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英国式ローストビーフとアジの干物の共通点は?
刺身もタコ酢もサラダである?
アルジェリア式羊肉シチューからフランス料理を経て、豚肉のショウガ焼きに通ずる驚くべき調理法の秘密を解明する。
火・水・空気・油の四要素から、全ての料理の基本を語り尽くした名著。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
玉村さんには3度お会いしたことがあり、おかげでパリ渡航の後押しにもなった。20年以上前のこと。
時が経ちだいぶ意識が離れてたところで、ご逝去の報せが。。
かつてヴィラデストを訪ねたことなども思い出し、また著作を読みたくなり、こんな本があったんだと初めて読んだら、玉村さんらしい料理理解で、1980年の時世に30歳の若さでこのレベルに達されていたとは改めて脱帽。
最終章でそれまで紹介してきた世界の料理を構造的普遍性の観点から図式で明示する手腕は感動。(マイケルファラデー著『ロウソクの科学』ラストの感動を思い出しました)
人生の師と感じて来れたのは幸運でした。謹んでご冥福をお祈り致します。
追記 2026.10.17
「ブッフ・ブルギニョン」は最も満足感のある料理の一つだ。かぶれてた20代(20年前)からそう。
これぞフランス料理!手間暇掛けた逸品、スペシャリテです!を譲らない最高の一皿。これぞ人生の絶頂と言うべき料理だ。
フランス料理店のコースでも+1500円とかの花形で思い切った意志が必要だった。
しかしそれは本書において庶民のテリトリーまで拡げられる。
マリネして、リソレして、ある程度煮込む。それだけ。
今日スーパーで和牛のすね肉が半額だった(週末イベントでありがち)。ブッフブルギニョンを作るのは10数年ぶりだ。お金のない当時とも違うし、すね肉ではあるが和牛だし半額である。玉村さんの軽やかな文章に乗って、サクッと仕込んでそれなりに煮込んでみた。
4時間後、あわや焦げ付くか、に汁は激減しててドス黒く心配したが、いやいやこれがブッフブルギニョンの色味ではないかと。
肉はほろほろに崩れつつ、味も凝縮。かつて東京で食べ連ねた味と遜色なく、感動を通り越して達観した気分にさえなった。『簡単にできるではないか』。
食後に玉村さんの文章を改めて読んで、その天才ぶりを改めて感じ、このエスプリが未だ現代日本に浸透してないことを疑問に、不満に思った。
まぁ、冷静に考えると食材費用が比較的高いのか。1人前200g(目減りして実食体感120g)で400円(半額でこれ)なので。今回は肉400gで作ったが、こんなにおいしくできるのなら次回は2倍3倍いきたいところ。
料理をし、料理を食し、再読する。これが一番幸せに感じる。
Posted by ブクログ
読書録「料理の四面体」5
著者 玉村豊男
出版 中央公論新社
p25より引用
“ この料理は、その後しばしば再現を試
みた
もちろん再現にはハンデがある。
砂漠近くのオアシスのような木陰、小川
のほとりで鍋を囲む、豪快にして繊細な感覚
の美は再現することが日本では不可能だ。
この料理の美味のかなり多くの部分はそう
した舞台装置に支えられているのかもしれ
ないから、その欠如はほとんど取り返しが
つかない。”
目次より抜粋引用
“料理のレパートリー
ローストビーフの原理
てんぷらの分類学
刺身という名のサラダ
スープとお粥の関係”
エッセイストである著者による、料理の
レシピと方法論をまとめたエッセイ集。
他社刊行作文庫版。
旅先で教わった料理から家で手軽に作る
ものまで、日々の料理により一層の彩りと
味わいの変化をもたらしそうな考え方が記
されています。
上記の引用は、アルジェリア式羊肉の
シチューについて書かれた項での一節。
なにかの再現には、体を囲む環境というの
が、かなり大切なのでしょう。
今発展中のVRなどの映像技術も、どれほど
視覚情報が美しく現実的でも、自室の食べ
かけのピザやお菓子や脱いだままの服の臭い
の中では、再現度が下がりそうです。
個々のレシピと共に、料理のレパートリー
を増やすコツが盛りだくさん。
これから料理を始める人だけでなく、より
日々の食事を充実させたい人には、ありが
たい一冊ではないでしょうか。
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Posted by ブクログ
紙面の大部分を世界各地の料理の分析、共通点の探索に割いている。
そう聞くと、淡々とした文章で読み進めるのが苦のように思えるが、そこを筆者の軽い文体とジョークを交えることで気づいたら最終章に辿り着いていたという経験をさせてもらった。
最終章では、それまで紹介された内容が水、油、空気そして火という4要素に還元され、それらの関係性をひとつの図形で視覚的にわかりやすく説明される。
この図形のどこかに点を置くことで新しい料理ができると同時に、すべての料理が(底面変換を繰り返すことで)この図形に詰まっていると考えると、これから料理を食べるのが楽しみになって仕方がない。
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