父が子に対するように、温情のつもりで干渉すること。雇用関係や、医師と患者の関係などにみられる(三省堂国語辞典)

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

素晴らしい小説でした。
日本時代の台湾を舞台に、妙齢の日本人女性作家青山千鶴子と教養あふれる台湾人女性通訳王千鶴の旅と美食と、お互いが寄せ合う心情の機微とが描かれます。二人の立場の違いのせいで、心を寄せ合っていながらも離れざるを得ない二人がなんとも悲しかったです。
初めて読んだときはこの機微に気づかずに、ちょっと鈍感な青山さんのように、王さんがなぜ離れていくのかわからず、最後の場面で二人の真情に触れた思いでしたが、今回はそれぞれの場面で王さんの思いが行間からにじみ出てきて胸に迫るものを感じながら読み進めました。
再読することで感動が増し、すっかり作者の楊双子さんのひいきになってしまいました。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

昭和初期。母と叔母と住んでいる青山千鶴は小説家。おうちにいるとお見合いの釣書ばかり見せられるのに嫌気がさし、小説「青春記」が映画化された記念に台湾より招聘されたのを良いことに台湾へと旅立つ。そこで共に大食いの王千鶴さんが通訳としてつく。台湾国内を漫遊しつつ、「台湾漫遊記」を連載。公演などしながら、台湾の旅や食を楽しむふたりだが、もっと仲良くなりたい千鶴と、職業上の関係を保ちたい王の間ですれ違いが起こる。帝国と島、男性と女性、内地人と本島人の差別に敏感なふたりに友情は育まれるのか?あとがきに「青山洋子(千鶴娘)」と「王千鶴」によるものがあったので、本当にあったことなのか!!と驚いたところで、種明かしがあって、すっかり騙されてしまいました。

全米図書賞 日本翻訳大賞受賞作。

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2025年11月01日

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日本の植民地時代の台湾を描いたものである。政治的な説明ではなく、本省人と内地人という立場で、日本人の女性が台湾を旅行して台湾の食べ物を食べ尽くすという形式である。隣国の・・・という本で紹介されていた。フィクションではあるがよく書かれていて台湾に行った気になる。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

舞台は日本植民地時代の台湾。
講演会のため台湾に滞在する作家の千鶴子と、通訳として彼女の身の回りの世話をする千鶴。2人の女性が共に過ごした日々が丁寧に描かれた小説。

物語の導入や後書きがノンフィクションのように描かれているため、一瞬、小説だという事を忘れてしまいました!物語に入り込む仕掛けとして新鮮で面白い。

登場する多彩な台湾料理は、どれも美味しそうで、どんな料理か想像するだけで楽しい。
鉄道で巡る行き先での旅の風景を、実際に見てみたいという気持ちに駆られました。

2人の繊細な心境の変化が丁寧に描かれ、中盤から後半にかけての展開にグッと引き込まれました。2人の距離がなかなか縮まらない理由に気づかなかったことで、千鶴子と同じような傲慢さが自分にあると気づき反省させられました。

情景が浮かぶようなとても美しいラストが心に残る作品です。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

日本作家・青山千鶴子と台湾人通訳・王千鶴が台湾で公演活動を行いながら、その地の食べ物を食べ尽くす勢いで食べる。食の旅行記に見せかけながら、日本統治下の台湾の様子が後半から見えてくる。
 作家青山千鶴子の豪放磊落さが前半は少し鼻につくが通訳王千鶴との交流から、その当時の日本人と台湾人の考え方が想像できる。友情には至らないけれどお互いの立場を理解して、心の交流を持った二人は友情を超えた絆を一生持ち続けることとなる。
 台湾の歴史をいろいろ考えさせられる本。また、台湾に行って食を楽しみたくなる本。
この作家の新作を読みたくなった。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

昭和12年、作家の千鶴子は赴いた台湾で通訳の千鶴に出会う。千鶴から教わる知らなかった台湾、知らなかった食、そして知らなかった自分の本当の姿。
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台湾を舞台にした百合小説、という触れ込みだったので気軽に読んだのですが、これがなかなかの噛みごたえでした。
以前台湾を旅行する際に、いまだに統治時代の日式建築がたくさん残っていること、その下に埋もれたもの、を意識して街を歩きたいと思っていました。しかし実際に行ってしまうと旅行に浮かれてあまりそうした重い側面について考えられなかったのです。この本ではそうした側面をしっかりと刻みつける意図が感じられて、単なるお気楽百合ものとは一線を画す重量感を感じさせてくれました。
一方で二人の関係にどきどきしながら読んでは最後に大変に胸の痛い思いをさせられるので、歴史の重さと娯楽としての人間の描写というものを深く描きつつ、高いバランスでまとめあげていて、本当によくできた小説だな、と思いました。大変に良い読書体験でした。
わりと読みやすいし、結局百合なので話としては多くの人が楽しめる本だと思います。ひとつ台湾に旅行に行く人は必ず事前に読むようにすると、ただの親日のおいしいものがある台湾という国のイメージや風景が少しは違って見えるのではないでしょうか。日本人の旅行者には少なからずこうした視点は必須だと思います。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

昭和初期の台湾を舞台にしており、その当時の台湾の生活や社会風俗を知ることができて、時代小説としても学びが多い作品だった。日本が統治している時代で、征服者と非征服者の関係や、非征服者が潜在的に押し付けられていると感じる劣等感や文化を押し付けられている感覚がジワジワと感じ取れる文章だった。私は沖縄が故郷だが、歴史的に征服された経緯があるので沖縄の人が内地の人に抱く感情にも似ている部分があると感じた。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

初めての台湾文学
面白かった。
今年のマイベスト10に入りそう。

「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」
統治する側、される側には、どうしても乗り越えられない壁がある。

作品は日本人作家側から書かれ、
くだけた表現もあり読みやすかった。
日本料理、台湾料理、当時の暮らしも盛り込まれ、ここも魅力的でした。

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2025年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いろんな仕掛けがある本だった。
特に女性同士であることによる現代人からの感情移入のしやすさと権力関係の見えなさ。

もしこれが日本人男性が現地の女性に翻訳兼料理人をさせている話だとすれば、読者すぐにその権力関係に気づいただろう。

あと最後に主人公が被害者ポジションを取らずにしっかりと謝ったところが良かった。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

青山千鶴子という作家、聞いたことないなと思って読んで、あとがきで全部フィクションだったと知った。面白かったから問題ないけど、こんな手法あるんだ〜とびっくりした。
支配者と被支配者の間には友情が成立しない。でも人として気にかけることはできる。「私だけのために料理をしてくれた初めての人です」という言葉が好きだなあ。

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2025年08月17日

購入済み

鉄道旅行、美食、百合をキーワードにした少女たちの物語。
日本の植民地化にある台湾を舞台に、日本人の女流作家千鶴子と台湾人の千鶴が関係を深めていきます。
台湾の美食、美しい景観はもちろんですが、二人の関係が最も美しいです。支配者、被支配者の関係であるのにもかかわらず、対等だと無神経な発言を繰り返す千鶴子と、柔らかな笑顔の下に頑固で冷ややかな心を隠す千鶴の対照が面白かったです。友達以上の関係性が特別で切なく思いました。
小説内小説では日本も台湾も変わらず封建的な社会で女性の権利が抑圧されていますが、小説内後書き(後世)では女性の社会進出が進んでいることが表現されていて印象的でした。

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2023年05月24日

Posted by ブクログ

鉄道美食百合がコンセプトって、自分の好きなもの詰め込みましたって、森薫以来の正直な発言聞いた。
行ったことない台湾で、時代設定が戦前の日本が調子こいてた時代。
千鶴子はまるっきり傲慢な男のようで、経済力と地位を持つと男女関係なく傲慢なおっさんみたいになるのか?千鶴がまた通訳から料理まで何でも出来るスーパー女子、その上控えめで小悪魔的なとこもある、なんて理想的な女だから好きなんじゃない?最後までそう思った。女社会を知ってたら、そういうタイプは実は気が強いって知ってるし、千鶴子はほんとに自分の興味無いことはどうでもいいんだな。友達いないわけだ。宝塚の男役みたいな気になってるのかな。美島が正直に答えてくれなかったら、一生自分の傲慢さに気づかなかったろうし。鉄道と美食は面白かったけど、百合部分は好みじゃないな。千鶴子が女じゃない。ものの感じ方考え方が男だもん。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

百合か…?ああ百合じゃなさそう…(訳者あとがきを読んで)百合だった…。
となった。
でも百合どうこう置いておいてとても面白い本。最後のあとがき達を含めた粋な演出。
現代的な語り口調が読みやすい。心優しいが本当にその人のためを思ってしているかについては考えもしない、傍若無人な青山さん。いると思う。そして植民地主義に嫌悪を表しながら、根底には根付いているような。そういうのもあるあるだと思う。日本が台湾を見た時、今この現代においても どのくらいリスペクトの心があるか。

最後の訳者あとがきを読んで、このところ感じていたことが言葉にされていて とてもしっくりきた。

「しかし、これは単なる懐古 ブームではない 。さらには いわゆる 親日的態度の表出などではないことは、本書を読んでも明らかだろう。
その中で 約50年間にわたる 日本統治時代は被植民地として抑圧されてきた時代であるが、台湾人が通過、経験してきた歴史の一つであることには間違いない。それがどんな時代だったのか そこで何が起き 今日に どう繋がっているのかを知ることで、今の自分たちのアイデンティティを考えようとしているのだ。」

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

 前半部分は少しでも土地勘や台湾料理の知識があった方が読みやすく面白いと思う。
 食べ物も美味しそうだし、暮らすように旅するのはやはりいいなとお気楽気分でいたら後半はまるでイヤミスのよう。そんな結末がとても好き。自戒を込めて。
後半からとても良かったので★1つ増えた。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

うーんとてもよかった。
食べ物がモチーフになる小説はいくつかあるけれど、その全てが未知の料理であるのに、全て魅力的に写った。
登場人物のやり取りには可愛らしいものもあり、所々で気になるところがあり、それが最後に明らかとなった時には、歴史や文化について考えさせられることになった。
あとがきを読んでわかる、この本に込められたコンセプトも、今の立場からすると面白い。
もう一度読みたい、台湾行きたい、となった。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

日本人の作家と、台湾人の通訳が出会って
仕事を通して仲良くなっていく話。
戦前の話で国単位で言えば
支配する側、される側という微妙な関係。

2024年翻訳大賞受賞。
池澤春菜さんおすすめのこの本。
ここ数年は、日本を取り巻く外交環境が慌ただしい動きをしていることもあり、
日本人としての価値観をアップデートしたいなと思って手に取りました。

主人公の2人に、どんな人生が待っていたのか、
想像を巡らすような仕掛けもあり、
好きな読後感でした。

たくさんの料理が出てきますが、
知識が無さ過ぎて具体的に想像できなかった私が残念でした。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

日本が台湾を統治していた頃の話。
日本人作家と台湾人通訳との交流と台湾の食文化。
楽しく食事をしながら、台湾文化に触れ、差別に怒り、学ぶ。
軽妙な文章に楽しく引き込まれる。
台湾の料理やお菓子など食べ、いろいろな場所に行きたくなった。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

異国情緒ある表紙絵がステキです。

1939年台湾にて、作家青山千鶴子と通訳の王千鶴は出会います。2人とも鉄道での講演旅行で、食べるわ食べるわ。台湾グルメ満載!肩のこらない親しみやすい文章で、セリフが多くどんどん読めてしまいます。ここが作家さんの狙いなんだろうなあ。

千鶴子さん、千鶴さんと仕事の関係性を超えて本当のお友達になりたいがために、グイグイ質問攻め。さらりとかわす千鶴さん。おもしろい。

食べるときもグイグイいくし、質問もグイグイの千鶴子さん。だから、読者の私も千鶴さんの境遇、当時の台湾の様子が分かるのですが。

中盤ぐらいから、このままいってこの2人、大丈夫?と思ってしまいました。グイグイ系質問攻めの圧迫感と、溢れるばかりの食べ物に、“ちょっと勘弁してください”という気持ちになってしまいました。

日本統治下の台湾です。支配する側とされる側、この隔たり。最後の結末で考えさせられます。

2025年10月3日(金)の朝日新聞に、楊双子さんの記事がありました。彼女の日本への興味の始まりは、日本漫画と歴史教育だそうです。1984年生まれの楊さんは、学校で「日本は敵である」との考えを植えつけられてきたとのこと。以下、新聞記事より

「でも漫画で読む日本の日常は親しみやすく、日本は敵という概念と相いれなかった。心の中の複雑で納得できない感情を分析したいと思い、大学時代に日本語を勉強し始めたのです」

このような作家さんがいてくださること、日本人のひとりとして、とても有り難く、嬉しく思います。

台湾料理、知りたいと思いました。この本を読んで良かったです。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

無邪気に台湾を旅する千鶴子に、先日、台湾旅行を気軽に楽しんだ自分が重なって、いたたまれない気持ちになった。

なんとなく日本では、台湾とえいば「親日」というイメージが共有されているけど、統治下にある当時〜現代に至るまで、決して単純なものではなくて、複雑な日本への想い、故郷への想い、を持ち続けていることに気づかされた。
「好き」であると語るなら、上辺だけでなくちゃんとその土地の歴史を学ばないとなと痛感した次第。

千鶴は教養もあり語学も堪能で、ちゃんと自分で自分を守れる人。それにも関わらず、無意識に庇護の対象として扱う千鶴子。これこそが一見して分かりづらいけど、差別のひとつの形なんだろうな。
建前上対等である立場の人から、頼んでもいないのに自分を庇護の対象だったり可愛がられたりするのって、確かに不愉快だよね。。対等な人間関係とは?と考えさせられた。

千鶴がここまで強くなくて、千鶴子が押し切ってたら、2人はどんな未来を歩んでしまってたんだろう。お互いのためにはなってない。
ちゃんと自分の心を守るのって大事。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

考えさせられた 台湾統治時代の、内地からきた日本人と本島人の二人の女性の心の交流の物語。
最初はたくさんの美味しいものが書かれ、女性二人の珍道中的なものかと思いきやテーマはとても重かった。
統治側と非統治側に属する二人の間に、真の、平等な友情は育まれるのか。

日本人側の視点で描かれる親切や価値観。
これが押し付けであることに気づけるかどうかが肝心では、と思う。
求めてすらいないのに便利だからこうしろ、きっと似合うからこうしなさい…断られることを想定していないそれらの提案を、本島人である千鶴はどんな思いで受け止めたのか。
気づかなかったから、では済まされない。
気づかなければならないのだ。
悪意がないからこそ厄介であり、理解されないであろうと思いつつも千鶴子に優しい千鶴に、胸が痛くなる思いがした。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

友好の印象が強い台湾。震災のときの多額の寄付・救護支援、ただただ甘受するだけになっていたかもしれません。前半にでてきた千鶴子と千鶴が役割交代して日本巡り旅行記第2弾は、「いいじゃん、楽しそう」って普通に思ってしまいました。相手が望んでいるものと合致してこその御返しですものね。

『私は思わず立ち上がり、大声で宣言した。「いっしょに台湾を食べ尽くしましょう!」千鶴は驚いた顔をしたが、すぐににっこり笑ってうなずいた。』
どこから2人がすれ違っちゃったのかなって読み返すけど、もうそれぞれの立場含めて最初からなのかもしれない。でもこの2人じゃないと見れない景色も、食べられない美味しいものも、あったんだよ!!出会いには礼節を持って、感謝です( ;∀;)

先月読み終わったのに、思うように感想が書けなかった1冊。時々、この2人のこと思い出していろいろ猛省したい。

2024.11

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

よかった。
美味しそうな料理をたくさん食べる話みたいに読んでたけれど、日本人、台湾人、それぞれの立場ゆえに越えられない壁があることに切なくなってしまった。
時代が、場所が違えば2人が共に幸せになれる結末があったんだろうかと思ってしまった。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

物語は面白かった。
でもずっと主人公が好きになれなくて、なんかうっすら傲慢さをずっと感じてて気持ち悪かったんだけど、まさかそれが物語の肝だとは思っておりませんでした。

2025.12.18
222

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

日本統治時代の台湾を舞台にしているので反日感情を見せられるかと思ったらあまり無く(ゼロではない)。日本人の無邪気さはわかるように書かれていたと思うし、それを書いたのが台湾人作家というのはとても大きい意味があるように思う。
次から次に出てくる台湾料理がとてもおいしそうだった。中華圏の漢字はうまく読めないので難儀するが、それでも美味しそうなのは伝わってきた。
この小説を紹介する時に「百合小説」というのもあるが、その辺は読み手の性癖によると思う。

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2025年12月16日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦前の台湾を舞台に、執筆・講演活動中の女性と通訳の現地女性とのやりとり。支配する者とされる者の大きな壁、今まで考えたことがなかった台湾の状況になるほどなーと思った。主人公の女性が大食いで食事の描写も楽しい。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

台湾各地で食べるローカルフードはどれも美味しそうで食欲をそそります。
小説のモデルになった「愉快なる地図」もおすすめです。

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2025年10月17日

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