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Posted by ブクログ
歴史認識は、加害側被害側それぞれで見方が異なり、そこにイデオロギーが入るため真逆の認識となり、どちらが正しいかの答えが出るものではない。本書は今の世情で色分けするなら、左側の主張にも見えるが、論理主張が合理的かつ公平で、色分けして考えることがナンセンスに感じた。善悪二元論ではなく、自分なりの考えを持つには、客観的公平に書かれた資料から判断し、自分なりに咀嚼するしかないと改めて思えた。人間が書いている以上、当人の主観や価値観が入り込むのは当然で仕方ないが、本書は偏った思想に立脚しないように客観的事実と合理的な思考を提示する努力が感じられ、自虐でも独善でもなく、左右の色分けなしに言うべきことは主張しており、自分の考えを整理する一助になる良書と思われた。
Posted by ブクログ
某所読書会課題図書.1931年の満州事変から1945年の太平洋戦争敗戦を踏まえて、東京裁判とサンフランシスコ講和条約の概要を冒頭に述べ、戦争責任さらに戦後責任の議論が続く.戦後間もない時代は、戦争に対する被害者意識が全面で、加害者でもあったことを認識することはなかった由.その通りだと感じた.慰安婦問題の議論で、女性の人権を考慮することが主流化されてきた現代の動きを、改めて考えることの重要性が強調されていた.同様の考え方で、謝罪の時代が始まったとの指摘もあった.欧米列強は日本やドイツの謝罪には文句を言うものの、自分たちの植民地政策等は一切反省していない.その点を日独が諭して、彼らの発想を正しくするべきだとの主張は大賛成だ.
Posted by ブクログ
江川紹子が慰安婦問題について 2013 に取材を申し込んだところから始まっている。大沼氏から江川氏に共同作業を申し込む形で、インタビュー形式の本書が成立している。主張が分かれ対立する主題に関するわかりやすい見取り図を提示している。
話題は、東京裁判、サンフランシスコ平和条約、日韓・日中の正常化、戦争責任と戦後責任、慰安婦問題にわたっている。2015 年までの時間の流れの中で、南京問題や慰安婦問題をどう考えたらよいかの指針となる。
現在騒がれていることは、本質を外していると思えてならない。
中共が賠償を放棄したこと、
一方、戦争と植民地支配の責任認識に関して、敗戦国の日独は進んでいて、戦勝国は緒にもついていないと感じられる。「知識人」とされる人でも、植民地支配を肯定的にしか捉えられずにいる様子。
日本にしても、戦後二十年ほどの認識は実に貧弱。
第一次大戦後に戦争が国際法で違法化された画期的時期に満州事変を起こすという情勢認識能力の欠如も目を覆うようだ。人種差別も、自分が差別されることには抵抗しつつ自分が差別する側に回りたいだけだったこと。
満州事変を批判した横田喜三郎は脅迫に遭って沈黙したが、国際連盟脱退に反対した石橋湛山は正しいことを言い続けて逮捕されずに生き延びたことも教えられた。
Posted by ブクログ
確かに、現在「歴史認識問題」と言えば、韓国併合から満州事変、太平洋戦争を経て、その戦後処理に係る日韓、日中の対立を限定的に指している。靖国参拝、竹島や尖閣諸島、慰安婦といった問題は、それなりに報道に注視し、親と語らい、解説書や小説を読むことで、自分なりに認識しようと努めてはきたけれど、容易じゃない。感情を排するのは無理だから、多様な角度から学ぶことで素直な感情を抱きたい。けれども、他国の激しく執拗な批判や、自国の政治家の言わずもがなの繰返しに憤り、冷静を保てない。本書で改めて学ぶに、この問題は今後「きっぱりと加害と被害に分ける二分法的な物言い」に辟易しつつ、自負と呵責の狭間で揺れ続けることが大切に思う。
Posted by ブクログ
聞き手の江川紹子さんによる解説より(P.232):「『歴史認識』を問い直すことは、他国とのつきあいをうまくやるためではなく、日本がどういう国であろうとするのか、つまりは日本の”国柄”を考えるために大切なのだ。過去を振り返るためというより、将来の日本のありようを決めていく土台として、『歴史認識』は重要なのだ。」
P.83「『歴史認識』の問題を考えるとき、国家間関係、外交関係だけをみていては、全体像がみえてきません。多様なメディアに示された社会の動き、文学作品、映画などにあらわれる人々の意識をとらえなければならない。」(この点は、並行して読み進めている益田肇「人びとの社会戦争──日本はなぜ戦争への道を歩んだのか」(岩波書店)に共通する指摘。)
日本の戦後史に疎いこともあり、初めて知ったり、驚いたことも多々あったが、インタビューに答える形のためか、非常に分かりやすくまとめられている。
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