根本敬のレビュー一覧

  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    【狭間での紆余曲折】アウンサンスーチー女史や軍制といった政治的文脈のみならず,近年は投資先としても注目を集めるミャンマー(ビルマ)。近現代を中心としてその奥深き歴史に迫る作品です。著者は,上智大学外国語学部で教授を務める根本敬。

    新書の中ではかなり分厚い部類に入ると思うのですが,それ故に比較的に深みを伴った記述がなされており,しっかりと腰を据えてミャンマーの歴史を学びたい人にはピッタリの一冊。特にナショナリズムや少数民族に関する問題の頁は,今日のミャンマー情勢を考える上でも大変に参考になりました。

    〜彼女の思想を考察してみると,アウンサンスーチーは,「強い女性」とはいえ「頑固」で「妥協知ら

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    2018年07月09日
  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    ミャンマー(ビルマ)の英国占領後からの近代史が400ページにわたり解説されている。非常に明快で、いまミャンマーに住む者として、なぜ現在の状況があるのか理解が深まる一冊である。古い歴史を知るには物足りないかもしれないが、いまのミャンマーに関心があるならばぜひおすすめしたい。

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    2016年11月11日
  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    東南アジアに位置する他民族・多言語・他宗教の国家であるビルマ(ミャンマー)について、近現代史を中心にその歴史を解説。
    結構な分量であるが、2013年時点までのビルマ(ミャンマー)の歴史のエッセンスがよくまとまっており、2021年2月に発生した国軍のクーデターの歴史的背景を知る上でも勉強になった。
    また、本書では、ビルマ人の名前には姓がないということや、ビルマのことわざ(「弟子のデキの悪さは先生の頭の悪さ」、「建ててはじめて檀家」など)などの小ネタが随所にコラムとして挿入されており、それも(知的に)面白かった。
    英国の植民地支配期や日本の占領期における「抵抗と協力のはざま」といえるビルマ人の対応

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    2021年06月20日
  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    イギリス植民地とされる直前から現代までのミャンマー通史をわかりやすく記述した本。権力争いの耐えないビルマの歴史からは、人間のあり方を考えさせられる。

    ミャンマー旅行に行く前に、現地について理解を深めるために読んだ。そのおかげで、NLDの存在や、ヤンゴン大学、各所でみかけるアウンサンスーチーのカレンダーや写真から、より多くの読みとる事ができた。読んでよかった。

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    2018年11月24日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    ミャンマーの民主活動家「アウンサンスーチー」。名前を聞いたことはあっても実際にどんな活動をしていて、どんなバックボーンなのか知らないことに気が付く。。。なのでこの本を手にしてよかった!おおよその概要はつかめた!そして、なぜ日本と密接な関係があるのかも!

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    2018年04月04日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    アウンサンスーチーの半生と政治への関わりについて述べた本。
    ビルマの現代史を知る上でも役に立つ本だと思います。

    ビルマ社会の問題について述べた本ではありますが、日本社会の問題についても考えさせられます。

    とりあえず、現在のアウンサンスーチーの立ち位置について、よく理解することができました

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    2017年11月12日
  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    著者は国民国家としての枠組みでの歴史記述に疑問を感じながらも、ビルマという地域を特に近現代史を中心に記述。そうしないと、ビルマという地域の枠組みでは記述できないからであろう。特に近代国家は、西欧の概念により、切り貼りされた枠組みであり、むしろ日本のような国の有り様の方がレアケース。
    それにしてもアウンサンスーチーの思想については、実にリアリスティックで共鳴する。むしろ、彼女の思想に追いついていないビルマ人たちの意識の方がこれからのビルマの発展に向けては障害になるかもしれない。

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    2015年12月01日
  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    まず本書では、「ミャンマー」と「ビルマ」の違いについて説明をする。少々長くなるが、引用すると
    「この国のビルマ語名称は1948年の独立時からずっと「ミャンマー」である。一方、英語の名称の方は「バーマ(Burma)」が公式に使われ、国際社会でもその名前で知られてきた。日本でも「ビルマ」という呼称が用いられてきた。ところが、1988年9月に民主化運動を封じ込んで登場した軍事政権は、翌1989年6月に突然、英語の国名を「バーマ」から「ミャンマー(Myanmar)」に変更すると宣言した。すなわち、英語の国名もビルマ語の「ミャンマー」に統一すると決めたのである。
    ビルマでは王朝時代から、書き言葉

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    2015年02月01日
  • 物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで

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    主にビルマの近現代史を紹介する一冊。
    近代以前の歴史も触れているが、
    量は少なく記載も丁寧でないためわかりにくい。
    しかしイギリス植民地化付近の近代史以降は
    内容が非常に丁寧になり、
    ビルマ人の複雑なナショナリズムと、
    独立に向けての詳細な活動、
    独立以降の国政の難しさを鮮やかに描く。
    日本との関わりにも触れているが、
    客観的な視点を維持しており好感を持てた。

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    2014年03月31日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    根本敬、田辺寿夫著「アウンサンスーチー」角川ONEテーマ21(2012)
    *1960年、アウンサンスーチーの母親は駐インド大使に任命された。父親はミャンマー独立の父であるキンチーである。(スーチーが2歳のときに死亡)インドではジーザスメアリー修道院学校を経て、レイディーシュリラムカレッジに進学。当時のネルー家とも親睦を深めた。40歳のとき日本の京都大学東南アジア研究センター(現在の東南アジア研究所)に客員研究員として迎えられ10ヶ月を過ごした。
    *彼女の生き方を簡潔に述べれば「対立のはびこるビルマにあって、対立や復習ではなく、あくまでも対話を通じて和解を求めようと模索する事が大切である」。自分

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    2012年09月03日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    二部構成となっていて、前半ではビルマの近代史が分かりやすく書かれていて、いい勉強になった (かつて、スーチーさんが京大で客員研究員だったことは初めて知った)。旧ユーゴがたどったような民族紛争が起きないことを願うばかり。

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    2012年07月15日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    この本の出版は2012年6月。2021年10月の今、「ビルマ」の今の情勢をみると考えさせられることが多い。正直、私は権力を握っていた時代の「ドー・スー」(マダムスー)の少数民族への接し方には裏切られた感が強い。だが、今の状況がほめられたものでもない。感想だけで述べるのは大変な状況にある。大学時代の政治学で東南アジアの歴史をいろいろ勉強した身からするとそう思う。「ビルマ」は東南アジアと分類することもムリがあるところもありますが。

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    2021年10月27日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    女史の経歴や思想や活動に触れる第一歩に最適という印象。在日ビルマの方々にも書かれているのが私には良。

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    2013年05月11日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    アウンサンスーチーさんの思想や目指すものについて知ることができた。
    「人々が民主主義を求める場合、権利としての民主主義を口先でだけ求めても効果は無い。一人一人が民主主義にふさわしい行動を通じてそれを具体的に求めなければならない」

    日本人も「ちっとも政治が良くならない」と文句を言うのではなく、「日本を変えよう」と一人一人が行動で 示していかないといけない、と思った。

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    2012年12月02日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    スー・チー氏は、ミャンマーの少数民族問題に対処し得ないのではないか、と思っていたが、彼女は浅薄な理想主義者ではないことが読み取れた。
    国民の圧倒的支持を得られていることが、納得出来る。
    前半の理路整然たる根本教授の叙述に対し、後半のジャーナリストによる記述が非常に読み難い。時系列もポンポン飛ぶし、ミクロな知己の話ばかりで(ジャーナリストなので仕方ないが)、扇情的過ぎて本書のサブタイトルにはそぐわない印象を受ける。
    前半部だけなら、星5つ相当の良書。

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    2012年08月25日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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    ネタバレ

    二部構成でビルマの今を紹介する。前半は、民主化運動の指導者スーチー女史の半生とその歩み、その思想を紹介。後半は太平洋戦争以降のビルマと日本の関係を概観。新書で類書が少ないので貴重かつ簡便な一冊。

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    2012年08月18日
  • アウンサンスーチー 変化するビルマの現状と課題

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     上智大学の先生とジャーナリストの共作で、アウンサンスーチー氏を支援する立場からの論考。

     現在のミャンマーの軍事政権が方針を転換して、彼女の軟禁を中止し、NLDの活動を認めるとともに、補欠選挙ではNLDが大勝をした。

     しかし、総選挙はすでに実施されており、そののちに彼女を軟禁から解放したことから、NLDの全体に占める議席はわずかであり、また、憲法上、軍人が一定の議席を常に占めること、主要な大臣は軍人であることなど、非民主的な部分を残す制度の中でのアウンサンスーチー氏の活動開始であることに注意すべきだる。

     また、彼女も2度軟禁を開始してすぐにい軟禁されるという厳しい経験を積んでいるこ

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    2012年07月01日