とても読みやすくてグイグイと引き込まれて読み終わってしまいました。和紙が水を吸うように、どんどんとページが進んでしまうのです。
己の無知さを晒してしまうけれど、イザベラ・バードという紀行作家の事を今まで知らずにいました。
私は、実写映画化もされている人気漫画「ゴールデンカムイ」が大好きで、本書も、裏
...続きを読む表紙のあらすじを目にして一も二もなく手にしました。
幕末から明治初期にかけての時代背景や人々の暮らしが、より鮮明に私の中で浮き彫りになりました。
イザベラ・バードの通訳として雇われたイトー。横浜から日本海側に向かい、新潟から北上して函館へ上陸。さらに海と山それぞれのアイヌコタンを訪れ、人々の素の生活に触れて、イトーの心境の変化も如実になります。バードの半生も波乱に満ちていましたが、彼女は常に困難の先にあるものを見ていました。
イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を元に、植松三十里さんが書き上げた歴史小説ということです。