【感想・ネタバレ】台湾漫遊鉄道のふたりのレビュー

あらすじ

炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。
ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。

「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。
そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」
古内一絵さん大満足

1938年、五月の台湾。
作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、
台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。
国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―――
あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。

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Posted by ブクログ

ファンタジーの余韻から現実へ引き剥がすようなあとがきパート含め、全部好きだし新鮮だった。
まず、千鶴子の痛々しい言動に、痛烈な共感性羞恥を覚えた。
台湾グルメと鉄道旅の鮮やかな描写に惹かれて読み進めるうちに、自分の中にも覚えのあるおめでたくも独りよがりで都合の良い解釈に気付かされるからだ。
千鶴子の無自覚な特権階級の傲慢さと、千鶴ちゃんの圧倒的な大人の対応の対比に、息も絶え絶え悶え苦しむほどだった。
対等とはなんだろうか。対等でないと友情は育めないのか。
現代の自分を翻って、組織における上司と部下の関係にも綺麗にスライドして追体験できる素晴らしい読書体験だった。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

台湾のごはんが、とにかく美味しそうだった。
列車に乗って、知らない街に降りて、その土地のものを食べる。そういう旅の空気がすごくよくて、読んでいる間、何度も台湾に行きたくなった。
でも、この本は単純な旅行記としては読めなかった。
舞台になっているのは日本統治時代の台湾で、そこにはどうしても、見る側と見られる側、支配する側とされる側の関係がある。
鉄道が敷かれ、インフラが整い、生活が便利になった面はたしかにあったのだと思う。
ただ、それを日本人である自分が「日本が台湾を良くした」と受け取ってしまうのは、かなり危ういことだと思った。
便利になった、発展した、という言葉の裏側には、もともとそこにあった生活や文化、コミュニティが変えられていった事実もある。
元々あった孔子廟が壊され、多くの神社が建てられた、という語りは特に印象に残った。
何かを整えることは、同時に何かを上書きすることでもあったのだと思う。
今、日本に好意的な台湾の人が多いとしても、それを「日本統治が良かったから」と簡単に回収してはいけない。
好意や親しみは、歴史を帳消しにするものではないし、こちらに都合よく受け取っていいものでもない。
むしろ、好意的でいてくれるからこそ、雑に甘えてはいけないのだと思った。
もう一つ強く残ったのは、出自やアイデンティティの違いによって、どれだけ気が合っても、趣味が合っても、友人にはなれないかもしれないという感情だった。
今の自分からすると、なかなか想像しづらい。
気が合えば友達になれる、というのは、実はかなり平和で恵まれた前提なのかもしれない。
その前提が成り立たない時代や場所があったことを、あまり考えたことがなかった。
読んでいて少し引っかかったのは、漢文からの引用がけっこう多いところだった。
最初は、「昔の日本人って、こんなに漢文的な教養を前面に出していたのかな」と思った。
もちろん、当時の知識人ならそういう素養はあったのだろう。けれど、それだけではなく、作者が台湾人であることも関係しているのかもしれない。
つまりこれは、台湾人作家が想像する「昔の日本人像」でもあるのだと思う。
日本人が台湾を見ていた時代の話でありながら、今度は台湾の作家が昔の日本人を見つめ返している。
そこが面白かった。
この本は、台湾を描いているようでいて、日本人である自分の見方も試されているような感じがした。
読み終えて、台湾にはすごく行きたくなった。
ただ、「懐かしい日本の名残」を探すような旅にはしたくないと思った。
それはたぶん、台湾を見るようでいて、結局は日本の影ばかり探す旅になってしまうからだ。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

異なる立場にいる二人が、それぞれの思い込みを乗り越えて心が通じ合った瞬間、奇跡のような結果が生まれる。
人生を変えるチャンスはすぐそばに転がっている。大切なのは、それに気づくアンテナと、一歩を踏み出す自分自身の勇気なのだと感じた。
最後の最後まで読んでほしい。

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2026年06月06日

Posted by ブクログ

数年前にTBSラジオで紹介されていて、気になっていた一冊。
ラジオで絶賛されていたとおり、私の好みにぴったりでした。
訳がとても滑らかなこともあり、あっという間に読み終えてしまいました。

台湾グルメと女の友情。
何から何まで好奇心をくすぐるテーマが盛りだくさんです。

この小説は、千鶴子の視点で描かれています。
語り口にはユーモアが散りばめられていて、それが彼女の強烈な個性をやわらげる役割も担っています。

昭和13年の女性にしては、千鶴子はかなり珍しい考えの持ち主です。
結婚もせず独身で、小説家として筆一本で生計を立て、台湾へ一人旅をする。
旅先で面倒を見てくれる方はいるものの、当時としてはかなり珍しいことだったのではないでしょうか。

さらに、向上心と好奇心が強く、独立心も飛び抜けて高い。
困ったら男に頼ろう、という甘っちょろい考えは一切ありません。
まるで現代のキャリアウーマンのような人物像なのです。
あの時代に、こんな人が本当にいたのかな? と少し思ってしまうほどでした。

そんな彼女の通訳を担うのが、台湾人の王千鶴。
仕事ができる知識人です。

この二人が、台湾料理を食べつくす旅に出ます。

読んでいて、私は「友情とは何だろう?」ということを考えずにはいられませんでした。
千鶴子は千鶴に、事あるごとに「友達になろう」と語りかけます。
けれど、千鶴はなかなか首を縦に振りません。

歴史や文化の差、生い立ちは、人間関係を育むうえで障害の一つになるのだと思いました。
時代は、日本が台湾を統治していた頃。
どうしても「日本は台湾よりも上の立場にある」「日本は台湾を助けている」といった上下関係が、人間関係にも影響してしまうんですよね。

さらに、千鶴子は作家で、千鶴は通訳。
職業上の上下関係もあります。
つまり、この二人の間には、歴史的な上下関係と職業上の上下関係が二重に存在しているのです。

このような複雑な状況の中で、友情は生まれるのか。
友情とは、そもそも何なのか。
千鶴子を通して、読者である私たちも考えさせられます。

「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」

三島のこの言葉が、深く突き刺さりました。

台湾グルメもかなり魅力的なのですが、それ以上に、こういう複雑な状況下で育まれていく女の友情を描いた物語は心に響きますね。

今月のベスト本は、この本かな。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

台湾各地を巡る女性2人の紀行文として読んでもよいし、台湾の種々様々な美味しいものを食する疑似体験(直後手に入れられる範囲内で点心や菓子を購入したのはいうまでもない)として読み込んでもよし。ただ、私は特に日本統治下における台湾本土の人達の心情を分かる書籍として、歴史的資料として、この本の素晴らしさを他の人にも伝えたい。実際、台湾の歴史には日本に対して快い思いはないのでしょうが、ある一つのフィクションとしてこの本を読むのであればそれも有り。客観的に読んでしまえばいい時代だったなぁなどとのどかな感想も書けるのでしょうが、千鶴が感じたような日本の傲慢さが見え隠れするのが底辺に流れるしこりのようなものになっている。千鶴子のモデルが林芙美子だったのはなるほどなるほどで頷ける。歴史的観点から読めばイタいと言えるかもしれないけれど、とても面白く読み終えることができた。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

台湾旅行の道中で読みました。
美食と台湾の情景の描写が圧倒的に豊かで、
旅行の楽しさが何倍にもなりました。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

初の台湾文学。素晴らしい作品でした。
昭和13年の台湾が舞台で、作家・青山千鶴子と台湾人通訳・王千鶴が、台湾の美食に魅了されながら仲を深めていく物語です。
日本の統治下にあった台湾の様子がわかりやすく描かれており、歴史に疎い私はとても勉強になりました。心の奥を見せない千鶴の本音が、統治する側とされる側の違いをまざまざと感じさせます。
どんなにわかり合いたくても分かり合えない状況がある。作中にある『自分の心に潜む傲慢や偏見に気付いていない、凡俗な人間だったのだ』という言葉は、まさに自分のことだと気付かされました。
重たいテーマではあるものの、ユーモアのある会話や台湾の美食がとにかく美味しそうで楽しめました。
改めて台湾と日本の関係を知ることができた作品です。

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2026年03月12日

Posted by ブクログ

読みながらよだれが出そうになる一冊。
台湾に行ってみたくなる。
明るくて三浦しをんさんに似た文体で、終始楽しく読めた。
おすすめの一冊!

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2026年02月17日

Posted by ブクログ

初めて台湾文学を手にしました。日本の植民地時代の台湾に滞在する日本人女性作家と台湾人女性翻訳人の話。台湾中を鉄道で旅しながら台湾の料理を食する文章でしか伝わらないけどお腹が空いてきました。日本の植民地を美化してない作品とのことで反日的な要素があるのか心配したけどそうでもなかった。台湾は親日家で統治時代は日本がインフラを整備し発展に貢献したと言う私達日本人は多いけど当時の台湾は皇民化政策の影響で少しずつ文化や言語が失われてく光景や主人公作家の千鶴子みたいに傲慢な内地人(日本人)もいたと思うし日本に対して複雑な感情を抱く当時の台湾人は多くいたことでしょう。

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2026年02月01日

購入済み

鉄道旅行、美食、百合をキーワードにした少女たちの物語。
日本の植民地化にある台湾を舞台に、日本人の女流作家千鶴子と台湾人の千鶴が関係を深めていきます。
台湾の美食、美しい景観はもちろんですが、二人の関係が最も美しいです。支配者、被支配者の関係であるのにもかかわらず、対等だと無神経な発言を繰り返す千鶴子と、柔らかな笑顔の下に頑固で冷ややかな心を隠す千鶴の対照が面白かったです。友達以上の関係性が特別で切なく思いました。
小説内小説では日本も台湾も変わらず封建的な社会で女性の権利が抑圧されていますが、小説内後書き(後世)では女性の社会進出が進んでいることが表現されていて印象的でした。

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2023年05月24日

Posted by ブクログ

千鶴子、地雷踏みすぎ。でもずっと千鶴子目線だから、それ許されてるんや、そう思っていいんやって日本人として楽な方に解釈してしまう。歴史小説なのに現在の自分にグサっと刺さるのすごいわ。千鶴ちゃんあんな賢いのになんで昭和の日本人おじさんの妻で生涯を終えたの?っていうのだけ納得いかない。

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2026年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長かったが、最後の方は読む手が止まらなかった。
あとがきにご本人が出てきたのが一番興奮して、泣いた。

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

装丁のお洒落さと、これまで読んでこなかったであろう題材、台湾割譲していた時代の日本と台湾の関係性や歴史が知れるかもと好奇心が高まり手に取ってみたら…

目次が美味しそうな台湾名物料理で埋め尽くされていて、
想像していた題材と毛色が違いそう?!と予感しつつ、
読後はやっぱり毛色が違った(そりゃあただの食い倒れ旅では終わらない)。
辻村深月さんの『傲慢と善良』を思い出した。

台湾は以前6日間かけて台北〜台中〜台南まで旅行したことがあって、特に台北では親日家の人も多く、現地のお婆ちゃん世代によく日本語で話しかけられたなーと感じたんだけど

そりゃ昔のとはいえ、統治した側とされた側が
全くもって円満なはずはない!
まっさらな気持ちで育もうとする友情は、本物ですか?と問われ愕然とする青山千鶴子の不甲斐なさを、同じ日本人として他人事とは思えなかった。

美しい、素晴らしいと思う気持ちが万人共通であるはずだという傲慢。
人に親切にすることでその人から好かれるに違いないという偏見。


どの章も美味しそうな台湾料理と当時の名所で溢れているので気づきづらいけれど、
なかなか重くて近しいテーマだった…
そりゃわざわざ翻訳されるわけだ。


当時の日本と台湾の関係性が分かるかも?なんて
浅はかで逆に愛のない期待だった気がして
押し黙るしかない。
結局戦争が生み出すものなんて癒えることはない。
たとえ何千年、何百年前の歴史だろうが
自分が当事者であろうがなかろうが
関係ないな…
バイアスをなくして理解しようとすることがいつも大事だし、1番難しい。


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2026年05月08日

Posted by ブクログ

何度か訪れたことのある台湾。鹿港の屋台で食べた牡蠣のオムレツ。九份狭い坂道にある総合魚丸湯。太魯閣に向かう途中の駅で見かけた駅弁。
なんかむくむくと再び行きたいくなってきてしまった。

昭和初期のあの時代のことを少し思い出し憂鬱な気持ちになり、そうだ若い時にその歴史を知っていたはずなのにすっかり忘れてしまっていた。

色々なことを考えてしまった。主に食べ物だが。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

面白かった。なにより美味しそうな食べ物がたくさん出てきて、また台湾に行きたくなった。

見かけでは相手の立場に寄り添う装いをしながら、その態度の中に知らず知らずの間に根付いた傲慢な価値観があり、相手を不快にさせてしまう。現代でも、私たちは場面によって、千鶴子の側にも千鶴の側にもなりうるかもしれない。
本当の意味で偏りのない考えを持つことは不可能だと思う。けれど、自分とは違う立場の人と向き合うとき、そのことを自覚しているかどうかは大きいのではないか。あるいは過ちに気づいた時どうするか、を大切にしたいと思った。

百合といってもあからさまではなく読みやすいので、沢山の人に読んでほしい一冊。

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2026年04月16日

Posted by ブクログ

台湾旅行のお供に読んだ本。

漫遊鉄道とタイトルにあるが、鉄道旅の物語というよりは台湾美食の物語である。
知らない台湾料理がたくさん出てきて、台湾旅行で食したものなどほんの一握りに過ぎないのだと衝撃を受けた。

食の描写が細かいので前半はやや冗長に感じられたが、千鶴子と千鶴の関係が揺らぎ始める後半はどうなるのだろうと一気に読み進め、最後は涙を堪えながら読んだ。

千鶴にとっても、言葉ではうまく表せられないけれど大切な人だったのだと思う。

あとがきがまた泣ける。
本当の話だと勘違いしてしまうくらい。

歴史として台湾が日本の統治下にあったことを知ってはいても、本島人と内地人、支配する側とされる側の関係性がかくも複雑で微妙なものだとは知らなかった。

ストーリーも、グルメも、歴史も楽しめる一冊だった。

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2026年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦前の台湾を素敵な人と一緒に鉄道で旅して、美味しいものを食べまくる話。と思いきや、植民地としての台湾人の心の複雑さに触れてガツンとくる。

台湾の人は日本人に対して良い感情を持っているとよく言われるが、そこには微妙な感覚もあるのね。
保護しているつもりで全然対等ではない、ということに気付かない傲慢さが痛い…

それでも台湾の素敵さはしっかり味わえます。
ほんとにバラエティに富んだ食べ物があって、ワクワクします。
鉄道好きにもたまらない話。是非路線図を用意して、道中の名所を検索しつつ読みましょう。百合要素が好きな人にもお勧め。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

最初は自分にとっては少女趣味かな?と思いました。
が、進むにつれ違和感なく楽しめました。
本編後のあとがきが興味深かったです。
台湾好きはもちろん、そうでない方にもお勧めします。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

鉄道美食百合がコンセプトって、自分の好きなもの詰め込みましたって、森薫以来の正直な発言聞いた。
行ったことない台湾で、時代設定が戦前の日本が調子こいてた時代。
千鶴子はまるっきり傲慢な男のようで、経済力と地位を持つと男女関係なく傲慢なおっさんみたいになるのか?千鶴がまた通訳から料理まで何でも出来るスーパー女子、その上控えめで小悪魔的なとこもある、なんて理想的な女だから好きなんじゃない?最後までそう思った。女社会を知ってたら、そういうタイプは実は気が強いって知ってるし、千鶴子はほんとに自分の興味無いことはどうでもいいんだな。友達いないわけだ。宝塚の男役みたいな気になってるのかな。美島が正直に答えてくれなかったら、一生自分の傲慢さに気づかなかったろうし。鉄道と美食は面白かったけど、百合部分は好みじゃないな。千鶴子が女じゃない。ものの感じ方考え方が男だもん。

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2026年02月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

百合か…?ああ百合じゃなさそう…(訳者あとがきを読んで)百合だった…。
となった。
でも百合どうこう置いておいてとても面白い本。最後のあとがき達を含めた粋な演出。
現代的な語り口調が読みやすい。心優しいが本当にその人のためを思ってしているかについては考えもしない、傍若無人な青山さん。いると思う。そして植民地主義に嫌悪を表しながら、根底には根付いているような。そういうのもあるあるだと思う。日本が台湾を見た時、今この現代においても どのくらいリスペクトの心があるか。

最後の訳者あとがきを読んで、このところ感じていたことが言葉にされていて とてもしっくりきた。

「しかし、これは単なる懐古 ブームではない 。さらには いわゆる 親日的態度の表出などではないことは、本書を読んでも明らかだろう。
その中で 約50年間にわたる 日本統治時代は被植民地として抑圧されてきた時代であるが、台湾人が通過、経験してきた歴史の一つであることには間違いない。それがどんな時代だったのか そこで何が起き 今日に どう繋がっているのかを知ることで、今の自分たちのアイデンティティを考えようとしているのだ。」

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2026年02月03日

Posted by ブクログ

考えさせられた 台湾統治時代の、内地からきた日本人と本島人の二人の女性の心の交流の物語。
最初はたくさんの美味しいものが書かれ、女性二人の珍道中的なものかと思いきやテーマはとても重かった。
統治側と非統治側に属する二人の間に、真の、平等な友情は育まれるのか。

日本人側の視点で描かれる親切や価値観。
これが押し付けであることに気づけるかどうかが肝心では、と思う。
求めてすらいないのに便利だからこうしろ、きっと似合うからこうしなさい…断られることを想定していないそれらの提案を、本島人である千鶴はどんな思いで受け止めたのか。
気づかなかったから、では済まされない。
気づかなければならないのだ。
悪意がないからこそ厄介であり、理解されないであろうと思いつつも千鶴子に優しい千鶴に、胸が痛くなる思いがした。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白いとは思いましたが、
鉄道の話で辿り着いた本なので、
ご飯の方の比率が高すぎて
楽しめませんでした。

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

通常の本よりもなぜか多くある「あとがき」を最後まで読んで、ああそういうことかと、この小説の構造をようやく理解した。このような表現について当初は「騙された」という怒りの声もあったようだが、私自身はそこまでこの小説に肩入れをしていない分だけ、寛容になれた。
同じくあとがきによるとこれは「歴史百合小説」らしい。そしてテーマとして台湾の食文化が多く紹介されている。食べ物に対してそれほど執着がなく、百合にも興味がない私にはあまり響かず、むしろ千鶴子の行動や思考が暑苦しいと思っていたくらいだが、きっと共感できる人にとっては楽しめるはず。

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2026年05月26日

Posted by ブクログ

食べ物の描写が多く、前半はなかなか読み進められなかった。
後半で千鶴とギスギスし始めてからは惹き込まれ、一気読みだった。
フルコース料理が本当に美味しそうで、でもそのコースの最後にそれ言うんだみたいな笑
千鶴子の無神経さと傲慢さには辟易しながら読んでいたので後半自覚してくれてよかった。善意で傲慢なふるまいをする人ほどたちが悪いからな。自分はこんなにあなたのためを思って言っているのに…みたいな人とは関わりたくないほんと。そりゃ千鶴も友達にはなれないよね。
統治する側とされる側の心理描写が巧みだった。
あとがきを読んでえ、これリアル?と思ったがその後の楊双子氏のあとがきでやはり創作と分かりちょっとほっとした。

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2026年05月26日

Posted by ブクログ

「美食×鉄道旅×百合」が融合した贅沢な一冊。
これを読むと台湾に行きたくなるし、お腹が空いてくる。台湾で現地の美味しいご飯がたべたくなるよー!
昭和13年の台湾を舞台に、日本人小説家の千鶴子と、翻訳家を目指す王千鶴の二人の物語。
国は違えど、二人とも美味しいご飯が大好きで、やり取りが微笑ましくこの関係がずっと続けばいいと思っていたのに…。
この小説の構造の仕組みも面白い。表紙もとっても可愛くて飾りたくなります!

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

やっと読めた。昭和13年、日本統治の台湾を訪れた女流作家と、謎めいた有能な通訳兼助手の現地女性との…百合小説、と呼ぶのがふさわしいんだろうな。恋愛というには淡い、友情というには熱い絆。民族&植民地問題、女性の生き方などの骨太なテーマを彩る台湾美味の官能よ! 

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2026年04月26日

Posted by ブクログ

前半は、主人公・千鶴子のズケズケとした物言いや振る舞いに強い違和感があり、なかなか読み進めることができなかった。
しかし、ふたりの関係に決定的な亀裂が入って以降は一気に引き込まれ、夢中で読み進めた。

物語を通して見えてきたのは、ふたりの関係が本質的には対等ではあり得ないという構造である。
それにもかかわらず、千鶴子の開けっぴろげで率直な性格、そして後半に見せる反省と真っ直ぐな気持ちによって、一瞬ではあっても確かな絆が生まれたことが印象に残った。

前半の読みにくさは、単なる性格の問題ではなく、支配階級に属する者としての無意識の傲慢さが滲んでいたためだと、読み終えてから納得できた。

また、この作品は登場人物だけでなく、自分自身の認識にも揺さぶりをかけてきた。
白色テロの時代との対比などから、日本統治時代について「まだ秩序があった」という一面的な理解に寄りかかっていた自分に気づかされ、その裏で台湾の文化や歴史が踏みにじられていた現実に対して、強い悲しさと苦さを覚えた。

登場人物については、千鶴子のような無遠慮で開かれた態度には苦手意識を持ちつつも、その自由さにはどこか羨ましさも感じる。一方で、王千鶴のように感情を仮面の下に押し込めて生きる在り方は、合理的で賢い選択である反面、あまりにも悲しく過酷に思える。

自分自身もまた、繊細さと鈍感さを併せ持ち、無自覚に踏み込みながら後から気づいて反省するタイプであると感じている。その意味で、この物語は他人事ではなく、自分の在り方への戒めとしても強く響いた。

本作は、無意識の偏見や傲慢さへの警鐘であると同時に、それでもなお人と人との間に一瞬の真実の関係が生まれ得るという希望も描いている。

戒めの書であり、希望の書である。

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2026年03月22日

Posted by ブクログ

よかった。
美味しそうな料理をたくさん食べる話みたいに読んでたけれど、日本人、台湾人、それぞれの立場ゆえに越えられない壁があることに切なくなってしまった。
時代が、場所が違えば2人が共に幸せになれる結末があったんだろうかと思ってしまった。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

物語は面白かった。
でもずっと主人公が好きになれなくて、なんかうっすら傲慢さをずっと感じてて気持ち悪かったんだけど、まさかそれが物語の肝だとは思っておりませんでした。

2025.12.18
222

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

日本統治時代の台湾を舞台にしているので反日感情を見せられるかと思ったらあまり無く(ゼロではない)。日本人の無邪気さはわかるように書かれていたと思うし、それを書いたのが台湾人作家というのはとても大きい意味があるように思う。
次から次に出てくる台湾料理がとてもおいしそうだった。中華圏の漢字はうまく読めないので難儀するが、それでも美味しそうなのは伝わってきた。
この小説を紹介する時に「百合小説」というのもあるが、その辺は読み手の性癖によると思う。

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2025年12月16日

Posted by ブクログ

昭和13年の台湾食文化✕台湾鉄道✕台湾友達をテーマにしている

日本人小説家千鶴子(ちづこ)と台湾人通訳千鶴(ちづる)の話

台湾料理のバラエティが富すぎて何も頭に入ってこないし、鉄道も地図で見てないからぼんやりとしかイメージできず。
千鶴子と千鶴の交流に焦点を当てて読み進めると、何とか読めた。

分かりやすくいうと
千鶴子は無神経(本人に悪気がないので気づかず 無邪気)
他者の気持ちや状況を想像できず、

「千鶴ちゃんの人生がかわいそうでしょうがない」
「本島の大家族、千鶴ちゃんの身の上の物語、異国情緒たっぷりのドラマよね。」

ひとの人生をかわいそうと言っちゃう
苦労もあったであろうその身の上を異国情緒たっぷりと例えてしまう

「簡単に言うと、貧しい人の食べものということね?」

それを食べて育っている千鶴に言ってしまう

楽しい食の話に紛れて根底に流れるうっすら不穏な空気…

千鶴は千鶴子との間に距離をとっていく

千鶴と友達になりたい千鶴子、でもなんだか下に見てる感じ?

千鶴のことが好きな千鶴子は彼女を保護したい
でも千鶴は保護されたくない、対等でありたい
千鶴も千鶴子に好意を持ってるんだけど
千鶴子の言動に自尊心を踏みにじられたように感じてる

千鶴子と千鶴は親交を深めていくけど、支配する側の日本人と支配される側の台湾人という境界線が浮かびだす

千鶴子は自分の中にある無意識的な統治する側、支配する側の視点に気づく


台湾料理に精通している人には楽しいかも 沢山の料理の描写がでてくるので
終盤、美島さんが説明してくれるのでそれでなるほどと思わせてくれる

勉強になった


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2026年06月07日

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