作品一覧

  • 映画 視線のポリティクス ――古典的ハリウッド映画の戦い
    4.0
    スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説 板倉史明
  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門
    4.0
    漫画史に傑出する長編作品『ジョジョの奇妙な冒険』。抒情的かつ異風的であるこの芸術作品を、四半世紀にわたって描きつづける創造力の源泉はどこにあるのか? 技法を精緻に分析し、作品を漫画の歴史のなかに位置づけ、理論にもとづいて荒木飛呂彦の作風と物語の独創性を読み解く。ファン待望の漫画評論!
  • 映画館と観客の文化史
    4.3
    映画はいったいどこで見るべきものなのだろうか。ホームヴィデオの普及以降一般的になった、個人的な鑑賞は、はたして映画の本来的な姿から遠ざかってしまったものなのだろうか。本書は、黎明期から今日までの一一〇年間の上映形態を入念にたどりながら、映画の見かたが、じつは本来、きわめて多様なものだったことを明らかにする。作品論、監督論、俳優論からは到達し得ない映画の本質に迫る試みである。

ユーザーレビュー

  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門

    Posted by ブクログ

    そこまで読み取るのか?と思えるほど細かいジョジョ内の解釈や、それぞれの部同士のつながりには驚くばかり。そういう意味では、なるほど~な発見多数う。もう一度ジョジョのシリーズをつまみ読みした気にさえなった。ただ、本当に荒木先生、そこまで考えているかなあという気がしないでもない。あと、荒木先生やジョジョシリーズを持ち上げすぎなところも若干鼻につく。未読の『死刑執行中脱獄進行中』は読んでみようと思う。

    0
    2025年03月25日
  • 映画館と観客の文化史

    Posted by ブクログ

    「日本語で書かれた初めての包括的な映画館(観客)論」(あとがきより)。
    映画館の文化史論であり、と同時に観客の文化史論。映画館における観客の構成、態度、考え方について、興味深く論じられている。映画好きで、かつ映画館好きの私にとっては、読書中幸福感を得ることができた。


    本書はアメリカ篇と日本篇の2部に分かれる。
    アメリカ篇では、移民が映画を通じていかに同化されていったか、観客がいかに静粛性を尊重するようになったか、また観客が徐々に均質化されていった過程も詳細に説明される。初期のニッケルオデオン(常設映画館)で、観客はフィルムの入れ替え時間に合唱するというエピソードは楽しい。

    日本篇では、弁

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    2014年08月25日
  • 映画館と観客の文化史

    Posted by ブクログ

     映画創世記から現在までの映画館の成り立ちと発展、それに伴う観客の観る姿勢の移り変わりを書いた、表題どおりの文化史。

     映画史というのはさまざまな形で読んだことがあるが、映画館について書かれものを読んだのは初めてで、興味深かった。

     アメリカと日本の映画館の発展の仕方の違い、生活環境や社会状況に合わせて変化した、映画館のニーズなど映画好きなら違う意味で知っていて損はない話だと思います。

    0
    2012年06月01日
  • 映画館と観客の文化史

    Posted by ブクログ

    非常に面白かった。映画を語る上で欠かせない要素であるにも関わらず、まとまった文章として出版されていなかった映画館論・観客論を映画初期からシネコン時代まで提示しているので、かなり勉強になった。新書サイズなので当然物足りないと感じる部分はあったが、日本初の映画館論・観客論の本であると思えば入門編として最適だと言えるだろう。サイレントからトーキーへの移行を、逆説的に喧噪から静粛への移行であると解説している部分など、引き込まれる論が多かった。もしかしたら、若干格式張った文章なので好き嫌いは分かれるかもしれないが、それも良い味を出していた。

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    2011年12月21日
  • 映画館と観客の文化史

    Posted by ブクログ

    映画の本ではなく、映画の興行形態を掘り下げた文化史の書物である。
    この100年ほどの間に、映画の鑑賞スタイルは目まぐるしく変化した。映画を観るということは、何を観るかだけでなくどのように観るかという体験の形態も含めて研究の俎上に載せるべきだというのが、近年の映画学の潮流である。
    その出発点になる書物として大変参考になる。

    0
    2025年09月02日

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