【感想・ネタバレ】イザベラ・バードと侍ボーイのレビュー

あらすじ

三浦半島の下級武士の子・伊東鶴吉は、維新後に通訳となる。父が幕末に函館へ行き生死不明のため、家族を養う身だ。20歳となり、東北から北海道へ旅する英国人作家イザベラのガイドに採用された。彼女は誰も見たことのない景色を求めて、険しき道ばかりを行きたがる。貧しい日本を知られたくない鶴吉とありのままを世界に伝えようとするイザベラ。英国人作家と通訳の青年の北への旅は困難を極める…。対照的な二人が織りなす文明衝突旅を開国直後の日本を舞台に描く歴史小説。

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Posted by ブクログ

鶴吉もイザベラも我が強いので二人の間の心温まるというのは終わりがけまで期待出来ない。
若くして父親から家族を託された事や、漁師の子から侍の子になった事で、背負っていたものやプライドが鶴吉を意固地にして、時にイザベラともケンカしてしまったのかもしれない。
けれど最後は泣いた。読んで良かったと思った。
イザベラとの旅があったから、鶴吉は少し変わったのかもしれない。

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2024年07月15日

Posted by ブクログ

明治11年、1人のイギリス人旅行作家が日本人青年を通訳にし、日本を記録する旅に出た。

明治維新を経て、日本は欧州列強の仲間入りを果たそうと必死だった。
国の形、人々の風俗や生活、身なり、そして言葉を変え、近代国家を目指して奔走した。

しかし、たった10年で、人々の生活はそう簡単に変わらない。

地方の貧しい姿を日本の恥と捉え、その姿を世界に晒してほしくないと願う通訳と、貧しい姿が恥ではなく、それを見下す人がいることが恥だと諭した旅行作家……。

彼女が本を通して世界に訴えかけたかったことは何だったのか?

『日本奥地紀行』では描かれない2人の旅の物語

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2024年06月03日

Posted by ブクログ

とても読みやすくてグイグイと引き込まれて読み終わってしまいました。和紙が水を吸うように、どんどんとページが進んでしまうのです。
己の無知さを晒してしまうけれど、イザベラ・バードという紀行作家の事を今まで知らずにいました。
私は、実写映画化もされている人気漫画「ゴールデンカムイ」が大好きで、本書も、裏表紙のあらすじを目にして一も二もなく手にしました。
幕末から明治初期にかけての時代背景や人々の暮らしが、より鮮明に私の中で浮き彫りになりました。

イザベラ・バードの通訳として雇われたイトー。横浜から日本海側に向かい、新潟から北上して函館へ上陸。さらに海と山それぞれのアイヌコタンを訪れ、人々の素の生活に触れて、イトーの心境の変化も如実になります。バードの半生も波乱に満ちていましたが、彼女は常に困難の先にあるものを見ていました。
イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を元に、植松三十里さんが書き上げた歴史小説ということです。

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2024年03月24日

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読み始めてから『日本奥地紀行』(平凡社)を副読本がわりに同時に読んだ。伊藤鶴吉の生い立ちから、イザベラとの出会いが綴られ、北日本への旅へと入っていく。イザベラから見たイトー。鶴吉から見たイザベラ。この二つの視点が交錯し、奥地紀行に奥行きを与えている。一つの転機となった秋田県・米代川での出来事として描かれたが、本当に鶴吉はイザベラと決別しようとしたのか、興味深い。後日談として、妹ヘンリエッタの死とビショップ博士との結婚や、再来日して36歳になった鶴吉との再会にも触れているのも良かった。

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2025年06月15日

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明治時代の都会の様子、寒村の様子、物好きな冒険家のイザベラ・バードと、賢くて誇り高いイトーの二人旅を想像するだけで、わくわくしました。

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2024年12月12日

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派手さはないけれどスラスラ読めて、いろんな感情も書かれていて、とても魅力的な本でした。思いがけず良本に巡り会えて嬉しい。

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2024年03月20日

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19世紀の大英帝国の旅行家であるイザベラ・バードの、通訳兼ガイドで同行した伊藤にスポットをあてた歴史小説。
恥ずかしながらイザベラ・バードの存在は知りませんでしたが、日本人である通訳視点の物語なのでとても分かりやすくあっという間に読むことができました。
機会があれば、イザベラ・バードがこの旅をベースに本にまとめた「日本奥地紀行」も読んでみたいと思います。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

マンガの不思議の国バードだと絵柄からイトーとバードさんの年齢が近いように錯覚してしまうし、バードさんを若い女性のように思っていたけどそうじゃなかったのね。
マンガはまだ続いているので、イトーが後々どういうふうになるのか分かって良かった。

それにしても娯楽がないせいなのか、「珍しいもの」を見るために集まってくる人が怖い…。

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2025年05月08日

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イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を日本人ガイド伊藤(伊東)鶴吉の視点も併せて読みやすく書き下したもの。
バードの生い立ちや来歴、鶴吉の行く末や父親の最期も語られる。

原書に沿いながらも、バードや鶴吉の人柄や関係は和らげられているのだろう。

周囲の(日本人の)忠告を無視して大雨で増水した川を敢えて船で渡ろうとしたり、一つ先の宿場に足を伸ばそうとしてろくな宿に泊まれず閉口する辺りは、よく言えば冒険心に富んだ、悪く言えば自尊心の強いわがままな英国婦人そのもの。

原書は未読だが、さらに分量もあり辛辣(率直)な内容と想像する。

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2024年05月10日

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旅行記としては興味深く、先が気になってどんどん読み進めた。話は面白かったが、イザベラバードの高慢ぶりが鼻について人物には共感して出来なかった。鶴吉も頑ななところかあったんだな。人と人とがわかりあうのは難しい。

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

『ふしぎの国のバード』より
史実に近い感じの小説。
ふたりの視点から交互に語られる。

イトー、バードさん、それぞれの
過去がわかるパートがいい。

イトーは幼い頃に死に別れた父との思い出。
父親がわりとして気負う気持ちから
母や妹たちにきつく当たってしまったり。

バードさんは妹と過ごした日々。
自分が抱えた病との戦い。
女性冒険家として受ける苦難。

異文化、ジェンダー、ジェネレーション
いろいろなギャップを
旅の中でぶつかりあいながら
擦り合わせていく。

旅を終えた後のふたりが
少し描かれているのも嬉しかったです!

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2024年04月14日

Posted by ブクログ

以前から興味のあったイザベラ・バード。『日本奥地紀行』にはなかなかハードルが高かったところへ、読みやすそうな植松三十里の本書が刊行された。明治初期でも、歩きやすい大きい街道が整備されていたにもかかわらず、誰も歩かないような山道を行きたがるバード。通訳のイトーや馬子らが気の毒になる。山奥なので、ノミやシラミだらけの不潔な宿や、宿の中まで押しかけてくる好奇心丸出しの村人たち。自分も腰痛持ちのくせに、懲りないバードには驚き。
途中から、紙の地図に丸をつけながら読んだら、とても理解が深まり、楽しさが増した。
『ふしぎの国のバード』(マンガ)を注文したので、読むのが楽しみ。

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

漫画を途中で辞めちゃってたから、最後までが分かってよかった。
イトーの気持ちはよく分かる。
バードさんの書いたやつも読んでみたい。

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2024年03月09日

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