ヤン・ポトツキの作品一覧
「ヤン・ポトツキ」の「サラゴサ手稿」「サラゴサ手稿」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ヤン・ポトツキ」の「サラゴサ手稿」「サラゴサ手稿」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
前年、岩波文庫から出ているのを読んだ。
その解説において、「サラゴサ手稿」には複数の異なるヴァージョンが存在している、とされていた。
この工藤幸雄による邦訳は、その「異なるヴァージョン」のひとつ、ということになる。
岩波文庫版の方の記憶はそれほど鮮明ではなく、また細かく比較して読むような手間を(今のところ)かけられていないが、違っているな、という点はいくつかあった。たとえば、この創元ライブラリ版で少し登場した「さまよえるユダヤ人」やそれにまつわる部分はまるっきり覚えがなく、同じ箇所を見比べてみるとたしかに、岩波文庫版からは、その部分がまるっと抜け落ちていた。
あるいは、数学者ってこんな早
Posted by ブクログ
紙に書かれていた外国語の手記を口頭で翻訳してもらったものを口述筆記したという設定の物語。さらにその中の登場人物が物語を語り、その物語の中の登場人物も物語を語り始める・・・
すごい入れ子構造の物語で、いまどの階層を読んでいるのか見失うことが多々ある。深い階層の物語が意外に長いので、最上位階層ではそれほど話が進んでいなかったりする。
千夜一夜物語のような枠物語の一種だが、一人の語り手がたくさんの物語を語る線形構造ではなく、たくさんの語り手による物語が複雑に絡み合っている。
この複雑な構造の物語を18世紀に書いたポトツキ氏は本当にすごい。
ここまで約400ページ読んで全体の3分の1。読むのは少し疲れ
Posted by ブクログ
騎士アルフォンソの手記の中に、彼に物語る人々の語りが入れ子入れ子で組み込まれていく物語。
語る人々は、幽霊だか人間だかわからん美女、ジプシー族長、カバラ学者、悪魔に取り憑かれた狂人、政略渦巻く上流社会に属する人々、神に見捨てられた巡礼者、人のゴシップを掘り出しのし上がる厄介者…。彼らも民族も宗教も、キリスト教徒、ユダヤ人、スペインのイスラム教徒など多岐にわたる。
出てくる人たちはなぜか美男美女ばっかり(笑)。特に男性陣は「盗賊」「ジプシー老人」と書かれているので野性的なおっさんを想像していたら「美しい男」だの「少年の頃女装して人を騙してた」とか、なんかお耽美な人たちだな 笑
彼らが語る内容も
Posted by ブクログ
読書会に申し込んだので準備中。
作者はポーランドの大貴族で1761年にピキウ(現ウクライナ)で生まれた。政治家で軍人、数々の歴史書や旅行記も書いている。
『サラゴサ手稿』の「第一デカメロン」が1805年(作者44歳)に発表されたが、その後全体手直しが行われ、1810年に作者無許可で手直し版が出版された。こちらの岩波全三巻は手直し後の1810年版による。
あとがきの訳注で「1804年版はこうなっていた」と書かれているんだがそっちの版も面白そうで気になる。
【まえがき】
フランス軍将校がたまたまサラゴサで、スペイン語で書かれた古い手書きの書物を見つけた。将校はスペイン兵に捕まったが、スペインの