無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
大正の横浜を舞台に富豪一族の中で妾の子であるかな子が地位を得るために奮闘する物語。
とにかくボリュームのある一冊。女系一族で知略を尽くしてのし上がろうとするかな子と、一族を支配する本妻スヱとの静かな戦いが面白く読み応えがあった。
本妻の『大奥様』スヱは要吉が興した商店を一代で横浜一の大店に育て上げたやり手で要吉が寝たきりになってからは商店の経営を取り仕切っている。その補佐役を担う娘の『奥様』花、さらに花の3人の娘たち。
『檜垣澤に男はいらない』とまで言われる女系一族で使用人と同じような待遇を受けていたかな子だが、自分も要吉の娘であるというプライドと持ち前の知恵と容量の良さで檜垣澤家での地位を確立するため立ち回る。
蔵で不審死を遂げた花の婿、スヱの片腕として暗躍する書生、軍との密談などのミステリー要素もあるが、子供ながらに知恵と度胸のあるかな子と、常に先を読み周囲をうまく操るスヱの腹の探り合いにワクワクした。
成長とともに考え方、立ち回り方がスヱに似てきている部分もあって、かな子にとって大きな壁であったスヱだけど、女の戦いにおける手本でもあったんだよなぁ…
Posted by ブクログ
横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは──。
Xで旅行記や読書記録をよく読んでいるファンの方が絶賛していた一冊。めっちゃ面白かった!こういう明治・大正時代のお家騒動みたいな話には少し苦手意識があったのだけれど、妾の子として苦難を浴びつつも自分の頭でしっかりと考えて人生を切り開いていこうとするかな子のたくましさに心を打たれる。血のにじむような努力を重ねても重ねても報われなかったり想定外の展開になったりするんだけれど、いったい真実は何なのか?謎を解き明かそうとするかな子や周りの人々の思惑に翻弄されっぱなしだった。ミステリーとしても面白いけれど、大河ドラマを見ているようなスケールで、ひとりの女性の底力に元気をもらえる。
Posted by ブクログ
昨年12月に読んだ複数の雑誌で見掛けて気になり、読みたかった作品。
昨年のうちに買おうと思ったけれど、在庫が書店にもなく、ネットにもなく、予約すらできず、買えたとしても定価以上の値段…。
メ〇カリではなんと、定価の倍以上の値段で販売されていてびっくり(⊙⊙)!!
なので、買うことをすっかり諦めていたのだけれど、重版されたタイミングで手にすることができた。
横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾であった母を亡くしたかな子は、この家に引き取られる。ある夜、婿養子である辰市が不審な死を遂げる。やがて、かな子が辿り着いた真実とはー…?
主人公であるかな子。
幼いながらに母の教えに従い、心を許せる相手がいない檜垣澤家の中でうまく立ち回る。
優れた観察眼を持ち、相手に合わせて臨機応変に接し方を変え、子どもらしさを見せるのは檜垣澤家の三姉妹を喜ばせるための演技をする時だけ。
女中たちからの嫌がらせにも屈しない。
まだ10歳に満たない子どもなのに、達観しすぎていて、そうしなければ生きていけない境遇を思い、読んでいて切なくなった。
かな子の前に立ちはだかる壁、大奥様がまたすごい。
檜垣澤家の中で起こること全てが、大奥様の思惑通りに動いている。
また、同じ妾腹であっても性差があることに驚いた。
男に産まれていたら手に入れられたであろうものが、かな子には手に入らない。
女であることをいいことに、いいように使われ、遠ざけられてしまう。
年齢を重ね、「努力は惜しまない。自らの手で掴み取りたい。」と逆境に立ち向かっていくかな子を心から応援したくなった。
本書は明治から大正時代の物語で、歴史的背景も語られており、歴史に明るくない私はすごく勉強になった。
スペイン風邪の描写はコロナに似ているように感じた。
物語の根底に大きな謎が横たわっているが、ちょっとした謎も織り込まれていて、ボリュームがあっても飽きることなく楽しめた。
読みやすいが故に、サラっと読んでしまいがちで、謎が明らかになる場面では「あっ、あれが伏線だったのか…!」と毎回驚かされた。
それまでのかな子を見守ってきたからこそ、ラストシーンは胸にグッときた。
彼女たちの未来が明るくありますように。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。