加藤幹郎のレビュー一覧

  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門

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    そこまで読み取るのか?と思えるほど細かいジョジョ内の解釈や、それぞれの部同士のつながりには驚くばかり。そういう意味では、なるほど~な発見多数う。もう一度ジョジョのシリーズをつまみ読みした気にさえなった。ただ、本当に荒木先生、そこまで考えているかなあという気がしないでもない。あと、荒木先生やジョジョシリーズを持ち上げすぎなところも若干鼻につく。未読の『死刑執行中脱獄進行中』は読んでみようと思う。

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    2025年03月25日
  • 映画館と観客の文化史

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    「日本語で書かれた初めての包括的な映画館(観客)論」(あとがきより)。
    映画館の文化史論であり、と同時に観客の文化史論。映画館における観客の構成、態度、考え方について、興味深く論じられている。映画好きで、かつ映画館好きの私にとっては、読書中幸福感を得ることができた。


    本書はアメリカ篇と日本篇の2部に分かれる。
    アメリカ篇では、移民が映画を通じていかに同化されていったか、観客がいかに静粛性を尊重するようになったか、また観客が徐々に均質化されていった過程も詳細に説明される。初期のニッケルオデオン(常設映画館)で、観客はフィルムの入れ替え時間に合唱するというエピソードは楽しい。

    日本篇では、弁

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    2014年08月25日
  • 映画館と観客の文化史

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     映画創世記から現在までの映画館の成り立ちと発展、それに伴う観客の観る姿勢の移り変わりを書いた、表題どおりの文化史。

     映画史というのはさまざまな形で読んだことがあるが、映画館について書かれものを読んだのは初めてで、興味深かった。

     アメリカと日本の映画館の発展の仕方の違い、生活環境や社会状況に合わせて変化した、映画館のニーズなど映画好きなら違う意味で知っていて損はない話だと思います。

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    2012年06月01日
  • 映画館と観客の文化史

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    非常に面白かった。映画を語る上で欠かせない要素であるにも関わらず、まとまった文章として出版されていなかった映画館論・観客論を映画初期からシネコン時代まで提示しているので、かなり勉強になった。新書サイズなので当然物足りないと感じる部分はあったが、日本初の映画館論・観客論の本であると思えば入門編として最適だと言えるだろう。サイレントからトーキーへの移行を、逆説的に喧噪から静粛への移行であると解説している部分など、引き込まれる論が多かった。もしかしたら、若干格式張った文章なので好き嫌いは分かれるかもしれないが、それも良い味を出していた。

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    2011年12月21日
  • 映画館と観客の文化史

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    映画の本ではなく、映画の興行形態を掘り下げた文化史の書物である。
    この100年ほどの間に、映画の鑑賞スタイルは目まぐるしく変化した。映画を観るということは、何を観るかだけでなくどのように観るかという体験の形態も含めて研究の俎上に載せるべきだというのが、近年の映画学の潮流である。
    その出発点になる書物として大変参考になる。

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    2025年09月02日
  • 映画 視線のポリティクス ――古典的ハリウッド映画の戦い

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    ハリウッドにあっても、映画は自由に作られていたわけではない、ということを押さえておく必要があるだろう。強制力を伴った自主倫理規定(ヘイズ・コード)により、シナリオは検閲され、公序良俗に反する内容は排除された。

    さらに第二次大戦が始まり、一部の映画人は軍に身を置き、プロパガンダ映画を作ることになる。その時、動員体制のためにあえて無視していた国内問題が意図せず顕になる。人種問題のことである。

    戦争中、男性客も海外市場も失った映画業界は、国内の女性客向けの作品を量産した。しかし、戦後まもない頃、家庭を顧みず社会的成功を追求した女性の挫折を描く作品が登場する。男性の労働社会への、女性の家庭への回帰

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    2025年08月17日
  • 映画館と観客の文化史

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    映画をよく観るものとして、新しい視点からのアプローチだった。
    映画史、映画館のこと、観客のこと等々…好きを掘り下げるのっておもしろい。

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    2022年10月19日
  • 映画館と観客の文化史

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    ちょっと冗長だけどアメリカの部分における映画の体験の変化が面白かった。一貫したデザインを考えるという意味で面白い本。

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    2017年05月03日
  • 映画館と観客の文化史

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    とても面白かったです。先日まで映画についての論文を書いていて、ちょうど映画史についてインプットしたばっかりだったので特におもしろかった。ドライブインシアターの話が衝撃でした。聞いたことなかった。やっぱり映画館での静粛性って日本の国民性がだいぶ関係あるんじゃないかと思いました。

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    2012年01月18日
  • 映画館と観客の文化史

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    思いに日米の映画について。
    特にアメリカの映画の歴史は面白く、自動車を駐車しながら映画を見るなど、とても日本人には思いもつかないことをやっていて面白かった。
    日本人とアメリカ人の相違が光り、実に興味深かった。

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    2011年11月10日
  • 映画館と観客の文化史

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    映画はいったいどこで見るべきものなのだろうか。
    ホームヴィデオの普及以降一般的になった、個人的な鑑賞は、果たして映画の本来的な姿から遠ざかってしまったものなのだろうか。
    本書は、黎明期から今日までの一一〇年間の上映形態を入念にたどりながら、映画の見かたが、じつは本来、きわめて多様なものだったことを明らかにする。
    作品論、監督論、俳優論からは到達し得ない映画の本質に迫る試みである。

    [ 目次 ]
    はじめに パノラマ館を見る―絵画、幻燈、写真、映画、ヴィデオ・ゲーム 理論的予備考察
    第1部 アメリカ篇(映画を見ることの多様性 一九〇五年から三〇年代までの映画館
    オルターナティヴ映画

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    2011年03月28日
  • 映画館と観客の文化史

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    「忘年会」といい、最近出たこういうメディアの文化史の新書はおもしろい。どう考えても資料が少なそうなのに、よくここまで深い考察を行えたものだと思う。

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    2009年10月04日
  • 荒木飛呂彦論 ――マンガ・アート入門

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    僕にとって「ジョジョの奇妙な冒険」は、まあ一種の経典のようなものなのだけど、同じ神を抱いてもまったく別の宗教になり、宗教間の争いが起こることが、何か少し理解できたような気がする。
    タイトルに荒木飛呂彦論と銘打っているのに、荒木飛呂彦そのものへのスポットはあまりあたらず、ほとんどはジョジョの奇妙な冒険の重箱の隅(あるいは重箱そのもの)に壮大な意味を持たせよう、と。強いコレジャナイ感。こうなると、「いやきっと、荒木先生はそんなこと考えてないと思うよ」と突っ込みながらライトに読むほうがいいかなあ〜。でも考えてるかもしれないからなあ〜。

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    2014年02月04日