作品一覧

  • 死せる魂(上)
    完結
    4.3
    全3巻792~858円 (税込)
    詐欺師チチコフは戸籍面では生きていることになっている死んだ農奴を買いあつめて,これを抵当にして銀行から金を引出すため,ロシア各地を遍歴する.作者はこの遍歴のなかで,随所に道徳的破綻者を発見し,それに対して鋭い社会的解剖を加え,腐敗したロシアの全貌と,その生活につつまれた「夢」とを白日の下に暴露して,誤った社会制度と国家組織に痛烈な批判を下す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 鼻・幌馬車
    -
    1巻660円 (税込)
    ゴーゴリの中編小説集。プーシキンが絶賛した「ネフスキー大通り」、鋭い諷刺作品「鼻」、チェーホフが高い評価をくだした「幌馬車」ほか、異色作「狂人日記」、ローマ讃美の詩編ともいえる「ローマ」の5編を収めた。

ユーザーレビュー

  • 死せる魂(中)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    各地で「死んだ農奴」売買を済ませて宿に帰って、一夜を明かした所から始まる
    売買登記を裁判所で済ませた後、知事の家で晩餐会か開かれ、お偉いさんの夫人方にもチヤホヤされ万事が上手くいっていたチチコフだが、ある噂が立ってから町中の人間に避けられるようになる
    その理由を知ったチチコフはN市を急いで出発する…

    この巻は、上巻に比べて物語要素が薄く、当時のロシア(あるいはN市)の人間模様や価値観が詳細に描かれている。作者が顔を出して文学評論をしたり、ロシアのすばらしさを語り出すなど、一味違った面白さがあった

    とはいえしっかり物語としても面白く、作品全体の「転」にあたる章もあったりと次の展開が気になりな

    0
    2025年03月17日
  • 死せる魂(上)

    Posted by ブクログ

    まさかこれは現代日本の話なのではと思う(笑
    還付金詐欺を思い出した。

    ゴーゴリの祖国ロシアに対する愛が伝わってきて楽しい。
    なんだかしょうもない主人公が可愛くなってくる。
    人形劇のような可愛いらしい雰囲気でこの本かなり好き。
    挿絵も面白い。

    つまり。愉快な本なんだよ。

    0
    2009年10月04日
  • 死せる魂(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    チチコフの遍歴がようやく終わりを遂げる
    場所は移り、明示的に農奴の購入をする場面は無くなったが、引き続き購入はしていたらしい

    ゴーゴリの初期の構想、ダンテの『神曲』に準えるということから、本巻収録の第二部は「煉獄編」に当たり、ロシア人の善性が描き出されることとなる
    自身ののらくらさや惰性を悪いとは思いつつも変えられない人々が善に傾く様子が描かれる
    その転換からはチチコフも逃れること能わず、新たに手を出した詐欺の発覚を皮切りにこれまでの悪行が司直に暴かれる
    一度見逃されていたチチコフは、今度こそダメだと絶望のどん底に陥るが、そこに救いの手が差し伸べられる。

    当時のロシア文学らしく救いの手段は

    0
    2025年03月26日
  • 死せる魂(上)

    Posted by ブクログ

    詐欺師で人当たりのいいチチコフが、宿泊先のホテルを拠点に各地の地主を巡って「死んだ農奴」を譲ってもらう。その道中で様々な人種─酷く偽善的だったり、粗暴だったり、けちだったり─に出会う。
    作者であるゴーゴリが想定していた三部作の一部目にして、ロシア帝国の悪の部分を知らしめるパート。事実、農奴が死んだことに対して何の憐れみの念ももたずに頭数の損失、ひいては無駄な税金を払わせるとして鬱陶しがる始末。
    主題と関係ないところで言うと、チチコフが一日で食べ過ぎなところ。実際に地の文で「こういった連中の食い気と胃の腑には、作者も羨望を禁じえない。」と書かれている。
    言い回しも古風なところがあって当時の時代感

    0
    2025年03月12日
  • 死せる魂(下)

    Posted by ブクログ

    第2部は第4章までで後は第…章になっている。完成していた現行をゴーゴリが死の直前に暖炉に放り込んで燃やしてしまったせいらしい。所々抜けている箇所があって話が飛んでしまっているのも残念。結局チチコフは途中で念願を叶えたらしいがそれも失ってしまい最後はアイデンティティを喪失して去っていく。各地を地主を訪ねて遍歴していくところや地主の屋敷でイベントが起こる箇所などはナボコフも言っているようにドンキホーテの影をみることができる。当初は神曲のような構成にしたかったらしいが煉獄篇で終わってしまった感じ。地主は贅沢や賭博にうつつを抜かし、農奴は飲み屋に入り浸り、役人は賄賂で私腹を肥やすことしか考えないという

    0
    2011年12月18日

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