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新しいインターネット美学、〈リミナルスペース〉のすべて。
その誕生の過程と影響を、膨大なビジュアルとともに体系的に掘り下げる初の書籍、待望の翻訳!
人の気配のない出入り口や階段、長い廊下、古びたホテルのロビー、寂れたショッピングモール、無機質な地下鉄の駅……。
こうした日常で目にする光景の中に、不穏さと不気味さ、そして抗いがたい魅力を見出す「リミナルスペース」は、インターネットを中心に爆発的に広がった、2020年代を代表する美学的ミームです。
例えば、社会現象となったウォーキングシミュレーターゲーム『8番出口』は、リミナルスペース的な世界観の代表的な作品と言えるでしょう。
本書で取り上げるのは、映画『シャイニング』のかの有名な長い廊下、インターネット怪談の「バックルーム」、ヴェイパーウェイヴ音楽、ブルータリズム様式の巨大建築、さらにはマグリットの絵画など。時代や分野を縦横無尽に横断しながら、リミナルスペースの美学はそこかしこに息づいています。
リミナルスペースが引き起こすのは、ただの不安な感情ではありません。
人々の記憶と想像力に深く共鳴し、心の奥底にまで響く感覚を呼び覚ますのです。
リミナルスペースの何が怖いのか?
なぜ私たちはリミナルスペースに魅了されるのか?
新しい「不安と恐怖の美学」の誕生の過程とその影響を徹底的に掘り下げる、リミナルスペース“解体新書”。
この一冊を手に取ることで、あなたの周りに潜む「異質な空間」の恐怖と魅力を、新たな視点で再発見することができるでしょう。日常の中に潜む非日常を感じたい方、アートや映画、ゲームに興味がある方にとって、必読の一冊です。
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Posted by ブクログ
最近話題の『リミナルスペース 新しい恐怖の美学』を読みました。
リミナルスペースやthe Backroomといったものは昔から聞いたことがありましたが、リミナルスペースについての系統的・網羅的な知識は全く持っていなかったので、新しい視点をたくさん持てました。特にネットの外―文学・美術・映画―にかんするリミナルスペースの萌芽や海外のネットコミュニティーの成り立ちから現在のリミナルスペース関連ゲームが生まれるまでを追いかけていくと、インターネットのミームとして認識していた画像に美的系譜を感じられるようになり、またリミナルスペース画像を見る楽しみが増えました。
Posted by ブクログ
恐怖心は余白や物語られなさによって形作られる。リミナルスペースを出発点として、恐怖や美学を語る点が面白い。2章からはネットカルチャーの変遷を追っていて、ネットの中で次々と作品がオマージュされ、ジャンルとして定義されていく過程が、人間の想像力のダイナミズムを地図に描いているようで非常に興味深かった。
この本を読んでいるうちに、自分でも「昔観たあの映画も、アニメも、ゲームも、リミナルだったのでは」と想像力を掻き立てられる。リミナルスペースとは、見る者に新しい視点を与えるもので、世界の見方、認知が不可逆的に変わるという意味ではミーム的な側面があるようにも思えて、ジャンルの奥深さを感じられた。
Posted by ブクログ
最近気になっているインターネット美学『リミナルスペース』について本格的にまとめられた本。去年はゲーム原作の映画『8番出口』が盛り上がりましたが、思えば昔の漫画で近いのあったよなと思い出しました。諸星大二郎の『地下鉄を降りて』です。デパ地下の複雑な通路に迷い込むという、76年の漫画にもかかわらずまさにリミナルな作品だったと思います。そう考えると、この本でも映画『シャイニング』『2001年宇宙の旅』も触れていましたが、往年の名作にもリミナルは潜んでいるのかもしれませんね。
(※2026/1/30追記)ペルソナシリーズってリミナルスペース・バックルーム要素がかなり絡んでいる気がしてきた。メメントスやパレス内で、心の怪盗団が改心をすることによって現実にいる悪人にも影響を与えています。そもそもゲームのダンジョンもリミナルスペースかも。異質で複雑な迷宮に迷い込んでますよね。
Posted by ブクログ
「The Backrooms」や最近だと「8番出口」などで注目されたインターネット美学の一つリミナルスペースについての本。
リミナルスペースとは謂わば建築空間における「不気味の谷」のようなもので、駅や通路といった日常空間がある瞬間に無人化するなどにより、見慣れた光景であるにも関わらず不安や恐怖を感じてしまうようなイメージのこと。
この本では、近年のインターネットミームとして消費されているものに留まらず、リミナル的な図像を集めて「リミナルスペース」とは何かということを読み解いていく。多数の図版を収録しており「リミナルスペース」の図録としても愉しめるつくるだが、テキストの方もなかなかのボリュームでこの手のつくりの本としてはかなり読み応えのある内容。
Posted by ブクログ
『Backrooms』は建築映画でもあるのだけれど、この本書の前半でちゃんと触れられていて一定の信頼のできる、かなりのオタク(もちろん褒め言葉として)によって書かれたリミナルスペース本。
建築、絵画、ゲーム、映画、といったアートフォームに触れられている。また過剰に接続してはいるものの結局アートという触媒、あるいはメインテーマと深く結びついている証左でもあるのかなと思った次第。
章分けされてはいるが、教養として観る必要あるものからないものまで、かなりしっちゃかめっちゃか。あと漫画作品が少なめで、流石にそこまでいくと収拾つかなくなりそうなので抑えたのかなと想像する。
リミナルスペースという単語を知ったのは多分GANTZとかだと思うけど、原初的にはみんなもっと言葉として知る前から知っていたのだと思う。64のゼルダとかマリオのステージ全般とかやたらと怖かったなと思ったり、眼科の屈折検査のトプコンの赤い家とかニデックの気球とかもその系譜なのかな。
人はその未知の領域に恐怖を抱くと同時に魅惑もされる。バックルームズの映画でクラークが引き返さなかったように。インターネット時代以降の発明であり、現象でもある。で、割とそれに慣れ親しんだ世代こそコミットしやすい、という印象も持つ。
前述したようにまとまりのある研究書とまでは言えないけれど、良い視点と切り口で書かれた書籍だと思いました。ちゃんと2020年代をキャッチしている、という点でも評価できるはずです。
Posted by ブクログ
“飽和したかりそめの都市空間の過剰を示す”なるほど
子供心にドラえもんのブリキのラビリンスのブリキンホテルがなんかめちゃくちゃ怖かったんだが『小夜曲』(ドロテア・タニング、1943)て緑の壁とかドアの並びがまんまブリキンホテルみたいでめっちゃ納得した
ベラージオ、エレベーターから廊下に出たとき、規則的な模様の壁紙と絨毯に、照明とドアが等間隔で永遠に続いてて、まじで右も左も突き当たりが見えなくて、これがベガスか!はぁー!と思ったけど、不安ちゅーわけじゃなくシンプルに感心したなぁ
今敏監督『パプリカ』の冒頭シーンのリミナルな廊下、色味とかもまさにこれの実写版って感じ
“リミナルスペースにいる幽霊は、私たち自身の感情なのである”なるほどなるほど
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