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1921年の独立の気運高まる英領インド。帝国警察のウィンダム警部が阿片窟で目撃した眼球のない刺殺体が消えた。英皇太子の訪問を前にカルカッタに厳戒態勢が敷かれるなか、街では同様の変死事件が。ウィンダムとバネルジーは独立テロと連続殺人を防げるのか?
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Posted by ブクログ
1921年12月、英領カルカッタ。ウィンダム警部は阿片窟で警察のガサ入れに遭い逃げる途中で両眼をえぐられ腹を刺された男と会う。一方、カルカッタではガンジーの教えを尊ぶ人々による独立運動が活発になっていて……。→ シリーズ3作目。わたしはこのお話が1番好き。 今作は両眼を抉り取られた死体×インド独立...続きを読む運動激化×イギリス皇太子親善来訪×〇〇〇〇(ネタバレなんで話せない〜!)と盛りだくさん!!これを一つにまとめるのマジですごい。ムカジーすごい。ラストは美しい(のか?)し、次作への余韻も良。→ ウィンダム警部がいいんだよー!!シリーズ追うごとにイケオジ感が上がってる!(阿片中毒者やけど)今作ではH機関のドーソン大佐との絡みがまた良い。ライバル感〜!イギリス人なのに、英国領のインドでとてもフラット。そんなウィンダムの一人称視点だからとても読みやすい。次の翻訳正座待機! 以下はリアルタイムツイート 次はインドミステリ。 アビール・ムカジーのシリーズ第3弾を読んでるんだけど、冒頭からウィンダム警部がピンチで笑う(笑うところじゃない) 相変わらずだなぁ、もぅ(笑) 「阿片窟の死」が面白くて。 ストーリーの流れが、というよりも、物語そのものが面白い。 ウィンダムが冷静で、阿片中毒なんはあかんねんけど、でも当時の環境下では驚くほどフラットな思考の持ち主で、その視点で物語を見るからとても心地いい。ずーっと読んでいたい。 読んだよ……アビール・ムカジーすごいよ……。 で、これシリーズ3作品目なんだけど、海外作品あるあるの4作目以降が翻訳されない呪いにはかかってないと信じていいよね?次出るよね?原書は5作目まで出てるみたいなんですが早川書房さんそこらへん大丈夫なんですかね?(詰め寄り)
今回も面白かった!! 独立運動と自分の信念との狭間に揺れるバネルジーはこれからどんな決断をしていくのかな。 178ページの記述が胸に残った。 ほかのイギリス人の多くも、いずれはインド独立を認めないといけないことを察知していたのだろうか。
史実を基にしたミステリー。前2作よりテンポもあり断然面白かった。イギリス統治下のカルカッタの様子も読み応えあった。
イギリス統治下のインドで起きる事件を捜査するインド帝国警察のイギリス人警部ウインダムとインド人部下のバネルジー部長刑事コンビシリーズ第三作。 第一作「カルカッタの殺人」は既読だが、読み始めてこれが第三作だと気付いた。近いうちに第二作も読まねば。 自身のレビューによると第一作は1919年、この第三作...続きを読むは1921年となっているので2年が経過している。 その間の変化の中でも第三作の重要な背景となっているのが独立運動の激化だ。ガンジー派幹部で弁護士のチッタ=ランジャン・ダースと彼の腹心であるスバス・チャンドラ・ボースが先頭に立って様々な集会やデモ行進を繰り返している。 折しもイギリスのエドワード皇太子が親善訪問することが決まり、帝国警察は取り締まりに神経質になっている。ダースと家族ぐるみの親交がある(あった)バネルジーはダースが逮捕拘禁されないよう何とか穏便に集会やデモを収めて欲しいが、ダースもボースもイギリスを煽る気満々だ。 そんな中で起こる連続殺人事件。それも被害者が両目を抉られ、胸を二か所刺されるという猟奇的殺人だ。 ウインダムとバネルジーはこの殺人事件の捜査を担当しながらダースたち運動家たちを抑えるという難しい役目を負うのだが、殺人事件に『H機関』と呼ばれる政治犯担当の軍組織が介入してきてキナ臭いものを感じ始める。 このシリーズは戦争の傷を抱えて阿片中毒にまで陥ってしまったウインダムと、インド人でありながら帝国警察に勤務するバネルジーという複雑な状況の二人が複雑な状況のインドで捜査をするという設定が面白いところなのだが、この作品では改めてこの時代そのもの、この時代のインドの状況を考えさせられた。 インドと一口に言っても様々な民族がいて宗教があってカースト制度もあって、価値観や考え方も様々で難しい。 特にグルカ兵の存在は恥ずかしながら初めて知った。ミャンマーのロヒンギャ難民問題に通じるところもあって、こうした奥の深い問題はどの国も抱えているのだろうと思えた。 猟奇殺人の犯人はウインダムとバネルジーが突き止めるのだが、本当の罪はもっと奥にあってもっと猟奇的なものだった。一体どこに端があってどこにぶつければ良いのか分からない。 全てを戦争のせい…とするのも違う気がする。だが何かに、誰かに責任は感じて欲しいと思うのも理解できる。 ウインダムは『1917年の塹壕戦のさなか』に若きエドワード皇太子を見ている。その時の評価は強烈だ。 『戦争の恐怖を体験する必要のない者と握手をすることが、機関銃の銃弾に当たって死ぬのを待つだけの人生しかない男たちの士気をどうやって高めるというのか』 一方で母国については『われわれはみずからをモラルを尊ぶ民族だと考えている。イギリス人が誇りとするフェアプレイの精神は、道徳的規範の高さを世に知らしめること以外の何ものでもない』と評し、 『われわれは武力でしかインドを支配出来ない。だが戦いかえさない相手に対しては、軍事力はなんの意味も持たない。そのような人々を傷つければ、自らも大きな傷を負うことになる』と考えている。 だがそれは作品を読み終えると強烈な皮肉に聞こえる。現実世界で行われていることを考えれば、結局は武力が支配し強いものが弱いものを叩く構図には抗えない無力感を抱いてしまう。 ウインダムとバネルジーは少なくとも誰かを救ったし格好良かった。 これからウインダムは阿片中毒からの脱却出来るのか、バネルジーの苦しい環境は変えられるのか分からない。だが意外とアニーが良い人だったのが嬉しかったし、バネルジーとの友情も続くと思いたい。 ボースやガンジーのような悲劇的な結末にならないように祈るのみ。
シリーズ第三弾。英国領のインドでの連続殺人。インドの独立運動が激しくなっていくなかでの難しい捜査。イギリス人のウィンダムとインド人のバネルジーの刑事のコンビ。ウィンダムの阿片中毒のような現状やインド人とイギリス人の対立、複雑な感情とシリーズが進むごとにどんどん面白くなっていく。1921年という時代の...続きを読むインドの生活や風景も読み応えがある。まだまだ続いて欲しいシリーズ。今のところシリーズ第三弾まで全て面白い。
エリザベス2世が亡くなって現旧英国領の問題が再燃しだしている時にタイムリーな感じ。インドと英国の関係は、想像を遥かに超えたものなんだろうと思う。 史実も含めて書かれた小説で、主人公たち、話し方、テンポなんかにスルスル引き込まれて一気に読んだ。 他の作品も見つけたら手に取りたい。
2022.12 なんかごちゃごちゃしたストーリー運び。終盤はハラハラ・ドキドキでページをめくる手が止まらない部分もあったけど長くは続かなかったな、という感想。 シリーズ3作めだけれどだんだんストーリー運びが凸凹していく…
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阿片窟の死
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アビール ムカジー
田村義進
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