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日本の海から魚が消える 温暖化、IUUの問題から陸上養殖の挑戦まで
サンマやマグロ、クルマエビ、アサリ、ウナギなど日々の食卓に並ぶ魚介類が日本近海で激減している。 原因は二酸化炭素増加による水温上昇や海洋酸性化に加えて、違法、無規制に行われる乱獲・密漁だ。 多様な生物で溢れていた日本の海が直面する危機に対して、どのような解決策があるのか。 環境改善につながるクジラの保護や世界各国の資源回復の取り組み、さらには著者自身が試みる陸上養殖などから、様々な可能性を示す。 はじめに――豊かな海はどこへ消えたのか 第1章 危機に陥る日本の海 漁獲量の急速な低下/サンマはなぜ不漁になったのか/韓国、台湾、中国の漁/サケの記録的な不漁/スルメイカ幼生の死/アニサキス食中毒の多発/サンゴの白化/ズワイガニ不漁と海氷の溶解/哺乳類最長寿のホッキョククジラと海氷の溶解/がんにならない理由/クルマエビと干潟の埋め立て/GHQと漁業協同組合/クロダイによる養殖海苔の食害 第2章 今なぜ温暖化と酸性化が起きているのか 二酸化炭素の大量排出/二酸化炭素の収支の内訳/海洋の役割/日本近海の現状/魚介類の生息場所の変化/溶解度の低下 第3章 生物に悪影響を及ぼす酸性化 魚の呼吸運動/魚を酩酊状態にする気体/テッポウエビのスナップ音/二酸化炭素増加の影響が大きい生物/真珠の溶解/海水の酸性化とアオリイカ 第4章 乱獲・密漁と食文化 乱獲と密漁が続く五つの理由/クロマグロ漁業の違反、無報告、無規制/産卵前の成魚の漁獲/カツオの漁獲量の緩やかな減少/美を追求する人間と深海ザメ/肝油の溜め込みと浮力/乱獲の影響を受けやすい生き物/アサリが棲む干潟の減少とエイの増加/アサリ産地偽装問題/サメにまつわる誤解/アワビの現在/海女文化の衰退/ニホンウナギの危機/養殖への挑戦/謎に包まれた生態/増えるマイワシとブリ/不規則に現れるモジャコ/マイワシに追いやられるサバ/ハタハタと食文化/ズワイガニを救え 第5章 クジラは温暖化を止める クジラの分類と食性/なぜ巨大化したのか/海の恐竜モササウルスの絶滅/優れた潜水能力/哺乳類がなぜ深海へ潜水できるか/地球規模の回遊/回遊を促すシャチ/海氷を利用するホッキョククジラ/20世紀の集中捕獲/植物プランクトンの吸収力/二酸化炭素の削減につながる潜水?/クジラは増えているか/目視調査/クジラの見分け方/マッコウクジラの潜り方 第6章 各国の資源復活の施策 ノルウェー――GPSで漁船の位置を把握/アイスランド ――臨機応変な漁場の閉鎖/オーストラリア――国による直接管理/ニュージーランド――漁場制限と報告義務/米国 ――資源調査と迅速な禁漁/日本――漁獲量の割り当て/漁業法改正/取締船と無線傍受/国連公海条約/世界の漁獲量と現存量/密漁の実態と対策/シーフード・ウォッチ/海の森作り/アマモの特性と重要性/日本企業のブルーカーボン活動/酸性化の抑制に働く海藻/激減したクルマエビの遺伝子保存 第7章 陸上養殖に向けての道筋 陸上養殖の現状とメリット/実現のために何が必要か/雇用を生み地方の活性化に寄与/養殖する魚介類の種類/大豆粕を利用したクルマエビ配合飼料/ティラピアの飼育水を利用したレタスの水耕栽培/海産エビの飼育海水を利用したトマトの水耕栽培/巨大魚タマカイ稚魚の飼育 第8章 人工海水の開発と持続可能な養殖技術 飼育水無交換の必要性/安価な人工海水の開発/エビの産卵誘発/珪藻の培養/糞と残餌を餌に変える/都市や山間部での可能性 あとがき 主要参考文献 -
リベラル疲れ 農村自治会長、分断解消に挑む
一貫してリベラルの立場で執筆を続けてきた著者は、なぜ「リベラル」に疲れてしまったのか。 農村の自治会長を務めて従来とは違う「保守」のあり方を知った著者は、 思想信条ゆえに交流が途絶えていた旧友たちとの対話再開を試みる。 なぜ日本人は他者の話に耳を傾けることができなくなってしまったのか。 様々な反響を引き起こした『ネット右翼になった父』の続編として、分断を憎み、新たなリベラルの形を模索する著者の内省と実践の記録。 【目次】 第一章 農村自治会長として、保守を知る 第二章 ネット右翼との対話再開 第三章 リベラルの言い分 第四章 思考を停止するリベラル 第五章 対話の可能性はあるのか 終 章 分断と喪失を避けるために -
女のイイ顔
――あの人、ええ顔になってる。うまいトシのとりかたをしてる……いいなあ。いい顔になったなあ。 過ぎゆく青春の余韻を楽しみ、「キラキラ」ではなく「グツグツ」生き、真剣に「ヨタ」り、老いてこそ好奇心旺盛に、人を楽しませ自分も楽しむ――。 「こう考えたほうが世の中生きやすいということを、小説に書いてきたつもり」という著者が、折々に綴った女性の生き方をめぐる随筆を精選。 肩の力をぬいて、みんながイイ顔になりますように! 〈巻末エッセイ〉佐藤愛子「お聖さんの幸福」 〈解説〉原田ひ香 【目次】 Ⅰ 女のイイ顔 とりあえずお昼/キラキラ生きる?/バラ色の人生/可愛い女からいい女へ/女のイイ顔/マンガになる顔/神戸の女性たち/幸福について―かるく一杯/私、これが好き―かるく一杯/女の自然 Ⅱ 結婚は楽し 恋愛の性・結婚の性/別れも楽し/おすすめ三十代結婚/「へーえ」の銀婚/ Ⅲ 老いてなおバラ色 老いる/オバンの夢/熟年と出家/「とんだりはねたり」と老いの花/「ヨタ」に生きる/乗り換えの多い旅/老いの現場報告/そのときはそのとき/九十年ひとむかし/万夫みな可憐―わが〈おっちゃん〉を見送るの記 Ⅳ 独りも楽し また、可/……(テンテン)/日本の後家/独楽/彼の口癖 Ⅴ 我が頭なでてやる 書くことに捧げた私の「夢見子」人生/人生の贈りもの/我が頭なでてやる―幸せのヒント -
高専―戦後日本のエンジニア養成
高等専門学校(高専)は、五年制の高等教育機関である。 実験・実習を重視し、技術者の養成を目的とする。 1962年に誕生して以来、現在は50校以上を数え、卒業生は製造業、建設業からIT産業まで広く活躍している。 ユニークな教育システムはモンゴルやタイ、ベトナムで導入されるなど、世界的に注目されている。 本書では文部省や産業界、大学、短期大学、地方自治体が絡む高専の歴史を辿り、その実態と課題を摑む。 ■目次 はじめに産業立国を目指した日本の歴史の一断面 序章 戦前・戦後の技術者養成機関――一九四〇年代 1 戦前の教育制度と技術者教育 複線型の教育制度/戦前の技術者養成を担った高等工業学校/高専につながる学校 2 一九四七年、新制大学の成立 単線型の教育制度へ/新制大学と一般教育/技術者養成に不向きな新制大学 第1章 技術者養成をめぐる激論――一九五〇~六〇年代前半 1 高度経済成長と教育改革 高度経済成長期の大学定員拡充計画/新制大学制度への反発/産業界による五年制の高等教育機関要求/大学の研究・教育環境の悪化 2 短期大学改革と専科大学法案 中央教育審議会での短大改革案/短大と大学の対立/廃案となった専科大学法案 3 産業界の要望と大学の抵抗 文部省の考える科学技術教育/一般教育重視への批判/暗礁に乗り上げる第一五特別委員会 4 高専設置――文部省主導の折衷案 高専制度案の登場とその内情/池田勇人内閣の焦り/妥協としての高専制度/高専制度の成立/文部官僚による制度設計 第2章 量的拡充の時代――一九六〇年代 1 全国各地の誘致運動 地域振興の論理/一期校の誘致運動/公立高専/私立高専/渋滞する新設校/開校ペースの鈍化/誘致にまつわる地元負担/池田勇人内閣と高専 2 手探りの開校準備 初の入学試験/開校の準備/カリキュラム・教員組織の形成/恵まれた就職事情/商船高専の成立 第3章 充実と安定の時代――一九七〇~八〇年代 1 社会的要請に応えて 電波高専の成立/文部省の方針転換/幻の医学高専構想/学科拡充「一巡目」と制度的安定/地域社会との連携/情報通信と材料分野の需要/高校からの編入学/外国人留学生の受け入れ 2 卒業生の進路確保 初期の大学編入学/技術科学大学の設置/大学編入学後の学生生活/求められる教養 3 高専独自の課外活動 高専体育大会/ロボットコンテストなどによる教育活性化/課外活動で広がるつながり 第4章 多様化の時代――一九九〇年代 1 柔軟化する制度――非工学系分野への進出 高等教育改革/専科大学構想の挫折/大綱化によって高まる自由度/非工学系学科の設置と札幌市立高専/外部評価の導入 2 教育期間の延長――専攻科の設置と大学との関係 専攻科と高まる進学率/本科卒業生の称号問題/専攻科修了生の学士号/JABEEによる国際基準の審査 3 研究者としての高専教員 多岐にわたる校務/研究費と科研費/高専教員の人事 第5章 独法化とブランド化――二〇〇〇年代 1 中央の統制強化高専機構の設置 沖縄高専/行政機構改革と高専機構の発足/高専機構と各校の関係/法人化の功罪 2 ブランド戦略――文科省・高専機構の試行錯誤 「高度化再編」/結び付きの強化/多様化とグローバル化/文科省の考えるこれからの高専 おわりに――技術者養成はどこに向かうのか 政治と大学による翻弄/日本の高等教育の行方 あとがき 図版出典 参考文献 高専略年表 -
生命の本質 常識を覆す「複製」の世界
「生きているということ」は何を指すのか。 人類がたえず考えてきた問題である。 生命はいつ誕生したのか? 私たちの起源はウイルスだった? 子は複製なのか、オリジナルなのか? この世界は、「生命は細胞からなる」という常識では見えない驚きに満ちている。 本書は巨大ウイルスを手がかりに、古来、科学者や哲学者たちが探究してきた壮大な問いの答えに迫る。 生命の誕生と進化のからくりを、巨細に描き出す。 はじめに 第1章 細胞説の限界 生物と非生物の連続性 1 生物とは何か 2 偏性細胞内寄生体 3 細胞説は崩れるか 第2章 ウイルス 非生物としての生命の存在意義 1 進化のパートナー 2 巨大ウイルスのインパクト 第3章 半保存性への回帰 膜・ウイルス・細胞の新常識 1 ウイルスが細胞にコミットする理由 2 ウイルスの概念を覆す 3 半保存性と脂質の膜 第4章 リボソームが支配する世界 非生命が生命をコードする 1 リボソームとは何か 2 生命のイノベーション 3 生命から非生命への降格 第5章 生命の半保存性 オリジナルがオリジナルを生む 1 複製と変容 2 世界は複製でできている 3 生命の本質 あとがき 主な参考・引用文献 -
戦国七雄興亡史 群雄の割拠から秦統一までの道程
大ヒット漫画『キングダム』で描かれる七国統一に至るまで、古代中国の戦国七雄はどのように興り、他国よりも抜きん出たり衰えたりしていったのか。最終的に秦の始皇帝によって亡ばされるまでの盛衰の歴史を一望する。『史記』以外の史料も駆使し、最新の研究成果を踏まえた新しい戦国時代の通史。 【目次】 第一部 七国興起と戦国の始まり 第一章 晋・斉における下克上(前453年) 第二章 法家の富国強兵策--魏の盛衰と秦の躍進(前四世紀後半) 第三章 馬陵の戦い――魏斉逆転の契機(前342年) 第二部 揺らぐ七国の均衡 第四章 東帝と西帝(前288年) 第五章 楽毅、斉の七十余城を抜く――燕の一瞬の光芒(前284年) 第六章 方城と郢の陥落――後退する楚の防衛線(前278年) 第三部 秦一強の時代へ 第七章 長平の戦い――強国趙の凋落(前260年) 第八章 六国併合へ――秦の天下統一(前221年) -
新版 地球生まれで旅育ち ヤマザキマリ流人生論
漫画家・文筆家・画家――数々の表現方法で活躍するヤマザキマリの原点とは。 14歳での欧州一人旅、母や北海道という土壌、世界各地で見てきたものから生まれた表現者としての覚悟、生きる意欲をもたらした芸術の道など、2019年上梓の『地球生まれで旅育ち』に大幅加筆修正を加えた一冊。 「怒濤と言ってもいい私のこれまでの人生も、最終的にはこうした判断力や事象に振り回されないタフさをもたらしてくれたのだと思うと、無いよりはあってよかったと感じている。自分という生き物は、私たちが思っているほど、弱くはない。」――「はじめに」より <目次> 第一章 私の原点……芸術との出会い、母のこと 第二章 女性論 強さ、賢さ、美しさ。 第三章 表現論 生きることは表現すること。 第四章 芸術論 私を育むもの。 第五章 ローマ論 歴史を背負う人々。 -
台湾有事 歴史・軍事・安定のメカニズム
近年、危惧される「台湾有事」。 中国の軍事力増強は目覚ましく、台湾周辺での演習も常態化している。1950年以来、中台双方の軍事行動を封じてきた米国の関与も揺らぐ。危機は本当に避けられないのか。 本書は「侵攻か否か」という単純な議論を超え、中台の軍事・防衛力を検証し、歴史とともに作り上げられた複雑な抑止と危機管理のメカニズムを解き明かす。 安定と平和のために国際社会、そして日本は何ができるか。 ■目 次■ はじめに 序 章 「台湾有事」とは何か 第1章 歴史の影――海峡を隔てた内戦の継続と冷戦 1 日本による台湾の割譲と返還 1895~1945 2 台湾海峡で睨み合う蔣介石と毛沢東 1945~1960 3 大陸反攻と外交闘争 1960~1969 4 狭まる国際空間と対米断交 1969~1979 5 民主化の波と蔣経国の決断 1979~1987 コラム① 日本の戦後処理で「放棄」された台湾 コラム② 米中「三つの共同コミュニケ」と「一つの中国」をめぐる相違 コラム③ 米国の台湾関係法と「現状維持」の戦略 第2章 冷戦後の台湾――統一圧力下の危機管理と現状維持 1 李登輝の政治改革と危機の再燃 1988~2000 2 陳水扁政権への「独立」阻止の圧力 2000~2008 3 馬英九の対中融和路線と統一への懸念 2008~2016 4 民主主義国の蔡英文への支持 2016~2024 5 内外の制約と頼清徳政権 2024~ 第3章 中 国の台湾侵攻は可能か?――決断を縛る三つのハードル 1 台湾侵攻の決断条件 2 中国人民解放軍の実力 3 想定される侵攻シナリオ 第4章 台湾はいかに守るか?――台湾防衛の実像 1 専守防衛への転換と戦略の調整 2 台湾を防衛する「中華民国」の軍隊 3 国家総動員体制 4 米国依存の軍事力整備からの脱却 5 中国の侵攻シナリオに対する軍事力 第5章 軍 事侵攻か? 平和統一か?――台湾統一への道筋 1 侵攻を決断する「好機」と「最後の機会 2 平和統一路線と台湾をめぐる正統性 3 戦わずして統一するアプローチ 4 武力が選ばれるとすれば――条件付きの将来戦 第6章 「台湾有事」は回避できるか?――抑止と危機管理のメカニズム 1 米中の思惑が交叉する台湾海峡 2 米台関係の実務と基盤 3 危機回避を支える国際関与 4 「台湾有事」と日本 終 章 台湾海峡の平和と安定 おわりに 主要参考文献 関連年表 -
埋もれ木の剣
異国船の来航により、二百年続いた鎖国体制が揺らぎつつある頃。 彦根藩井伊家の十四男・鉄之助は家督には無縁の冷や飯食いだが、 父・直中の期待を背負って幼少より学問と武術の習得に励んでいる。 そして、剣の師匠・河西精八郎の「剣と禅は同じ」という言葉の意味を知るために、 座禅と居合の稽古に熱中するのだった。 後に大老となって対立するものを弾圧したことで恨みを買い、 桜田門外の変で暗殺された井伊直弼。 居合の達人でありながら、なぜ最後まで剣を抜かなかったのか? その生涯の謎を解き明かす鍵は、「剣禅一如」の精神にあった―――。 大人気シリーズ『剣神』の岩室忍が描く、幕末新シリーズの開幕! 文庫書き下ろし。全四巻。 -
親日派-売国と愛国の韓国史
植民地時代の対日協力者で「売国奴」とされた親日派。 独立後の韓国は「反民族行為処罰法」を制定し多数検挙するが、反日闘士だった初代大統領・李承晩は事実上廃案にする。国家機能維持のためには親日派の協力が必要であり実利を取ったのだ。そのため戦後も政治や軍の中枢を親日派は占め続けた。 だが民主化後、親日派への批判が始まる。21世紀以降は、政治がその清算を強く求め、「日帝強占下反民族行為真相糾明に関する特別法」を制定、民間でも『親日人名辞典』アプリが配信されるなど、子孫を含めた糾弾が続く。しかし、その内実は現代政治に強く影響され 「政治カード」として大きく変質している。 一見すると明確な利益が見出せない問題に、なぜ韓国は1945年の「解放」から80年にわたって莫大な労力を割いてきたのだろうか。親日派から描く韓国近現代史。 -
和歌と権力 後嵯峨院時代と勅撰集の政治力学
なぜ誰もが勅撰集に歌が収められることを願ったのか―― 本書の主人公である後嵯峨院が何者かを知る人は少ないだろう。 天皇在位1242~1246、院政期1246~1272は、鎌倉幕府でいうと、 三代執権泰時から八代時宗に当たり、出来事としては承久の乱後、 御成敗式目制定後10年の時点から元寇直前までの間を指す。 本書では、この後嵯峨院が治天の君として君臨した時代を 日本史上空前の政治的安定期と目し、 政治と文化が融合した関係の全容を読み解きたい。 後世にまで影響をおよぼした、日本史の強固な地盤の一断面を明らかにする。 【目次】 序 章 古典とはこれ和歌なり 第一章 承久の乱後の政治と文化 第二章 後嵯峨院政の始動 第三章 御嵯峨院政の平和と古典的公共圏の成立 第四章 ポスト後嵯峨院時代の激動 終 章 後嵯峨院時代の余光 -
強権国家アメリカ 「トランプ革命」の衝撃
第二次トランプ政権の発足から一年。 「自由と民主主義」が揺らぎ、政府解体が進むアメリカの現状を150人以上の証言で描く。 議会・司法軽視の政権運営、脅かされる「言論の自由」、 社会から失われる寛容性、関税措置による負の影響……。 壊れゆく大国の行方を探る。 【目次】 はじめに 第1章 強まる大統領の権力──強行される「政府解体」 第2章 議会・司法軽視の政権運営──民意は生かされているか 第3章 揺らぐ「言論の自由」──脅かされる民主主義の根幹 第4章 危機にさらされる「多様性」──激化する「文化戦争」 第5章 壊れる移民国家──「寛容な国」の変貌 第6章 険しい製造業復活の道のり──関税措置による負の影響 おわりに -
わが父・夢野久作 増補完全版
「龍丸、よく覚えておけよ」――息子が秘話満載で綴る鬼才の素顔 *** 杉山茂丸を父に持ち、探偵小説界で名を成すも急逝した作家・夢野久作はどのように考え、生きたのか? 定評ある回想記(初刊1976)に、初書籍化作品を大幅増補し、著者による久作関連文章をほぼ網羅した完全版。 【夢野久作 没後90年記念企画】 本文より―― この『わが父・夢野久作』を書くと、杉山茂丸と、夢野久作は、生れは違いましたが、生涯は、父と子というより、全く表裏のように、ぴったりとなって、生き、そして、杉山茂丸の死後の始末が完了したのを見て一年たたない内に死んでしまった事で、この二人は切り離しては理解出来ないことになります。(……) 私は、父と子であった、私と夢野久作の間にあった、本当のことをここに書きました。 -
平野レミ大百花
好きなようにやって、ダメだったらやめればいいや。そんなふうに生きてきました。ま、ケセラセラ、ね! おてんばな少女時代から、歌手デビュー、夫・和田誠さんとの出会い、「シュフ料理」誕生……波瀾万丈な人生をユーモアたっぷりに語り尽くす。読売新聞の好評連載「時代の証言者」を大幅加筆、「55の質問」を増補。レミさんはじめての自伝。 目次 Ⅰ おてんば少女のルーツ Ⅱ 歌とラジオと青春と Ⅲ シュフ料理の誕生 Ⅳ 好きなことを続ける幸せ レミさんへの55の質問 ――一番のお気に入りレシピは?/自分を食材にたとえると?/初恋はいつ、どんな人?/尊敬する人は?/生まれ変わるとしたら何になりたい?/怖いものはありますか/死についてはどう思っていますか……など -
昭和天皇 増補版 「理性の君主」の孤独
新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。 しかし、時代はそれを許さなかった――。 本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に着目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。 そしてそれは天皇の実際の振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたのか――。 旧版刊行後の約15年で、新たに発見・公開された重要史料や史実を増補。 はじめに 昭和天皇の実像とは あくまで実証的に 思想形成過程に注目 第一章 思想形成 一 東宮御学問所 生い立ち 東宮御学問所に進学 杉浦重剛の倫理学杉浦の天皇観・国家観 白鳥庫吉の歴史 清水澄の法制経済 二 訪欧旅行 発端 宮中の職制と元老 外遊の成功 三 摂政就任「君臨すれども統治せず」 神格化を否定 皇室改革に意欲 研修活動 立作太郎の外交史 清水澄の憲法進講 明治天皇について学ぶ 生物学を趣味とする アイドルとなる 牧野伸顕の内大臣就任 政治思想の確立 第二章 天皇となる 一 田中内閣への不信 施政方針を明示 直訴頻発の意味 当時の日課 田中義一首相への不信 優諚問題 中国の主権を尊重 即位大礼 剛毅な昭和天皇像の誕生 二 首相𠮟責事件張作霖爆殺事件 つのる田中首相への不信感 昭和天皇の政党政治観 張作霖事件の進展 𠮟責を決意ついに田中を𠮟責 昭和天皇の発言 田中𠮟責の意味 道徳的な政党政治を追求 三 ロンドン海軍軍縮条約問題 浜口を激励 反撥する軍令部 鈴木侍従長の対応 統帥権干犯問題 加藤軍令部長の辞意 右翼の宮中 側近攻撃 徳治主義の発露 クーデター未遂 第三章 理想の挫折 一 満洲事変 不拡大方針の挫折 最善を尽くしたか 揺らぐ昭和天皇の権威 連盟との対立を心配 犬養内閣の成立桜田門事件 「日支親善は出来得るや」 心労たまる昭和天皇 二 五・一五事件 政党政治を見放す 秩父宮との対立 連盟脱退へ 本庄侍従武官長の登場 なお協調外交を追求 軍の政治化に批判的 満洲問題 三 天皇機関説事件と二・二六事件 天皇機関説事件 在郷軍人会パンフレットを批判 孤立した昭和天皇 対中融和を追求 牧野内大臣の引退 二・二六事件勃発 即時鎮圧を決意 陸軍 への怒り 本庄武官長辞職 近衛首相に期待 第四章 苦悩の「聖断」 一 日中戦争 盧溝橋事件の勃発 対応の誤り やつれる昭和天皇張鼓峰事件で陸軍と対立 長期化する日中戦争 二 防共協定強化問題 念書を書かせる ノモンハン事件と天津租界封鎖問題板垣陸相に激怒 陸相人事に注文 首相の人選を主導 ドイツの快進撃に幻惑される 第二次近衛内閣の成立 三国同盟を容認 三 太平洋戦争開戦 日米交渉に期待 武力行使を強く否定 御前会議で異例の発言 開戦を決断 早期終結を指示 戦況の悪化を懸念 支持を失う東条首相 四 終戦の「聖断」一撃講和論をとる 早期講和論に転換 ポツダム宣言 一回目の「聖断」 昭和天皇の決断 二度目の「聖断」 「聖断」の意図 第五章 戦 後 一 退位問題 東条に責任を転嫁したか マッカーサーに責任を認める 免責への動き 世論の動向 「人間宣言」 新憲法の制定 『独白録』の意味 退位論 退位せず 改憲再軍備と政治関与 留位の副産物 戦後巡幸 皇居再建の道のり 二 講和問題と内奏 新憲法下の天皇 一九四七年九月の発言 講和問題との関わり 戦後の内奏 内奏継続の意味 三 「拝聴録」への道 後半生の主題は戦争責任 世論調査に見る昭和天皇 二度目の訪欧 沖縄への関心 訪米 中国への謝罪 植民地支配への反省 「拝聴録」作成へ 厭世的になる 崩御 おわりに 理想実現に尽力 旧憲法と国民に裏切られる 君主としての責任を自覚 戦争責任と向き合う 昭和天皇についての研究史 参考文献目録 あとがき 人名索引 -
数の生い立ち・図形のふしぎ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人間が数を数えられるようになった時代から、整数の計算の規則を考え出し、負の数、分数、小数、無理数、複素数を考えるにいたるまでの歴史をたどる「数の生い立ち」。 多数の図版やエピソードを交え、図形の性質をわかりやすく説明する「図形のふしぎ」。 よく知られている数学の規則が、なぜそう定められたのかをやさしく解説し、「知っている」が「わかる!」に変わる、2冊の名著を合本。 おとなもこどもも区別なく、苦手意識を払拭し、算数や数学の面白さに出会える本。 *――――――――*――――――――*――――――――* 冨島佑允さん 推薦!! (『数学独習法』著者) 「ゼロ(0)」が発明される以前、古代文明では大きな数をどうやって表していたか? 「2」までしか数えられない部族の村では、「20日後にお祭りがある」ことをどうやって村人に伝えるか? 平面を隙間なく埋め尽くせる正多角形は三、四、六角形だけなのは何故か? ……こうした本質に迫るシンプルな問いかけに、脳の眠っていた領域が呼び起こされる思いがしました。 著者の矢野健太郎氏は、東京工業大学の教授を務めた数学者であると同時に、数学の教科書や啓蒙書の執筆を多く手がけた教育者でもあった人物で、日本の数学教育への貢献により天皇陛下から褒章を授与されています。 それほどの人物の代表作の1つが本書です。 小学生にも分かるような平易かつ丁寧な解説で、数学における「ものの考え方」が身についていきます。 その語り口は軽快でユーモアに富み、読者を飽きさせません。まるで氏の名講義を直接聞いているよう。 前提知識なしで読めるので、学生時代に数学が苦手だった紳士淑女の皆様、ぜひ本書で数学の魅力を発見して下さい! -
文章作法 小説の書き方
・直木賞作家が、自作にもとづいてやさしく解説する、実践的文章読本。 ・著者は、講談社フェーマススクールズ文芸講座、読売文化センター小説講座の講師を20年にわたり務めてきた。 ・小説講座をそのまま紙上再現する構成で、具体的かつ実践的内容。 ・詩作から私小説、戦場小説、時代小説、また戦記文学と、著者の執筆経験にもとづいた、ジャンル別解説。 ・例文はすべて、著者の実作品に拠っている。小説入門としてのみならず、著者の多彩な作風を一望できる「伊藤桂一読本」でもある。 ・巻末には、池波正太郎との対談「捕物小説あれこれ」を増補、池波式小説作法との比較も面白い。 -
陸軍士官学校事件 二・二六事件の原点
陸軍士官学校事件はクーデター企図事件で、1934年11月に発覚し、関係者逮捕でひとまず終結した。 二・二六事件の前史として扱われており、この後、真崎更迭事件、相沢事件へと続く一連の流れの劈頭をなすものだ。 昭和史の動きを捉えるために重要な事件であるにもかかわらず、非常時日本に頻発したテロ、クーデターのなかでは、従来、ごくマイナーな位置づけであった。 この事件は陸軍士官学校の中隊長であった辻政信大尉(統制派)が、参謀本部の片倉衷少佐らとともに画策したとされる。 対立していた皇道派の村中孝次(陸軍大学校学生)、磯部浅一(一等主計)に陸士候補生(陸軍士官学校生徒のこと)をスパイとして送り込み、クーデター計画が存在するとして、深夜、陸軍次官のもと駆け込み逮捕させた。 村中と磯部は結局、免官となる。 この事件は実に奇妙なものであり、陰謀的な面がきわめて強い。 デッチ上げといわれる場合もあるが、それなら何故、陸軍次官まで動いたのかなど謎に満ちている。 それゆえ、実証的検討作業が遅れたことは、事件の解明を妨げてきた理由としてある。 実際、関係者の軍事裁判の過程では怪文書も多く飛び交い、皇道派・統制派の暗闘のなかで、事件そのものと事態収拾が進んでいった。 いずれにせよ、「陸士事件なくして二・二六事件はなかった」といわれるほど、昭和維新史上で重要な事件であるにもかかわらず、今日まで陸軍士官学校事件を扱った単著はおろか、専門的研究論文も存在していなかった。 本書は昭和史の第一人者が、この事件の実像に迫った本である。 事件関係者への聴取記録など基礎史料を渉猟したうえで、昭和史叙述で欠落していた部分を埋めた第一級の労作といえよう。 時々刻々で事件の流れと人の動きを捉え、ときにドキュメンタリータッチも交えて描かれる一方で、本書は、事実と推測を画然と分けて記す姿勢を通して実証史学の骨法を明らかにしている。 本書のもう一つの特徴は、事件そのものを扱うとともに、事件の背景についても筆を費やしているところだ。 陸軍士官学校事件は陸軍内の派閥闘争が深くからんで起きている。 いうまでもなくそれは皇道派・統制派の対立のことだが、著者は本書で、この対立の前史から説き起こしており、前身となる長州閥と薩摩閥について触れることも忘れない。 また、永田鉄山や東条英機らが関わった「バーデンバーデン盟約」にも筆は及んでいる。 昭和陸軍の主要人物が次々と登場して、事件の叙述に広がりを与えているのも、本書の魅力の一つだといってよい。 戦後も80年を数えたが、現在、憲法改正や安全保障問題などを論議するさい、わが国の過去を振り返る必要は絶えず生じている。 そのなかで、昭和陸軍暗闘史における異色の物語として、本書は、幅広い昭和史ファンの注目を集める本となるだろう。 そして、隠された昭和史の一面に始めて光を当てたという意味で、独自の価値を発信する本となるであろう。 -
雑草教室 図鑑が教えてくれない植物たちのひみつ
雑草について調べる「雑草サークル」を立ち上げた学生たちと植物学者の大学教授によるエッセイ風ミステリー。 本書で書かれている植物に関するデータは、実際の実験によるもの。研究などで解明されることのない“身近な疑問”について、学生たちが自ら試すことでたどり着いた「図鑑や論文では書かれることのない特性」を取り上げる。 ------ 植物図鑑に書かれていることは、 人間が限られた観察で書いているに過ぎない。 言わば、一方的な決めつけに過ぎないかもしれない。 図鑑に書かれた姿が、 「こうあるべき」と人間の勝手に過ぎないとしたら、 それに囚われることなく、自在に変化する雑草の、 何と自由なことだろう。(本文より) ------ 『生き物の死にざま』『はずれ者が進化をつくる』など数々のベストセラーで知られる人気生物学者が描く「雑草サークルミステリー」の世界へようこそ。 -
戦争と音楽 京極高鋭、動員と和解の昭和史
近代日本において、西洋音楽は「動員」と「和解」の2つの役割を担った。これを一身に体現したのが本書の主人公、京極高鋭である。京極は、戦前は国民精神総動員の方針のもとに作られた「愛国行進曲」のプロデュースを手がけ、戦後は東京オリンピックの開催に大きく関わった。祖父は初代東京帝国大学総長・枢密顧問官の加藤弘之、父は昭和天皇の侍医という名家。本人は幼少時、のちの昭和天皇の遊び相手でもあった。弟は喜劇役者古川ロッパである。白樺派の影響を受けて長じた「華麗なる縁の下の力持ち」京極の人生を通して、昭和史における動員と和解、日本が引き受けざるを得なかった矛盾を描く。 目次より はじめに 第一章 昭和天皇の「御相手」 一、洋学から洋楽へ 二、迪宮の「御相手」となる 第二章 華族は皇室の藩屏 一、学習院という学校 二、活動写真と戦争ごっこ 三、邦語部と柔道部 第三章 クラシック音楽との出会い 一、白樺派の影響 二、学習院音楽部 三、ミッシャ・エルマン、聞きのがすまじ 四、大学生活 第四章 音楽ジャーナリストになる 一、新聞記者になってはみたが…… 二、欧米音楽旅行 三、メニューインもフルトヴェングラーも――会見の様子 第五章 著作権問題、結婚 一、洋楽の普及発達のために 二、結婚と襲爵 第六章 「愛国行進曲」のプロデューサー 一、歌詞と曲の懸賞募集 二、「国民歌」の決定まで 三、普及徹底の方針と大ヒット 四、「愛馬進軍歌」 第七章 貴族院議員になる 一、子爵議員に当選する方法 二、「紀元は二千六百年」――「軍歌撰定普及業」者として 三、音楽新体制 第八章 戦時下の音楽はどうあるべきか 一、南方音楽政策 二、厚生音楽運動 三、被災と敗戦 第九章 戦後の音楽界で 一、戦争責任と戦後改革 二、華族の身分を失って 三、メニューイン、シゲティらの招聘 第十章 スポーツと音楽、そして大団円 一、国際スポーツ大会への関与 二、晩 年 おわりに 京極高鋭略年譜 京極高鋭著作目録 -
小泉八雲 ラフカディオ・ヘルン
「日本人以上に日本を知り、愛した」と言われる小泉八雲。 ギリシヤで生まれ、アイルランド、イギリス、フランス、アメリカ、仏領マルティニークを経て来日。 横浜、松江、熊本、神戸、東京を巡り、54歳で没したその全生涯を、直弟子が綴る伝記の決定版。 来日後、結婚して家族を持ち、日本の文化の真髄にふれて『知られぬ日本の面影』『怪談』『心』など数々の著作を紡ぎ出した姿が浮かび上がる。 著者は小泉家の協力のもと、国内外の資料を蒐集して本書を完成させた。 坪内逍遙、西田幾多郎らの序文、八雲夫人・小泉節子(セツ)の追懐談「思い出の記」を収録。巻末に年譜と索引を付す。 〈解説〉池田雅之 -
随筆 ふるさとの味
林檎は樹になったままがぶりとかぶりつき、苺は朝露に濡れたのをそのまま洗いもせず口へ入れる。鮭は漁れたてを素焼にして大根お しをそえて――。 明治時代の札幌に生まれ、上京のち作家デビュー。戦後は参議院議員として激動の時代を駆け抜けた著者。当時の女性たちが憧れたその人生に舌鼓を打つ珠玉の食エッセイ集を増補復刊! 【目次】 お重詰 しらうお さざえ さくら餅 あくまき 夏日新涼 巴里の秋 はつ雪の日 七面鳥 年始 スメヨーボ 雪山の味 トレドのお菓子 マシマロ 口腹の慾 身欠鰊のあめだき 朝鮮あざみと菊芋と 朝食譜 日本のビフテキ 精進料理 田舎家 タコ 四季に添うて 海鼠あり 蓬草紙 冬ごもり 舞踏会の花 サッテ 秋の味覚 春の献立 くき 美しきものは わが机 故郷の味 他人のほころび 大阪土産 きき酒 がらがら煎餅 七草艸子 もみじ菜 食味日記 家庭料理 五月の町 故園の果実 さとう 素顔 美味東西 秋果と女 伊勢の春 木の芽 よまき もろきゅう 味 味噌の味 つまみ喰い 味じまん (全56編) -
文品 藤沢周平への旅
私は長く、藤沢作品の一読者であったが、別段、作品がそのときどきの人生的テーマに解を与えてくれたことはない。教訓的作品として読んだこともない。覚えてきたのは、静謐な物語と文体が体内の深い部分に触れてくる感触である。空洞をふさいでくれるごときものを覚える折もあった。癒されていたのかもしれない。(本文より) 歳月が持つ哀しみ、自分なりの小さな矜持、人生への情熱、権力の抗しがたい美味と虚しさ、喪失感――時代(歴史)小説を舞台に、静謐な文体で人の世の「普遍」を描き続けた作家、藤沢周平。ノンフィクションの名手が、その人と作品の魅力に迫る。 -
カラダの知恵 細胞たちのコミュニケーション
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 ケガや病原菌からカラダを守り、他者の表情から瞬時に感情を読みとるヒトの細胞。 傷ついた患部に白血球はどう集まり、血小板は固まるのか。 他者への共感をもたらすミラーニューロンはどんなものか。 細胞たちのコミュニケーションには、人間社会にまさるとも劣らない大胆で精緻な仕組みが隠されている。 本書は体内で行われる37兆個に及ぶ細胞たちの情報伝達をわかりやすく解説。 人間のカラダに潜む知恵と不思議に迫る一冊。 ■□■目次■□■ 序章 細胞たちのコトバ―カラダの反応を支えるシグナル I 身体的コトバ 第1章 白血球をあやつるコトバ―惹かれて引かれる 第2章 重要なコトバのアラカルト―サイトカインと活性酸素とエネルギーと 第3章 細胞たちの指さし確認―安全確認システム 第4章 コトバの組み合わせ―自分と他人を区別する/色と形を知る II 心的コトバ 第5章 あなたの痛みがわかる―共感と模倣と創造と 第6章 暗示というコトバ―プラセボの効果 第7章 直覚のすすめ―ビビッ! とくる -
夢の上
※『夢の上』1~3、および『夢の上 サウガ城の六騎将』を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません※ この作品がなければ『レーエンデ国物語』は書けなかった――太陽のない王国に夜明けを夢見た人たちと、その夢を担い、光神サマーアを打ち砕いた太陽姫アライスの革命の物語。多崎礼が贈る極上のファンタジーシリーズ。全3巻に番外短篇集『サウガ城の六騎将』を加えた完全版。各巻書き下ろし短篇を収録 翠輝晶○小領主の娘が夢見たささやかな幸せ 蒼輝晶○すべてを手に入れた男がただ一つ他人に託した夢 紅輝晶○復讐を胸に決意して後宮に上がった娘の昏い夢 黄輝晶○夢見ることを恐れていた男が辿りついた想い 光輝晶○純粋であるがゆえに深く心を蝕む本能に近い願い 闇輝晶○誰の目に触れることもない暗闇に開く想い サウガ城の六騎将○シャローム、ハーシン……そしてアーディン。救国軍の礎となった六騎将、それぞれの物語 -
日米首脳会談 政治指導者たちと同盟の70年
日本の「参勤交代」「物乞い」とまで当初揶揄された日米首脳会談。 経済面での日本の台頭、米国の翳りから、貿易摩擦や安全保障問題を抱える関係、2国間を超えた国際社会でのパートナーへと変貌。 他国と比しても会談頻度は増している。 トップ同士の対話や人間関係は、何を生み、創ってきたか――。 本書は、米国14人、日本28人の首脳による約150回に及ぶ会談を追い、70年以上にわたる日米関係を政治指導者を通して描く。 【目 次】 まえがき 序 章 首脳会談とは何か―重層的な拡がり 第1章 「参勤交代」の時代―日米安保体制の成立 1 幕開け―吉田とトルーマン、アイゼンハワー 2 「日米新時代」と安保改定―岸とアイゼンハワー 3 「イコール・パートナーシップ」― 池田とケネディ、ジョンソン 4 沖縄返還と「密約」― 佐藤とジョンソン、ニクソン 第2章 首脳会談の定例化―冷戦と負担分担 1 大統領初来日とサミット体制―田中・三木とニクソン、フォード 2 ガイドラインと「同盟関係」―福田・大平・伊東・鈴木とカーター、レーガン 3 「ロン・ヤス」関係―中曽根とレーガン 4 昭和のおわりと冷戦の黄昏―竹下・宇野とレーガン、ブッシュ 第3章 同盟の漂流と再定義―ポスト冷戦と日米摩擦 1 「湾岸戦争のトラウマ」―海部とブッシュ 2 通訳不要の首相―宮澤とブッシュ、クリントン 3 北朝鮮核危機と経済摩擦―細川・村山とクリントン 第4章 蜜月と短期政権―「戦時の同盟」 1 アフガニスタン戦争とイラク戦争―小泉とブッシュ 2 不安定な日本政治―安倍・福田・麻生とブッシュ、オバマ 3 対等性の模索―鳩山・菅・野田とオバマ 第5章 安定政権の登場―自由で開かれた国際秩序を求めて 1 「希望の日米同盟」―安倍とオバマ 2 揺らぐ国際秩序―安倍とトランプ 3 「ハブ」としての日米首脳会談へ―菅・岸田とバイデン 終 章 変化する首脳会談と日米同盟 あとがき 付 録 日米首脳会談一覧(1951~2024年) -
十一郎会事件 梅崎春生ミステリ短篇集
「あんたには奇妙な味があるよ。」――江戸川乱歩 敗戦直後、「桜島」を始めとする兵隊小説で戦後派を代表する作家となった梅崎春生は、幼少期から探偵小説に耽溺し、実作も手がけた。 複数のアンソロジーに採用された、梅崎ミステリを代表するユーモアタッチの表題作。 元特攻兵の主題をハードボイルド的手法で描く「小さな町にて」。 戦後文学史上の奇書『柾它希(まさたけ)家の人々』の著者・根本茂男にまつわる実録「不思議な男」。 ほか、全集未収録作品を多数含む、さまざまな技巧を凝らしたミステリ短篇を初めて一冊にセレクトした文庫オリジナル。 〈解説〉池上冬樹 【目次】 Ⅰ 失われた男 小さな町にて 鏡 犯人 カタツムリ 師匠 Ⅱ 春日尾行 十一郎会事件 尾行者 不思議な男 留守番綺談 Ⅲ 鏡――「破片」より 侵入者 百円紙幣 (コラムより) 恐ろしさ身の毛もよだち…… 推理小説 『樽』――推理小説ベスト・ワン 好きな推理小説 -
私兵特攻 宇垣纒長官と最後の隊員たち
昭和・光と影 昭和20年8月15日夕刻、第五航空艦隊司令長官で沖縄特攻の責任者だった宇垣纒中将は終戦を知りながら、艦上爆撃機「彗星」11機を率いて大分海軍飛行場から出撃した。 敗戦を知りつつ、宇垣長官はなぜ自らの特攻を決意したのか。 11機を見送った人々、奇跡的な生還者たちの証言、回想をもとに明らかにされる《最後の特攻隊》の真相。 〈解説〉野村進 -
反=近代文学史
人間中心主義に抗う谷崎、乱歩、足穂、三島、澁澤らの作品を手掛かりに、「反近代」という視点で近代文学の再読に迫る。 既製文学史にアンチテーゼを掲げる文芸評論。 -
文章読本 文豪に学ぶテクニック講座
厳選した小説から織り込まれた言葉の技術を解析し、不朽の名作といわれる所以を探る。 また、文章読本の変遷を辿って近代文学の特異性を解読し、文章術の極意に迫る。 -
最後の審判 終末思想で読み解くキリスト教
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 世界の終末に神が人類を裁く「最後の審判」。 キリストが再臨して、天国で永遠の命をあずかる者と地獄へ堕ちて永遠の苦しみを課される者を振り分けるとされる。 西洋の人々にとって、希望の光であると同時に恐怖の源でもあった。 本書は、このキリスト教の重要主題をわかりやすく解説する。 死後の世界はどうイメージされたか。 罪は誰が裁き、どんな罰が与えられたか。 裁きに正義はあったか――。 多くの図版とともに読み解く。 -
戦後日本の宰相たち
第一線の研究者が、東久邇稔彦から竹下登まで17人の昭和の政治家の思想と行動を検証する歴代首相列伝。 戦後の占領期から昭和の終わりまで、「55年体制」下の日本の政治のあり方のほぼ全容を伝える。 日本の再建期を支えた指導者たちの功罪を振り返り、宰相の人物像を通して戦後の「国のかたち」を浮き彫りにする。 〈解説〉宮城大蔵 目次 東久邇稔彦――皇族のなかのリベラリスト 波多野澄雄 幣原喜重郎――「最後の御奉公」と新憲法草案 天川 晃 吉 田 茂 ――状況思考の達人 渡邉昭夫 片 山 哲 ――新憲法体制のトップランナー 福永文夫 芦 田 均――インテリの文人政治家 増田 弘 鳩山一郎 ――日ソ国交回復と憲法改正への執念 山室建德 石橋湛山――透徹した自由主義思想家 猪木武徳 岸 信 介――野心と挫折 北岡伸一 池田勇人――「経済の時代」を創った男 中村隆英 佐藤栄作――「待ちの政治」の虚実 高坂正堯 田中角栄――開発政治の到達点 御厨 貴 三木武夫――理念と世論による政治 新川敏光 福田赳夫――政策の勝者、政争の敗者 五百旗頭真 大平正芳――歳入歳出政治の問題提起者 村松岐夫 鈴木善幸――権力が求めた政治家 田中善一郎 中曾根康弘――大統領的首相の面目 草野 厚 竹 下 登――保守党政治完成者の不幸 久米郁男 執筆者紹介 文庫版あとがき 渡邉昭夫 解説 宮城大蔵 -
A君(17)の戦争
「君にさ、新しい魔王になってもらえないか、と思って」 ちんちくりんでいいところなしの高校二年生・小野寺剛士17歳。身を守るためなら恐怖と恨みをエネルギーに変える高速怨念増殖炉を内蔵する彼が、苛めっ子への復讐を果たそうとしたその時、白い閃光に包まれた! 転移したそこは、人族のランバルト国に侵攻されつつある魔族の国ブラントラント。魔王陛下の田中さんから次期魔王として魔王領総帥に任命された剛士は、ゴブリン、ヴェアウルフ、ヴァンピレラらの部隊を率い、劣勢の戦場へと向かうが……。 〈魔王〉となるべく異世界に召喚された少年の運命は!? 長篇ミリタリー・ファンタジー、待望の復刊! 特別寄稿:菅沼拓三「豪屋大介は何者か」収録。 -
平和と危機の構造
政治及び経済の秩序の問題についていくつかの理論を検討する際、常に歴史の光をあててみたい。 歴史抜きの理論は危険で、大体のところ害をなす―― 核と内戦、不安定化する国際金融、移民の増大と反発。我々は目の前の変化をどう捉え対処していくべきか、歴史的視野から考察する。 国際政治学の泰斗が最晩年に著した平和への指針。 はじめに 第1章 複合波としての歴史変動 第2章 核革命の意味 第3章 内戦の時代 第4章 冷戦後のヨーロッパ 第5章 自由貿易の理論と現実 第6章 「競争力」という妄想 第7章 相互依存とその危険 第8章 アメリカ衰亡論について 第9章 アジア・太平洋圏の台頭 第10章 アジア・太平洋圏のセントラル・バランス 第11章 文明間の摩擦・抗争・積極的変容 第12章 固定観念を避けて 解説中西 寛 -
臨済録
仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺せ。既成概念に縛られず、あえて斬り捨てて自由を得よ。動乱の河北地方に灰燼の中にぬっくと立ち上った臨済義玄の熱喝が千年の時空を超えて問いかける。威に拠らず、個々の人間主体を無条件に肯定し、その完全な発揮を求める。禅語録の最高峰を読み下し・原文・平易な口語訳・わかりやすい注釈で構成。関係人物在世年表・法系図付 目次 一仏法の相手 すずしい樹蔭 虎のひげ 二山奥に松を植える 三生き埋め 四若もの 五居ねむり 六泥棒の悪知恵 七一日にどのくらい食べる 八北方に持ちがいのある寺がある 九河南でなければ 一〇脱体制の聖者 一一三人の修行僧 一二二人のお客さま 一三施主の食事 一四臨済の小わっぱ 一五本もののロバ 一六普化の鈴 一七普化の別れ 一八何事もなかったと思わねばよいが 一九四つの場合 二〇丸木の柱 二一もち米 二二三つの方法と十二種の経典 二三答えても三十棒、答えんでも三十棒 二四千の手と千の顔 二五黄金の粉 二六世間のおきて 二七ダルマの墓 二八仏法の相手 二九よもぎの枝でなでてもらうように 三〇杏山との対話 三一二はい目のよごれ水 三二禅板と蒲団 三三径山の五百人の僧 三四ひとりもやりすごさぬ 三五維摩と傅大士 三六家と過程 三七渾崙の山 三八弟子を認めず 三九正直な考え 三つの仏身 眼に出ると見るという ヤージュニャダッタ 四〇何事もないのが高貴のお方だ 心の根本真理 四一本ものの出家 四二仏を説き伏せよ 禅宗の考え 四三名目にとらわれてはならない 四つの変わりようのない境地 四四四つの要素を使うもの 五台山に文殊はいない 四五自から信ぜよ 一人前の男 四六三種の明るい眼の浄土 偉大な友人 何を修理するのか 四七悟りは自由の条件にすぎない 六つの神通力 師家と弟子と 戒律も経論も一時の応急手当て 物にたよらないでやって来い すでに起こった事は気にかけるな 菩提樹と無明樹 主と客の四つの出会い まっくらがりでそれ自から光るもの 修行者の三つの型 おらが仏法 衣裳についてまわるな 早口競争は仏法と何のかかわりもない 四八祖師や仏の師となる 四九光をはねかえして逆に相手を照らせ 五〇大通知勝仏という仏 奈落の底におちる五つの罪 五一無明は父である 文殊はゴータマを殺そうとした 正直な考えだけを求めよ 何かを説きたてたらもうすかたんだ 五二竜光をたずねる 五三黄檗を背負う 五四大慈との対話 五五襄州華厳をたずねる 五六ある尼僧との対話 五七翠峯との対話 五八象田との対話 五九明化との対話 六〇どちらへ行かれる 六一鳳林との対話 六二金牛との対話 関係人物在世年表 法系図 解説『臨済録』と『歎異抄』 柳田聖山 索引 -
テックラッシュ戦記 Amazonロビイストが日本を動かした方法
重要業務を担う“謎”の部隊は何をしているのか? 著者はキャリア官僚からビッグテックへの転職を先駆けたアマゾンの最古参ロビイスト。15年間の活動で痛感させられた政財官の「弱点」とは? 外資にあって国内企業に決定的に欠落する、岩盤規制を打ち砕くための戦術と哲学とは? 「反・巨大IT」の逆風や規制強化にどう対処してきたのか? GAFAMが生まれない日本のボトルネックがここにある。 はじめに――霞が関を経てアマゾンで学んだこと 第1章 テックラッシュに向き合う 第2章 知られざるロビイングという重要機能 第3章 アマゾンのロビイング 5つの思考法 第4章 岩盤を打ち砕く戦術と哲学 第5章 ロビイストから見た日本の弱点 第6章 ポスト・テックラッシュ時代の日本 おわりに――人工知能技術によって公共政策業務をスマートにできるか -
バルザック
『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた人間の魅力をあますところなく描き切った本格評伝。 【目次】 第一篇 青春と初舞台 第一章 少年期の悲劇 第二章 運命への早まった問いかけ 第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場 第四章 ベルニー夫人 第五章 商業的幕間狂言 第六章 バルザックとナポレオン 第二篇 仕事部屋のバルザック 第七章 三十男 第八章 書斎のうちとそと 第九章 カストリー侯爵夫人 第十章 バルザック自己の秘密を発見す 第三篇 小説を地で行く 第十一章 未知の女 -
厚生労働省の大罪 コロナ政策を迷走させた医系技官の罪と罰
総理が命じても必死でPCR検査を抑制。執拗に感染者のプライベートを詮索。世界の潮流に背を向け、エアロゾル感染は認めない……。いまとなっては、非科学的としか思えないあの不可解な政策の数々はなんだったのか。だいたい、あの莫大なコロナ関連予算はどこに消えたのか。新型コロナは、日本の厚生行政とムラ社会である医療界が抱えてきた様々な問題を炙り出した。医療界きってのご意見番が、日本の厚生行政に直言する! -
時刻表昭和史 完全版
昭和二〇年八月一五日正午という、予告された歴史的時刻を無視して、日本の汽車は時刻表通りに走っていたのである(本文より)。昭和八年、ハチ公がいた渋谷駅、一六年、「不急不要」の旅が禁じられた中学生の夏、そして二〇年八月、駅で聞いた玉音放送――歴史の節目はいつも鉄道とともにあった。関連エッセイ、北杜夫との対談を増補した完全版。 (目次より) 第1章 山手線――昭和8年 第2章 特急「燕」「富士」「櫻」――昭和9年 第3章 急行5列車下関行――昭和10年 第4章 不定期231列車横浜港行――昭和12年 第5章 急行701列車新潟行――昭和2年 第6章 御殿場線907列車――昭和4年 第7章 急行601列車信越本線経由大阪行――昭和16年 第8章 急行1列車稚内桟橋行――昭和17年 第9章 第1種急行1列車博多行――昭和19年 第10章 上越線701列車――昭和19年 第11章 809列車熱海行――昭和20年 第12章 上越線723列車―一昭和20年 第13章 米坂線109列車――昭和20年 増補(戦後篇) はじめに 第14章 上越線708列車――昭和20年9月 第15章 弘前駅、一ノ関駅――昭和20年秋 第16章 熱海にて――昭和21年 第17章 松江へ――昭和22年8月 第18章 東北本線103列車――昭和23年4月 増補版・あとがき 巻末付録 古い時刻表を読む 自作再見『時刻表昭和史』 それぞれの汽車旅 北 杜夫/宮脇俊三 時刻表昭和史関連年譜 -
忘れられたBC級戦犯 ランソン事件秘録
戦争の過酷さは“戦後”も続いていた。1945年3月、日本軍が仏領インドシナ北部の町で300人を超える捕虜を殺害したランソン事件。その6年後、戦犯裁判を経て、捕虜殺害という上層部の命令に従わざるを得なかった4人の将校が銃殺刑に処された。その一方、捕虜殺害の命令者が罪に問われることはなかった。命令を拒むという選択肢があり得ない日本軍にあって、罪を負うべきはいったい誰だったのか。無謀な作戦、敵味方を問わない人命の軽視、曖昧な責任の所在、個人と組織の間に生じる相克……。知られざる事件の顛末と、裁きを受けた将校たちの思索を手掛かりに日本人が避けられない問題に向き合う歴史ノンフィクション。梯久美子氏、推薦。 -
パラドックス戦争
埼玉と神奈川で、連続無差別通り魔事件が発生。それぞれの犯人は逮捕直後に急死したが、身に着けていたデバイスにより遠隔操作を受けていた痕跡が見つかった。 その頃、米中ソでは、政府高官や軍のトップに対し核攻撃を匂わせる脅迫状が届いていた。受信経路とその内容からAIの暴走が疑われ、デフコン3が発令。世界に緊張が走った。 そして21世紀末の火星――。ロゼッタ渓谷の底で発見されたのは、溶岩チューブを利用した正体不明の遺跡だった。入念な準備の末、内部調査で見つかったのは……。 謎が謎を呼ぶ怒濤のSF開幕! -
格上の日本語力 言いたいことが一度で伝わる論理力
「言いたいことを上手く伝えられない」「相手に誤解されてしまう」……そんな悩みを抱えるあなたも日本語の構造や特徴さえ押さえれば、話の筋はクリアに、「頭がよく」見えるようになる! 「文章を短く区切って、大事なことから」「事実と非事実を分ける」「『論理的相槌』を打つ」等々の齋藤式メソッドを身につければ、真意が十分に伝わり、人間関係や仕事がスムーズになる。『言いたいことが一度で伝わる論理的日本語』を増補した決定版。 ○漢字は一語で意味を表せる便利な言葉。漢字熟語を上手に使うことで、複雑な内容を要領よくシンプルに、しかも効果的に伝えることができる。 ○漢文や英語などの外国語は大変論理的な構造をもっている。そこで、やさしい英語の構文を例にとり、論理的な話し方に有効なポイントをあげて、日本語に応用できるようにする。 ○数学の考え方は、あいまいさを排除して、物事の起点と終着点、プロセスを明快にするために有効。また、条件や関係性を図やグラフで示せば、言葉を尽くして説明するよりも一目瞭然。 -
人間ドックの作法 心構え、受けるべき検査、検査結果の見方など、丸ごと徹底解説
現役医師YouTuberによる「人間ドックの正しい使い方」。『予防医学ch/内科医監修』の管理人であり、ベストセラー『40歳からの予防医学』著者でもある森勇磨氏の最新書下ろし。 「あなたは何のために人間ドックを受けていますか?」 ――人間ドックを「ただ受けただけ」で終わらせてしまわないために、年に一度の健康チェックを完璧に使いこなすワザ、満載です。 人生100年時代、ずっと体に異常が生まれない人は稀です。「体のどこに不調をきたす可能性があるのか」「病気のもとは無いのか」を知るには、定期的なチェックが欠かせません。そのために存在するのが健康診断、そして人間ドックです。“人間ドックを制した者が、人生後半の健康生活を制す”とも言えます。 結果が「A」だった、「C」だったなどと一喜一憂して終わりではありません。きちんと検査結果の数値を見て、今後気を付けるべき点を知り、改善を行うことが必要です。それが正解か否かは、次の検査の時に判明します。 とはいえ、たくさんの検査項目が示され「どこをどう見れば良いのかわからない」という人もいるでしょう。また、人間ドックを受けたことのない人は「当日どんなことが行われるのかわからなくてこわい」という人もいるでしょう。本書では、人間ドックについて「わからない」ことを、一つ一つ丁寧に解説することで、安心して的確に受けるコツを収録しました。受けたことのある人も、これから受けようか迷っている人も、必読の一冊です。 -
俳句とあそぶ法
俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ!――俳人・夏井いつき推薦!! 「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。 曰く――、 『俳句は自然を詠むもの、俳句は写生だ』 藤・牡丹・菖蒲・芍薬のどれが先に咲きますか? これ分からない植物音痴の人は多い。俳句は自然を詠むもの。写生こそ俳句とは言うが、自然が詠み難ければ人事句から始めると入り易い。例えば雛祭、白酒、受験、卒業……。 『5・7・5がルール』 字余り、字足らずの破調は原則として避けるべし。破調はホントにやむを得ない時に限る。破調にも限界がある。「分け入れば水音(山頭火)」「咳をしても一人(放哉)」こんなのは俳句じゃない。 『ふりがなは、極力さける』 ルビは必要最小限度にとどめるべきである。ルビなしでは正しく読んでもらえない字句で、漢字を用いない限り意味が汲み取れなかったり、誤解を招いたりする場合だけ、よんどころなくルビを付ける。娘(こ)、亡父(ちち)、女(ひと)などは、絶対に使わないこと。 『自分なりの句風の確立』 名句を、世間の評価にとらわれずに、好きな句、嫌いな句に分ける作業をする。そのうちに、自分の句風の確立に役立つ。 昭和の俳句ブームを牽引した画期的な俳句指南の書、待望の復刊! -
作家の証言 四畳半襖の下張裁判 完全版
「ワイセツとはなにか」 猥褻文書摘発事件に一流作家が集結 圧巻の証言集を開廷50年目にして復刊 〇被告人 野坂昭如 〇特別弁護人 丸谷才一 〇証人 五木寛之、井上ひさし、吉行淳之介、開高健、中村光夫、金井美恵子、石川淳、田村隆一、有吉佐和子 発禁となった短篇「四畳半襖の下張」、栗原裕一郎による書き下ろし解説を収録した完全版 丸谷才一 「後世、四畳半襖の下張裁判とは何であつたかを概括する史家は、まづ何よりも、それが日本最初の、日本文学に関する文芸裁判であつたことを言はなければなるまい」 野坂昭如 「人間の精神的営みは、どのような存在からも自由であること、その当然の帰結として、『四畳半襖の下張』という小説が、どのような意味、見地からも猥褻文書に該当しないことを、主張しつづけます。一小説家として、また一人の人間として」 井上ひさし 「これはもうほんとうに、わかんないなら実はおれが書いたと言いたいくらすばらしい作品ですね」 石川淳 「『古事記』以来、やはりこれは神事にはそういう男女のことが関係するというならわしの(中略)その「おまつり」の儀式です、『四畳半……』に書いてあることは」 有吉佐和子 「小説書きというのは、私もそうですけれども、好奇心は人一倍強いわけで、野坂さんは牢屋に入るということは欣喜雀躍として入るんじゃないかと。私はそれをたいへん心配しております」 -
文城 夢幻の町
生まれたばかりの娘を置いて、妻はどこへ消えたのか――。世界が新作を待ち望む作家、余華の8年ぶりの長編。 20世紀初頭の清末民初、匪賊が跋扈し自然災害が襲う混迷の時代、林祥福は、兄とともに南方の町「文城(ウェンチョン)」からやって来た女・小美を妻にする。束の間の幸せが訪れたが、小美は生まれたばかりの娘を置いて姿をくらましてしまう。林祥福は娘を連れて妻の故郷を探す旅に出るが……。人災と天災、過酷な運命に翻弄され、それでも強く生きていく人々を描く大河巨編。 中国で100万部突破! 余華が20年あまりの歳月をかけて書き上げた、世界的ベストセラー『活きる』の前史。 「この儚くも強靭な人生を見よ! 作家として嫉妬し、いち読者として感嘆し、中国にルーツを持つ者としての誇らしさが止まらない。」東山彰良氏推薦 -
鍵盤の天皇 井口基成とその血族
帝王カラヤン、獅子王バックハウス……。そして日本には、「天皇」と呼ばれる音楽家がいた。井口基成。16歳でピアノを始めるという晩学ながら、東京音楽学校(現・藝大)を首席卒業、パリに留学し、帰国後は男性ピアニストの先駆者、母校の教授として第一線で活躍。戦後は、斎藤秀雄、吉田秀和らと「子供のための音楽教室」を立ち上げ、桐朋学園大学へと発展させる。さらに楽譜校訂者として、古今のピアノ曲を網羅する『世界音楽全集』全49巻を編纂した。長く演奏と教育を両立させ、同じくピアニストの妻秋子、妹愛子と併せ、門弟は3000人を数え、内外のコンクールを席捲する一流演奏家を輩出。ピアノ界のみならず音楽界に、今に至る多大な影響力を及ぼした。いっぽうで、酒と美食に明け暮れ、スキャンダラスな私生活、体罰も厭わぬ指導など、負の側面も併せ持つ。取材は20年におよび、すでに故人となった関係者からも貴重な証言が語られている。この巨人の全貌にはじめて辿り得た渾身の評伝ノンフィクション。 -
談志受け咄 家元を笑わせた男たち
センスに惚れた。笑わせられた。この談志を客に選びやがった――愛嬌と哀愁が漂う任侠の男・落田八郎。不思議な天才ウエスタン歌手・ジミー時田。そして親友・毒蝮三太夫。人生の師匠に捧げた『酔人・田辺茂一伝』に続き「書き残しておきたい」と綴られた、三人の友への家元流ラブレター。〈解説〉毒蝮三太夫 -
世界の中心で馬に賭ける 海外競馬放浪記
「自分がこれだけたくさん海外の競馬場に行くことになろうとは、当時全く考えていなかった。この本を書くにあたって改めて数えてみたところ、150近い競馬場を訪れていた。生きているうちに、少なくとも200場は超えようと思っている」(「はじまりは香港・沙田競馬場」本文より) グリーンチャンネルやBS11の競馬番組、ペーパーオーナーゲームの”赤本”『POGの達人』でおなじみの競馬評論家が、約30年をかけて訪れた、アジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパ、アメリカの150近い競馬場の中から、記憶に残る63場を紹介。 海外のG1が開催される憧れの競馬場から、1年に1日しか開催されない砂浜の競馬場、そして、今は存在しない廃止場・休止場まで--。 馬と競馬を愛する全ての人に贈る、350枚の写真と共に綴る旅エッセイ。 -
40周年記念 コボちゃん傑作選
(ほぼ)365日、描き続けて40年 一般全国紙最多記録にも輝くタバタ家の日常を、選りすぐりでお届け! 1982年に読売新聞で連載がスタートした「コボちゃん」。時代の流れに時に翻弄されつつ、日々ユーモアのこころを絶やさず暮らすタバタ一家。1万4,000回を超える作品の中から、笑いと感動を伝えるものをピックアップ。 植田先生のインタビューや歴代担当記者の座談会も交えつつ、ボリューム満点でお届けします!
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