ヤン・ポトツキのレビュー一覧

  • サラゴサ手稿(上)
    紙に書かれていた外国語の手記を口頭で翻訳してもらったものを口述筆記したという設定の物語。さらにその中の登場人物が物語を語り、その物語の中の登場人物も物語を語り始める・・・
    すごい入れ子構造の物語で、いまどの階層を読んでいるのか見失うことが多々ある。深い階層の物語が意外に長いので、最上位階層ではそれほ...続きを読む
  • サラゴサ手稿(下)
    【第五デカメロン】(41日目〜50日目)
    読書会に参加しました。皆様ありがとうございました。

    総括。
    この下巻の巻末に、誰が何について話しているかの「通覧図」があったーー。上巻、中巻一生懸命読み取ってたよ(笑)

    読書とは「本を読む」行為だが、この本は(上巻で書いてあったように)旅の途中で旅籠に寄...続きを読む
  • サラゴサ手稿(中)
    騎士アルフォンソの手記の中に、彼に物語る人々の語りが入れ子入れ子で組み込まれていく物語。
    語る人々は、幽霊だか人間だかわからん美女、ジプシー族長、カバラ学者、悪魔に取り憑かれた狂人、政略渦巻く上流社会に属する人々、神に見捨てられた巡礼者、人のゴシップを掘り出しのし上がる厄介者…。彼らも民族も宗教も、...続きを読む
  • サラゴサ手稿(上)
    読書会に申し込んだので準備中。

    作者はポーランドの大貴族で1761年にピキウ(現ウクライナ)で生まれた。政治家で軍人、数々の歴史書や旅行記も書いている。
    『サラゴサ手稿』の「第一デカメロン」が1805年(作者44歳)に発表されたが、その後全体手直しが行われ、1810年に作者無許可で手直し版が出版さ...続きを読む
  • サラゴサ手稿(中)
    そろそろ、誰が何を語っているのかメモをとったほうが良いかもと思いつつ族長の話を聞く日々。そして解説を見るに1804年版も読んでみたい
  • サラゴサ手稿(上)
    サラゴサ手稿をどこでいつ知ったのか思い出せないのだけどようやく読むことができるようになって嬉しい。デカメロンの系譜というかなぞらえていたのか。今のところ話がどう転がっていくのか捉えどころなく目眩く感じが楽しい
  • サラゴサ手稿(下)
    時間があったので読んでいたら終わってしまった。ここまで広がった大風呂敷をよくぞ大団円にまで持っていけたなと思う。もっとずっと読んでいたかったのだが、残念ながら終わってしまった。でもまあ、また読めばいいか。訳した人が、何度読んでも面白いと役者解説で述べているとおり、これは再読に値する本だと思う。今回で...続きを読む
  • サラゴサ手稿(中)
    2/3を読み終えてしまった。まだ面白い。複数に分冊されていふ長編小説は、もし面白くなかったら損した感が大きいので、読む前は少し懸念していたが、読み終えない今のうちにすでに満足してしまっている。もちろん、下巻まで読むつもりだが、とにかく非常に面白い。

    上巻では、幻覚や悪魔や魔術などが多く登場し、そう...続きを読む
  • サラゴサ手稿(上)
    まったく前情報を入れないまま、邦訳が完結まで刊行されたということで読み始めた。これで1/3読んだことになる。今のところ面白い。

    「第1デカメロン」とか「第2デカメロン」とか、「デカメロン」ってなんだっけ、と思って『デカメロン』を書店で軽く読んだけど、作中人物による語りによって物語が展開される形式を...続きを読む
  • サラゴサ手稿(下)
    サラゴサ手稿の完結。今まで語られていた話が一気に収束していき、まさに大団円を迎える。個々のエピソードもさることながら、この物語構造自体が味わうに値する。
  • サラゴサ手稿(中)
    やはりあきれる程の物語のおもしろさだ
    悪魔らしきものが出てきて持論展開するとがぜんひきつけられる
    たのしいなぁ 【サラゴサ手稿】
    これこそページターナー
    語り手が次々と変わり繰り返される大伽藍のような構成美 とびきりの物語は下巻へ…

    ワクワクだ
    キリスト教 イスラーム ユダヤ教の強烈な一神教...続きを読む
  • サラゴサ手稿(上)
    工藤幸雄氏が逝去された後、もはやこの作品の前方を知ることは叶わないだろうと思っていたが、まさか全訳が、それも岩波文庫で読めるようになるとは僥倖という言葉以外に表現しようがない。どうやら当分の間、ポトツキの魔術にに幻惑されながら過ごすことになりそうだ。
  • サラゴサ手稿(下)
    ヤン・ポトツキの怪作。ようやく上中下3巻を読み終えました。語彙が足りないので、凄いとしか言いようがなく、不思議でとても面白い。フィクションとはこういうものかという驚きです。この入れ子になった物語構造をちゃんと設計して執筆しているのは、人間業とは思えません。
  • サラゴサ手稿(上)
    18世紀ポーランド人の書いた千夜一夜のようなもの。
    外人部隊の隊長に任命されたスペイン人がムーア人の美女らと関係を結ぶところから話は始まる。次々と現れる登場人物たちが語る話は、次々と入れ子構造を為していく。この時点では、個々のエピソードの関連性は見えてこないが、十分に魅力的である。
  • サラゴサ手稿(中)
    サラゴサ手稿の中巻。この巻では、一人のトリックスターが登場し、いい具合に読者のヘイトを集めてくれる。ムカつくけど、このような人物がいるからこそ物語はより魅力的になっていくのだ。
  • サラゴサ手稿(中)
    入れ子構造が複雑になり、今何の話をしているのか掴みづらくなって来ているが、それに反して内容は面白さを増している。
  • サラゴサ手稿(下)
    ここまでの展開で謎的に提示されたエピソードに、それなりの解決が付いて大団円を迎える。むろん今日の読者が「驚愕の真相」的に驚くようなものではないが、大量にあるらしいヴァリエーションも、広げすぎた大風呂敷を畳むための作者さんの苦闘の痕跡だと思うと、味わい深い。
  • サラゴサ手稿(中)
    上巻と同様に入れ子構造の語りが迷宮的に入り組む構造。河出文庫の「東欧怪談集」にそこだけ切り出す形で収録された「トラルバ騎士分団長の物語」のように独立した怪奇掌編と見なせる部分も多い。一方でブスケロスに父親を殺されたとも言えるアバドロの、反応の薄さとか、下巻への伏線とも思える部分もちらほら。巻末の解説...続きを読む
  • サラゴサ手稿(上)
    誰かの打ち明け話の中で、別の誰かの打ち明け話が始まるような入れ子型の構造とか、昔の人はホントにこんな考え方をしたんだろうかと悩んでしまうような浮世離れのした筋の展開とか、まだ三分の一だからね、まだまだ楽しませてくれそう。