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時は江戸中期、算学の才能に恵まれた最上徳内は、師の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。そこで徳内が目にしたのは厳しくも美しい北の大地と、和人とは異なる文化の中で逞しく生きるアイヌの姿だった。少年フルウらとの出会いを通して、いつしか徳内の胸にはアイヌへの尊敬と友愛が生まれていくが……。松前藩との確執、幕府の思惑、自然の脅威など、様々な困難にぶつかりながらも、北の大地へと向かった男を描いた著者渾身の長編小説!
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Posted by ブクログ
江戸中期から後期にかけての北方探検家 最上徳内 が主人公。 出羽の貧しい百姓の長男でありながら勉学において優れた才覚を見せ、蝦夷や千島列島、樺太などの調査を数多く行った。後に江戸幕府普請役となる。 ちなみに私は勉強不足で 最上徳内 という人物を知りませんでした(^_^;) 江戸に出た徳内は生涯...続きを読むの師となる本多利明の音羽塾に入門し 算術、天文学、測量、航海術などを学ぶ。 天明五年二月、時の老中 田沼意次の肝煎で起ち上げられた蝦夷地見分隊に師の推薦を受け 竿取(測量の為の竿を扱う者)として これに加わり蝦夷をめざして江戸を立った。 拠点となった松前藩では見分隊への監視の目がうるさかった。夷人(アイヌ人)とは親しむなと過度に干渉してくる。 アイヌ語の習得を旅の一義としていた徳内は松前藩に不信感をもち彼らの目を盗んでアイヌの村を訪ね彼らの生活や文化に触れ言葉を解するようになっていく。 松前藩はアイヌの民を蛮人扱いし あらゆることを禁じ交易を独占しアイヌから搾取し続けていた。 蝦夷の厳しくも美しい自然。広大で肥沃な原野。その土地で逞しく生きるアイヌの民。そしてアイヌの少年フルウとの出会い。 すべてに魅了された徳内はアイヌ人と和人を結ぶために力を尽くすことを決意する─。 読み応えのある本だった。蝦夷の未開の地への到達の難しさもさることながら田沼意次の失脚など幕府側の問題も多々ある。見分隊への理不尽な仕打ちには本当に腹がたった。 主人公の徳内はもちろん 見分隊の隊員の普請役たちは皆とても魅力的でお互いの信頼も厚い。とにかく徳内は人に恵まれている。嫁さんもサイコーだ。それも徳内の人徳なんだろう。 “アイヌ人とロシア人と日本人。外見や言葉がこうまで違っても、心のありようは何ら変わらない。” スケールの大きいとても良い作品だった。でも徳内の活躍はまだまだこれからなのだろう。 西條奈加さんの漂流譚『バタン島漂流記』もとても良かったがこの最上徳内の冒険譚も良い。双方史実に基づいているのがとても興味深い。
最上徳内は貧しい農民の出ながら、9回もの蝦夷地探索の成果を以て幕臣に取り立てられた、江戸時代中期の探検家である。その頑健な足腰はもちろん、算術や測量、天文学に通じ、アイヌ語やロシア語まで習得し異民族との交流をしたスーパーマンでもある。千島列島を択捉島からウルップ島まで渡って北方領土の確定に尽力し、樺...続きを読む太も複数回渡って探検している。 その名の通り出羽国最上地方の貧農の家に生まれた徳内は、幼い頃から書物に親しみ江戸に出る機会を得て本多利明の音羽塾に入門する。そこで田沼意次肝いりの蝦夷地探検隊に抜擢され、松前から東の蝦夷地を踏破していく。蝦夷地の利権を独占しようとする松前藩の嫌がらせや、北の地の寒さと荒れ狂う気象に悩まされつつも、現地のアイヌたちと交流してその生活の知恵を学ぶことで徳内は北方探索の任務を成功させ、その内容を「蝦夷草紙」として取りまとめるのだった。 蝦夷地を踏破していく様子は上質な冒険譚であり、また幕府や松前藩の政治情勢やロシア等の国際情勢、あるいはアイヌたちとの関係性など複雑に入り組んだ人間ドラマは、恐らくは著者の創作であろうが徳内という人物の魅力を彩るには十分な内容となっている。とくにフルウというアイヌの少年との交流は、当時の鬼や非人扱いの風習からいえば異例であろう。しかしアイヌに敬意を持って接したからこそ、未開の蝦夷地をアテンドしてもらいつつその信頼の輪を数珠繋ぎにしていったというストーリーは説得力があるし、そのような当時の常識からは外れた価値観を持っていた人物だからこそ、偉業を成し遂げられたのだ。
読み応えあった! 最上徳内が現代にいたら、宇宙まで行ってるかもしれないなぁ、いや、でも、やはり人々の営みがある場所のほうがいいのかな。 大変な目にもあったけど、師匠や妻、義兄等、人に恵まれていて良かった。
やり遂げる人間の物語は素晴らしい 名前は歴史の教科書で聞いたけど、これほど人情味ある内面まで知る事が出来た。あの時代で出来る最大級の仕事が出来たんだよ。ノサップからエトロフに渡るとか簡単に書いてるけど、とんでもない時間と労力と。にしてもアイヌの事を知れば知るほど分からない 文字を持たないもだし、もっ...続きを読むと自国が北海道だと主張していいのにな、なんでこうも大馬鹿な松前藩なんかに虐げられるのか、歯痒いって
江戸中期という時代 当時の国策としての蝦夷地調査 その一員になった最上徳内 北の大地とアイヌへの想いが 心の真ん中に住み着いてしまう 良いことがあり 酷いこともあり 周りの人たちの手助けがあって 何とか立ち直る姿に 応援しながら泣けてくる 師匠方や見分隊の皆さま、心に染みました 青い小石に ...続きを読む涙涙涙 おふでさんと出会えて良かった本当に
とても良かった。 アイヌに魅せられた最上徳内の物語。 最初は、江戸時代が舞台の小説でやや堅く、読みづらい印象だったが、読んでいくうちにそれが気にならないくらい物語に引き込まれていった。 徳内の謙虚で内に情熱を秘めた人柄も、アイヌの人々の義理堅く温かい人柄もとても素敵で、幕府や藩の政治に虐げられな...続きを読むがらも強く、真っ直ぐ生きようとする姿に胸を打たれた。 また、徳内と共にアイヌを旅してアイヌの人々と仲良くなる、そんな冒険ができてわくわくした。 アイヌへの情熱、アイヌの民との友愛や敬愛、師や仲間との絆、残酷な現実への憤り、それをどうにかしたいという優しさ、未知を探究する喜び、、とにかく心揺さぶられ色んな感情を味わえた一冊だった。 ☆4.8
西條奈加さん、ますます 面白くなってくる。 アイヌの暮らし 人 時代の流れ いろんなものが 入っている 最上徳内 知らなかったです。 すごい資料の数 それをまとめることの凄さ 北海道 アイヌ 算学 幕末 まだまだ勉強することがある
江戸時代中期、出羽の貧農に生まれながら和算、天文学、測量を習得し、アイヌ語、ロシア語にも通じ幕臣にまでなった最上徳内。 幾度となく蝦夷地を踏破し、クナシリ、エトロフ、カラフト(作中では意図的にカタカナ表記)まで探検した徳内の前半生記。 田沼意次政権下に企画された調査団に加わり初めて蝦夷地に赴いた徳...続きを読む内は、アイヌたちと交流しながら蝦夷の各地を巡るうち、北の大地やアイヌたちの魅力に取り憑かれ、松前藩の横暴に苦しめられるアイヌたちの境遇に胸を痛める。 時代人情物を得意とする作者らしく、主人公とアイヌたち、探検団員、和算塾の師や同輩、嶋屋の人たちとの交流は温かく、お互いへの思いやりに満ちていて、松前藩や松平定信たちの狭量さ、独善、保身などとは対照的に描かれる。 田沼の失脚により苦境に陥った探検団員たちだが、水戸藩の厚意もあり次第に立ち直る。 徳内も、生まれたばかりの乳飲み子を抱え、南部こら江戸まで遠路はるばる徒歩で会いに来たおふでに励まされ、ついに再び立ち上がる。 最後のシーボルトとの逸話は、本書の後、徳内が行き着く到達点を端的に象徴している。 文字通り波乱万丈だった徳内の生涯の前半分を取り上げた作者の狙いは、奏功したと言えるだろう。
西條奈加作品には珍しいとも思った。読み終えてい、西條奈加作品に違いない。ただただ涙出る素晴らしい話でした。ぜひご一読をお勧めします。
川越さんの「熱源」と同じくアイヌのお話。 江戸時代の幕府も絡んで読ませてくれました。 徳内とアイヌのみんなとの強い絆が美しく、心地よい感動を与えていただきました❗
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