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【目次より】
一章 混迷の入試制度改革を検証する
センター試験は悪くない/日本人に根強い「ペラペラ」コンプレックス」/「話す力」をどう測定するのか/サモアの小学校で見た徹底トレーニング型授業/「アクティブ・ラーニング」も基礎力が不可欠
二章 「英語植民地化」する日本
日常的に英語が必要な日本人は一%以下?/「吹き替え映画」への違和感/英語力で人の能力を測る危険性/大事な交渉ほど、プロの通訳者に任せるべき/「授業をすべて英語で」の虚妄/異質な世界を知る――英語を学ぶ意味/姓名のローマ字表記をどう考えるか
三章 〈小学校編〉発音のペラペラ「感」を身につける
小学校の英語の授業に意味はあるか/スポーツのトレーニングのように/教職課程は音声学を必修にすべし/「きらきら星」を英語で歌おう/ポイントは教師力とテキスト/鳥飼・斎藤版学習指導要領
四章〈中学校編〉文法を「日本語で」教えよ
文法は優先順位をつけて教える/英文法を英語で教える必要はあるのか/ネイティブ・スピーカーの弱点/意味がわからないままの音読は無意味/英語の教材として“Swimmy”を/語彙力の強化は文学から/身体のモードチェンジが必要
五章 〈高校編〉「意味のある話」ができる力を身につける
「英語で考えよ」で読解力はますます落ちる/日本語訳を読ませてからリスニングを/「論理国語」の虚妄/論理だけでは解釈できない/「頭の良い」高校生を育てよう
六章 「とりあえず話したい」人のために
日本人の「オーマイガー」はみっともない/困ったときの“by the way”/パーティに出るなら「My favorites map」を用意せよ「リアクション能力」を高める/時事問題を英語でコメントできますか?/世界を渡り歩くメンタルを英語の曲で鍛える
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Posted by ブクログ
あの萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言は
2020年でしたでしょうか。
迷走に迷走を重ねて結局2024年まで延期と
なった、大学入試テストの英語教材の民間試
験の利用。
なんと民間企業み丸投げになった経緯の議事
録画無いそうです。捨てたな。
それは置いといて、なぜ現行の試験ではダメ
なのか。なぜ読む力より話す力を重視するの
か。
多くの日本人が抱く英語コンプレックスを炙
り出し、「話す力が優位」なんてものは幻想
でしかなく、全く無意味であることをズバズ
バ指摘します。
理由として植民地では簡単な会話だけわかる
ように占領した側の言語を教えるそうです。
しかし読み書きできるレベルまでは教えない。
なぜなら教養が高まってしまうから。
英語に関しても読み書きよりも会話が大事と
いう人は、自ら進んで植民地化されたいと、
言っているようなものだ。とバッサリです。
ある意味痛快な一冊です。
Posted by ブクログ
齋藤孝・鳥飼玖美子氏の対談本である。
英語に関連する本は、数多く出ているが、どうしても
①英語教育・政策批判
②英語指導の具体
どちらかに偏りが多かった気がする。
この本は、①②のバランスが実に良い。
鳥飼氏が否定的な意見を述べようとすると、齋藤氏が違う角度から提案をし、逆に齋藤が奇抜過ぎるアイデアを出すと「お願い、それはやめて」(p.94)と
遠慮なく制する。
鳥飼氏と齋藤氏。専門領域は異なるが、二人の関係性が非常に良い。
対談本としての長所が随所に表れている。
とりわけ「三章 小学校編」は必読だ。
小学校で重視すべきことは「ペラペラ感」だと指摘する。
では中学校は。同じでよいわけがない。
中学校では文法。ただし「文法と音読をセットにすべし」と言う。
このあたりの提言が齋藤氏の真骨頂だ。
小・中・高の英語教育の重点と系統性はどうあるべきか。
二人の私家版「学習指導要領」(P.105~107)の提言の箇所は短いながらも一読の価値あり。
英語教育界に何が起きているのか。どう進むべきか。
大局的な視点から、YouTubeを活用した
「英語カラオケ」などの具体案まで述べられている。
英語が教科された2020年4月に読んでおきたい一冊。
Posted by ブクログ
日本人に根強い「ペラペラ」コンプレックス。入試制度、学習指導要領の改訂(改悪?)が進む中、日本人のとっての英語コミュニケーションのあり方を考える一冊。
読書論関係の著作のヒットの多い齋藤孝氏。専門は教育学、コミュニケーション論。一方の鳥飼玖美子さんは通訳、翻訳の大御所。この二人による対談。中央公論に掲載されたものを膨らませた内容。
日本人の英語教育の問題点の指摘だけでなくメリットも多く挙げているところが良い。近年は会話を重視する姿勢であるが、日本語で英文法を学ぶことや、英文解釈の英語学習に留まらない利点など。また英語を学ぶ前に日本語の骨格、日本に関する智識が必要であることなど示唆に富む内容である。
英語コンプレックスを象徴する例。
「私は運動も苦手ですが、12年間も体育の授業を受けたのに、テニスもゴルフもできないのはなぜだ、などと文句は言いません。ところが英語だけ、できない人ほど学校教育のせいにする。大学卒業まで10年間もやって、なぜできないんだと。」
日本人の英語ペラペラ信仰とコンプレックス。小中高と段階別の学習方法やカラオケの活用など、具体的な提言も多い、充実した内容の一冊でした。
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