根本敬、田辺寿夫著「アウンサンスーチー」角川ONEテーマ21(2012)
*1960年、アウンサンスーチーの母親は駐インド大使に任命された。父親はミャンマー独立の父であるキンチーである。(スーチーが2歳のときに死亡)インドではジーザスメアリー修道院学校を経て、レイディーシュリラムカレッジに進学。当時
...続きを読むのネルー家とも親睦を深めた。40歳のとき日本の京都大学東南アジア研究センター(現在の東南アジア研究所)に客員研究員として迎えられ10ヶ月を過ごした。
*彼女の生き方を簡潔に述べれば「対立のはびこるビルマにあって、対立や復習ではなく、あくまでも対話を通じて和解を求めようと模索する事が大切である」。自分と他社との関係の自覚化、客観視を心がけそのために話し合いや相互理解の努力を限りなく尊重していった。
*彼女の思想の特徴は、「1人ひとりが心の中の恐怖を乗り越える事」から出発をしている。もう一つの柱は、「正しい目的と正しい手段をつなげる事である。つまり正しい目的の達成は正しい手段によってのみ達成される」という考えである。
*1948年に英国から独立したビルマは最初の14年間こそ主要少数民族の自治権を一定程度認めた連邦制を採用していたが、1962年以降は連邦の名称を国名にのこしつつ、政府による中央集権的な支配に切り替えている。ビルマには様々な民族が住む他民族国家であった。全部で135民族がいるとされている。その多くが上座仏教を信仰している。