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皇帝暗殺まで残り七日。宿敵・梁興甫との交戦によって分断された皇太子一行は、陸路と水路に分かれて北京を目指す。追手の猛攻はさらに激しくなり、次々と倒れていく仲間たち。逃亡先で皇太子は敵対している白蓮教徒の男とであい、衝撃の真実を告げられる……
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Posted by ブクログ
うわー、こういう話だったのか。 ピンチに次ぐピンチ。 敵の裏をかいたと安心した直後に延びてくる敵の腕。 500ページの二段組なので、読んでも読んでもまだ残りページはふんだんにある。 これ、紙の本の醍醐味だよね。 4人の南京脱出譚だった上巻と違い、下巻では4人がそろって行動することはなく、何なら于謙...続きを読むはほとんど出てこない。 賢いくせに空気が読めずにうかつなところがお気に入りだったのに。 主人公側も相当大けがを負いながら逃避行を続けているけれども、追っ手の人間離れした追撃にのけぞるよ。 梁興甫といい、靳栄(きんえい)といい、人間とは思えない執念と体力。 そしてようやくゴールを迎え…まだ100ページも残っている。 ここからの怒涛の展開。 元々それぞれの思惑で結びついた4人ではあったけれど、それなりの藍や友情があったと思っていたのに、ここでバラバラになってしまうのか。 歴史は変えられないけれども。 過去の蛮行を現在の倫理観で責めることはできないのだけれども。 作者、容赦ない。 「祖先の定法」といわれてしまえば、誤った風習と思っても直すことは難しい。 祖先?たかだか4代前の?とは言えないのだ。 日本でも、明治に定めた「祖先の定法」…たかだか150年ちょっと前に決めたことが、今でも大手をふるってその理由にあげられることがある。 でも、政治って小魚を煮るように、ゆっくり時間をかけて行うものなんだって。 明の時代の、その「祖先の定法」は、それから数代後の皇帝により行われなくなった。
本当に本当に面白かった! こんなにも、小説を読んでいて心が熱くなったのは久しぶりかもしれない。 読む前に、チョン・イーが朱譫基役でドラマ化されるというのを聞いてたので、人物が頭の中に思い浮かべやすくて更に作品に入り込めた気がする。 知らない言葉とか読めない漢字が多くて、読み進めるのが大変な部分があっ...続きを読むたけど、それでも本当に面白かったです!
キャ~! 蘇荊渓(そ・けいけい) 様~ ! (*´∀`)ノ ギャ~! 昨葉何 (さく・ようか)様~ ! (*´艸`)ノ も~、女子たちに大人気! いまならカリスマ・インスタグラマー?だと思います。だって、妖艶で華麗、かっこよすぎます! 作者の馬伯庸(ば・はくよう/マー・ボーヨン)さんは、物語を終...続きを読むえて、蘇荊渓さんを「任侠のひと」と表現されていました。 任侠とは、「仁義を重んじ、弱気を助け強きをくじくために体を張る」ひとだそうです。そして、彼女は深い知性のひとでもあります。 この本は、中国の明(みん)の時代を舞台にした「冒険歴史ミステリー」である『両京十五日』上・下巻の下巻です。まだのかたは、上巻『Ⅰ 凶兆』を読んでね。 南京から北京へ「急行」する明(みん)の皇太子一行、この『Ⅱ 天命』では、その唯一の女性である蘇荊渓さんだけでなく、登場する女性のみなさん、全員の魅力が爆発しています! 女性たちの魅力のひとつは「現実主義」です。自分の軸を持ち、知りえた情報から深く思考して、最善を選択していきます。 それを強く感じたのが、仏教結社「白蓮教」指導者「仏母」の語り部分です。とっても合理的なんです。感銘を受けました。 その「合理性」に気づいたら、物語に登場するどんなひとたちにも、それぞれが「合理性」を持って行動しているように見えてきました。 そんなバラバラな「合理性」がからまって「因果」となります。それを「運命」だとか「天命」だとかで片付けず、あきらめずに「因果」に立ち向かう姿がよかったです。 一方、かっこいい女子たちの陰にかくれ、わたしには主役感うすめに感じられた男子たちですが、この「十五日」での成長がめざましかったです。 しかし読み終わて思うことは、どんなに成長しようとも、しょせん男子はおバカちゃんなのです。人のふり見てわがふり直せ。わたしも男子なので、ちゃんと自分がおバカちゃんであることを俯瞰的に認識しないといけない、と強く思いました。でも、自分で分かれば苦労はないです。(笑) おもしろい元男子?も登場して楽しかったですよ。建築の「痴絶」と言われていました。「書痴」なんて言葉もありますが、「痴絶」って「オタク」とはまた違うのでしょうか?奥深い「痴」の世界です。 そして、わたしがびっくりだったのが、戦いが「武闘」だけじゃないことです。「冒険小説」なのに、「儀礼」で争います。皇城のひとたちの「儀礼」への異常なこだわりに本当にびっくりです。こんなにびっくりするのは、わたしの勉強不足なんでしょうけどね。 そもそも武力によって、王朝を確立し、権力を手中にしてきた人たちなのに、度が過ぎていて滑稽にみえるし、不思議です。しかし同時に、儀礼的であることの恐ろしさも感じてしまいます。 楽しみしていた、巻末の 馬(マー)さんによる「物語の周辺について」、35ページにわたって書かれています。内容は、物語のもとになった史実を検証していくものです。創作ノートみたいな感じです。 史実といっても、よくわかっていない部分もあり、馬(マー)さんが「虚構」をぶち込むポイントを探っていきます。 馬(マー)さんは、明(みん)の時代で「冒険小説」を書こうと、歴史をどんどん深く調べていったそうです。特筆すべきは、そのとき、馬(マー)さんが「小説」として、どうしても書いておかねばならない、と強く感じた事実に行き当たる点です。 この「物語の周辺について」で、その辺りの事情が詳しく書かれており、ぜひ読んでいただきたいです。 楽しく、ワクワク・ドキドキの冒険物語でした。 小説ですが、史実がベースになっており、まったくの虚構ではありません。だからこそ、歴史を感じ、心に留めておくべき、歴史的事実に向き合える物語でもあるのです。
2025年版「このミステリーがすごい!」海外版第1位の作品。 今年はまだ半分しか過ぎていないが、恐らくこの作品が自分に取っても今年のベストワンになる。 中国の歴史小説ということで敷居が高く感じて手を出しかねていたが、食わず嫌いはダメだと実感。 とにかく、やたらに面白い。 実在の歴史上の人物をキャ...続きを読むラクターに設定した、中国発の超大作エンタメ冒険小説。 政治的陰謀に巻き込まれ、命を狙われる皇太子が、心に傷を持ち、役立たずと呼ばれながらも実は切れ者の捕吏、ひたすら忠実な下級役人、ミステリアスな美人女医ともに、南京から北京までの決死の逃避行を試みる。 敵味方入り乱れてのどんでん返しに次ぐどんでん返し、大爆発、火災、洪水とスケールの大きな見せ場の連続に、ユーモアあり、ロマンスあり、衝撃のラストと、物語の娯楽要素をすべて詰め込んだかのようなサービス精神たっぷりの一作。 映画でも小説でも、素晴らしい作品に出会うと、いつまでも終わらず、この世界に浸っていたいと思うことがあるが、これもそんな小説だった。 読み終わってみれば、悪い奴が誰もいないんだよね・・・。
面白かった!けど色々ありすぎて疲れた〜 最後の最後までどこに落ち着くのか、落ち着けるのか、そわそわした 話が終わってからのち、作者の注釈が続き、明代をふわふわ彷徨っていた心を落ち着かせてくれたのもとても良かった この注釈がまたすごい量で、読み応えがある 個人的記録として (「」内タイトルは中国時代...続きを読む劇) 鉄鉉 「永楽帝」での鉄鉉の生き様ととてもスムーズにリンクした 于謙 「大明皇妃」(永楽帝時代から宣徳帝の後の代まで描かれる)でも違った苦労を重ねた上で出世して、于謙の于謙らしさを最後まで存分に発揮 殉葬 皇室の殉葬は「尚食」で、市井の殉葬は「玉楼春」で描かれている 玉楼春はたぶん時代がもっと後の方 (図)
めっちゃ面白かった!もう下巻なので、大ぶりなアクションや怒涛の謎解きパートに宣徳帝と愉快な仲間達の大冒険が終わろうとしている…と、しんみり読んだ。読み終わって寂しい。 怪しい人達が混沌と共に湧き出し混沌と共に去るのは、水滸伝的な中国創作物語の美学よなぁと思った。
展開も早く、続きが気になる面白さ。色々な謎が解き明かされ、その内容に驚かされた。ぜひ映像化を希望します。
途中、難しい言葉や例えが多くて、挫折しそうになったが、なんとか最後まで読み切った。どうせ、朱せん基が目的を達成して、四人の結束が強くなりめでたしでしょう?などと想像していたが、ラストの展開は、衝撃だった。 また、殉葬というしきたりやそれに対する著者の思いを知ることができ、読んだ甲斐があったと思っ...続きを読むた。
全てにおいて素晴らしかった! 上下巻あわせて圧巻の960頁! 小説におけるエンターテインメントの要素を全て備えており、物語完結までダレることなく持っていきます。 そして、北京到着後から始まる壮絶なミステリーも繰り出し、ハヤカワミステリー史上!?最高のフィナーレによってこの長い物語の幕が閉じます。 ...続きを読む凄いな〰華文娯楽小説!!! あっぱれ〰!華文❢
拉致された呉定縁を救うため、決断する太子。一方で自分の出自について知らされる呉定縁。タイムリミットを前にして、事態はますます複雑に、そして盛り上がりも加速します。 ここに来て予想外の展開に衝撃。いやまさか、あの人が味方に付くとか。頼もしすぎるでしょうよ!!! まだまだ次々と危機は襲い掛かり、謀略の大...続きを読む本は見えてきたものの、それでもスリルは減じることがありません。ひそかに蘇荊渓を間にしての太子と呉定縁の関係がどうなるのかにもどきどきしちゃいますしねえ。 あとは多くを語らず、とにかく読めとしか。すべてがまとまり大団円、に思えたところでまだけっこう残りページがあるんだけど? というのにもどきどきさせられます。その後の展開ももちろん目が離せませんよ。ここに至って、これは冒険サスペンスであるけれどミステリでもあったのだな、と実感。 全てのキャラクターが魅力的なのも、読み進めるうえで重要なポイントでした。数々の敵方キャラも魅力的なんだよね。やはり梁興甫のインパクトは最強。まるっきり化物じゃないか、と思えますが、少し人間らしいところも見えると切なくなります。そして地味に凄まじく思ったのが靳栄。あれで生きてたのか、と梁興甫以上にびっくりしましたよ。
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両京十五日
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馬伯庸
齊藤正高
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