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台湾の新世代作家、堂々のデビュー!
この小説はプロレスについて書いている。
それはつまり、人生について書いているということだ――西加奈子(作家)
知りたかった事が書いてあった。みんなの生活の中でのプロレスの存在意義。 そうか。プロレスラーは記憶の中で、画面の中で生き続けるんだなぁ――棚橋弘至(プロレスラー)
【作品紹介】
「ばあちゃんのエメラルド」
あの頃、親父は漁船に乗っていつも家を空けてるし、お袋も出て行って、家にいるのはばあちゃんと 俺、それに黒犬の来福の3人だけだった。ばあちゃんと俺は毎晩、古い試合を何度も繰り返し放送する ケーブルテレビで三沢光晴を応援していた。だけど、俺はある日、とんでもないことを知ってしまったんだ――。
「タイガーマスク」
安ホテルの受付バイトをする大学四年生(留年決定)の俺は、バイトの先輩からなぜかタイガーマスクのマスクをもらう。ホテルに“ 配達” される女の子の一人が気になり、ある日、意を決して隣のホテルに彼女を呼んだ。でも、俺にできたのはマスクをかぶったまま彼女としゃべり続けることだけだった。
――プロレスと出逢い、魅せられた人びとの人生ドラマ10話からなる連作短編集
Posted by ブクログ 2024年03月07日
台湾の林育徳さんの10篇の連作短編で、ひとつひとつが絶妙につながり合い、おもしろくてぐいぐいと引き込まれ読むのがやめられないほどでした。
実は、プロレスって見てるだけで痛そうであんまり好きではなかったので、プロレスをテーマにしてる小説を楽しめるのかなとちょっと不安だったのですが、もう一瞬でそんな不...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月05日
メジャーマット出身で独立してフリーになって、でも自分の道場を首都圏郊外に作って若手を育成しているレスラーの自主興行道場マッチを覗いたことがあります。プレハブの道場なので基本的に観客席は狭いのですが1列目で地元のおばあちゃんがおでこに熱さまシートを貼って興奮しまくっていた姿に、ドームや武道館で感じるの...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月16日
たまたま私が学生プロレス出身で数割り増しで感じるものがあったとしても、
純粋に文学として優れた作品であると感じた。
プロレス独特の美学、
アメリカンプロレスとの対比、
プロレスの真実と嘘とは。
プロレスファンなら一晩酒を飲みながら語れる王道のテーマだけど、ファン問わず著者のプロレス愛にのっかって...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月07日
プロレスをテーマにした台湾の小説。ただし主人公はプロレスラーではなく、人生が何か上手くいっていない人々がプロレスをきっかけに少しだけ前に進む連作短編集。なのでプロレスに明るくない人にも通じる普遍的な物語であるし、三沢光晴を筆頭に日本のプロレスの話も多数出てくるため「プロレスは好きだけど台湾プロレスに...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月04日
台湾を舞台としたプロレスがテーマの短編小説集。
「人」と「プロレス」との関わり方、出会い方は十人十色。落ち込んだ家出の夜を慰めるものであったり、年の離れた友人や親族との心を繋ぐものであったり、弔いの気持ちでみるものであったり、罪のない人の命を奪いかねないものでもあったり、身にまとうアイデンティティで...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月14日
幼少期にプロレスの影響を受けて育った若者たちは
自分もプロレスラーになりたいと思う
リングの上に理想の大人像を見出してしまうのだ
しかしそれはあくまで理想
子供の夢である
台湾の地方都市開発によって思い出が壊されることに反発し
それでなぜかプロレスのパフォーマンスをやろうとして
死者を出してしまった...続きを読む
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