数字中国 デジタル・チャイナ
コロナ後の「新経済」
著:西村 友作
中公新書ラクレ 757
本書は、コロナ後の中国のデジタル世界の解説書です
たんなる、DX化ではなく、具体的な効果を目標としたおそるべき、スマート化政策です
中国政府が目指しているのは、数字中国(デジタルチャイナ)
■数字中国
・AI画像解析システム コロナ診断スピードの向上⇒医療現場の負担軽減
・AIドローン、ロボット 遠隔操作、安全性の配慮
・チャットボット 感染状態の確認、情報の発信⇒通話の自動化
・5Gを利用したオンライン医療⇒院内感染の防止
・スマホ+健康コード⇒ほぼ全国民が利用⇒ワクチン接種証明書の発行
・コロナマップ⇒ビッグデータ分析+感染者行動履歴
・QRコード⇒入力ゲート、車両ナンバー認識
・オンライン入試、オンラインミーティング、オンラインシンポジウム
■コロナ対策
・外売:ラストワンマイル、デリバリーサービスの配達員
・社区:細分化された都市の地域、この単位でコロナ医療の支援、給食の配布などをしている
・流調:コロナの新規感染者調査
■キャッシュレス国家
・外売:デリバリサービス
・専車:ライドシェア
・アリペイ、ウィーチャットペイ キャッシュレス決済プラットフォーム
・オンラインショッピング 618,双11
・ライブコマース ネット版テレビショッピング
・オンライン不動産内覧システム
・大学内キャッシュレスライフ
・ETCクレジットカードシステム 高速道路、駐車場の無人化
・中央銀行デジタル通貨 CBDC:デジタル人民元⇒NFC機能を活用
■新経済プラットフォーム
・アント上場延期⇒金融機関としての厳密な上場審査となった
インターネット小口融資業務管理暫定弁法:収益モデルの変化
・デジタル決済
・インベストメントテック 投資ファンド:MMF、オンライン投資サービス
・フィンテック、財テク
・融資:クレジットテック
・信用スコア:芝麻信用
・個人向け小口融資:花唄、借唄
・中小、零細企業向け融資:網商銀行
・保険
・ネット互助
■アントの錬金術
アントは、この仕組みを使って自己資本を利用することなく金融サービスを行っている
①資産担保証券 貸出債権の証券化で、銀行から融資を引き出す
②金融機関との連合融資 与信枠の設定、信用データの提供
■デジタル国家
・重点産業として、7分野を強化
①クラウド
②ビッグデータ
③IOT
④インダストリアル・インターネット
⑤ブロックチェーン
⑥AI
⑦VR+AR
・第14次五か年計画の対象分野
①教育
②医療
③高齢者介護
④育児
⑤雇用
⑥スポーツ・文化
⑦障害者支援
⇒課題は農村部の都市部との所得・教育格差、社会保障整備の遅れなどの不均衡を是正すること
政府分野のデジタル化、スマート行政 証明書、契約書、サイン・印鑑、領収書などをデジタル化
⇒煩雑な行政手続き・サービスをインターネットでワンストップで完了できるように改善する
目次
はじめに
第1章 デジタル技術を活用した新型コロナ防疫措置
第2章 中国はどのようにして新型コロナを抑え込んだのか
第3章 変貌するキャッシュレス国家
第4章 新経済プラットフォーマーの光と影
第5章 中国経済はなぜ新型コロナ禍でも成長できたのか
第6章 デジタル国家の未来
おわりに
ISBN:9784121507570
出版社:中央公論新社
判型:新書
ページ数:288ページ
定価:900円(本体)
2022年02月10日発行