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太宰治から「会ってくれなければ自殺する」という手紙を受けとってから、師として友として、親しくつきあってきた井伏鱒二。井伏による、二十年ちかくにわたる交遊の思い出や、太宰の作品解説を精選集成。「あとがき」を小沼丹が寄せる。中公文庫版では井伏の没後に節代夫人が語った「太宰さんのこと」を増補。
目 次
I
太宰治の死
亡 友――鎌滝のころ
十年前頃――太宰治に関する雑用事
点 滴
おんなごころ
太宰治のこと
太宰と料亭「おもだか屋」
琴の記
太宰治と文治さん
II
あの頃の太宰君
「ダス・ゲマイネ」の頃
御坂峠にいた頃のこと
「懶惰の歌留多」について
余 談
戦争初期の頃
甲府にいた頃
報告的雑記
太宰君の仕事部屋
御坂峠の碑
蟹田の碑
III
あとがき〔『富嶽百景・走れメロス』〕
解 説〔『太宰治集上』
あとがき(小沼丹)
太宰さんのこと(井伏節代)
Posted by ブクログ 2020年08月28日
師として友として二十年近くにわたり交友があった井伏鱒二。太宰治との思い出や彼の作品解説などを収録。また井伏の没後に節代夫人が語った「太宰さんのこと」を増補。師である井伏鱒二も太宰治に幾度となく煮え湯を飲まされ、振り回されているけれども、それでも最後まで彼を信じ、または案じて、その才を認めていたことが...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月02日
これまでの『太宰治』と『私(読者)』という対話関係から、『井伏鱒二(解説者)』が間に入ってきてくれたことにより、太宰治という作家を多角的に見ることができる。
太宰の兄や世話人との仲介を少し面倒に思う時もありながら、太宰治という作家を天才だと心から思い、太宰が命を絶つときまで見守り続ける井伏鱒二。
そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月10日
井伏鱒二文学忌 1898.2.15ー1993.7.10
井伏忌 鱒二忌 平成5年までご存命だったですね。今年は没後30年で、神奈川近代文学館や杉並文学館で記念展が開催されています。(広島のふくやま文学館でも)涼しくなったらお出かけします。
井伏鱒二は、太宰治をとても可愛がって(お世話をして)いまし...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月23日
師であり友人である井伏鱒二による太宰治との想い出がつづられる。時に批判のような口調にも、行間に太宰への愛情が見える。
だれしも、矛盾を抱えて生きている。注目されたいと思うが注目されるのが苦手、人に好かれたいが人が苦手、強い自己主張をするが実は気が弱い。そういう矛盾を人一倍背負った太宰は、井伏にとって...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月12日
文学ファンじゃないが、唯一定期的に読んでいる太宰治。その師匠であり、晩年の友人で会った井伏鱒二による太宰の解説?的な一冊。
文章の丁寧さと本人のやさしさと太宰へのリスペクトも相まってか、愛すら感じた。太宰の生き様だけ見るととてもまっとうには見えないが、井伏や中畑さん、北さん、ほか女性陣含め、人間性...続きを読む
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