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報酬は1人10億円。略奪された美術品を5人の若者が奪い返すクライム・サスペンス 中国系アメリカ人のウィルは、美術史を専攻する大学生。ある日、中国人の資産家から驚愕の依頼を受けた。かつて英仏軍に盗まれた5つの美術品を奪還するというものだ。ウィルは、ハッカー、泥棒、詐欺師、ドライバー役の仲間とともに、世界中の美術館に向かう
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Posted by ブクログ
中国の美術品を盗む犯罪小説、アメリカと中国の間に生きる若者たちの葛藤を描く #十二支像を奪還せよ ■あらすじ アメリカで育った中華系アメリカ人、ハーバード大学で美術史を専攻するウィル。彼のもとへ中国の資産家から美術品を盗むように依頼を受ける。北京の円明園にあった十二支像のうち5つで、かつて英仏軍に...続きを読むよって持ち去られていたのだ。ウィルはチームメンバーを編成し、この略奪プロジェクトの作戦を立てはじめる… ■きっと読みたくなるレビュー これまた興味深い小説、おもろい! 中国系アメリカ人が中国の美術品を奪還すべく、若者たちがオーシャンズ11よろしくチームを組み、世界的な美術館やFBIを相手にコトを進めるという犯罪小説です。 犯罪計画を企て、実行するというのが筋立てではありますが、派手なアクションやひりひりするサスペンスがあるわけではありません。では一体、何が描かれるのか。 本作は華文ミステリーではなく、本作はあくまで西側諸国のエンタメ作品。ただし登場人物たちが中国系であることから、中国からの視点や価値観でも語られる。このアメリカと中国の間に生きる若者たちを葛藤を描いているのです。 そして一番の読みどころは、前途有望な五人の若者たち。同じ中華系二世、いわゆる移民の子でありながら育ってきた環境が違うため、それぞれアイデンティティも異なる。彼らが企てる犯罪行為を実行する中で、複雑な人間ドラマが繰り広げられる。 中国のことをどう思っているのか、自分は中国人なのかアメリカ人なのか。はっきりこうだという意見をもっている者もいれば、どっちつかずで悩んでいる者もいる。そしてもちろん人間ですから、そもそも性格が合う合わないもあれば、ロマンスも見え隠れするのです。そんな彼らが略奪計画をはじめ様々なことについて意見をぶつけ合う。 東側諸国のアイデンティティって理解できない部分がありますよね。これまでの歴史もあることから、情報も入りづらいし、コミュニケーションをとることも少ないですし。でも彼らの熱量を見てると、結局は同じ人間であるということがよくわかるのです。 そして素晴らしい頭脳や特技をもっている彼らも、苦しんでいるところは心の根底の部分だったりする。国、人種、宗教、文化、価値観など違っても、同じ人間ってのを感じましたね。 果たして彼らは十二支像を奪還できるのか? 後半から終盤は、この犯罪小説のレイヤーが変わってくるのでまたぐぐっと惹きつけられるんすよね~ 楽しませていただきました! ■ぜっさん推しポイント 物語の終盤、主人公ウィルが犯罪に手を染めた理由について吐露するシーンがあります。若く優秀な彼がこんな思いでいるなんて… 自分自身がいかに幸せな環境で生まれ、そして育ってきたかというのを痛感しますね。 我が国日本においても、すでにさくさんの在日朝鮮人や移民の方がいらっしゃる。同じようにアイデンティティに悩みをもってる方もいるでしょう。同じ日本にすむ同じ人間として、開かれた交流がしたいなと思いました。
大学生のウィルは中国の資産家から十二支像奪還を依頼される。かつて英仏軍に盗まれた五体の像が世界各地の美術館にあるというのだ。ウィルは友人たちを勧誘し、5人のチームを結成。最初の像を盗み出すことに成功するが…。 爽やかな犯罪小説。 クライヴ・カッスラーの諸作を想起させるような邦題はどうかと思うが。
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