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「敵はおみかん食べている」
男と女が二人だけで山の中で蜜柑を食べている以上、きっと何事か始まるに違いないと思った――。(「白い街道」より)
若い男女を「敵」と見なして偵察するたわいない遊び、美しい少女への憧れ、そして覚えず垣間見た大人の世界……。誰もが通り過ぎるが、二度と帰れない〝あの日々〟の揺らぐ心を鋭敏な感性でとらえた、叙情あふれる十五篇。表題作ほか「少年」「帽子」「赤い実」など教科書名短篇を含む、文庫オリジナル・アンソロジー。〈巻末エッセイ〉辻 邦生・椎名 誠
【目次】
少年/蜜柑畑/滝へ降りる道/晩夏/投網/帰郷/黙契/白い街道/颱風見舞/ざくろの花/ハムちゃんの正月/馬とばし/帽子/魔法壜
〈巻末付録〉赤い実/少年に与える言葉(随筆)
Posted by ブクログ 2021年08月11日
作中には、伊豆の景色や子どもたちの遊びなど、共通点のある光景が多く登場する。
小学生時代を伊豆で過ごしていた作者の記憶が、元になっているのだろうなと思った。
どの作品も視線が優しく、懐かしい感じがした。
田舎に住む少年の感情の動きが瑞々しく、私にとっては眩しさのようなものも感じた。
好きな作品ばか...続きを読む
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