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Posted by ブクログ
毎年、一作楽しみに待ち焦がれるシリーズ新作が今年も順調に登場。現代の西部劇。最近、海外旅行に出たり、Liveとその練習に時間や気持ちが優先されて(←言い訳)、こんなに愛読しているシリーズ作品を、今頃読んでいる。さて本シリーズは、そもそも単独完結作品として書き継がれてきたように思うが、時には複数作品を通して連続感のあるストーリーも増えてきていると思う。
初期の頃は「荒野のディック・フランシス」などと呼ばれて、読者としてもなるほどいいキャッチコピーだと納得していたものの、やはりフランシスのように毎作異なる主人公・異なる設定ではない。フランシスは設定を変えても、すべて同じハイ・レベルでのハードボイルド感を表出してきた稀有な作家ではあるが(無論ぼくは全作読破済み)、こちらのボックスの方は同じ登場人物が生きる同じ世界に、時間軸に沿って描かれる家族ドラマであるから、今ではディック・フランシスのイメージからは完全に独立した領域で息づいている好調なシリーズと言えるだろう。
さて本作は、前作までの流れを継いでさらに残酷さを前面に出してゆく敵役ダラス・ケイツとのファミリーが復讐に燃えてピケット家に執拗な攻撃を加えてゆく過程で、さらに複数の犠牲者を出してゆき、さらにはピケット家にまで脅威が及んでくる、それもじわじわとではなく一気に、と、あまりに惨憺過ぎるのではないかというくらい残酷な攻勢によって前半が埋められる。やられっ放しで読者としても腹立たしくなるくらいのタメなのだ。
何故、ダラスが出獄できるんだとか、彼の連れ歩いている刑務所友だちたちはどこから湧いてきたんだよ、とか不平不満がふつふつと湧いてくるのだが、これも作者の思い通りに操られる一種の快感と言えないこともない。どうせ最後にはいつものように悪漢たちをまとめて、荒野のヒーロー、ジョー・ピケットがやっつけてくれるとの確信のもとに読書を進められるのは、言われてみれば、そう、ディック・フランシスとおなじ構図かもしれない。
それに本シリーズのサブ・ヒーローとも言えるネイト・ロマノウスキの存在もある、と思いきや、本作では彼の存在は重要なインパクトを遺すとは言え少し薄めかも。その場合は次の作品への期待感がまた高まったりするのだが、そういう複層構造になるのもシリーズが長く安定してその面白さを維持しているおかげなのだと思う。本当に細かいところまでしっかりと組み立てられているのがこのロング・シリーズの凄さなのである。
本シリーズでは、作品毎に時間が過ぎ、ピケットの周囲の常連キャストはもちろん、幼かった娘たちもどんどん育っては事件に巻き込まれたりして行くなど波乱に満ちたサブ・ストーリーを提供してくれているので、この先本シリーズがどう展開してゆくのかは予断を許さないが、『ブルー・ヘブン』のような評価の高いシリーズ外独立作品などもまた書いて頂けると嬉しい。これからこのシリーズを読み始める方は、できれば最初から読むことをおすすめするが、途中のどの作品であれ、単独でも面白さを十分に味わって頂けると思うので、是非ピケット・ファミリーの魅力を体感して頂きたい。
Posted by ブクログ
ジョーピケットサーガも17作目になるのか。2作目(電子のみ)以外全部読んでいるが、ずっと安定したレベルを維持しているのが素晴らしい。
ジョーと家族が危機に瀕して、苦悩して、最後にその危機を(ネイトがやってきて)乗り越えるカタルシス…マンネリっちゃマンネリなんだが、そのマンネリを何度も味わいたいって気持ちをもつ俺としては、このシリーズは期待を満たしてくれる安定供給源の一つとして非常に重宝している。
家族の危機、ネイトの強さ、ミッシーのヴィランっぷりと本作でもその良きマンネリ要素は満たされるのだが、州知事の交代や娘たちの成長など、要素は少しずつ変わってきてて、そこもまた次作以降に期待する要素だったりする。
Posted by ブクログ
ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十六弾。
何度もこのシリーズに登場し、
何度も危ない目に遭いながらも生き延びて来たフォーカスが、
とうとう殺されてしまう。
「嵐の地平」で刑務所送りになった元ロデオ・チャンピオンが、
自分の家族の死や四肢麻痺の原因だと思っているジョーに復讐しようとしている、
という伝言を残して。
赤外線装置の画面を通して、殺人現場を目撃した幕開けも恐怖だったし、
コミュニティ・カレッジに通い始めたエイプリルの家に衝撃者が現れ、
同居人が間違われて刺されたのも怖かったが、
何と言っても恐ろしかったのは、義母ミッシーの登場だ。
元チャンピオンの弁護士の妻として現れる。
猫なで声で娘と孫娘たちを豪邸に招き入れる狙いは何なのか。
ジョーが支給車を駄目にしてしまうのはいつものことだが、
今回は官舎である自宅にグレードアップ。
放火されてしまった。
馬と犬が犠牲になってしまいかわいそうだった。
面白かったのは、飾ってあったエルクの剥製が袋角の状態であり、
狩猟シーズン前に狩りを行ったことを見抜いたジョーが、
静かに脅して相手から情報を得た場面。
相変わらず手助けをしてくれたネイトは、前作の仕事で容疑を抹消され、
タカ狩りサービスの会社を軌道に乗せていた。
忙しすぎるぐらいに。
そして、新しい州知事がジョーに接触してきた。
彼はジョーが何でも屋ではないことをまだ知らない。
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