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松本清張の昭和史
社会派推理の開拓のみならず、小説、ノンフィクション、古代史、現代史など、領域を自在に超えた執筆活動を展開し、「国民作家」の名をほしいままにした松本清張。その膨大な仕事のなかでも、自らの同時代史に取り組んだ『昭和史発掘』『日本の黒い霧』は重要な柱といえる。清張は、軍部をはじめとする国家権力、二・二六事件で蹶起した将校たちにどのような眼差しをむけていたか。占領期に起きた不可解な事件をいかに捉えていたか。没後30年を経て、清張史観はいかに評価されるべきか。松本清張から「時代の記録者」としてバトンを託された著者が清張史観の核心を平易な文体で伝える。阿刀田高、加藤陽子各氏との対話を収録。 -
世界のロシア人ジョーク集
「困った隣人」を笑い飛ばせ! 恐怖政治、ウォッカ好き、文化・スポーツ大国……。 風刺と笑いで、マトリョーシカの中身に迫る! ●ジョーク1:SOS 三人のロシア人が乗ったクルマが、土砂崩れに遭ってしまった。 一人が警察に電話した。 「土砂崩れに遭ってしまいました。助けてください」 「わかりました。24時間以内に助けにいきます」 もう一人は軍に電話した。 「土砂崩れに遭ってしまいました。助けてください」 「わかりました。12時間以内に助けにいきます」 もう一人は秘密警察に電話した。 「ウクライナ戦争に反対する!」 5分後、秘密警察が到着した。 ●ジョーク2:天国 プーチンが国民への演説の場でこう語った。 「戦争など恐れることはない。なぜなら、愛国的ロシア人は皆、死んだら絶対に天国へ行けるのだから!」 その演説を聞いた天国側は、NATOへの加盟を申請した。 シリーズ累計100万部突破のジョーク集、今回のネタは「ロシア人」。もともとロシアは、アネクドートと呼ばれるジョーク文化を持つ「ジョーク大国」であり、ソ連時代、共産党による民衆への抑圧が激しくなるにつれ、陰に隠れて恐怖政治を笑うアネクドートが発展したという歴史がある。恐怖政治、酒好き、文化・スポーツ大国、そして現代のウクライナ侵攻……。歴史と民族性を学びながら、そのお国柄を、今こそ笑い飛ばそう! 【目次】 はじめに 第1章 笑いによる攻撃 ウクライナ情勢 その1 第2章 笑いによる攻撃 ウクライナ情勢 その2 第3章 プーチンとは何者なのか? 第4章 ソ連という壮大なるジョーク 第5章 民族性&社会 酔っ払いか芸術家か? 第6章 国際関係 隠れた親日国? おわり -
源氏供養 新版
「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」前篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。 -
ウイルス学者さん、うちの国ヤバいので来てください。
地元の医者は逃げ、インフラは停まり、遺体が道に転がる中、僕はアフリカに派遣された――引継ぎゼロ、報酬1ドルもなんのその!ウイルスでパニックになった世界を救う感染症専門家のドキドキ・アウトブレイク奮闘記。 はじめに――ロックマンになれなくて 第1章 アフリカでエボラと闘う 第2章 〝中2病〟の医学生・研修医 第3章 全米デビュー 第4章 エボラとコロナの間 第5章 新型コロナ対策の中のひと おわりに――丸い世界を転がるように 医療資源の乏しいフィリピン、防護服や注射針を使いまわすアフリカ、コロナ対策で不夜城と化した霞が関を渡り歩いた感染症専門家の日常とは? 笑顔の裏に何かを隠し、ときには夜のBARまで味方にしつつ、型にはまらぬ方法でウイルスと闘う医師による、ヤバくて笑える仁義なき闘いの記録。 -
人生最後に後悔しないための読書論
年を重ねた今だからこそ、わかる本がある。何歳からだって読書を始めれば、新たな「ステージ」へ。博覧強記の齋藤教授が、文学や哲学からマンガまで古今東西の作品をもとに、人生100年時代を充実させるヒントを伝授。文豪・谷崎潤一郎の「変態」な記録、戦う美しい高齢者を描く『老人と海』、江戸時代の「健康本」、世界「三大幸福論」の魅力などなど。挫折した本に再挑戦するコツなどをまとめた「ライフハック読書術」も充実。老後の生活を支えるのは「知性」だ。齋藤式メソッドを身につければ、若年層を導く安西先生のような「老賢者」にあなたもなれる! 1章 「老い楽の日々」こそ希望あり 2章 あなたも「老賢者」になれる 3章 世界の「シニア小説」を味わおう 4章 なぜか落ち着く「江戸」へのいざない 5章 いい大人になるための「哲学」入門 -
なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた
人生は、なるようになる――これがひとまずの結論です。幼少期の最初の記憶から、虫と猫とバカの壁と出会った八六年を語りつくす。読売新聞の好評連載「時代の証言者」を大幅加筆、「五〇の質問」を増補。養老先生はじめての自伝。 目次 Ⅰ 幼年時代と戦争 Ⅱ 昆虫少年、医学部へ Ⅲ 解剖学者の奮闘 Ⅳ 『バカの壁』と〈まる〉との出会い 養老先生への五〇の質問 ――朝起きて最初に何をやりますか/最後の晩餐で食べたいものは/自分をバカだなと思うことはありますか/いろいろな発言をされると誤解されることが多くて困りませんか/大人になるってどういうことですか/死についてどう思いますか……など -
雑草学のセンセイは「みちくさ研究家」
「乃木坂で有名なハルジオンだよ」と伝えると、関心を示す学生たち。 「大学の先生なのにアイドルとか知っているんですか」 「よく知らないけど、AKBみたいなものでしょ」 「ぜんぜん違いますよ!」 じゃあ、名前も見た目もよく似たハルジオンとヒメジョンは、見分けられるかい? 田んぼさえ見たことがないイマドキの若者を相手に悪戦苦闘する教授にも、オヒシバとメヒシバの違いさえわからなかった学生時代があった。 「お前は破門だ!」と言われながらも“雑草戦略”で生き抜いてきた過去の記憶と、「教えない先生」として学生の成長を見守る現在が交錯する。 ベストセラー作家でもある「みちくさ研究家」がつづる、雑草学研究室の青春譜。 人生で大切な“草”知識、雑草レベルの繁殖力でボーボー育ちます。 -
文明の生態史観 増補新版
1955年、京都大学の学術探検隊に同行し、西アジア諸国を歴訪した著者。 その体験から生まれた視点により、対立ではなく平行進化として東西の近代化を捉え、〈中洋〉を提唱する。 60年代にかけての東南アジア、アフリカ各国訪問を経て、比較宗教論へと連なる論考の集成に、著者の到達点を示す「海と日本文明」(2000年)を増補する。 〈解説〉谷泰 -
JRは生まれ変われるか 国鉄改革の功罪
国鉄改革から35年を経た今、官と民の狭間でJRは苦悶を続けている。歴史を踏まえて、JR7社の直面する課題を読み解き、人口減少時代と対峙する現在とこれからを展望する。 -
連合艦隊西進す
「思いがけないことになったものだ。我が帝国海軍は長年、米英海軍を仮想敵と考えて作戦研究を進めてきた。それが今や、ドイツが最大の仮想敵になったのだから」 昭和一四年八月、ドイツがソ連との不可侵条約を締結したことにより、日本がそれまで進めていた独伊との同盟は頓挫する。かわりに日本に接近してきたのはドイツと対峙するイギリス、フランスであった。 やがて日英仏同盟が締結されるが、大陸を席捲したドイツ軍はついに英本土へ上陸。首都ロンドンを陥落させる。本国を脱出して東アジアに逃れた英艦隊は日本に亡命、これにより日本もまたヒトラー総統の怒りを買い、宣戦布告がなされた。 英仏政府の要請を受けた連合艦隊は、第一航空艦隊にセイロン島トリンコマリーへの進出を命じる。だがインド洋海面下では、牙を研いだ狼の群れがで息をひそめ獲物を待ち構えていた! -
台湾漫遊鉄道のふたり
炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。 結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。 ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。 「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。 そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」 古内一絵さん大満足 1938年、五月の台湾。 作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。 現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、 台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。 しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。 国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差――― あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。 -
黒人音楽史 奇想の宇宙
奴隷制時代から南北戦争、公民権運動をへて真の解放をめざす現代まで。アメリカ黒人の歴史とは、壮絶な差別との闘いであり、その反骨の精神はとりわけ音楽の形で表現されてきた。しかし黒人音楽といえば、そのリズムやグルーヴが注目された反面、忘れ去られたのは知性・暗号・超絶技巧という真髄である。今こそ「静かなやり方で」(M・デイヴィス)、新しい歴史を紡ごう。本書は黒人霊歌からブルース、ジャズ、ファンク、ホラーコア、ヒップホップまで、黒人音楽の精神史をひもとき、驚異と奇想の世界へと読者をいざなう。古今東西の文献を博捜した筆者がおくる、新たな黒人音楽史。 -
教科書名短篇 科学随筆集
科学者にして名文家であった寺田寅彦、中谷宇吉郎、湯川秀樹。国語教科書で彼らの文章と出会い、科学への扉を開かれた者は多い。この三人を中心に、岡潔、矢野健太郎、福井謙一、日髙敏隆の名随筆を収録する。考えるよろこび、知る楽しみを味わえる「教科書名短篇」シリーズ唯一の随筆集。 文庫オリジナル 【目次】 科学者とあたま他六篇/寺田寅彦 (科学者とあたま/簑虫と蜘蛛/蜂が団子をこしらえる話/茶碗の湯/藤の実/鳶と油揚/蜻蜒) 地球の円い話他三篇/中谷宇吉郎 (科学以前の心/地球の円い話/立春の卵/科学の限界) 詩と科学他八篇/湯川秀樹 (詩と科学/原子と人間(詩)/科学と環境/目と手と心/単数と複数/具象以前/創造性の尊重/少数意見/アインシュタイン先生の想い出) 発見の鋭い喜び/岡 潔 科学的なものの考え方/矢野健太郎 広く学ぶ心/福井謙一 チョウの飛ぶ道/日髙敏隆 -
密教 インドから日本への伝承
インドで壮大な哲学と宇宙観をつくりあげた密教は、シルクロードや仏教南伝の道を通って中国へ渡る。そして、弘法大師・空海により、日本にもたらされ、日本人の精神の地下水になった。密教学会の最高権威が、その密教の宇宙を語る。 269ページ -
子どもを壊す部活トレ 一流トレーナーが教える本当に効く練習方法
「そのトレーニング、子どもたちには危険です。」 皆さんは、部活動でどんな練習をしていますか? もしくは子どもの頃、どんな練習をしていたでしょうか。水分補給の禁止やウサギ跳びなど、今では考えられないようなことをしてきた人もいるでしょう。 現在ではだいぶ変化してきたものの、世界のアスリートたちをサポートしてきた著者からみると、まだまだ改善すべき点が多く、学生たちの話を聞く度、驚愕することが多いと言います。 本書は、フィジカルトレーナーとして青学駅伝チームを優勝に導いた立役者の一人である著者が、勝つためのトレーニングやケアの仕方を教えるもの。「全員で同じ練習をこなすのは無理がある」「アキレス腱のばしの準備体操には意味が無い」「負けた試合を振り返るのは逆効果」など、熟知しているからこその目から鱗の情報も満載です。 今まさに部活動に勤しんでいる若者たちはもちろん、親や家族、コーチ、教育関係者など、成長をサポートする人たちも必読の1冊。日頃のトレーニングを効率良くする方法を知るのにも、役立ちます。 《「読売中高生新聞」好評連載「間違いだらけの部活トレ」待望の書籍化!》 -
数字中国 デジタル・チャイナ コロナ後の「新経済」
新型コロナの震源地・中国はなぜ感染を抑え、プラス成長を達成できたのか? 当局はなぜアリババ集団ら巨大ITへの統制を強めるのか? デジタル人民元は中国を変えるのか? 覇権的な政治体制では説明できない、重要な経済ファクターがある。米欧を横目に、デジタル防疫・経済成長・デジタル金融の三位一体を実現。政府主導で建設が進む「数字中国(デジタル・チャイナ)」への分析は、ビジネスと経済安全保障上の最重要課題である。現地専門家が経済と生活の両面からわかりやすく解説。ヴェールに包まれた、世界先端のDX戦略の実態を描き出す。 -
母娘問題2 オトナの親子
読売新聞朝刊で連載中の好評連載「オトナの親子」の拡大版コミックエッセイ第2弾。 “毒親"の言葉も浸透しつつある昨今、長生きがもたらしたオトナの親子関係の確執はとても深く、多くの人が悩み苦しんでいます。前半では、1巻で登場した親子のその後を描いています。ついに実家を離れてひとり暮らしをはじめた娘、母に自身の心の悩みを打ち明けた娘、それぞれのジツボはどんな想いを抱え、どう娘と対峙するのが良いのか悩み、一方の娘たちも、ジツボとの向き合い方、程よい距離感を悩みながらも模索していきます。1巻同様、専門家の方々のアドバイスを含めた解説も掲載しています。後半では「著名人の実体験」と「発言小町に寄せられたリアルな声」を加え、より多彩な例を知っていただける内容となっています。本書が、親子関係を見つめ直し、少しでも心を軽くすることに役立てば幸いです。 -
謎の海洋王国ディルムン メソポタミア文明を支えた交易国家の勃興と崩壊
2019年、ペルシア湾の島国バハレーンの古墳群が世界文化遺産に登録された。バハレーンには今から4000年前、南メソポタミアとオマーン半島、そしてインダス地域を結ぶ海上交易を独占して繁栄をきわめた海洋の王国・ディルムンの人々が、約7万5000基もの古墳を築いた。資源に乏しいメソポタミア文明を物流の面から支え、この文明の生命線を握っていたのが、ディルムンであった。この王国を築いた人々は、それまでほぼ無人の地だったバハレーンにどこから移住してきたのか? なぜ、紀元前1700年頃を境に急速に衰退し、王都や神殿が打ち棄てられ、巨大な王墓の建造が終焉を迎えたのか? 日本の発掘調査団の中心メンバーである著者が、最新の考古学的成果を踏まえ、ディルムン文明の起源と崩壊の謎の解明に挑む。 -
イケズな東京 150年の良い遺産、ダメな遺産
コロナ禍で東京一極集中の是正が言われるが、事はそう単純ではない、と井上氏。私たちの東京への愛憎は複雑で、長尺の歴史から捉える必要がある。そう、京都から東京に天皇が移り住んだ時代から……。『京都ぎらい』の井上氏に対するのは、丹下健三の孫弟子に当たる建築家・青木氏。二度の東京五輪と大阪万博を中心に、古今東西の都市開発の功罪と、そのレガシーについて論じ合う。博覧強記の二人の話は、天皇、GHQ、ナチスといった歴史の縦軸から、北京、パリ、ローマ、ロンドン、コペンハーゲンといった地理的な横軸までを駆け回る。また黒川紀章らの建築家論や、ゴジラ、寅さん、小津映画等の話題もまじえ、「愛される建築とは何か?」「日本と西洋、どちらが自由なのか?」という文化論を掘り下げる。 -
新編 現代と戦略
日本の国家戦略はいかにあるべきか――。政治的リアリズムの立場から戦後の経済重視・軽武装路線を「吉田ドクトリン」と定義づけ、軍事的リアリストへの批判を展開した戦略論の名著。『現代と戦略』第一部に岡崎久彦による反論、永井・岡崎対論「何が戦略的リアリズムか」を併録し、白熱の論争を再現する。文藝春秋読者賞受賞。〈解説〉中本義彦 【目次】 Ⅰ 防衛論争の座標軸 Ⅱ 安全保障と国民経済――吉田ドクトリンは永遠なり Ⅲ ソ連の脅威――軍事バランスという共同幻想 Ⅳ 有 事――日米運命共同体の幻想がくずれるとき Ⅴ 戦略的思考――死こそ赤への近道 Ⅵ 摩擦と危機管理 * 永井陽之助氏への〝反論〟 岡崎久彦 対論・何が戦略的リアリズムか 永井陽之助×岡崎久彦 解説 誤読を避けるために 中本義彦 -
デルフィニア戦記
のちにデルフィニアの獅子王を支えることになる二人の騎士団長は、いかにして出会い、身分の違いを超えて絆を結んだか。若武者たちの青春物語を描く外伝。 -
デルフィニア戦記外伝
大国デルフィニアを代表する大貴族であり国王の縁戚でもある筆頭公爵家の総領と、地方貴族の子息ながら天才的な剣士。国王崩御という動乱の陰でふたりは戦う――未来を掴むそのために! -
奇跡の四国遍路
二〇一七年四月初旬、俳人の黛まどかさんは、総行程一四〇〇キロに及ぶ四国八十八か所巡礼に旅立った。全札所を徒歩で回る「歩き遍路」である。美しくも厳しい四国の山野を、施しを受け、ぼろ切れのようになりながら歩き継ぐ。倒れ込むようにして到着した宿では、懸命に日記を付け、俳句を作った。次々と訪れる不思議な出来事や奇跡的な出会い。お遍路の果てに黛さんがつかんだものとは。情報学者・西垣通氏との白熱の巡礼問答を収載。 本文より―― ○つぎつぎと青きを踏んで遍路発つ ○鐘ひとつ撞いて朧を広げたり ○舞ふやうに吹かるるやうに夕蛍 ○道しるべ滴る山を指しにけり -
パンツを脱いじゃう子どもたち 発達と放課後の性
「性の公共」をテーマとする著者の、書き下ろし新刊。 新型コロナの影響で学童保育に注目が集まる中、この数年間で、飛躍的に利用者数を伸ばしたサービスがある。それは「放課後等デイサービス」である。 放課後等デイサービスとは、障害のある子どもや発達に特性のある子どものための福祉サービスで、現在の利用者数は20万人を超えている。 その放課後等デイサービスの現場で問題になっているのが、子どもたちの性に関するトラブルだ。特に多いのが「人前で服を脱いでしまう」という行為。ほかにも、人前で性器をいじる、自慰行為をしてしまうなど、様々な問題が起こっている。 本書は、放課後等デイサービスの現場で起こっている性に関する問題を分析した上で、障害のある子どもたち、そして私たちが自分自身や他人の性とうまく向き合っていくための方策を探る。 -
二魂一体の友
僕等はツバぜり合ひの刀の下で、永久に黙笑し合つてる仇敵である――北原白秋主宰の雑誌への投稿で知り合い、近代詩を牽引する良きライバルとなった二人。交流を描いたエッセイから互いの詩集に寄せた序文までを集成する。それぞれが語る生涯にわたった友情。 文庫オリジナル 巻末対談 萩原葉子×室生朝子 目次から Ⅰ さびしき友・室生犀星(萩原朔太郎) 室生犀星の印象/さびしき友/田端に居た頃 /移住日記/室生犀星君の心境的推移に就て/室生犀星に与う/室生犀星君の飛躍/室生犀星に就いて/室生犀星君の人物について/室生犀星の小曲詩/詩壇に出た頃/所得人/犀星氏の詩/小説家の俳句/孝子実伝/別れ/室生犀星に Ⅱ 砂丘を登る人・萩原朔太郎(室生犀星) 赤倉温泉/萩原と私/芥川龍之介と萩原朔太郎/萩原朔太郎論のその断片/萩原朔太郎/萩原朔太郎を哭す/『卓上噴水』の頃/萩原葉子 著『父・萩原朔太郎』あとがき/詩人・萩原朔太郎/萩原に與へたる詩/供物 Ⅲ詩集に寄せて 室生犀星『叙情小曲集』序(萩原朔太郎)/健康の都市 詩集『月に吠える』(室生犀星跋)/愛の詩集の終りに(萩原朔太郎)/室生犀星『新らしい詩とその作り方』序に代えて(萩原朔太郎)/珍らしいものをかくしている人への序文(萩原朔太郎『純情小曲集』序 室生犀星)/『室生犀星詩選』推薦文(萩原朔太郎)/『青き魚を釣る人』序(萩原朔太郎)/『青き魚を釣る人』小言(室生犀星)/室生犀星詩集の編選について(萩原朔太郎)/野性の叫び(『室生犀星全集』萩原朔太郎推薦文) Ⅳ詩への告別 詩よきみとお別れする/詩に告別した室生犀星君へ/悲しき決闘/詩への告別に就て萩原君に答う/犀星氏の詩 巻末附録 萩原葉子/室生朝子対談「わたしの朔太郎、わたしの犀星」 -
ホワイト・ティース
ロンドン下町出身の優柔不断な中年男・アーチーと、バングラデシュ出身の誇り高きムスリム・サマード。第二次大戦で親友になったふたりは、ロンドンで新たな人生を模索する。 移民家族が直面する悲喜劇を知的でユーモラスに描く、ジャマイカ系イギリス人作家の衝撃作。カリブ海やインド亜大陸からヨーロッパにわたる壮大な家族の物語を背景に、歴史、信条、遺伝子などさまざまな差異を抱えて混沌の街ロンドンで生きる人々を描く。分断と混沌の深まる時代に希望の光を放つ、21世紀の必読書。全2巻 ブレイディみかこさん推薦! 「この本、いちおう社会派で、すでに古典と呼ばれているんです。 こんなにヤバくて笑えてぶっ飛んでるのに。 繚乱と咲く、移民たちのサーガ! ストリートの歴史はなんと猥雑でカオスなことか。 多文化共生の諸問題をごった煮にしておおらかに笑い飛ばす、才気煥発な本である。」 西加奈子さん推薦! 「これはすべての呪われた、そして祝福された人間の物語だ。 きっと100年後も、200年後も読み継がれるだろう。 人間がどうしようもなく、抗い難く、救い難く、人間でしかないことを、こんなに面白おかしく、鮮やかに、完璧に書かれた小説がこの世界に存在することに感謝したい。 20年前に誕生したこの傑作を、これから初めて読むことが出来る人に嫉妬する。そう思っていたけれど、何度目だって衝撃は変わらなかった。いや、増した。著者が描いたこの世界に、私たちは近づけているのだろうか。」 -
わが青春の台湾 わが青春の香港
台湾人の父と日本人の母のもと、日本統治下の台湾に生まれ、東大に学び、戦後は帰郷して台湾独立運動に参加するも、二・二八事件後香港へ亡命――。直木賞作家の波瀾に満ちた半生記(一九二四~五四年)であると同時に、激動の東アジア史の貴重な証言ともなっている。デビュー作「密入国者の手記」を特別収録。〈解説〉黒川 創 【目次より】 わが青春の台湾 二人の母に育てられて/文学少年から政治青年へ/全学連の「種蒔く人」/台湾独立に傾く/さよなら、私の台湾 わが青春の香港 編物に明け暮れた台湾のロレンス/青春の賭けに破れて商人となる/花嫁のいない結婚初夜/小説家を志して再び日本へ 〈特別収録〉密入国者の手記 -
現代中国の秘密結社 マフィア、政党、カルトの興亡史
天安門事件、新型コロナ流行、香港デモ、薄熙来事件、アリババ台頭、孔子学院――。激動する国家にうごめく「秘密結社」を知らないで、どうやって現代中国がわかるのか? 清朝に起源を持ちいまなお各国に存在するチャイニーズ・フリーメーソン「洪門」、中国共産党の対外工作を担う「中国致公党」、カルト認定され最大の反共組織と化す「法輪功」など。大宅壮一ノンフィクション賞作家が、結社の行う「中国の壊し方」と「天下の取り方」に迫り、かれらの奇怪な興亡史を鮮やかに描き出す。 -
もはや僕は人間じゃない
俺に明るい未来なんてあるのかな――。 ドラマ化で話題、『死にたい夜にかぎって』のその後を描いた待望のエッセイ。 手痛い失恋、家族との確執、そして自らに起きた性の揺らぎを抱えながら、人生の暗黒期を過ごしていた著者。孤独の中から救い出してくれたのは、パチンコ中毒のお坊さんと、「トリケラ」という源氏名のオカマバー店員だった。誰が一番エロい仏像を見つけられるか競争したり、連絡が取れなくなった知人のLINEに天丼のスタンプを100個送ったり、知らない子どもの剣道の試合で号泣したりしながら、辛い過去を笑い話に変えていく日々。 『死にたい夜にかぎって』から1年。人生のどん底を「なんとなく」乗り越え、夢を叶えるまでを描いた実話。 -
晩夏 少年短篇集
「敵はおみかん食べている」 男と女が二人だけで山の中で蜜柑を食べている以上、きっと何事か始まるに違いないと思った――。(「白い街道」より) 若い男女を「敵」と見なして偵察するたわいない遊び、美しい少女への憧れ、そして覚えず垣間見た大人の世界……。誰もが通り過ぎるが、二度と帰れない〝あの日々〟の揺らぐ心を鋭敏な感性でとらえた、叙情あふれる十五篇。表題作ほか「少年」「帽子」「赤い実」など教科書名短篇を含む、文庫オリジナル・アンソロジー。〈巻末エッセイ〉辻 邦生・椎名 誠 【目次】 少年/蜜柑畑/滝へ降りる道/晩夏/投網/帰郷/黙契/白い街道/颱風見舞/ざくろの花/ハムちゃんの正月/馬とばし/帽子/魔法壜 〈巻末付録〉赤い実/少年に与える言葉(随筆) -
動物園・その歴史と冒険
人間の野望が渦巻く「夢の世界」へようこそ。動物園は、18世紀末のヨーロッパに誕生した。しかし珍種を集めて展示する「動物コレクション」は、メソポタミア文明に遡るほどの歴史をもつ。近代に入ると、西洋列強は動物を競って収集。動物といっしょに「未開人」まで展示し人気を集めた。果ては「恐竜」の捕獲や絶滅動物の復元計画も登場。異国風建築から、パノラマ、サファリ・パークやテーマ・ズー、ランドスケープ・イマージョンまでのデザインの変遷をたどりながら、動物園全史と驚異の冒険譚を描き出す。 -
世紀の落球 「戦犯」と呼ばれた男たちのその後
北京五輪の野球日本代表となったG.G.佐藤。今も語り継がれる高校野球星陵・箕島戦の星陵一塁手加藤直樹。最終戦で敗れ、巨人のV9を阻止できなかった阪神の池田純一中堅手。彼らは、大事な試合で大きなミスを犯したとして、ファンやマスコミから非難を浴び、人生が暗転した。理不尽なバッシングとどう戦い、そして立ち直ったのか。「落球」の烙印を背負った男たちの「その後」を辿るスポーツノンフィクション。 目次 第一章 また落球する運命でももう一度五輪に出たいです G.G.佐藤 2008年8月23日 五棵松野球場(北京) 北京五輪3位決定戦 米国×日本 第二章 野球の神様はなぜ俺をあの場面で転倒させたのか 加藤直樹 1979年8月16日 甲子園球場 全国高校野球大会3回戦 箕島×星陵 第三章 「これが私の人生です」30年後に見つけた答え 池田純一 1973年8月5日 甲子園球場 セ・リーグ 阪神×巨人 第四章 ミスのあとの人生をどう生きるか -
英語コンプレックス粉砕宣言
【目次より】 一章 混迷の入試制度改革を検証する センター試験は悪くない/日本人に根強い「ペラペラ」コンプレックス」/「話す力」をどう測定するのか/サモアの小学校で見た徹底トレーニング型授業/「アクティブ・ラーニング」も基礎力が不可欠 二章 「英語植民地化」する日本 日常的に英語が必要な日本人は一%以下?/「吹き替え映画」への違和感/英語力で人の能力を測る危険性/大事な交渉ほど、プロの通訳者に任せるべき/「授業をすべて英語で」の虚妄/異質な世界を知る――英語を学ぶ意味/姓名のローマ字表記をどう考えるか 三章 〈小学校編〉発音のペラペラ「感」を身につける 小学校の英語の授業に意味はあるか/スポーツのトレーニングのように/教職課程は音声学を必修にすべし/「きらきら星」を英語で歌おう/ポイントは教師力とテキスト/鳥飼・斎藤版学習指導要領 四章〈中学校編〉文法を「日本語で」教えよ 文法は優先順位をつけて教える/英文法を英語で教える必要はあるのか/ネイティブ・スピーカーの弱点/意味がわからないままの音読は無意味/英語の教材として“Swimmy”を/語彙力の強化は文学から/身体のモードチェンジが必要 五章 〈高校編〉「意味のある話」ができる力を身につける 「英語で考えよ」で読解力はますます落ちる/日本語訳を読ませてからリスニングを/「論理国語」の虚妄/論理だけでは解釈できない/「頭の良い」高校生を育てよう 六章 「とりあえず話したい」人のために 日本人の「オーマイガー」はみっともない/困ったときの“by the way”/パーティに出るなら「My favorites map」を用意せよ「リアクション能力」を高める/時事問題を英語でコメントできますか?/世界を渡り歩くメンタルを英語の曲で鍛える -
新・帝国主義の時代 右巻 日本の針路篇
国際社会は弱肉強食の「新・帝国主義」の時代に入った――。右巻では、大震災で弱体化した日本に中露韓など各国が牙をむく情勢下、日本人と日本国家が生き残るための戦略を示す。 -
血
死んだほうがいい人って、こんなにいるんだよ。 15年を経て漆黒の闇から這い出る赤い悪魔……。 高校1年生の少女の行く先々で起こる不審死と殺人事件!! 新堂冬樹の真骨頂! 長編ハード・サスペンス 15歳の女子高生・本庄沙耶の父は自己中心で小狡く、母はまるで父の奴隷だ。その両親が突然家に侵入してきた男に刃物で惨殺された。さらに、一人になった沙耶が身を寄せた親戚――10年前に幼い弟を不注意で溺死させた祖父母、沙耶をレイプしようとした従兄、それを見て見ぬふりする叔父も次々と死亡する。ネット上では沙耶を励ますスレッドも立つが次第に「疫病神」「死神」と揶揄する声も囁かれる。不可解な死の連鎖の中心に身を置く沙耶。果たして彼女は〈悲劇の天使〉か〈美しき死神〉か? それとも……。わたしは、この体に流れる血を赦さない。 -
スポーツ国家アメリカ 民主主義と巨大ビジネスのはざまで
野球、アメフト、バスケなどの母国アメリカ。国民が熱狂するこれらの競技は、民主主義とビジネスの両立への挑戦を体現している。人種、性の格差解消を先導する一方で、巨大化したプロスポーツでは、薬物汚染に加え、経営側の倫理が揺らぐ場面もある。大リーグの外国人選手獲得や、トランプ大統領とプロレスの関係は、現代アメリカの何を象徴するのか。スポーツで読む、超大国の成り立ちと現在。 -
太宰治
太宰治から「会ってくれなければ自殺する」という手紙を受けとってから、師として友として、親しくつきあってきた井伏鱒二。井伏による、二十年ちかくにわたる交遊の思い出や、太宰の作品解説を精選集成。「あとがき」を小沼丹が寄せる。中公文庫版では井伏の没後に節代夫人が語った「太宰さんのこと」を増補。 目 次 I 太宰治の死 亡 友――鎌滝のころ 十年前頃――太宰治に関する雑用事 点 滴 おんなごころ 太宰治のこと 太宰と料亭「おもだか屋」 琴の記 太宰治と文治さん II あの頃の太宰君 「ダス・ゲマイネ」の頃 御坂峠にいた頃のこと 「懶惰の歌留多」について 余 談 戦争初期の頃 甲府にいた頃 報告的雑記 太宰君の仕事部屋 御坂峠の碑 蟹田の碑 III あとがき〔『富嶽百景・走れメロス』〕 解 説〔『太宰治集上』 あとがき(小沼丹) 太宰さんのこと(井伏節代) -
物語 オランダの歴史 大航海時代から「寛容」国家の現代まで
16世紀、スペイン王権との戦いから「低地諸州」(ネーデルランデン)北部のオランダは独立する。商機を求めてアジアや新大陸へ進出。いわゆる大航海時代に新教徒中心の共和国は、世界でも最有力の国家となった。 だが、四次にわたる英蘭戦争、フランス革命の余波により没落し、併合の憂き目に遭う。ナポレオン失脚後は王国として復活し、自由主義的な改革を実践していく。 20世紀以降は、寛容を貴ぶ先進国として異彩を放つ偉大な「小国」となった。 本書は、大航海時代から現代まで、人物を中心に政治、経済、絵画、日本との交流などを描く。 目 次 第1章 反スペインと低地諸州の結集―16世紀後半 第2章 共和国の黄金時代―17世紀 第3章 英仏との戦争、国制の変転―17世紀後半~19世紀初頭 第4章 オランダ人の海外進出と日本 第5章 ナポレオン失脚後の王国成立―19世紀前半 第6章 母と娘、二つの世界大戦―19世紀後半~1945年 第7章 オランダ再生へ―1945年~21世紀 以上 -
認知症を堂々と生きる 終末期医療・介護の現場から
年をとると認知症になるのは当たり前。それは病気ではなく、長寿の証なのです――。人生の最後まで、本人と家族が誇りをもって生きるために、高齢者ケアの最前線から直言する。大反響を呼んだ『欧米に寝たきり老人はいない』待望の第二弾! 「生きものはすべて目的に適うようにつくられています。認知症が進んでまわりのことがわからなくなれば、この世に対する未練や死への恐怖が薄らぎ、楽にあの世に旅立つことができます。人を含め動物が認知症になるというのは、生命を終えるうえで必要なことといえます。それなのに、昨今は認知症予防が大流行です。多くの人が認知症は予防できると信じています。努力して認知症になるのを少し先送りできたとしても、不老長寿の薬がないように認知症を防ぐ方法はありません。〔略〕認知症は予防できるという幻想を追い求めるより、年をとったらだれでも認知症になるという現実を受け入れ、認知症になった時の生き方を今から考えておくほうがよいのではないでしょうか」(はじめにより)
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